JPH05328561A - 屋内配線方法及び通信線及び屋内線路 - Google Patents

屋内配線方法及び通信線及び屋内線路

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JPH05328561A
JPH05328561A JP15436892A JP15436892A JPH05328561A JP H05328561 A JPH05328561 A JP H05328561A JP 15436892 A JP15436892 A JP 15436892A JP 15436892 A JP15436892 A JP 15436892A JP H05328561 A JPH05328561 A JP H05328561A
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JP
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tube
communication line
conductive
indoor
wire
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Application number
JP15436892A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Sano
裕昭 佐野
Shigeru Tanaka
茂 田中
Yasuo Kanda
泰夫 神田
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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  • Shielding Devices Or Components To Electric Or Magnetic Fields (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 布設作業が容易で、かつ伝送特性に優れた通
信線路を構築する。 【構成】 建物の屋内において、端末装置3、4やコン
ピュータ5などが設置され、または設置予定の場所を結
ぶように、予めチューブ1を布設しておく。布設される
チューブ1は、電気的に閉じた遮蔽層を有している。送
通する導電通信線2には、遮蔽層のない銅撚り線を用い
る。チューブ1中に、導電通信線2を通す場合は、チュ
ーブ1の一端から気体を送り、気体の流れに乗せて導電
通信線2を送り込むことにより行なう。送通された導電
通信線2は、それぞれ端末装置3、4、コンピュータ5
などの所望の機器と接続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インテリジェントビル
や、オフィスビル等、多くの導電通信線を用いる屋内配
線網を構成するために用いられる屋内配線方法と、配線
される通信線、及び屋内線路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】情報関連機器の発達とともに屋内配線網
の整備が進み、特に、インテリジェントビル等では、高
度な屋内配線網の構築が行なわれている。屋内配線網に
は、通常、電気信号および電力の供給を目的とする銅配
線系が用いられている。この銅配線系においては、情報
機器との接続は容易であるが、電気信号を伝送するため
に用いられる通信線においては、比較的高い周波数の電
気が流れるため、電磁誘導によって、漏話や混線が発生
するという問題がある。これを防ぐため、通信線には、
同軸ケーブルのような、遮蔽層を有するケーブルが使用
されている。
【0003】従来、遮蔽層を有する銅通信線は、剛直で
扱い難い一連長のケーブルとして布設している。そのた
め、作業性が悪く、特に、長いケーブルを引き回す場合
に問題があった。また、このようなケーブルは、曲げ径
が大きくなり、搬送時に嵩が大きくなり、この点でも作
業性が悪いものであった。さらに、このようなケーブル
は、漏話などの問題がない末端側でも、同じ構造のまま
で用いており、空間効率が悪かった。
【0004】近年、細径で作業性の良い遮蔽層を持たな
い銅撚り線集合型のケーブルが利用されつつある。例え
ば、「インテリジェントビルの構築を目指して」(平成
2年7月)電気通信協会発行、第161頁には、対形屋
内線の例が示されている。
【0005】このような、遮蔽層を持たず、剛直な被覆
のない通信線は、フロア内や分配盤付近など曲がりの多
い箇所で布設を行なうと、対となっている銅線間の距離
や、対間の角度が変わり、漏話特性が悪くなることが多
かった。
【0006】一方、光ファイバの布設技術として、あら
かじめ布設しておいたチューブに気体の流れによって、
光ファイバを布設する技術が開発されており、例えば、
特公平2−22921号公報などに記載されている。し
かし、この布設方法は、光ファイバについて開示されて
いるのみであり、導電通信線の布設、特に遮蔽層を持た
ない銅撚り線の布設について、上述のような問題を解決
すべき方法については開示されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の問題
点を解決するためになされたもので、導電通信線を用い
て、布設作業が容易で、かつ、伝送特性に優れた通信線
路を構築することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、請求項1に
記載した発明においては、屋内配線方法において、閉じ
た電気的遮蔽層を有するチューブを布設した後、該チュ
ーブ中に、遮蔽層を持たない1対または2対以上の導電
撚り線からなる少なくとも1条の通信線を、気体の流れ
に乗せて送通し、通信線を布設することを特徴とするも
のである。
【0009】また、請求項2に記載した発明において
は、請求項1に記載の屋内配線方法において、チューブ
として、導電材料と絶縁材料を貼り合わせたラミネート
テープを管化した構造のものを用いることを特徴とする
ものである。
【0010】請求項3に記載した発明においては、請求
項1に記載の屋内配線方法において、チューブとして、
絶縁材料からなるチューブの周囲に導電層を有するテー
プを縦沿えまたは螺旋状に巻き付けて遮蔽層を構成たも
のを用いることを特徴とするものである。
【0011】請求項4に記載した発明においては、請求
項1に記載の屋内配線方法において、チューブとして、
金属管または被覆金属管を用いることを特徴とするもの
である。
【0012】請求項5に記載した発明においては、閉じ
た電気的遮蔽層を有するチューブと合成樹脂製のチュー
ブとを混在して布設した後、該チューブ中に、遮蔽層を
持たない1対または2対以上の導電撚り線からなる少な
くとも1条の通信線を、気体の流れに乗せて送通し、通
信線を布設することを特徴とするものである。
【0013】請求項6に記載した発明においては、通信
線において、複数対の導電線が介材の上に撚り合わされ
ていることを特徴とするものである。
【0014】請求項7に記載した発明においては、請求
項6に記載の通信線において、撚り合わされた複数対の
導電線が、さらにその外側をテープで巻かれていること
を特徴とするものである。
【0015】請求項8に記載した発明においては、請求
項6に記載の通信線において、撚り合わされた複数対の
導電線が、連続的または間欠的にその配列を固定する固
定材により互いに固定されていることを特徴とするもの
である。
【0016】請求項9に記載した発明においては、請求
項6乃至8に記載の通信線において、介材が弾性体で構
成されていることを特徴とするものである。
【0017】請求項10に記載した発明においては、請
求項6乃至9に記載の通信線において、介材が、一部ま
たは全長にわたりその周囲に撚り合わされた銅線の脱離
や移動を防ぐためのへこみ溝を有することを特徴とする
ものである。
【0018】請求項11に記載した発明においては、請
求項6乃至10に記載の通信線において、介材の大きさ
が、撚り合わされた銅線の作る空間より、わずかに小さ
いことを特徴とするものである。
【0019】請求項12に記載した発明においては、請
求項1乃至5に記載の屋内配線方法において、請求項6
乃至11に記載の通信線を導電撚り線として用いること
を特徴とするものである。
【0020】請求項13に記載した発明においては、屋
内線路において、閉じた電気的遮蔽層を有するチューブ
と、該チューブ中に導電撚り線が収納される屋内線路で
あって、空気の流れにより導電撚り線がチューブ内で動
き得るだけのチューブと導電撚り線の間隙が存在するよ
うに構成されていることを特徴とするものである。
【0021】請求項14に記載した発明においては、請
求項13に記載の屋内線路において、導電撚り線が、請
求項6乃至11に記載の通信線であることを特徴とする
ものである。
【0022】
【作用】本発明によれば、請求項1に記載の発明におい
て、閉じた電気的遮蔽層を有するチューブをあらかじめ
布設しておき、その中に導体撚り線を送通することによ
り、良好な漏話特性を得ることができる。また、遮蔽層
が送通する導体撚り線にはないため、送通時の作業性が
よく、また搬送時にもかさばらない。さらに、気体の流
れに乗せて送通することにより、さらに作業性が向上す
る。
【0023】用いるチューブとして、請求項2に記載の
発明において、導電材料と絶縁材料を貼り合わせたラミ
ネートテープによって作製することにより、テープ幅、
金属層の厚みを変えるだけで、遮蔽特性、外径などの種
々の要件に合わせたチューブを容易に製作することがで
きる。また、請求項3に記載の発明において、絶縁材料
からなるチューブを製造しておき、その外側に導電層を
含むテープを縦沿えして巻き付けるか、または螺旋状に
巻き付けることにより、簡単に遮蔽特性を有するチュー
ブを作製することができる。さらに、請求項4に記載の
発明において、ステンレスやアルミニウム製のチューブ
を用いることにより、高い側圧、強度を得ることができ
る。これらのチューブを用いることにより、チューブの
電気的な遮蔽の機能によって、良好な漏話特性を有する
屋内配線を行なうことができる。
【0024】請求項5に記載の発明において、閉じた電
気的遮蔽層を有するチューブと合成樹脂製のチューブと
を混在して布設することにより、周囲の条件に合致した
屋内配線を行なうことができる。
【0025】請求項6に記載の発明によれば、複数対の
撚り合わされた導電線の中心に介材をおくことにより、
空気流による導電線の移送中に、チューブとの接触など
による側面からの力が加わっても、各対の導電線間の間
隔や各対の導電線のなす角度が変化するのを防ぐことが
できる。
【0026】また、請求項7に記載の発明において、撚
り合わされた導電線を、さらにその外側からテープで巻
いて固定し、また、請求項8に記載の発明において、接
着剤や固定環を用いて介材に固定することにより、各導
電線の構造の乱れをより完全に防ぐことができる。
【0027】請求項9に記載の発明においては、介材と
して、小径のパイプやFRPなどの弾性体を用いること
により、導電線がチューブ内を移送されて曲がっても、
速やかにもとの状態に復元させることができる。
【0028】請求項10に記載の発明においては、介材
の導電線と接する面がへこんでいるから、導電線が介材
から外れることを抑えることができ、各対の導電線の配
列を保持することができる。
【0029】請求項11に記載の発明は、複数本の導電
線を撚り合わせたとき、それらの形成する空間の内接円
以下の直径の介材を用い、その周囲に導電線を撚り合わ
せることにより、空気流により通信線を送通させるとき
に発生する、振動あるいは管路内壁との摩擦による通信
線の配列の乱れを除き、通信線の電気的特性、特に通信
線間のインピーダンスが変化するのを防ぐことができ
る。また、介材が通信線の撚りの内側にあるため、管路
の曲がり部においては通信線はわずかに長手方向に移動
することにより、曲げに対する抗力を減らし、容易に曲
がり部における通信線の送通を行なうことができる。
【0030】請求項12に記載の発明では、請求項5乃
至10に記載の通信線を用いて、請求項1乃至5に記載
の屋内配線を行なうことにより、良好な漏話特性を有
し、しかも良好な電気的特性を有する、両者の優れた点
を合わせ持った屋内配線を実現することができる。
【0031】請求項13および14に記載の発明では、
屋内線路において、空気の流れにより導電撚り線がチュ
ーブ内で動き得るだけのチューブと導電撚り線の間隙が
存在するように構成することにより、導電撚り線の送通
を良好に行なうことができる。
【0032】
【実施例】図1は本発明の屋内配線方法および屋内線路
の一実施例の説明図である。図中、1はチューブ、2は
導電通信線、3、4は端末装置、5はコンピュータであ
る。
【0033】建物の屋内において、端末装置3、4やコ
ンピュータ5などが設置され、または設置される予定の
ある場所を結ぶように、予めチューブ1を布設してお
く。チューブ1は、通常はシースに納められ、管路とし
て布設される。布設されるチューブ1は、電気的に閉じ
た遮蔽層を有している。そのため、送通する導電通信線
2には遮蔽層を設けなくても電気的に遮蔽されるから、
導電通信線2として、遮蔽層のない銅撚り線を用いるこ
とができる。
【0034】このチューブ1中に、導電通信線2を通す
場合は、チューブ1の一端から気体を送り、気体の流れ
に乗せて導電通信線2を送り込むことにより、チューブ
1内に導電通信線2を送通する。導電通信線2とチュー
ブ1の間隙は、その中を気体が流れ、この気体の流れに
より導電通信線2が動き得るのに十分なだけの空間をな
していることが必要である。もちろん、短い距離では、
押し込みや引っ張りによって、導電通信線を送通させる
ことも可能である。送通する銅撚り線は、1対またはそ
れ以上であってもよい。送通された導電通信線2は、そ
れぞれ端末装置3,4、コンピュータ5などの所望の機
器と接続される。
【0035】また、通信線のネットワークを変更したい
場合には、通信線を引き戻し、管路の結合を変えて再布
設することで、容易に対応することができる。
【0036】布設する管路について説明する。図2は、
布設する管路の一実施例を示す概略図である。図中、1
1は導電材料、12は絶縁材料、13はラミネートテー
プ、14はシース、15は突き合わせ部、16は重ね合
わせ部、17は絶縁チューブ、18は金属管、19は壁
面である。
【0037】図2(A)は、矩形チューブ管路の一例で
ある。図示した管路は、導電材料11と、絶縁材料12
とを貼り合わせたラミネートテープ13を用い、その端
面を突き合わせ部15において突き合わせ、矩形断面の
チューブを構成し、さらにその外側にシース14を施し
て構成されている。シース14を施すことにより、構造
を強化することができる。
【0038】具体例としては、導電材料11としてアル
ミニウムを、絶縁材料12としてポリエチレンテレフタ
レートを用い、厚み0.15mmのアルミニウムテープ
と厚み0.10mmのポリエチレンテレフタレートテー
プを貼り合わせたラミネートテープ13を、1辺6mm
の正方形断面を与えるように、テープ端面を突き合わせ
て成形し、ポリエチレンのシース14を施して、およそ
10mm×14mmの矩形に仕上げた。
【0039】図2(B)は、円形チューブを2本収納し
た2チューブ管路の一例である。図示した管路は、図2
(A)と同様のラミネートテープ13を、チューブ形状
に丸め、重ね合わせ部16において重なるように成形し
てチューブとし、シース14を施したものである。この
例では、2本のチューブを1つのシース14にまとめて
収納し、1本の管路を形成している。
【0040】具体例としては、ラミネートテープ13を
内径6mmのチューブ形状に丸め、3mm程度重なりを
有するようにして成形し、この重なり部を加熱して圧着
し封止した上、このチューブ2本を並列して、ポリエチ
レンのシース14を施したものである。重なり部の接着
方法としては、端部を折り曲げたり、溶接や、接着剤を
用いるなど、種々の方法を用いることができる。
【0041】図2(A)、(B)に示した管路において
は、遮蔽特性、外径などの要件に合わせ、テープ幅、金
属層の厚みを変えることにより、所望の金属管を容易に
作製することができる。
【0042】図2(C)は、金属層を持たない1チュー
ブ管路の一例である。図示されている管路は、絶縁材料
のみで構成されるチューブ管路である。絶縁チューブ1
7の外側に、シース14を施してある。このような管路
では、電気的に遮蔽する層を有していないが、例えば端
末に近い場所においては、通信線が近接して配置される
ことが少なく、電磁気などの影響をあまり気にしなくて
もよいため、安価な管路として用いることも可能であ
る。
【0043】具体例としては、絶縁チューブ17として
ポリエチレンチューブを用い、内径6mm、外径8mm
のポリエチレンチューブの外側に、塩化ビニルのシース
14を施し、外径12mmとしたものである。
【0044】図2(D)は、縦沿えのテープ巻きチュー
ブの一例である。絶縁チューブ17の長手方向に沿っ
て、ラミネートテープ13を添わせ、絶縁チューブ17
をラミネートテープ13により巻いたチューブである。
このチューブの場合、テープとチューブを同方向に供給
し、巻き付けるだけで作製できるので、非常に簡単に製
造することができる。
【0045】具体例としては、絶縁チューブ17にポリ
エチレンチューブを用い、内径4mm、外径6mmのポ
リエチレンチューブの外側に、幅20mmのアルミニウ
ム蒸着ポリエチレンテレフタレートテープをラミネート
テープ13として用いて、ポリエチレンチューブに縦沿
えして巻いて構成することができる。
【0046】図2(E)は、螺旋状のテープ巻きチュー
ブの一例である。絶縁チューブ17の外周に、ラミネー
トテープ13を、その端面が当接するように、または一
部重なるように、螺旋状に巻いてチューブを構成してい
る。一部重なるようにラミネートテープ13を巻いたチ
ューブの場合、チューブが多少撓んでも、巻いてあるラ
ミネートテープ13の重なり部分がずれるだけで、遮蔽
の機能には影響がないため、可撓性に優れたチューブを
作製することができる。図2(D)と同様、チューブを
連続的に作る場合にも、数m以下の短いチューブを1本
ずつ作る場合にも適用できる。
【0047】具体例としては、図2(D)と同様のポリ
エチレンチューブに、同様のアルミニウム蒸着テープ
を、テープ幅の1/4ずつ重ねて巻くことにより作製す
ることができる。
【0048】図2(F)は、壁面19内に金属管18を
埋め込んだ例を示している。この例のように、金属管1
8をそのまま用いて、電気的な遮蔽を行なうこともでき
る。この場合、高い側圧、強度を得ることができるが、
剛体のため、布設時の自由度が少なく、長尺のまま布設
するのは困難であるが、複数の短いチューブに分けて布
設した後結合することにより、利用することができる。
金属管18は、壁や床などに沿って布設することもでき
るし、また、図示されているような形態で、柱や梁など
の建材や、内装材、外装材に金属管18を組み込み、建
物の建設時や、内装の変更時に、建材とともに布設する
ことができる。金属管18としては、ステンレスやアル
ミニウム製のものを用いることができる。
【0049】実際の管路の布設に際しては、1つの種類
の管路で、布設する管路全体を構成する必要はなく、布
設する場所の状態に応じて選択して用いることができ
る。例えば、漏話の生じやすい通信線の交錯する付近で
は、特に遮蔽能の高い金属管を用い、より完全な漏話特
性を得ることができる。フロアの末端に近い部分など、
通信線が疎に配置され、誘導による漏話が考えにくい部
分では、遮蔽層のない管路を用いたり、管路を用いずに
通信線のみを配線することも可能であり、特に空間的余
裕がない箇所などでは有効である。このように、配線の
密度や、スペースファクタ等の必要に応じ、異なる遮蔽
特性の金属管が使用できるので、空間効率の良い管路の
布設を行なうことができる。
【0050】さらに、上述の管路は、直線部分、曲がり
部分など、各種の部品として供給し、それらを適宜組み
合わせて接合し、用いることにより、任意の配線管路を
形成することができる。ある大きさの径からなる金属の
管は可撓性に乏しく、配管が困難であるが、分割して布
設することにより、作業性を向上させることができる。
また、管路を分割して布設できるから、工事工程の自由
度を増すことができ、特にオフィスなどで施工可能な時
間が限定されるときなど工事全体を時間分割して少しず
つ実施することも可能である。
【0051】次に、布設された管路内に送通される通信
線について説明する。図3は、本発明の通信線の一実施
例を示す概略図である。図中、21は銅心、22は被
覆、23はパイプ、24は紐、25はテープ、26は外
被、27は接着剤、28は固定環、29は異形介材であ
る。
【0052】図3においては、2本1対の銅撚り線を2
対用い、この2対の銅撚り線を、介材の上に撚り合わせ
てカッドを構成している。通信線の中心に介材をおくこ
とで、空気流による移送中にチューブとの接触等、側面
からの力で両対のなす角度が変わって電気的な特性が変
化するのを防ぐことができる。図3では、2対の銅より
線を用いる場合を例として説明しているが、2対に限ら
ず、複数対について実施できることはいうまでもない。
【0053】図3(A)は、介材としてパイプ23を用
いた4心通信線の一例を示している。銅心21は、被覆
22で被覆され、1本の銅線を構成し、2本で1対の銅
撚り線を構成する。この銅撚り線2対を、パイプ23上
に撚り合わせ、通信線を形成している。このような構成
とすることにより、通信線が空気流により振動しなが
ら、あるいは管路内壁とこすりながら布設される際の銅
通信線の配列の乱れを除くことができる。そのため、通
信線の電気的特性、特に通信線間のインピーダンスが変
わるのを防ぐことができる。
【0054】パイプ23は、弾性体で構成されており、
通信線がチューブ内に送通され、曲げられたときでも、
弾性力により、なるべく直線に近い状態に復元し、通信
線の配列の乱れを防ぐことができる。特に、介材が全て
の銅線と同時に接さず、銅線がわずかに動き得るような
空間を、介材と銅線の間に設けておくと、管路の曲がり
部において、介材は通信線の撚りの内側に接し、通信線
はわずかに長手方向に移動して曲げに対する抗力を減ら
し、容易に曲がり部を通過することができる。また、パ
イプは誘電率が低く、良好な通信線の伝送特性を得るこ
とができる。パイプ23の代わりに、FRP等の弾性体
を用いても良い。用いる介材の大きさは、50g以下の
力で、直径10cm程度に銅通信線が曲げられる程度と
するのが良い。
【0055】具体的には、被覆22としてポリエチレン
を、また、パイプ23としてポリエチレンパイプを用
い、直径0.5mmの銅心にポリエチレンを被覆して外
径0.9mmに仕上げた銅線4本を、内径0.25m
m、外径0.35mmのポリエチレンパイプの周囲にピ
ッチ20mmで撚り合わせ、銅線2対からなるカッドを
作製した。
【0056】図3(B)は、介材として紐24を用いた
4心通信線の一例を示している。図3(A)と同様に、
銅心21が被覆22で被覆された2本1対の銅撚り線2
対を、紐24上に撚り合わせ、さらにその上をテープ2
5で巻き、外被26で覆って、通信線を構成している。
この例の場合、通信線の周囲にテープ25を巻くことに
より、通信線の配列の乱れを防いでいる。また、このテ
ープ25は、端末、または途中で2対を分離するときに
は、引き裂き紐として利用することができる。
【0057】具体的には、直径0.2mmの塩化ビニル
樹脂の紐24の周囲に、4本の外径0.5mm、銅心径
0.3mmのポリエチレン被覆銅線を、ピッチ30mm
で撚り合わせ、その上にポリエチレンテレフタレート製
のテープ25を螺旋状に巻き付けた上、発泡ポリエチレ
ンを外被26として用い、被覆することにより作製する
ことができる。
【0058】図3(C)は、図3(A)に示した4心通
信線を、テープ25により巻いて構成した通信線の一例
である。介材であるパイプの弾性力による効果と、テー
プ25による通信線の配列の乱れを抑える効果の両方を
兼ね備えた通信線を作製することができる。テープ25
としては、ポリエチレンテレフタレート製のテープを用
いることができる。
【0059】図3(D)は、図3(A)に示した4心通
信線の介材の表面に、接着剤27を塗布して撚り合わせ
た一例を示している。接着剤27により、通信線の配列
の乱れを完全に除くことができる。接着剤27を塗布す
る位置は、通信線の全長でもよいし、また、接着剤27
を間欠的に塗布してもよい。
【0060】図3(E)は、図3(A)に示した4心通
信線の外側に、間欠的に固定環28を取り付けた一例を
示している。固定環28により、通信線の配列の乱れを
除くことができる。この固定環28は、ポリプロピレン
製のものを用いることができる。
【0061】図3(F)は、図3(A)に示した4心通
信線の介材として、4稜星型の異形介材29を用いた一
例を示している。この異形介材29の凹凸が、銅線の移
動を抑え、通信線の配列の乱れを防ぐことができる。
【0062】このように、本発明の通信線では、管路内
に通信線を送通しても、通信線の配列が乱れることがな
いから、電気的特性、特に、通信線間のインピーダンス
が変化しない。そのため、良好な伝送特性を有する通信
網を設計することができる。
【0063】上述した管路を用いた配管、および、上述
した通信線を用いた配線を行なうことにより、良好な屋
内配線網を構築することができる。配線を行なう通信線
としては、上述した通信線のほか、銅通信線として細径
の同軸ケーブルや、銅通信線と光ファイバの複合体など
を用いることもでき、同様の効果を得ることができる。
【0064】本発明の屋内配線方法の具体例について述
べる。図4は、本発明の屋内配線方法の実験に用いた管
路図である。実験のために布設した管路は、a点を通信
線の挿入口とし、a点から5mのb点で曲がり、b点か
ら5m先のc点でさらに曲がり、d点に到達する。d点
では、管路は2.5m上昇し、d’点で水平となり、1
0m先のe’点まで高さ2.5mの場所を通り、e’点
において、2.5m下降し、e点に到達する。e点で水
平となり、10m先のf点で曲がり、その先5mのg点
でさらに曲がって、さらに5m先のh点までの管路であ
る。
【0065】曲がり部には全てL字型の管路を用い、曲
がり径を半径50mmとした。a〜dの区間には、図2
(B)で示した各5m長の2チューブ管路を3本接続し
て布設した。d〜d’,d’〜e’,e’〜eの区間に
は、図2(C)で示した15m1連長の1チューブ管路
を布設した。また、e〜f,f〜g,g〜hの区間に
は、各10m、5m、5mの長さの図2(B)に示した
2チューブ管路を布設した。
【0066】a点より、圧力4kg/cm2 の空気を流
し込みながら、図3(A)に示した4心通信線を送り込
んだところ、約14分でh点に至り、布設を完了するこ
とができた。また、この布設の前後で、銅撚り線の対間
のインピーダンスの変化はなく、布設により、銅線の構
造に変化がなかったことがわかった。また、a〜dの区
間に、同じ型の通信線を同様に布設し、先に布設した通
信線に30kHzの交流電圧を加え、後で布設した通信
線との間の電磁結合を調べたところ、3nHと小さく、
十分な遮蔽性能が確認できた。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
布設箇所に合わせた管路を簡単に布設でき、送通する通
信線として銅撚り線など作業性の良いものを使用して配
線することができるから、容易に必要な網形態の配線網
を構築することができる。本発明をビル内や宅内の配線
に用いると好適である。
【0068】また、本発明で用いた管路および本発明の
通信線を用いて屋内配線を行なうことにより、漏話等の
不具合は発生せず、また通信線間のインピーダンス特性
も一定となり、良好な伝送特性を得ることができる、と
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の屋内配線方法および屋内線路の一実施
例の説明図である。
【図2】布設する管路の一実施例を示す概略図である。
【図3】本発明の通信線の一実施例を示す概略図であ
る。
【図4】本発明の屋内配線方法の実験に用いた管路図で
ある。
【符号の説明】
1 チューブ 2 導電通信線 3,4 端末装置 5 コンピュータ 11 導電材料 12 絶縁材料 13 ラミネートテープ 14 シース 15 突き合わせ部 16 重ね合わせ部 17 絶縁チューブ 18 金属管 19 壁面 21 銅心 22 被覆 23 パイプ 24 紐 25 テープ 26 外被 27 接着剤 28 固定環 29 異形介材

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閉じた電気的遮蔽層を有するチューブを
    布設した後、該チューブ中に、遮蔽層を持たない1対ま
    たは2対以上の導電撚り線からなる少なくとも1条の通
    信線を、気体の流れに乗せて送通し、通信線を布設する
    ことを特徴とする屋内配線方法。
  2. 【請求項2】 チューブとして、導電材料と絶縁材料を
    貼り合わせたラミネートテープを管化した構造のものを
    用いることを特徴とする請求項1に記載の屋内配線方
    法。
  3. 【請求項3】 チューブとして、絶縁材料からなるチュ
    ーブの周囲に導電層を有するテープを縦沿えまたは螺旋
    状に巻き付けて遮蔽層を構成したものを用いることを特
    徴とする請求項1に記載の屋内配線方法。
  4. 【請求項4】 チューブとして、金属管または被覆金属
    管を用いることを特徴とする請求項1に記載の屋内配線
    方法。
  5. 【請求項5】 閉じた電気的遮蔽層を有するチューブと
    合成樹脂製のチューブとを混在して布設した後、該チュ
    ーブ中に、遮蔽層を持たない1対または2対以上の導電
    撚り線からなる少なくとも1条の通信線を、気体の流れ
    に乗せて送通し、通信線を布設することを特徴とする屋
    内配線方法。
  6. 【請求項6】 複数対の導電線が介材の上に撚り合わさ
    れていることを特徴とする通信線。
  7. 【請求項7】 撚り合わされた複数対の導電線が、さら
    にその外側をテープで巻かれていることを特徴とする請
    求項6に記載の通信線。
  8. 【請求項8】 撚り合わされた複数対の導電線が、連続
    的または間欠的にその配列を固定する固定材により互い
    に固定されていることを特徴とする請求項6に記載の通
    信線。
  9. 【請求項9】 介材が弾性体で構成されていることを特
    徴とする請求項6乃至8に記載の通信線。
  10. 【請求項10】 介材が、一部または全長にわたりその
    周囲に撚り合わされた銅線の脱離や移動を防ぐためのへ
    こみ溝を有することを特徴とする請求項6乃至9に記載
    の通信線。
  11. 【請求項11】 介材の大きさが、撚り合わされた銅線
    の作る空間より、わずかに小さいことを特徴とする請求
    項6乃至10に記載の通信線。
  12. 【請求項12】 請求項6乃至11に記載の通信線を導
    電撚り線として用いることを特徴とする請求項1乃至5
    に記載の屋内配線方法。
  13. 【請求項13】 閉じた電気的遮蔽層を有するチューブ
    と、該チューブ中に導電撚り線が収納される屋内線路で
    あって、空気の流れにより導電撚り線がチューブ内で動
    き得るだけのチューブと導電撚り線の間隙が存在するよ
    うに構成されていることを特徴とする屋内線路。
  14. 【請求項14】 導電撚り線が、請求項6乃至11に記
    載の通信線であることを特徴とする請求項13に記載の
    屋内線路。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013125225A (ja) * 2011-12-16 2013-06-24 Sumitomo Wiring Syst Ltd 光ケーブル保護部材およびこれを用いたワイヤハーネス

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