JPH05313811A - 位置入力装置 - Google Patents

位置入力装置

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JPH05313811A
JPH05313811A JP11926092A JP11926092A JPH05313811A JP H05313811 A JPH05313811 A JP H05313811A JP 11926092 A JP11926092 A JP 11926092A JP 11926092 A JP11926092 A JP 11926092A JP H05313811 A JPH05313811 A JP H05313811A
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JP
Japan
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circuit
sense line
sense
signal
sense lines
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JP11926092A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Morita
芳行 森田
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Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 位置指示器と検出装置本体とを信号線で接続
する必要がなく、位置検出が高速で周辺精度が悪化しな
い位置入力装置を簡単な構成で実現する。 【構成】 位置指示器6は共振回路7を有する。第1の
センスライン群21ないし24と第2のセンスライン群
31ないし34とは直接の電磁結合がないように敷設す
る。第1および第2の走査回路8、9、励磁検出切替回
路10は前記センスライン群の中の隣合う2つのセンス
ラインを順次選択する。位置指示器6がセンスライン群
に近接すると、これらと増幅回路4とによって正帰還ル
ープ回路が構成され発振信号s1が発生する。発振信号
s1の振幅は位置指示器の指示位置の位置情報を有する
ので、位置検出回路5cはこれを入力し指示位置を算出
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータ等の外部
装置へ位置情報を入力する位置入力装置に関し、特に検
出装置本体と位置指示器との間を信号線で接続する必要
のないワイヤレス位置入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図19に従来の位置入力装置の構成図を
示す。この図を基に、まず従来の位置入力装置の位置を
検出する動作について説明する。励磁ライン903とセ
ンスライン902を直交して敷設し、それぞれを第1の
走査回路908および第2の走査回路909に接続して
順次選択するように構成する。第1の走査回路908に
は励磁回路915から励磁信号s906が供給されてい
るので、これにより選択された励磁ラインは交流磁界を
発生する。位置指示器906は前記励磁信号s906の
周波数に共振する共振回路(図示していない)を有する
ので、これをセンスライン上に置くと、励磁ライン90
3、位置指示器906、センスライン902の三者間の
結合によってセンスライン902には誘導信号s901
が発生する。この誘導信号s901を第2の走査回路9
09によって順次選択し、信号処理回路904に導いて
振幅信号s905とし、さらにこの信号を位置検出回路
905に入力して誘導信号s901の分布状態から位置
を算出する。
【0003】誘導信号s901の分布状態を観測するた
めには、複数のセンスラインを選択しなければならない
が、このような従来の位置入力装置では1点の位置を算
出するために、各励磁ラインを選択する間に複数のセン
スラインを選択するというようにマトリクス状に選択動
作を行う必要があった。たとえば励磁ラインとセンスラ
インをそれぞれ5本ずつ選択するとすれば、1本の励磁
ラインを選択するごとに5本のセンスラインを選択する
ので、合計25回の選択動作を行って1点の位置を算出
することになるのである。
【0004】次に従来の位置入力装置において位置指示
器に設けられたスイッチ等の状態を検出する動作につい
て図20を基に説明する。図20(a)に示すように、
位置指示器906は共振回路907を有し、これにスイ
ッチと第2のコンデンサとが直列に接続されたスイッチ
回路913が並列に接続されている構成となっている。
そしてスイッチを押すと共振周波数がわずかに変化する
ようになっている。
【0005】したがって誘導信号s901の位相は、図
20(b)に示すようにスイッチオフのときとスイッチ
オンのときとではわずかに変化する。この位相変化φを
検出すればスイッチ回路913の状態を検出することが
できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の位置検出装置に
おいては、励磁ラインからあらかじめ定められた周波数
の交流磁界を常に発生させておく必要があった。位置指
示器がセンスラインの近傍に存在しなくても、つまり位
置検出をする必要のないときでも位置指示器が置かれた
ことを検出するために交流磁界を常に発生させておく必
要があったのである。そして交流磁界を発生させるため
に、専用の励磁回路が必要であった。
【0007】また1点の位置を算出するためには前記の
ようにマトリクス状に選択する必要があるので位置算出
を高速化できないという問題があった。また図21に示
すように周辺に敷設されたセンスラインではA部、B部
で励磁ラインとセンスラインの直接結合が発生するの
で、位置指示器が存在しなくても誘導信号が発生してし
まっていた。このことは周辺では位置指示器の指示位置
によらない誘導信号成分が加わるということを意味し、
周辺での位置検出精度が悪化するという問題となってい
た。
【0008】さらに位置指示器の状態を検出するために
励磁信号の周波数と位置指示器の共振回路の共振周波数
のわずかなずれによって生じる位相差を利用するため、
位置指示器のスイッチ回路や検出装置本体の位相検出回
路は非常に精密な周波数設定が必要であった。また、複
数のスイッチの状態を検出しようとする場合は、それぞ
れのスイッチ回路ごとに位相差が生じるようにしておか
なければならないが、位相のシフト量には限界があるた
め、あまり多くのスイッチの状態を検出するようには構
成できなかった。市場の要求では16スイッチあるいは
それ以上のスイッチを望む声があるが、従来の装置では
実現できなかったのである。
【0009】本発明の第1の目的は検出装置本体と位置
指示器との間を信号線で接続する必要のないワイヤレス
位置検出装置であって、しかも従来の装置より回路を簡
素化できる位置入力装置を実現することである。また第
2の目的は上記第1の目的に加え、位置算出を高速に実
行することのできる位置入力装置を実現することであ
る。
【0010】また第3の目的は上記第1および第2の目
的に加え、周辺精度が悪化することのない位置入力装置
を実現することである。さらに第4の目的は上記第1な
いし第3の目的に加え、位置指示器の状態検出を特に精
密な設定を必要としない回路で実現でき、しかも複数の
状態検出まで容易に拡張できる位置入力装置を実現する
ことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では増幅回路と、この増幅回路の出力に接続
したループ形状をなす第1のセンスラインと、増幅回路
の入力に接続したループ形状をなす第2のセンスライン
とを有する検出装置本体、および共振回路を有する位置
指示器とによって構成し、第1および第2のセンスライ
ンは両センスライン間の電磁結合が打ち消されるように
ループの一部が重なり合うように敷設し、前記共振回路
が第1および第2のセンスラインに近接して双方と電磁
結合したときに、増幅回路と第1および第2のセンスラ
インと共振回路とが正帰還ループによる発振回路を形成
して発振信号を発生するようにし、発振信号の振幅情報
から位置指示器が指示した位置の位置情報を得るように
位置入力装置を構成し、これを第1の構成とした。
【0012】また本発明では前記第1の構成における第
1および第2のセンスラインを複数敷設して第1および
第2のセンスライン群とし、各センスライン群に接続さ
れセンスライン群の中の1本のセンスラインを選択する
第1および第2の走査回路と、これらの走査回路を増幅
回路の入力と出力とに交互に切り替える励磁検出切替回
路とを新たに設けて構成し、前記共振回路が第1および
第2のセンスライン群の選択された2つのセンスライン
に近接して双方と電磁結合したときに、増幅回路と選択
された2つのセンスラインと共振回路とが正帰還ループ
による発振回路を形成して発振信号を発生するように
し、発振信号の振幅情報から位置指示器が指示した位置
の位置情報を得るように位置入力装置を構成し、これを
第2の構成とした。
【0013】また本発明では前記第1の構成における第
1および第2のセンスラインを複数敷設して第1および
第2のセンスライン群とし、両センスライン群に接続さ
れ、センスライン群の中の1本のセンスラインを選択し
て増幅回路の出力に接続する第1の走査回路と、同様に
両センスライン群に接続され、センスライン群の中の1
本のセンスラインを選択して増幅回路の入力に接続する
第2の走査回路とを新たに設けて構成し、前記共振回路
が第1および第2のセンスライン群の選択された2つの
センスラインに近接して双方と電磁結合したときに、増
幅回路と選択された2つのセンスラインと共振回路とが
正帰還ループによる発振回路を形成して発振信号を発生
するようにし、発振信号の振幅情報から位置指示器が指
示した位置の位置情報を得るように位置入力装置を構成
し、これを第3の構成とした。
【0014】また本発明では前記第1ないし第3の構成
において、位置指示器には共振回路の共振周波数を変化
させる状態設定手段を設け、検出装置本体には発振信号
の周波数情報から状態設定手段によって設定した状態を
検出する状態検出手段を設けて位置入力装置を構成し、
これを第4の構成とした。さらに本発明では前記第1な
いし第4の構成において、検出装置本体には増幅回路の
増幅度を制御するAGC回路を設け、AGC回路の出力
する制御信号または増幅回路の入力信号から得られる発
振信号の振幅情報から位置指示器が指示した位置の位置
情報を得るように位置入力装置を構成し、これを第5の
構成とした。
【0015】
【作用】第1の構成による位置入力装置では、第1およ
び第2のセンスラインに位置指示器の共振回路が近接す
ると、三者間に電磁結合が生じ、この結果これらの回路
と増幅回路とによって正帰還ループによる発振回路が形
成され、発振信号が発生する。発振信号の振幅は位置指
示器の指示位置の情報を含むので、位置検出回路はこの
発振信号を入力しその振幅によって位置指示器の指示位
置を検出する。
【0016】第2および第3の構成による位置入力装置
では、第1および第2のセンスライン群を順次選択し、
各選択状態における発振信号の振幅を比較演算して位置
指示器の指示位置を検出する。このため広い検出範囲に
おいて指示位置を検出することができる。第4の構成に
よる位置入力装置では、第1および第2のセンスライン
に位置指示器の共振回路が近接すると第1の構成と同様
に発振信号が発生し、指示位置が検出される。このと
き、位置指示器の状態設定手段が操作され共振回路の共
振周波数が変化すると、発振信号の周波数もそれに伴っ
て変化する。状態検出回路はこの発振信号の周波数によ
って状態設定手段の状態を識別する。
【0017】第5の構成による位置入力装置では、位置
指示器の指示位置によって正帰還ループのゲインが制御
されるようにしている。ゲイン制御信号は位置指示器の
指示位置の情報を含むので、これによって位置指示器の
指示位置を検出することができる。
【0018】
【実施例】以下本発明の実施例について図面を参照しな
がら説明する。まず、位置検出原理について図1ないし
図5に基づき説明する。図1は本発明の位置検出原理を
説明するための原理構成図である。まず位置指示器6は
入力しようとする位置を指示するためのものであって、
共振回路7が設けられている。共振回路7の共振周波数
は後述する増幅回路の性能や電磁結合の強度等を考慮し
て選択すればよく、数百kHz程度の値としておく。
【0019】検出装置本体1には第1のセンスライン2
と第2のセンスライン3、増幅回路4および位置検出回
路5が設けられている。第1のセンスライン2および第
2のセンスライン3は、たとえばプリント基板上に導線
をループ形状に敷設したものであり、両者のループの一
部が重なり合うように敷設されている。このとき両者の
敷設間隔pは、両者間の直接の電磁結合の効果が打ち消
されるように選ぶ。たとえば図1のように第1のセンス
ライン2に交流電流i1(=i2)を流したとき、第2
のセンスライン3に誘導する誘導電流のうち左辺電流i
1によって誘導する電流と、右辺電流i2によって誘導
する電流とが極性が逆で大きさが等しくなる敷設間隔p
が存在する。第1および第2のセンスラインは、このよ
うな条件が成立する敷設間隔pで敷設しておくのであ
る。
【0020】このように構成した第1のセンスライン2
は増幅回路4の出力に、また第2のセンスライン3は増
幅回路4の入力に接続する。ただし、ここで2種類のセ
ンスラインを第1、第2としたのは説明のために呼び分
けたにすぎず、両者は同じ構造なのであるから、第1の
センスライン2を増幅回路4の入力に、また第2のセン
スライン3を増幅回路4の出力に接続しても機能的には
全く等価である。
【0021】第1のセンスライン2、第2のセンスライ
ン3と共振回路7との電磁結合の強度、増幅回路4の入
出力の極性および増幅度には本装置を構成するための条
件があるので次のように適宜選択して設計する。まず、
共振回路7が第1のセンスライン2と第2のセンスライ
ン3に近接している場合、第1のセンスライン2−共振
回路7−第2のセンスライン3−増幅回路4で構成され
る閉ループ回路が正帰還ループになるように各部の結合
の位相関係を設定しておかなければならない。また増幅
回路4のゲインは共振回路7が近接した状態で閉ループ
回路ゲインが1以上になって発振が始まるようにしてお
かなければならない。
【0022】正帰還ループによる発振回路は周知の回路
であり、ループゲイン1以上で正帰還がかかれば発振が
始まることは一般的によく知られた技術である。本装置
の場合、共振回路7の近接距離によってループゲインが
変化し、ある一定距離以下になって電磁結合が強まった
場合にループゲインが1以上になって発振が始まるよう
にしておけばよい。
【0023】位置検出回路5は正帰還ループに発生する
発振信号s1の振幅情報から位置検出信号s2を出力す
るものである。この構成例では増幅回路4の出力に接続
されている。位置検出回路5の例を図3に示す。図3
(a)の回路は整流回路51と平滑回路52で構成され
ており、発振信号s1の包絡線信号を位置検出信号s2
aとして出力するようになっている。位置検出信号s2
の形態は位置情報を利用するシステムが利用しやすいよ
うに変換してやればよいので、位置検出回路5の出力に
はそれに見合った出力回路を付加すればよい。たとえば
位置検出信号s2をデジタル値で得たい場合には、図3
(b)のように平滑回路52の後段にA/D変換回路5
3を設ければよい。
【0024】次にこの装置の動作について説明する。ま
ず、位置指示器6がセンスライン近傍に存在しない場
合、第1のセンスライン2と第2のセンスライン3とは
直接の電磁結合がゼロとなるように敷設されているため
閉ループ回路が構成されず発振は起こらない。次に図4
のように位置指示器6がセンスライン近傍に置かれ、高
さ一定のままセンスラインが隣合う方向、すなわち図の
X方向に移動する場合を考える。このとき第1のセンス
ライン2、第2のセンスライン3と共振回路7との間に
は電磁結合が起こり、増幅回路4を含んで正帰還ループ
が構成され、発振が始まって発振信号s1が発生する。
位置検出回路5は発振信号s1を入力し、これを整流、
平滑して振幅情報を位置検出信号s2として出力する。
【0025】位置指示器が図4のX方向に移動すると、
位置に応じてセンスラインと共振回路7との結合強度が
変化し、閉ループ回路のゲインが変化して発振信号s1
の振幅が変化する。振幅は図4(a)のように共振回路
7を構成するコイルの中心が第1のセンスライン2と第
2のセンスライン3の交差する領域の中央X2にあると
き最も大きくなり、周囲に移動するに従ってしだいに小
さくなる。X方向の振幅の分布は図4(b)のような傾
向になるのである。
【0026】ただし、この例は原理を説明することを目
的としているため、左右の位置、すなわち図のX1、X
3の領域で振幅が等しくなる位置があり、指示位置を一
点には特定できない。しかし発振信号s1の振幅が位置
情報を有することはこれから理解できよう。このように
高さ一定の条件では位置指示器6の位置と発振信号s1
の振幅との間には一定の関係が成り立つので、発振信号
s1の振幅情報によって指示位置を知ることができる。
【0027】図4での説明は位置指示器6が高さ一定の
ままセンスラインの敷設方向に移動する場合について説
明したが、高さ方向に移動した場合にも、その高さを検
出できることは容易に理解できよう。図5は共振回路7
がセンスラインの敷設方向に移動しないようにしたまま
センスラインの敷設面h0から高さh方向に移動する場
合の発振信号s1の振幅の変化を表した図である。振幅
は高さhの変化に対して一様に変化するので、敷設方向
の位置の検出と同様に発振信号s1の振幅情報によって
指示高さを知ることができる。
【0028】さて、以上説明した原理構成におけるいく
つかの構成上のバリエーションについて説明を加えてお
く。まず、図1においては第1のセンスライン2および
第2のセンスライン3は一重のループラインとして説明
したが、電磁結合を強くするためにセンスラインは多重
のループラインとしてもよい。後述するように、実際に
位置入力装置として構成するためには多重とする方が現
実的である。図2は4重ループラインとした場合の敷設
図であり、この場合においても両者の直接の電磁結合を
打ち消すように敷設する。
【0029】また、位置検出回路5は図1では増幅回路
4の出力に接続したが、説明したように発振信号s1の
振幅情報が入力できればよいので、必要に応じてその他
の回路に接続してもよい。たとえば増幅回路4の入力に
接続することも可能である。ただし、この場合には発振
信号s1の振幅が小さいので図3に示した整流回路51
の前に増幅回路を設ける必要がある。
【0030】次に実用的な位置入力装置としての第1の
実施例について図6ないし図13に基づき説明する。図
6は第1の実施例による位置入力装置の構成図である。
図6において、21、22、23、24は第1のセンス
ライン群、31、32、33、34は第2のセンスライ
ン群である。これらのセンスライン群は位置を検出する
方向にセンスラインピッチpで敷設されている。なお、
ここでは説明を簡単にするために位置を検出する方向は
一方向(図の水平方向)のみとして説明する。
【0031】第1のセンスライン群と第2のセンスライ
ン群とは、原理説明のための構成と同様にループの一部
が重なり合うように敷設されており、たとえば第1のセ
ンスラインとして21、第2のセンスラインとして31
を選択した場合、両者間の電磁結合が打ち消されるよう
になっている。各センスラインの一方の端は両センスラ
イン群ともすべてが接地されている。センスラインの他
端は第1のセンスライン群では第1の走査回路8に、ま
た第2のセンスライン群では第2の走査回路9に接続さ
れている。
【0032】第1の走査回路8および第2の走査回路9
はアナログスイッチ等の複数の電子スイッチ素子で構成
されており、各スイッチ素子の一方の端子はお互いに接
続されて共通端子となっている。この回路には具体的に
はアナログスイッチIC、CD4051等が使用でき
る。後述する制御回路11から与えられる選択信号s
3、s4によってスイッチ素子の1つが閉じ、スイッチ
素子の一端が共通端子に接続されるようになっている。
【0033】第1の走査回路8および第2の走査回路9
の各端子には、前記センスライン群の各センスラインが
接続される。また、共通端子は励磁検出切替回路10に
接続されている。後の説明のために、これらの回路の機
能を表1および表2に示し具体的に説明しておく。ただ
し、これらの表は(表2以降に示す表も同様)説明のた
めに一例を示したものであって、機能はこの表だけに限
定されるものではない。表において信号の名称は符号の
みを表示する。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】第1のセンスライン選択信号s3および第
2のセンスライン選択信号s4はたとえば複数の信号線
によるバイナリ数値で表現され、この信号線にバイナリ
数値を与えることによって、対応するセンスラインが選
択される。たとえば、表1において第1のセンスライン
選択信号s3として「2」を与えるとセンスライン23
が選択されるのである。
【0037】励磁検出切替回路10は基本的には2入力
2出力のスイッチであり、入力の各端子を出力の各端子
に交互に切り替えるものである。図6に示した回路はア
ナログスイッチIC、CD4052を使用した場合のも
のである。このICは4入力1出力のスイッチ2回路で
構成されており、1系統の選択信号で2回路を制御する
ようになっている。この例では各回路2接点ずつ使用
し、たすきがけ接続で上記機能を実現している。なお、
使用する素子によって回路は異なるのであって、この回
路に限定されるものではない。
【0038】この回路の機能については表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】図6においてI1、I2は入力端子を、O
1、O2は出力端子を示す符号である。表3に示すよう
に、励磁検出切替信号s5が論理0のとき、I1はO1
に、I2はO2に接続される。またs5が論理1のと
き、I1はO2に、I2はO1に接続される。
【0041】励磁検出切替回路10の一方の出力O1は
増幅回路4の入力に、また他の出力O2は増幅回路4の
出力に接続されている。増幅回路4は原理説明で用いた
増幅回路と同様である。位置検出回路5cは図7のよう
に構成されており、図3(b)に示した原理説明のため
の構成の後段に位置算出回路54が付加された構成にな
っている。位置算出回路54はA/D変換回路53でデ
ジタル値に変換された発振信号の振幅情報と、第1、第
2の走査回路8、9および励磁検出切替回路10に与え
られる選択信号s3ないしs5を入力し、これらから位
置指示器6によって指示された位置を算出するものであ
る。
【0042】制御回路11は第1の走査回路8、第2の
走査回路9および励磁検出切替回路10に各選択信号s
3ないしs5を与えるように接続されている。本実施例
の場合、制御回路11はセンスラインのとなりあう2本
が同時に選択されるように、第1のセンスライン選択信
号s3と第2のセンスライン選択信号s4とを出力す
る。また、センスラインを選択する信号を出力するたび
に励磁検出切替信号s5を反転させ、第1および第2の
走査回路が増幅回路4の入力と出力とに交互に切り替わ
り接続されるようにする。
【0043】位置指示器6の構成は原理説明のための構
成と同様である。次に動作について説明する。制御回路
11は、第1のセンスライン選択信号s3を第1の走査
回路8に、また第2のセンスライン選択信号s4を第2
の走査回路9に与えて、センスライン群の中の隣合う2
本のセンスラインを選択する。同時に励磁検出切替信号
s5を励磁検出切替回路10に与えて、選択したセンス
ラインを増幅回路4の入力と出力に接続する。
【0044】図6によって選択動作についての具体的な
例を示す。たとえば第1のセンスライン選択信号s3、
および第2のセンスライン選択信号s4を1とし、同時
に励磁検出切替信号s5を論理1とする。この場合、表
1および表2のようにセンスライン22と32が選択さ
れ、励磁検出切替回路10の入出力は表3によって、I
1−O2、I2−O1が接続されるので、センスライン
22は増幅回路4の入力に、センスライン32は増幅回
路4の出力に接続されることになる。後の説明のため
に、今後増幅回路4の出力に接続されたセンスラインを
励磁センスライン、増幅回路4の入力に接続されたセン
スラインを検出センスラインと呼ぶこととする。この場
合は32が励磁センスライン、22が検出センスライン
となる。
【0045】原理の説明のように、選択されたセンスラ
インに位置指示器6が近づいたとき、センスラインと共
振回路7および増幅回路4によって閉ループ回路が構成
され発振が起こるのであった。そのとき位置指示器6の
位置と発振信号s1の振幅との関係は図4のようであっ
た。発振信号s1の振幅には位置指示器6の指示した位
置の位置情報が含まれている。この情報を利用して位置
を求めることが本位置検出装置の位置算出原理である。
【0046】制御回路11は前述のようにセンスライン
を選択する。そして、この選択動作を位置算出に必要な
数のセンスラインについて行う。通常、位置検出方向あ
るいはその逆方向に1本ずつ順番に選択していく。この
選択動作を「走査」と呼ぶ。走査する順序は本質的な問
題ではない。必ずしも順序よく走査する必要はなくラン
ダムであってもよい。以下の説明は位置検出方向に順序
よく走査する場合について説明する。
【0047】位置算出に必要な数とは、たとえば本実施
例では5本である。この数はセンスラインピッチpと共
振回路7のコイルの直径その他のパラメータを考慮して
定める値であって、ここに示した5本という数に本質的
な意味はない。後に示すように、位置を算出するために
必要な情報が得られる範囲を含めばよい。具体例を示し
て走査動作を説明する。いま、図6に示したセンスライ
ン31を走査開始センスラインとして順に5本分の走査
を行うとき、走査によって選択されるセンスラインと、
それらのセンスラインが接続される回路とを表4にタイ
ミング表として示す。
【0048】
【表4】
【0049】表4に示すように、各走査ではとなりあう
2本のセンスラインが選択され、一方は増幅回路4の入
力に、他方は増幅回路4の出力に接続される。この走査
を順に5回行うのである。1回の選択動作で1本の励磁
センスラインと1本の検出センスラインが選択される。
これらのセンスラインと増幅回路4および共振回路7と
で構成される閉ループ回路には、前述の説明のように共
振回路7との位置関係によって振幅が大小する発振信号
s1が発生するので、センスラインを順次選択すること
によって、発振信号s1が順次位置検出回路5cに入力
される。
【0050】位置検出回路5cに入力される発振信号s
1の様子を図8に示す。図示した例では、センスライン
32が検出センスラインとなったときに、走査中最大の
振幅の発振信号が発生している。このことはセンスライ
ン32付近に共振回路7が存在していることを示してい
る。図8の発振信号s1は位置検出回路5cで、整流、
平滑化され図9に示す包絡線信号に変換される。誘導信
号の包絡線から位置算出する方法については、従来の位
置入力装置に開示されている方法で実現できる。以下位
置算出方法について簡単に説明する。
【0051】位置検出回路5cは、センスライン群が選
択されるごとに、発振信号s1を入力する。発振信号s
1は包絡線信号に変換されA/D変換回路53によって
デジタル値に変換され位置算出回路54に入力される。
位置算出回路54には制御回路11から出力される選択
信号s3、s4、s5も入力されるようになっている。
【0052】位置算出回路54は順次入力される包絡線
信号から最大の信号とその両隣のセンスラインの信号を
検出する。各信号について、次のように符号を与える。 Vp ・・・最大の信号 ピーク信号と呼ぶ Vph・・・最大の信号が発生したセンスラインの位置
検出方向となりのセンスラインの信号 Vpl・・・最大の信号が発生したセンスラインの位置
検出方向と逆方向となりのセンスラインの信号 最大の信号が発生した検出センスラインについては、そ
のセンスライン番号を走査開始センスラインを基準にし
たセンスライン番号に変換し記憶しておく。これをピー
クアドレスと呼びPadrsで表す。ピークアドレス
は、位置指示器の置かれたおおまかな位置を表す。これ
によってセンスラインピッチの単位で位置が検出できる
ことになる。
【0053】さらに細かい位置は、ピーク信号とその両
隣の信号を演算することによって求める。このためにま
ず、次のQなる値を求める。 Q = (Vp−Vph)/(Vp−Vpl) (式1) ただし、Vph>Vpl このQの値は、次のような性質を持つ。図10に示すよ
うに共振回路7のコイルがセンスライン21と32の交
差部の中心、点aに置かれている場合を考える。いま、
32が励磁センスラインに、21が検出センスラインと
して選択されると、原理説明のための図4に示したよう
に閉ループ回路には走査中最大の発振信号が発生し、位
置算出回路54にはピーク信号Vpが入力される。位置
算出回路54には第1および第2のセンスライン選択信
号s3、s4と励磁検出切替信号s5とが入力されてい
るので、これらからセンスライン21が検出センスライ
ンであることを認識する。そしてセンスライン21をセ
ンスライン31を基準センスライン番号0とした番号に
変換しピークアドレスPadrsとして記憶する。この
場合のピークアドレスはPadrs=1となる。
【0054】1回前の選択では21が励磁、31が検出
であり、この場合、閉ループ回路にはVpより小さな発
振信号が発生し、位置算出回路54にはVplが入力さ
れる。1回後の選択では同様に22が励磁、32が検出
となり、閉ループ回路にはVphが入力される。共振回
路7のコイルが点aに置かれている場合、1回前の選択
と1回後の選択においては電磁結合の効果は等しく、V
ph=Vplとなる。したがって式1によりQ=1とな
る。
【0055】次に図11に示すように共振回路7のコイ
ルが位置検出方向に移動すると、走査順に従って、セン
スライン間の結合のうち31−21、21−32の結合
は小さくなり、逆に32−22の結合が大きくなる。こ
の結果、Vp,Vplは小さくなり、Vphが大きくな
って、式1のQは1より小さな値をとることになる。コ
イルがさらに移動して、図12の位置、すなわち、図1
0の位置よりセンスラインピッチの1/2移動したとき
に、Qの値は最小値となる。このときは、21−32の
結合と、32−22の結合の効果が等しくなり、Vp=
VphとなってQ=0となる。
【0056】図10の位置から左に移動した場合はVp
hとVplを交換して式1によってQを求める。この場
合もQの増減傾向は同じ傾向となる。Qは、図13に示
すように、センスラインピッチの1/2ピッチごとに1
から0の間の値をとる値であり、センスライン間の詳細
な位置に1対1に対応する値となる。このQの特性をあ
らかじめ実験によって求めておけば発振信号の振幅から
Qを求めることによってセンスライン間の詳細な位置を
求めることができるのである。
【0057】位置指示器6による指示位置は前記のピー
クアドレスによるおおまかな位置と、ここで求めた詳細
な位置とを加減算することによって求められる。式2お
よび式3に位置算出式を示す。 指示位置 = Padrs × p + f(Q) (式2) ただし、Vph>Vpl または、 指示位置 = Padrs × p − f(Q) (式3) ただし、Vph<Vpl ここで符号を再度説明すると、 Padrs:ピークアドレス p :センスラインピッチ f(Q) :Qに対応するセンスライン間の詳細な位置 以上のようにして位置指示器の指示した位置を求めるの
である。
【0058】さて、本実施例においても、いくつかの構
成上のバリエーションについて説明をつけ加えておく。
まず、図6に示した構成では第1のセンスラインおよび
第2のセンスラインをそれぞれ4本としたが、センスラ
イン本数は位置算出範囲によって任意に増減させて設計
すればよい。本原理では検出できる範囲に制限はなく、
小型のタブレットと呼ばれる位置入力装置から大型のデ
ジタイザと呼ばれる位置入力装置まで広く実施可能であ
る。
【0059】また、図6では位置検出方向を水平方向の
一方向としたが、これは説明を簡略化するためであっ
て、実用的にはセンスライン群をX−Y方向に直交して
配置して二次元の位置入力装置として構成する。ここで
説明した構成を二次元の位置入力装置に展開することは
容易に理解できよう。この場合たとえば増幅回路をX、
Y方向別々に設けるかあるいは独立して設けるか等いく
つかの構成上のバリエーションが考えられる。しかしこ
れらのバリエーションは本発明の本質的な事項ではなく
単なる設計事項であるから必要に応じて任意に設計すれ
ばよい。
【0060】二次元の位置入力装置として構成した場
合、本発明の効果が際だつ。本実施例による位置入力装
置では、センスラインの走査を位置検出方向に独立して
行えばよい。X−Y二次元の位置を検出するのであれ
ば、たとえばX方向に5回、Y方向にも5回の計10回
の走査を行うだけでいいのである。従来の位置入力装置
ではマトリクス状に5×5の計25回の走査を行わなけ
ればならなかった。本発明によれば走査回数は大幅に減
少し位置算出の高速化がはかれるのである。
【0061】また1回の走査で選択される2本のセンス
ラインの関係は検出領域のどの場所においてもすべて等
しく、両者間の電磁結合は打ち消されるようになってい
る。従来の位置入力装置では周辺部において選択された
2本のセンスライン間に直接の電磁結合が発生してい
た。しかし本発明によればそのような直接の結合はない
ので周辺部において位置検出精度が悪化するというよう
な欠点がない。
【0062】次に第2の実施例について図14に基づき
説明する。図14は第2の実施例による位置入力装置の
構成図である。本実施例では前記第1の実施例と比べ
て、第1の走査回路8d、第2の走査回路9dと、これ
らへのセンスライン群の接続が異なっている。センスラ
イン群は第1の実施例のように2つのグループに分けら
れてはいない。また第1の実施例における励磁検出切替
回路10は設けられていない。さらに位置検出回路5
d、制御回路11dについても一部異なっている。その
他の部分は第1の実施例と同様である。第1の走査回路
8dおよび第2の走査回路9dは第1の実施例と同様の
電子スイッチ素子であり回路数が増えている。そして各
センスラインは第1の走査回路8dと第2の走査回路9
dの両者に並列に接続されている。
【0063】制御回路11dは第1の走査回路8dに対
して第1のセンスライン選択信号s3dを、また第2の
走査回路9dに対して第2のセンスライン選択信号s4
dを与えるように接続されている。位置検出回路5dは
発振信号s1を入力するとともに、第1および第2のセ
ンスライン選択信号s3d、s4dを入力するように接
続されている。
【0064】次に動作について説明する。制御回路11
dは第1および第2のセンスライン選択信号s3d、s
4dを第1および第2の走査回路8d、9dに与えセン
スラインを走査する。走査は第1の実施例と同様に隣合
う2つのセンスラインを選択し、一方が増幅回路4の入
力に、また他方が増幅回路4の出力に接続されるように
行う。表5に本実施例での走査のタイミング表を示す。
この表も第1の実施例での表4と同様にセンスライン3
1を走査開始センスラインとして順に5本分の走査を行
うときのものである。
【0065】
【表5】
【0066】位置指示器6がセンスライン群の近くに置
かれ、表5のように走査を行うと第1の実施例と同様に
位置指示器6の指示位置に応じた発振信号s1が発生す
る。以下第1の実施例と同様に発振信号s1の振幅情報
から位置指示器の指示位置を算出することができる。
【0067】本実施例においても、前記第1の実施例と
同様の構成上のバリエーションがあるが重複するので説
明は省略する。次に第3の実施例について図15および
図16に基づき説明する。この実施例は位置指示器に状
態設定手段を設け、その状態を検出装置本体で検出する
装置に関するものである。状態設定手段とはたとえば押
しボタンスイッチであって、これを押すことによって位
置入力の指示を行ったり、外部装置へコマンド情報を出
力したりする。
【0068】図15、図16は第3の実施例による位置
入力装置の構成図である。この実施例は前記原理説明の
ための構成に適用したものである。図15のように位置
指示器6eには共振回路7にスイッチ回路13が並列に
接続されている。この実施例ではスイッチ回路13はス
イッチとコンデンサの直列回路となっており、スイッチ
が閉じることによって共振回路7の共振周波数が変化す
るようになっている。なお、ここではスイッチ回路13
は1回路のみ設けたが、複数のスイッチ回路を設け、そ
れぞれのスイッチ回路を閉じることによって異なる共振
周波数になるようにしておいてもよい。本発明の特徴は
スイッチ回路を多数設けることができることにあるが、
この点については後述する。
【0069】一方検出装置本体1eには状態検出回路1
2が新たに設けられ増幅回路4の出力に接続されてい
る。状態検出回路12の構成は図16のようになってお
り、波形整形回路121、周波数カウンタ122、周波
数識別回路123で構成されている。波形整形回路12
1は正弦波信号である発振信号s1を周波数カウンタが
カウントできるように矩形波に変換する。周波数カウン
タは矩形波に変換された発振信号をカウントする。周波
数識別回路123はカウント値を記憶されている参照値
と比較しスイッチ回路の状態を識別する回路である。
【0070】次に動作について説明する。位置指示器6
eはスイッチ回路13が開いているときには周波数f1
で、また閉じているときには周波数f2で共振するよう
になっているとする。スイッチが開いている状態で位置
指示器6eがセンスラインに近づくと、構成される閉ル
ープ回路は周波数f1で発振を始める。状態検出回路1
2は発振信号s1を入力し、まず波形整形回路121に
よって矩形波に変換し、周波数カウンタ122によって
これをカウントする。
【0071】周波数識別回路123には周波数f1とf
2を識別するための参照値が記憶されているので、この
参照値と入力される周波数カウント値とを比較してスイ
ッチが開いているか閉じているかを認識する。この場合
はスイッチが開いていると認識されよう。スイッチが閉
じている場合においても同様に処理される。このように
本実施例では位置指示器のスイッチの状態は発振信号の
周波数を検出し、それを参照値と比較して識別するだけ
の処理である。したがって位置指示器6eに多数のスイ
ッチ回路を設けも、それぞれのスイッチ回路ごとに異な
る共振周波数となるようにしておけば、状態検出回路1
2では容易にスイッチ回路の状態を識別することができ
る。従来の位置入力装置では、スイッチによって共振回
路の周波数をわずかにずらし、そのわずかなずれを識別
していたので非常に精度のよい識別回路が要求されてい
た。それに比べ本実施例では周波数を比較的大きく変化
するように構成できるので、識別回路にさほどの高精度
は要求されないのである。
【0072】状態検出回路12の構成として、ここでは
周波数カウンタによる構成を例として示したが、発振信
号の周波数情報を用いるということを理解すればその他
の種々の回路が発想できるであろう。たとえば、発振信
号の周期を測定してもよいし、f−V変換回路によって
周波数情報を電圧情報に変換してから識別するようにし
てもよい。
【0073】ここで説明した状態設定手段としてはスイ
ッチによる回路を例として説明したが、その他の構成も
種々考えられる。たとえばスイッチのかわりに圧力検出
素子を用い、押圧によって周波数を連続的に変化させる
構成が考えられる。また、機械的なスイッチだけでな
く、たとえば位置指示器に触れることによって操作され
る電子的なスイッチによる構成、また触れる位置によっ
て連続的に周波数を変化させるような構成等、目的に応
じて種々の状態設定手段が考えられる。
【0074】また本実施例は前記原理構成の実施例に適
用したものであるが、これを第1、第2の実施例に適用
できることも明かであろう。この場合、走査をしながら
発振信号の周波数を検出することになるが、走査状態に
よって周波数が変化することはないので、適当なタイミ
ングを定めて周波数を検出するようにすればよい。現実
的にはピーク信号の周波数を検出するのがS/Nの点で
有利であろう。
【0075】次に第4の実施例について図17および図
18に基づき説明する。まず構成について説明する。図
17のように増幅回路4fには新たにAGC回路14が
設けられている。AGC回路14は発振信号s1を入力
し、この信号をもとに増幅回路4fのゲインを制御する
回路である。ゲイン制御信号s7を増幅回路4fに出力
し、増幅回路4fの出力における発振信号s1の振幅が
常に一定となるように制御するよう設計されている。
【0076】この実施例で用いられる増幅回路4fはゲ
イン制御信号s7によってゲインが変化するように設計
された可変ゲインの増幅器である。増幅回路4fにどの
ような回路を採用するか、またゲイン制御信号s7をど
のような信号とするかによってこれらの回路は種々の設
計が可能であるが、ここでは増幅回路4fとして電圧制
御増幅器(VCA)を採用し、直流電圧によるゲイン制
御信号s7でゲインを制御するようにした。またゲイン
制御信号s7が小さいときにはゲインが高くなるよう
に、逆にゲイン制御信号s7が大きいときにはゲインが
低くなるように制御の特性を定めている。そのためにA
GC回路14は図18の構成とし、発振信号s1を整
流、平滑化して発振信号の振幅に応じた直流電圧を出力
するようにしている。
【0077】次にこの装置の動作について説明する。原
理の説明をした図4のように、発振信号s1の振幅はセ
ンスライン2、3と共振回路7との位置関係によって変
化する特性を有していた。共振回路7がセンスライン2
と3の交差部の中央に置かれている場合発振信号s1の
振幅は最大となり、共振回路7が周辺に移動するに従っ
て小さくなる。AGC回路14がない場合、発振信号s
1の振幅はこのように変化する。
【0078】本実施例では、この振幅の変動を増幅回路
4fの出力において小さくするようにAGC回路14と
増幅回路4fが働く。共振回路7がセンスライン2と3
の交差部の中央に置かれ電磁結合が強まると、増幅回路
4fの出力から入力への帰還量が増加して発振信号s1
の振幅も増加しようとするが、AGC回路14はその振
幅の増加を打ち消すように増幅回路4fに対してゲイン
制御信号s7を与える。
【0079】逆に共振回路7がセンスライン2または3
の周辺部に移動し電磁結合が弱まると、増幅回路4fの
出力から入力への帰還量が減少して発振信号s1の振幅
も減少しようとするが、AGC回路14はその振幅の減
少を打ち消すように増幅回路4fに対してゲイン制御信
号s7を与えるのである。このようにゲイン制御信号s
7の大きさは共振回路7の位置によって大小する信号と
なっているので、位置検出回路5fはこの信号によって
指示位置を検出することができる。ゲイン制御信号s7
はすでに直流化された信号であるので、この実施例にお
ける位置検出回路5fには前記原理を説明するための実
施例のように整流回路や平滑回路を必要としない。この
ため位置検出回路5fの最も簡単な構成としては、ゲイ
ン制御信号s7をそのまま位置検出信号s2fとして出
力するようにしてもよい。
【0080】本実施例についてもいくつかの構成上のバ
リエーションについて説明をつけ加えておく。まず、ゲ
イン制御のための構成は前述の構成に限られるものでは
ない。電圧制御増幅器と同様の機能を有する回路として
たとえば電流制御増幅器等があり、この回路によっても
同様に実施可能であることは明らかであろう。
【0081】またAGC特性は閉ループ回路のゲインが
本実施例と同様に制御されるようになっていればいいの
であるから、AGC回路の入出力特性や増幅回路の制御
信号−ゲイン特性は目的に応じて自由に設計できる。そ
の他細部でのバリエーションは種々考えられる。また本
実施例で説明したAGC回路を前記第1ないし第3の実
施例による装置に実施可能であることは明かであろう。
【0082】
【発明の効果】本発明ではセンスラインと位置指示器に
設けた共振回路とが近接し電磁結合することによって正
帰還ループによる発振回路が構成されるようにし、発振
信号の振幅情報から位置指示器による指示位置を検出す
るように位置入力装置を構成した。このため検出装置本
体と位置指示器とを信号線で接続することなく指示位置
を検出することのできる位置入力装置を実現することが
できた。
【0083】また前記構成において、複数のセンスライ
ンを一部が重なるようにして敷設し、隣合う2つのセン
スラインを順次走査し、そのように選択したセンスライ
ンの結合による発振信号によって指示位置を検出するよ
うにした。そのため1点の指示位置を検出するために、
従来の位置入力装置のようにマトリクス状に走査する必
要がなく検出方向の走査を行えばよいので、走査回数が
減少し位置検出を高速に実行することのできる位置入力
装置を実現することができた。
【0084】また前記のようにセンスラインを敷設した
ため、従来の位置入力装置のように検出範囲周辺部でセ
ンスライン間の直接の結合が発生しないために、周辺部
においても検出精度が悪化しない位置入力装置を実現す
ることができた。また位置指示器に設けた状態設定手段
の状態を共振周波数を大きく変化させることで検出する
ため、精密な回路を必要としないで状態を検出すること
のできる位置入力装置を実現することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための位置検出装置の
原理構成図である。
【図2】原理構成におけるセンスラインの他の構成例を
示した説明図である。
【図3】原理構成における位置検出回路の構成図であ
る。
【図4】原理構成による指示位置と発振信号の振幅との
対応説明図である。
【図5】原理構成による指示高さと発振信号の振幅との
対応説明図である。
【図6】本発明による第1の実施例の構成図である。
【図7】第1の実施例の位置検出回路の構成図である。
【図8】第1の実施例における発振信号の説明図であ
る。
【図9】第1の実施例における発振信号の振幅の説明図
である。
【図10】第1の実施例における指示位置と発振信号の
振幅分布との対応説明図である。
【図11】第1の実施例における指示位置と発振信号の
振幅分布との対応説明図である。
【図12】第1の実施例における指示位置と発振信号の
振幅分布との対応説明図である。
【図13】第1の実施例における指示位置とQ値との対
応説明図である。
【図14】本発明による第2の実施例の構成図である。
【図15】本発明による第3の実施例の構成図である。
【図16】第3の実施例の状態検出回路の構成図であ
る。
【図17】本発明による第4の実施例の構成図である。
【図18】第4の実施例のAGC回路の構成図である。
【図19】従来の位置検出装置の構成図である。
【図20】従来の位置検出装置の状態検出の説明図であ
る。
【図21】従来の位置検出装置の課題を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1、1c、1d、1e、1f 検出装置本体 2、21、22、23、24 第1のセンスライン 3、31、32、33、34 第2のセンスライン 4、4f 増幅回路 5、5a、5b、5c、5d、5f 位置検出回路 6、6e 位置指示器 7 共振回路 8、8d 第1の走査回路 9、9d 第2の走査回路 10 励磁検出切替回路 11、11d 制御回路 12 状態検出回路 13 スイッチ回路 14 AGC回路 51 整流回路 52 平滑回路 53 A/D変換回路 54 位置算出回路 121 波形整形回路 122 周波数カウンタ 123 周波数識別回路 141 整流回路 142 平滑回路 s1 発振信号 s2、s2f 位置検出信号 s3、s3d 第1のセンスライン選択信号 s4、s4d 第2のセンスライン選択信号 s5 励磁検出切替信号 s6 状態検出信号 s7 ゲイン制御信号

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 増幅回路と、該増幅回路の出力に接続し
    たループ形状をなす第1のセンスラインと、前記増幅回
    路の入力に接続したループ形状をなす第2のセンスライ
    ンとを有する検出装置本体、および共振回路を有する位
    置指示器とで構成され、前記第1および第2のセンスラ
    インは両センスライン間の電磁結合が打ち消されるよう
    にループの一部が重なり合うように敷設されたものであ
    って、前記共振回路が、前記第1および第2のセンスラ
    インに近接して該センスラインと電磁結合したときに、
    前記増幅回路と前記第1および第2のセンスラインと前
    記共振回路とが正帰還ループによる発振回路を形成して
    発振信号を発生するようになし、該発振信号の振幅情報
    から前記位置指示器が指示した位置の位置情報を得るよ
    うに構成したことを特徴とする位置入力装置。
  2. 【請求項2】 増幅回路と、ループ形状をなし位置検出
    方向に沿って定められた敷設間隔で敷設された複数のセ
    ンスラインで構成される第1のセンスライン群と、ルー
    プ形状をなし位置検出方向に沿って前記敷設間隔で敷設
    された複数のセンスラインで構成され、前記第1のセン
    スライン群を構成するセンスラインとは前記敷設間隔の
    1/2だけ敷設位置をずらして敷設されており、構成す
    る1のセンスラインと該センスラインに隣合う前記第1
    のセンスラインの1のセンスラインは両センスライン間
    の電磁結合が打ち消されるようにループの一部が重なり
    合うように敷設された第2のセンスライン群と、前記第
    1のセンスライン群に接続され、該第1のセンスライン
    群の1のセンスラインを選択する第1の走査回路と、前
    記第2のセンスライン群に接続され、該第2のセンスラ
    イン群の1のセンスラインを選択する第2の走査回路
    と、前記第1および第2の走査回路とに接続され、前記
    第1および第2の走査回路を前記増幅回路の入力と出力
    とに交互に切り替え接続する励磁検出切替回路と、前記
    第1および第2のセンスライン群の中から、それぞれ1
    のセンスラインを、かつそれらのセンスラインは隣合う
    センスラインであるように選択し、一方のセンスライン
    を前記増幅回路の入力に、他方のセンスラインを前記増
    幅回路の出力に接続するように、前記センスライン群を
    順次選択制御する制御回路とを有する検出装置本体、お
    よび共振回路を有する位置指示器とで構成され、前記共
    振回路が、前記第1および第2のセンスライン群の選択
    された2のセンスラインに近接してこれらのセンスライ
    ンと電磁結合したときに、前記増幅回路と前記選択され
    た2のセンスラインと前記共振回路とが正帰還ループに
    よる発振回路を形成して発振信号を発生するようにな
    し、該発振信号の振幅情報から前記位置指示器が指示し
    た位置の位置情報を得るように構成したことを特徴とす
    る位置入力装置。
  3. 【請求項3】 増幅回路と、ループ形状をなし位置検出
    方向に沿って敷設された複数のセンスラインで構成され
    るセンスライン群であって、該センスライン群の隣合う
    2のセンスラインは両センスライン間の電磁結合が打ち
    消されるようにループの一部が重なり合うように敷設さ
    れたセンスライン群と、該センスライン群に接続され、
    該センスライン群の1のセンスラインを選択し前記増幅
    回路の出力に接続する第1の走査回路と、前記センスラ
    イン群に接続され、該センスライン群の1のセンスライ
    ンを選択し前記増幅回路の入力に接続する第2の走査回
    路と、前記第1および第2の走査回路によって、前記セ
    ンスライン群の中から一時には隣合う2のセンスライン
    を選択し、これらの選択したセンスラインを前記増幅回
    路の入力および出力に接続するように前記センスライン
    群を順次選択制御する制御回路とを有する検出装置本
    体、および共振回路を有する位置指示器とで構成され、
    前記共振回路が、前記センスライン群の選択された2の
    センスラインに近接してこれらのセンスラインと電磁結
    合したときに、前記増幅回路と前記選択された2のセン
    スラインと前記共振回路とが正帰還ループによる発振回
    路を形成して発振信号を発生するようになし、該発振信
    号の振幅情報から前記位置指示器が指示した位置の位置
    情報を得るように構成したことを特徴とする位置入力装
    置。
  4. 【請求項4】 前記請求項1ないし3記載の位置入力装
    置において、前記位置指示器には前記共振回路の共振周
    波数を変化させる状態設定手段を設け、前記検出装置本
    体には前記発振信号の周波数情報から前記状態設定手段
    によって設定された状態を検出する状態検出手段を設け
    たことを特徴とする位置入力装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項1ないし4記載の位置入力装
    置において、前記検出装置本体には前記増幅回路の増幅
    度を制御するAGC回路を設け、該AGC回路の出力す
    る制御信号または前記増幅回路への入力信号から得られ
    る前記発振信号の振幅情報から前記位置指示器が指示し
    た位置の位置情報を得るように構成したことを特徴とす
    る位置入力装置。
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