JPH05314296A - 二次元コード等の読取り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 本発明は対象物に表示された二次元コード等
の読取り装置に関する。 ［構成］ 発明の二次元コード等の読取り装置は、光源
を２次元コード等を表示した対象物に照射して、該対象
物の反射光を受像するセンサーを有し、光源の１部の光
が対象物を照射する入射角と等しい反射角で入光する位
置にセンサーを配設したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は対象物に表示された二次
元コード等の読取り装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、対象物に表示してある二次元コー
ドや文字等を読み取る場合には二次元コードリーダで読
取り、該二次元コードリーダの構成図を図９及び図１０
（図９の側面）に示す。図９、図１０に示すように、光
源１３からの光は対象物に照射され、該反射光をセンサ
ー（ＣＣＤ）等で検知している。即ち、対象物１４に表
示してある二次元コード１５ａは、光源１３からの光を
受けて対象物１４で反射した光を集光レンズ１２を介し
てセンサーである受光体１０で受像し、該受像画をデコ
ードして情報を得ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、２次元
コードやバーコード等を光を吸収する黒色系の色で表示
する対象物には、照射した光が乱反射する紙等の他に乱
反射しない磨かれた金属（鏡面）等の様に、所謂反射率
を異にするものがある。乱反射する紙等に表示された２
次元バーコード等は、センサーに光源像を写像すること
がないため、該コードは鮮明に像を写すことが可能で解
読することができるが、光源の位置によっては電力を多
量に消費し電池で作動させる小型の読取り装置には適さ
ない。一方、入射角と同じ角度で反射する鏡面の対象物
に表示された２次元バーコードを読み取る場合には、該
反射光を受光すると、光源の像自身が写像されるか或は
光度が強くてセンサーの受像は白くなって解読不能とな
る。反対に、センサーを入射角と等しくない反射角度の
位置に設置すると、コード部では多少乱反射が起り該部
はセンサーで低レベル信号として受像されるが、それ以
外の反射光は受像不能となって信号レベルは更に低レベ
ルとなる。即ち、前記した乱反射する対象物の信号レベ
ルと対比すると、白い箇所の信号レベルより黒い箇所の
信号レベルが高いという、白黒の反転現象が起る。その
ための対策として、センサーを高感度のものを使用する
ことが考えられるが高価となる。又、他の対策として、
光量を増加させて信号レベルを上げることを行って読み
取ることは消費電力の増加を招来し得策ではない。

【０００４】他の方法として光源に拡散光を用い、該光
の反射光を受像する位置にセンサーを設置することが考
えられるが、この場合には鏡面に表示された２次元バー
コード等を読み取ることはできるが、乱反射する対象物
に表示された２次元バーコード等は光量不足となって読
み取ることができない。係る場合の対策として、時間を
かけてセンサーで写像して読み取ることができるが処理
速度の減退を招来する。又、他の対策として、光源の光
量を増加させる手段を採用することが考えられるが、電
力消費の増大となり、特に携帯式の電池を光源として用
いる小型読取り装置に採用することは困難である。そこ
で、本発明は係る不都合を解消する二次元コード等の読
取り装置を提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１の二次元コード
等の読取り装置は、照明装置の１部の光が対象物を照射
する入射角と等しい反射角で受光する位置にセンサーを
配設したものである。請求項２の二次元コード等の読取
り装置は、センサーを照明装置の１部の光が対象物を照
射する入射角と等しい反射角で受光する位置に配設し、
且つ該光を拡散光としたものである。請求項３の二次元
コード等の読取り装置は、曲面状の対象物に表示された
２次元コード等を読み取る装置であって、照明装置で曲
面を複数の平面に分割近似した部分を照射し、少なくと
も前記照明装置からの１部の光が対象物を照射する入射
角と等しい反射角で受光する位置にセンサーを配設した
ものである。請求項４は、請求項３の照明装置からの１
部の光を拡散光とするものである。請求項５の二次元コ
ード等の読取り装置は請求項１、請求項２、請求項３、
請求項４に於ける構成の他にセンサーに写像された像
（デコード前の像）を表示する表示器を備えたものであ
る。請求項６は、前記請求項５の表示器に表示されるセ
ンサーに写像された像（デコードされる前の像）を、読
取り装置を固定して対象物を移動させる場合には対象物
と同じ方向に、又は対象物を固定して読取り装置を移動
させる場合には読取り装置の移動方向と逆方向に表示器
に表示されるように構成したものである。請求項７は、
請求項１、請求項２、請求項３、請求項４、請求項５、
請求項６の各二次元コード等の読取り装置に於て、光源
の光量を変更できる調節装置又はセンサーに電子シャッ
ターの少なくとも何れか一方を備えたものである。

【０００６】

【作用】センサーは照明装置から対象物に照射された一
部の光の反射光を、入射角と等しい反射角で受光できる
位置に設置されている。その為、乱反射する対象物に表
示されたコード等は、少量の光量で、即ち少電力の光源
を使用してもセンサーを介してコード等を読み取ること
ができる。又、鏡面に表示されたコード等は、拡散光の
入射角と等しい反射角の位置にセンサーを設置すること
によって、該反射光を介して読み取ることができる。
又、前記構成を種々の形態で組み合せれば、種々の対象
物に表示された２次元コード等を読み取ることができ
る。又、センサーに写像された像（デコード前の像）を
表示する表示器を備えることによって、読み取っている
像の位置が適性か否かを容易に判るし、且つ表示器の像
を読取り装置を固定して対象物を移動させる場合には対
象物と同じ方向に、或は対象物を固定して読取り装置を
移動させる場合には読取り装置の移動方向とは逆方向に
移動するように表示器に表示すれば、対象物或は読取り
装置の移動動作と像の移動方向とに違和感なく、更に読
み取る位置の修正が容易となる。

【０００７】

【実施例】

（実施例１）本発明の実施例を図面を参照して説明し、
図１は設置型の読取り装置の平面図、図２は図１の側面
図である。箱２０上には対象物３０を載置する読取り台
２１が取り付けられていて、該読取り台２１のほぼ中央
には対象物３０の平面に表示された二次元コード等を読
み取るための読取り窓口２２が穿設されている。箱２０
内には、複数設置してもよいが本実施例では、一個の読
取り装置を構成する照明装置２５ａ及びセンサー２８が
内装されている。照明装置２５ａは前記読取り窓口２２
の中心部の垂線ｍから右にα（１０゜）の角度の位置を
中心とする光源２４ａ（ＬＥＤ等）を内装して設置され
ている。又、垂線ｍから左にα（１０゜）の位置、即ち
前記光源２４ａが対象物３０を照射する入射角と等しい
反射角の位置に、図示略の集光レンズや受光体を備えた
センサー（ＣＣＤ等）２８が取り付けられている。

【０００８】前記構成は二次元コードが紙等のような乱
反射する対象物３０に表示されている場合に適用され
る。光源２４ａからの光は入射角αで対象物３０を照射
し、対象物３０で乱反射された光はセンサー２８で受像
されて二次元コード等が読み取られる。この様に、セン
サー２８を光源２４ａの入射角αと等しい反射角αの位
置に設置すると、光源２４ａの光量を減少させることが
できる。即ち、少電力化を図ることができるため、特に
ハンディタイプの小型軽量の読取り器の製作に有利であ
る。尚、光源を有する照明装置は照明装置２５ａと同じ
作用をなす位置の他に、他の位置に複数設置してもよい
ことはいうまでもないし、照明装置内には複数個の光源
を配設してもよい。

【０００９】（実施例２）本実施例は請求項２に対応
し、図３を参照して説明する。本実施例は、対象物３０
が鏡面状態である部分に表示された２次元コード等を読
み取るものである。図２とは照明装置２５ｂを新たに配
設している点及び照明装置２５ａの光を拡散光とするた
めに拡散板２６を設置した点が異なる。照明装置２５ｂ
はセンサー２８の中心線から左にβ（２０゜）の位置に
光源２４ｂを配設し、光源２４ｂからの反射光がセンサ
ー２８に受光しない位置に設置されている。又、照明装
置２５ａには拡散板２６が取り付けられていて、照度は
照明装置２５ｂの１／１０程度である。対象物３０が鏡
面等に表示された二次元コードを読み取る場合について
述べると、光源２４ｂからの光は拡散板がないため直射
光として対象物３０を照射し、該照射光は、対象物３０
が鏡面のため入射光と等しい角度（α＋β）で反射光と
なり、センサー２８は係る反射光を受像しない。一方、
光源２４ａからの光は拡散板２６で拡散されて対象物３
０を入射角αで照射し、同じ角度αで反射し垂線ｍに対
して対称位置に設置してあるセンサー２８で受光され
る。その為、センサー２８は該光によって光度を失する
ことなく対象物３０に表示された二次元コード等を読み
取ることができる。

【００１０】前記とは異なる乱反射する対象物３０に表
示された二次元コードを読み取る場合について述べる。
光源２４ａからの光は拡散光であり、対象物３０で乱反
射されて反射光としては弱い光として、即ち、該光源２
４ａの影響を殆ど受けることなくセンサー２８で受光さ
れる。一方、光源２４ｂからの強い光は、対象物３０で
乱反射されてセンサー２８で受光されて二次元コード等
を読み取ることができる。この様に、光源を直射光と拡
散光を使用することによって、照明装置を変更すること
なく種々の対象物３０に表示された２次元コードを読み
取ることができる。尚、前記実施例では拡散板を使用し
て拡散光を得ているが、ＬＣ（エレクトロルミネッセン
ス）等のように拡散光の作用をなす光源を使用する場合
には必要ないことは言うまでもない。又、照明装置とし
て２５ａ、２５ｂと分離しているが、各々直射光と拡散
光を発するように１個の照明装置に構成してもよい。

【００１１】（実施例３）本実施例は請求項３に対応
し、乱反射する対象物３０の曲面上に表示された２次元
コードを読み取る場合の例である。係る場合には表面を
直線で近似分割して、各分割された位置に照射可能に照
明装置２５ａ、２５ｂ、２５ｃを設置する。断面を示す
図４では曲面を３分割ｎ1、ｎ2、ｎ3し、該分割部ｎ1、
ｎ2、ｎ3を照射する光源２４ａ、２４ｂ、２４ｃを設置
する。一方、センサー２８は各光源の入射角度と等しい
反射角度α、β、γで受光可能な位置にセットする。本
実施例は実施例１と同じ作用によって、各光源からの光
は曲面の各部を各々照射し、反射光はセンサーで映像さ
れて曲面に表示されている２次元コードを読み取ること
ができ電力消費の減少を図ることができる。

【００１２】（実施例４）図５は、図４とは異なり照明
装置２５ａ、２５ｂ、２５ｃに各々拡散板２６ａ、２６
ｂ、２６ｃを用いて拡散光を用いるものである。この様
に、拡散板２６で拡散光を使用すると、前記実施例２で
記載したように鏡面の対象物３０に表示された２次元コ
ードを読み取ることができる。尚、拡散光と作用するＬ
Ｃ等を使用する場合には拡散板を要しないことは言うま
でもない。

【００１３】（実施例５）図６は円筒体の側面、図７は
その正面を示し、拡散板２６を設置した照明装置２５ａ
（２５ｂ、２５ｃ）はセンサー２８と入射角δと反射角
δとが等しい位置関係に配設し、拡散板を有しない照明
装置２５ａ（２５ｂ、２５ｃ）を他の位置に設置する。
即ち、図４及び図５で示す各々の照明装置を配置したも
のであり、拡散光の照度は直接光の照度の１／１０程度
に選定してある。本実施例の場合は、実施例２で記載し
たと同様な作用によって、即ち、対象物３０が鏡面の場
合には拡散光によって、乱反射の場合には直射光によっ
て読み取ることができる。尚、拡散板は拡散光としてＬ
Ｃ等のように拡散光の作用をなす光源を使用する場合に
は必要ないことは言うまでもない。又、照明装置として
２５ａ、２５ｂ、２５ｃと分離しているが、各々直射光
と拡散光を発するように１個の照明装置に構成してもよ
い。

【００１４】（実施例６）図８はハンディタイプの二次
元コードリーダ４０の側断面図を示し、正面図（図示
略）は図２と同じ構成となっている。即ち、２５ａ、２
５ｂは照明装置であって、照明装置２５ａは拡散光を、
照明装置２５ｂからは直射光を発する。３４は集光レン
ズ、３５は受光体である。尚、図３に示すように、照明
装置２５ａとセンサーの受光体３５とは角度２α、照明
装置２５ｂとセンサーの受光体３５とは角度βの位置に
配置されている。又、前記受光体３５で受光された像は
図示略の解読器で解読されて情報を得る。３６は表示器
であって、受光体３５で受像した像そのもの、即ちデコ
ード前の像を表示し、現在の位置で二次元コード等が解
読可能か否かを報知するものである。操作者は該表示器
３６の像によって２次元コード等の読み取る位置を迅
速、的確に決定することができる。又、前記表示器３６
に表わされる像は左右及び上下に反対像として表示され
る為、操作者にとって、係る像を表示器３６の適性な位
置となるように対象物３０或は読取り装置自体を移動さ
せることに違和感を感じる。その為、読取り装置を固定
して対象物３０を上方向に移動させた時には、表示器３
６の像を同じ上方向に移動可能にし、一方、対象物３０
を固定して読取り装置を上方向に移動させた時には、像
を反対の下方向に移動して表示するようにする。係るよ
うに表示器３６に表示させることによって、表示される
像に対して違和感なく対応できるため、より簡便に２次
元コード等の読み取る位置を決定することができる。
尚、これらの表示器を前記した各実施例の装置に具備す
れば同じ効果を得ることができるのはいうまでもない。

【００１５】尚、前記各実施例の読取り装置内に、セン
サーの受光量を検知する光量検知手段を備え、一方、光
源の光度を可変可能な装置或はセンサーの受光量を調節
する電子シャッターの少なくとも何れか一方を付設すれ
ば、前記光量検出手段によって照明装置の照度或はセン
サー感度を制御することもでき、より多くの対象物に的
確に対応して二次元コード等を読み取ることができる。
又、本発明は、前記各実施例に限定されるものでなく、
照明装置（光源）の個数は対象物によって適宜選定し、
照明装置の照度も適宜に選定して使用することはいうま
でもない。

【００１６】

【発明の効果】本発明の読取り装置によれば、照明装置
の消費電力を減少することができるし、反射率を異にす
る対象物や形状を異にする場所に表示された二次元コー
ド等を読み取ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】設置型の読取り装置の平面を示す図である。

【図２】図１の側面図である。

【図３】他の実施例の図１の側面図である。

【図４】円筒体表面に表示された２次元コード等を読み
取る概念図を示す。

【図５】円筒体表面に表示された２次元コード等を読み
取る他の概念図を示す。

【図６】円筒体表面に表示された２次元コード等を読み
取る側面の概念図を示す。

【図７】図６の正面図である。

【図８】ハンディ型の読取り装置の１部断面図を示す図
である。

【図９】従来の読取り装置の内部構造を示す図である。

【図１０】図９の側面を示す図である。

【符号の説明】

２０ 箱 ２１ 読取り台 ２２ 読取り窓口 ２４ａ、２４ｂ、２４ｃ 光源 ２５ａ、２５ｂ、２５ｃ 照明装置 ２６ 拡散板 ２８ センサー ３０ 対象物

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光源を有する照明装置を２次元コード等
   を表示した対象物に照射して、該対象物の反射光を受像
   するセンサーを有する二次元コード等の読取り装置にお
   いて、前記センサーを前記照明装置からの１部の光が対
   象物を照射する入射角と等しい反射角で受光する位置に
   配設したことを特徴とする二次元コード等の読取り装
   置。
2. 【請求項２】 光源を有する照明装置を２次元コード等
   に照射して、該対象物の反射光を受像するセンサーを有
   する二次元コード等の読取り装置において、前記センサ
   ーを前記照明装置からの１部の光が対象物を照射する入
   射角と等しい反射角で受光する位置に配設し、且つ該光
   を拡散光とすることを特徴とする二次元コード等の読取
   り装置。
3. 【請求項３】 照明装置を曲面状の対象物に表示された
   ２次元コード等に照射して、該対象物の反射光を受像す
   るセンサーを有する二次元コード等の読取り装置におい
   て、前記照明装置で曲面を複数の平面に分割近似した部
   分を照射し、、少なくとも前記照明装置からの１部の光
   が対象物を照射する入射角と等しい反射角で受光する位
   置に前記センサーを配設したことを特徴とする二次元コ
   ード等の読取り装置。
4. 【請求項４】 請求項３に於ける照明装置からの１部の
   光を拡散光とすることを特徴とする請求項３の二次元コ
   ード等の読取り装置。
5. 【請求項５】 センサーに写像された像（デコードされ
   る前の像）を表示する表示器を備えた請求項１、請求項
   ２、請求項３、請求項４の二次元コード等の読取り装
   置。
6. 【請求項６】 センサーに写像された像（デコードされ
   る前の像）を、読取り装置を固定して対象物を移動させ
   る場合には対象物と同じ方向に、又は対象物を固定して
   読取り装置を移動させる場合には読取り装置の移動方向
   と逆方向に表示器に表示することを特徴とする請求項５
   の二次元コード等の読取り装置。
7. 【請求項７】 光源の光度を変更できる調節装置又はセ
   ンサーに電子シャッターの少なくとも何れか一方を備え
   たことを特徴とする請求項１、請求項２、請求項３、請
   求項４、請求項５、請求項６の二次元コード等の読取り
   装置。