JPH05320719A - 複合部材の製造方法 - Google Patents

複合部材の製造方法

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JPH05320719A
JPH05320719A JP13358092A JP13358092A JPH05320719A JP H05320719 A JPH05320719 A JP H05320719A JP 13358092 A JP13358092 A JP 13358092A JP 13358092 A JP13358092 A JP 13358092A JP H05320719 A JPH05320719 A JP H05320719A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】溶接、脱気工程がなく工程が単純化され、焼き
入れ性の良い材料、硬くて脆い材料を基材として使用す
ることができ、高温加圧工程で原料粉が変形しても、変
形量が正確に予測できる。ポアが発生せず、このため、
曲げ強度、衝撃値が高い複合部材の製造方法を提供す
る。 【構成】基材10の所定箇所に原料粉末充填空間12を
形成し、この充填空間12に前記基材10よりも融点の
低い原料粉末16を配置し、このように配置された基材
10と原料粉末16とを1×10-2〜1.0Torrの
真空雰囲気下で原料粉末16が固相と液相を共に生じる
温度領域中の焼結温度で加熱し、次いで、100kgf
/cm2 以上の不活性ガス雰囲気下で原料粉末16が固
相と液相を共に生じる温度領域中の焼結温度で加熱す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基材表面に所定の機能
を有する材料を複合化して基材表面に機能材層を形成す
る複合部材の製造方法に係り、特に、単純な方法で複合
化と同時に機能材料の内部欠陥を無くする方法に関す
る。
【0002】より具体的には、鉄鋼材料やNi合金、C
o合金の表面に耐食性、耐磨耗性が共に優れた機能材料
を付与する際に、機能材料内部にポア(空孔)を発生さ
せない方法に係り、プラスチック成形機などのバレル、
スクリューなどの用途に特に好適な複合部材の製造方法
に関する。
【0003】
【従来の技術】基材表面に所定の機能を有する材料を複
合化して機能材層を形成する従来技術として、図13に
示すように、溶接による空間形成後、原料充填し、気密
化溶接した後、脱気し、溶接によりシールした後、静水
圧加圧下で焼結する方法がある(神戸製鋼技報 Vo
l.40 No.1(1990) 30〜33頁)。こ
の方法は、ポアの無い焼結層が得られるため、曲げ強
度、衝撃値が高いなどの利点を有する。しかし、気密溶
接工程と脱気工程とが必要なため、製造工程が長い。ま
た、高温度で加圧、変形させるため、気密溶接部が破損
する場合がある。気密溶接工程が必要なため溶接で割れ
の生じる材料(例えば、焼き入れ性の良い材料、硬くて
脆い材料)を基材として使用することができない。何故
なら、焼き入れ性の良い材料などを基材として使用する
と、溶接時に溶接部にクラックを生じ、気密性を保持で
きず、この結果この方法での製造は不可能であるためで
ある。また、この方法では静水圧加圧下で焼結するた
め、基材の変形が生じる。このため、特に複雑な形状の
複合部材を製造する場合、高度な溶接技術と高温時の変
型予測技術が必要となる。実際には、寸法、形状毎の予
備テストを行って、経験的に求めている。
【0004】そこで本発明者は、図14に示すように、
基材に原料粉末充填空間を形成した後そこに原料粉末を
充填し、真空中や還元性雰囲気中で焼結する方法を提案
している(特願昭2−338635号)。この方法は、
溶接、脱気工程がなく工程が単純化される。複合焼結時
に高温で加圧しないため、基材の変形が少ない。このた
め機能材層と基材との仕上がり寸法の予測が容易であ
る。また気密溶接工程がなく、脱気、気密化工程がない
ため、加熱時の溶接部の破損がないなどの利点がある。
しかし、この方法では、得られる機能材層に少量のポア
が発生する場合があり、この場合機械的強度、曲げ強
度、衝撃値が低くなるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解消すべくなされたもので、その目的とするところ
は、溶接、脱気工程がなく工程が単純化され、焼き入れ
性の良い材料、硬くて脆い材料を基材として使用するこ
とができ、高温加圧工程で原料粉が変形しても、変形量
が正確に予測でき、さらにポアが発生せず、このため、
曲げ強度、衝撃値が高い複合部材の製造方法を提供する
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、基材の所定箇
所に原料粉末充填空間を形成する工程と、この充填空間
に少なくとも2種類の成分を含みかつ加熱により前記基
材より低い温度で固相と液相とが共存する温度領域を有
する原料粉末を配置する工程と、このように配置された
基材と原料粉末とを前記温度領域中の焼結温度で加熱す
る工程と、次いで、100kgf/cm2 以上の不活性
ガス雰囲気下で前記温度領域中の焼結温度で加熱する工
程と、を具備した複合部材の製造方法である。
【0007】
【作用】本発明方法は、基材10の所定箇所に原料粉末
充填空間12を形成する(図2,a参照)。原料粉末充
填空間12の形成は、例えば、冶具14表面に原料粉末
16から生じる融液と濡れない表面離型材(図示せず)
を塗布し、この冶具14を基材10と組合わせることに
より行う。原料粉末充填空間12を形成した後、ここに
原料粉末16を充填する(図2,b参照)。基材10は
原料粉末16が液相を生ずる温度より高い融点のものを
使用する。原料粉末16には、Ni合金、Co合金、こ
れらの混合物、Ni合金と炭化物との混合粉末、Co合
金と炭化物との混合粉末、およびNi合金とCo合金と
炭化物との混合粉末、Ni合金と複合粒子(焼結又は鋳
造により製造された炭化物とNi、炭化物とCo、炭化
物とNiとCoとの混合粉末など)、Co合金と複合粒
子との混合粉末、Ni合金とCo合金と複合粒子との混
合粉末などが挙げられる。基材10には、Ni自溶合金
又はCo自溶合金の液相点以上の融点を持つ金属または
合金、例えば鉄鋼材料、Ni合金、Co合金が挙げられ
る。
【0008】次に、原料粉末16を充填した基材10に
対して、図1の熱サイクルに示すように、均熱工程、昇
温工程、焼結工程を順に行なう。均熱工程は、原料粉末
の固相点直下の温度でおこない、昇温工程は、0.2〜
2.0℃/分とするのが好適である。
【0009】焼結工程は、原料粉末16の焼結と基材1
0との複合化プロセス(焼結)を行なって基材表面に機
能材層18を形成する(図2,c参照)もので、はじめ
に真空焼結をおこない、これに続いて静水圧加圧焼結を
連続して行う。真空焼結は、原料粉末16が液相と固相
を生じる温度領域で真空加熱し、原料粉末16の焼結と
基材10との接合を進行させる。本発明方法で真空焼結
を固相共存の範囲で行うのは次の理由による。 (1) 焼結により形成される機能材層が重力による形崩れ
を起こさない。 (2) 真密度に近い機能材料が得られる。 (3) 引け巣(空孔)を発生しない。
【0010】(4) 温度が低く固体粒子のみの場合、真密
度に近い機能材料が得られず、焼結が進行せず、ポーラ
スになる。他方、温度が高く、溶融液のみの場合、重力
により流れ落ち形が保てない。引け巣(空孔)を発生す
る。真空度は、通常の真空焼結での真空度(一般的に
は、1×10-2〜1.0Torr)である。
【0011】次いで行う静水圧加圧焼結は、この真空焼
結後アルゴンガス等の不活性ガスを封入加圧し、上記の
焼結層(機能材層18)を加圧し、機能材層18内のポ
アPを液相で埋める(図1,d参照)。この圧力は、1
00kgf/cm2 以上として、圧力によりポアが消滅
するようにする。この圧力は、融液の粘性と分量によっ
て加減する。この場合、基材10及び冶具14の表面に
も圧力が加わるが、「基材及び冶具」と「液相及び固相
粒子」との間に空間が形成されているので、ここからも
圧力(図1,dに矢印参照)が加わり、基材10、冶具
14が変形することを阻止する。
【0012】
【実施例】以下本発明を図面に示す実施例を参照して説
明する。 (実施例1)
【0013】図3〜図5に示す実施例1を説明する。二
軸押出機用バレル基材10(材質SCM440C、外径
D;450mm、長さl;480mm)に、冶具14
(材質S25C、外径d;160mm、中心軸間距離
s;156mm)をボルト締めし、充填空間12(幅4
mm)を形成した。なお冶具表面にアルミナ溶射し、原
料粉末16の融液(以下液相と称する)と冶具14とが
濡れないように処理してある。これにより、原料が基材
側に焼結収縮を起こし、基材10に機能材料が複合化さ
れる。原料粉末16として、重量%で、9.8%Ni、
24.2%Cr、2.9%B、3.2%Si,7%W、
残部Coの組成の合金粉を用いた。この組成の合金は耐
食性、耐磨耗性ともに優れているため、押出機用バレル
の性能を満足する。原料粉末16の粒径は180μm以
下である。この合金の固相点は1030℃、液相線は1
130℃であり、1030〜1130℃の温度範囲では
固相と液相が共存するため、焼結はこの温度範囲でおこ
なう。その理由は、固液共存の温度範囲で焼結すると、
機能材層18が崩れ落ちることなく、緻密な層が得られ
るからである。なお、固相点以下の低い温度で焼結を行
うと、焼結は完了せず多数のボアが残り、液相点以上の
温度で焼結を行うと、鋳造と同様になってしまい、層の
崩れがおき、引け巣の問題も発生する。
【0014】次に、原料粉末16を図3の空間の上部か
ら落下充填させながら、基材10の外径部を銅ハンマー
にて加振した。このときの充填率は60%であった。な
お、原料粉末16は、充填前に十分乾燥しておく。乾燥
条件は120℃、2時間である。
【0015】原料充填後、図4の熱サイクルにより焼結
した。まず、最初に真空中(0.2Torr)で加熱し
た。ここで、1020℃に4時間保持するが、その理由
は、処理品全体が均一な温度になるようにするためであ
る。この温度(1020℃)は原料粉末の固相点より約
10℃低い温度である。その後、0.5℃/分の昇温速
度で徐々に加熱し、1090℃の焼結温度まで昇温し
た。1090℃に1時間保持すると、原料粉末16はほ
ぼ真密度に近く焼結が進行した。しかし、この時点で
は、まだ僅かなポアが残っているので、次にポアを除去
するため、アルゴンガスを封入して加圧した。この時加
える圧力は液相の粘性によって異なる。この実施例で
は、500kgf/cm2 に加圧し、その状態で30分
間保持しその後冷却した。
【0016】冷却後、冶具14を取り除いて、二軸押出
機用バレル基材の内径及び内径間のピッチを測定したと
ころ、それぞれ163.4±0.2mm、156±0.
2mmの範囲の寸法であった(図5参照)。内径寸法
は、原料の充填率から計算して予測した値163.2と
ほぼ一致した。なお、焼結層(機能材層18)下部に
は、余剰の液相凝固体Rが少量付着しているが、機能上
何等支障はない。仕上加工時に実施例1の方法で得られ
た機能材層18(焼結層)の曲げ強度及び衝撃値を測定
したところ、135kgf/mm2 、0.8kgf/c
2 となった。この値を図13に示す先願方法で得られ
た複合材料の値と比べたところ夫々30%,24%優れ
た値であった。 (実施例2)
【0017】図6〜図7に示す実施例2を説明する。射
出成形機用シリンダー基材10(材質SCM440C、
高さl;1250mm)に、冶具14(材質SUS30
4)をボルト締めし、スペーサ20を介在して充填空間
12(空間の内径d;36mm、外径D;38mm)を
形成した。なお冶具表面には、アルミナ溶射をして原料
粉末16の融液(以下液相と称する)と冶具14とが濡
れないように処理してある。これにより、原料が基材側
に焼結収縮を起こし、基材10に機能材料が複合化され
る。原料粉末16には、重量%で、10.0%Cr、
2.2%B、3.2%Si,残部Niの組成の合金粉を
もちいた。この組成の合金は耐食性、耐磨耗性ともに優
れているため、押出機用バレルの性能を満足した。原料
粉末16は粒径が180μm以下のものを使用した。こ
の合金の固相点は960℃、液相点は1060℃であ
る。
【0018】原料粉末16を実施例の図の空間の上部か
ら落下充填させながら、基材10の外径部を銅ハンマー
にて加振した。このときの充填率は61%であった。原
料粉末16は、充填前に十分乾燥しておく。乾燥条件は
120℃、2時間である。
【0019】原料充填後、図7の熱サイクルにより焼結
した。まず、最初に真空中(0.2Torr)で加熱
し、950℃に2時間保持した。これは処理品全体が均
一な温度になるようにするためであり、この温度は固相
線より約10℃低い温度である。その後、0.5℃/分
の昇温速度で徐々に加熱して、1025℃の焼結温度ま
で昇温した。1025℃に1時間保持すると、原料粉末
16は、ほぼ真密度に近く焼結が進行した。しかし、こ
の時点では、まだ僅かなポアが残っているので、次にポ
アを除去するため、アルゴンガスを封入して加圧する。
この場合には、100kgf/cm2 に加圧し、その状
態で30分間保持しその後冷却した。
【0020】冷却後、冶具14を取り除いて内径を測定
した。その結果、36.8±0.25mmの範囲の寸法
であった。内径寸法は、原料の充填率から計算し予測し
た値36.8mmとほぼ一致した。そして、ポアのない
機能材層18が得られ、機能材層18と基材10は強固
に結合していた。次いで、焼結後所定の機械加工をして
仕上げた。実施例2と同様の処理によって得られた機能
材層18(焼結層)の曲げ強度及び衝撃値を測定したと
ころ、124kgf/mm2 、0.74kgf/cm2
となり、これは先の出願の方法と比べ夫々20%,26
%優れた値であった。 (実施例3)
【0021】図8〜図9に示す実施例3を説明する。射
出成形機用逆止弁基材10(材質SKH4、高さl;3
2mm)の外周に、冶具14(材質S25C)をボルト
締めして、充填空間12(空間の内径d;35mm、外
径D;39mm)を形成する。なお冶具表面には、アル
ミナ溶射して原料粉末16の融液(以下液相と称する)
と冶具14とが濡れないように処理してある。これによ
り、原料が基材10側に焼結収縮を起こし、基材10に
機能材料が複合化される。原料粉末16には、重量%
で、3.0%B、4.3%Si,残部Niの組成の粒径
180μm以下の合金粉70部と粒径10μm以下の炭
化タングステンとの混合物をもちいた。この組成の混合
物は耐食性、耐磨耗性ともに優れているため、押出機用
バレルの性能を満足する。原料粉末16は粒径が180
μm以下のものを使用した。この合金粉の固相点は76
0℃、液相点は1065℃である。
【0022】原料粉末16を図8の空間の上部から落下
充填させながら、基材10の外径部を銅ハンマーにて加
振した。このときの充填率は63%であった。なお、原
料粉末16は、充填前に十分乾燥しておく。乾燥条件は
120℃、2時間である。
【0023】原料充填後、図9の熱サイクルにより焼結
した。まず、最初に真空中(0.2Torr)で加熱し
た。950℃に20分保持するが、これは、処理品全体
が均一な温度になるようにするためであり、この温度は
固相線より約10℃低い温度とする。その後、1℃/分
の昇温速度で徐々に加熱し、1080℃の焼結温度まで
昇温する。1080℃に20分保持すると、原料粉末1
6は、ほぼ真密度に近く焼結が進行する。しかし、この
時点では、まだ僅かなポアが残っているので、次にポア
を除去するため、アルゴンガスを封入して加圧した。こ
の場合には、100kgf/cm2 に加圧し、その状態
で20分間保持しその後冷却した。
【0024】冷却後、冶具14を取り除いて外径を測定
したところ、37.4±0.1mmの範囲の寸法であっ
た。内径寸法は、原料の充填率から計算し予測した値3
7.5mmとほぼ一致した。そして、ポアのない機能材
層18が得られ、機能材層18と基材10は強固に結合
していた。基材10(SKH4)の硬度はHR C45
で、逆止弁として良好な硬さであった。焼結後、所定の
機械加工をして仕上げた。仕上加工時に本発明方法と同
様の方法で得られた機能材層18(焼結層)の曲げ強度
及び衝撃値を測定したところ、113kgf/mm2
0.49kgf/cm2 となり、これは先の出願の方法
と比べ夫々18%,21%優れた値であった。 (実施例4)
【0025】図10〜図11に示す実施例4を説明す
る。スクリュー基材10(材質ステライト#12、硬度
R C47、成分;重量%で1.3%C、1.2%S
i、29.0%Cr、8.0%W、残部Co、高さl;
62mm)の外周に、冶具14(材質SUS304)を
ボルト締めして、充填空間12(空間の内径d;46m
m、外径D;50mm)を形成する。なお冶具表面に
は、アルミナ溶射して、原料粉末16の融液(以下液相
と称する)と冶具14とが濡れないように処理してあ
る。これは、原料が基材側に焼結収縮を起こさせ、基材
10に機能材料を複合化させるためである。原料粉末1
6には、重量%で、10.0Cr、2.2%B、3.2
%Si,残部Niの組成の粒径180μm以下の合金粉
をもちいた。この組成の合金は耐食性、耐磨耗性ともに
優れているため、押出機用バレルの性能を満足する。原
料粉末16は180μm以下の粒径のものを使用した。
この合金の固相点は960℃、液相点は1060℃であ
る。
【0026】原料粉末16を図10、aの空間の上部か
ら落下充填させながら、基材10の外径部を銅ハンマー
にて加振した。このときの充填率は61%であった。原
料粉末16は、充填前に十分乾燥しておく。乾燥条件は
120℃、2時間である。原料充填後、実施例3と同様
の熱サイクルにより焼結した。
【0027】焼結後、所定の機械加工をして仕上げた。
そして基材10の表面に約1mmの均一な機能材層18
を複合したスクリューを製造した。冶具14を取り除い
て外径を測定したところ、48.4±0.1mmの範囲
の寸法であった。外径寸法は、原料の充填率から計算し
予測した値48.4mmとほぼ一致した。そして、ポア
のない機能材層18が得られた。機能材層18と基材1
0は強固に結合していた。また、基材10(SKH4)
の硬度はHR C45で、逆止弁として良好な硬さであっ
た。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、空間形成、原料充填、
焼結という単純な工程でボアのない機能材と基材とを複
合化することができる。また、溶接工程(気密工程)が
不要なので、焼入れ性の優れた工具鋼、高速度鋼を基材
としても複合化できる。また、溶接工程がないため、焼
結後のバラシ作業が極めて容易となる。さらに基材が加
圧されて押し潰され変形しないので、基材寸法が変化し
ない。機能材の厚さは変化するが予測が容易で原料充填
時の充填率から正確に計算できる。±0.2mm程度の
誤差内である。本発明方法で得られる機能材層18の引
張り強度、衝撃値は静水圧加圧焼結の従来方法で得られ
たものと同等であり、先願の方法で得られたものよりも
高い。これは層内のポアが消失したためと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の熱サイクルの概略を示す図。
【図2】図1の熱サイクルでの基材と原料粉末の変化を
a〜dの順に示す図。
【図3】実施例1で適用した二軸押出機用シリンダー
(原料充填時)で、aは平面図、bは断面図。
【図4】実施例1で適用した熱サイクルの説明図。
【図5】実施例1で適用した二軸押出機用シリンダー
(焼結後)で、aは断面図、bは平面図。
【図6】実施例2で適用した射出成形機用シリンダー
(原料充填時)の説明図。
【図7】実施例2で適用した熱サイクルの説明図。
【図8】実施例3で適用した射出成形機用逆止弁(原料
充填時)の説明図。
【図9】実施例3で適用した熱サイクルの説明図。
【図10】実施例4で適用したスクリュー(原料充填
時)で、aは平面図、bは断面図。
【図11】実施例4で適用したスクリュー(焼結後)の
断面図。
【図12】従来技術の説明図。
【図13】先願技術の説明図。
【符号の説明】
10…基材、12…原料粉末充填空間、14…冶具、1
6…原料粉末、18…機能材層。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の所定箇所に原料粉末充填空間を形
    成する工程と、 この充填空間に少なくとも2種類の成分を含みかつ加熱
    により前記基材より低い温度で固相と液相とが共存する
    温度領域を有する原料粉末を配置する工程と、 このように配置された基材と原料粉末とを真空雰囲気下
    で前記温度領域中の焼結温度で加熱する工程と、 次いで、100kgf/cm2 以上の不活性ガス雰囲気
    下で前記温度領域中の焼結温度で加熱する工程と、 を具備した複合部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 基材の所定箇所に原料粉末充填空間を形
    成する工程は、基材に冶具を組合わせておこなわれ、こ
    の冶具表面には原料粉末の融液と濡れない表面離型材が
    塗布されている請求項1の複合部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 原料粉末はNi合金、Co合金、および
    これらの混合物からなる群から選択されている請求項1
    の複合部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 原料粉末はNi合金と炭化物との混合粉
    末、Co合金と炭化物との混合粉末、およびNi合金と
    Co合金と炭化物との混合粉末からなる群から選択され
    ている請求項1の複合部材の製造方法。
  5. 【請求項5】 原料粉末はNi合金と複合粒子との混合
    粉末、Co合金と複合粒子との混合粉末、およびNi合
    金とCo合金と複合粒子との混合粉末からなる群から選
    択されている請求項1の複合部材の製造方法。
  6. 【請求項6】 複合粒子は、炭化物とNi、炭化物とC
    o、炭化物とNiとCoとの複合粒子からなる群から選
    択された材料から構成される請求項5の複合部材の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 複合粒子は、焼結又は鋳造により製造さ
    れたものである請求項5の複合部材の製造方法。
  8. 【請求項8】 基材は、Ni自溶合金又はCo自溶合金
    の液相点以上の融点を持つ金属または合金である請求項
    1の複合部材の製造方法。
  9. 【請求項9】 基材は、鉄鋼材料である請求項8の複合
    部材の製造方法。
  10. 【請求項10】 基材は、Ni合金またはCo合金であ
    る請求項8の複合部材の製造方法。
JP13358092A 1992-05-26 1992-05-26 複合部材の製造方法 Expired - Fee Related JP3257694B2 (ja)

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