JPH0531080A - 生体内温度推定装置 - Google Patents
生体内温度推定装置Info
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- JPH0531080A JPH0531080A JP3189698A JP18969891A JPH0531080A JP H0531080 A JPH0531080 A JP H0531080A JP 3189698 A JP3189698 A JP 3189698A JP 18969891 A JP18969891 A JP 18969891A JP H0531080 A JPH0531080 A JP H0531080A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】生体内各部の温度分布を精密に推定する装置を
提供する。 【構成】生体の画像データを受ける画像入力インタフェ
ース1と、生体各組織についての生体パラメータ等を記
憶する記憶手段2と、加温装置の動作状態を示すデータ
を受ける加温装置インタフェース3と、温度分布の計算
に必要な手動入力データを受ける手動入力手段3,4
と、画像入力インタフェース1と記憶手段2と手動入力
手段3,4からのデータを基にして生体熱輸送方程式を
利用して生体各部の温度を精密に計算する演算手段5
と、この演算結果を表示する表示手段6とで構成されて
いる。
提供する。 【構成】生体の画像データを受ける画像入力インタフェ
ース1と、生体各組織についての生体パラメータ等を記
憶する記憶手段2と、加温装置の動作状態を示すデータ
を受ける加温装置インタフェース3と、温度分布の計算
に必要な手動入力データを受ける手動入力手段3,4
と、画像入力インタフェース1と記憶手段2と手動入力
手段3,4からのデータを基にして生体熱輸送方程式を
利用して生体各部の温度を精密に計算する演算手段5
と、この演算結果を表示する表示手段6とで構成されて
いる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高周波電力を用いて
癌の温熱治療を行う加温装置などの支援装置に関し、詳
細には生体内の温度を推定する装置に関する。
癌の温熱治療を行う加温装置などの支援装置に関し、詳
細には生体内の温度を推定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来は、生体内各部の温度分布を推定す
る装置がなく、従って、例えば加温装置を用いて癌治療
を行う場合、生体内に刺入された温度センサによって生
体内の数点の温度を把握するしかなかった。図7は、こ
のような加温装置の主要部分を示す図面である。すなわ
ち、この装置は、温熱治療すべき腫瘍20を挟むように
装着されるアプリケータ21と、腫瘍20などに刺入さ
れる温度センサ22と、アプリケータ21を介して腫瘍
20に高周波電力を供給する高周波出力部23と、温度
センサ22のデータ等を基にして高周波出力部23を制
御する制御部24で構成されている。ここで温度センサ
22は熱電対やサーミスタ等で構成されている。そし
て、制御部24は、温度センサ22からの情報を基にし
て高周波出力部23の出力電力の制御を行い、また、温
度センサ22からの温度を表示装置(図示しない)に表
示してオペレータに生体内の温度情報を与えている。
る装置がなく、従って、例えば加温装置を用いて癌治療
を行う場合、生体内に刺入された温度センサによって生
体内の数点の温度を把握するしかなかった。図7は、こ
のような加温装置の主要部分を示す図面である。すなわ
ち、この装置は、温熱治療すべき腫瘍20を挟むように
装着されるアプリケータ21と、腫瘍20などに刺入さ
れる温度センサ22と、アプリケータ21を介して腫瘍
20に高周波電力を供給する高周波出力部23と、温度
センサ22のデータ等を基にして高周波出力部23を制
御する制御部24で構成されている。ここで温度センサ
22は熱電対やサーミスタ等で構成されている。そし
て、制御部24は、温度センサ22からの情報を基にし
て高周波出力部23の出力電力の制御を行い、また、温
度センサ22からの温度を表示装置(図示しない)に表
示してオペレータに生体内の温度情報を与えている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来は、生体内各部の
温度分布を推定する装置がなかった為、生体内に刺入し
た温度センサからの温度データを利用するしかなかっ
た。しかし、加温装置で温熱治療をする場合には温度セ
ンサの刺入されていない点に予期せぬホットスポットが
出現する場合があるので、温熱治療によって患者が火傷
を負う恐れがあった。尚、かかる問題点の解決策とし
て、多数の温度センサを生体内に刺入することはできる
が、我国の国民性はそれを望まない。また、むやみに温
度センサを刺入すると細菌感染の恐れもある。
温度分布を推定する装置がなかった為、生体内に刺入し
た温度センサからの温度データを利用するしかなかっ
た。しかし、加温装置で温熱治療をする場合には温度セ
ンサの刺入されていない点に予期せぬホットスポットが
出現する場合があるので、温熱治療によって患者が火傷
を負う恐れがあった。尚、かかる問題点の解決策とし
て、多数の温度センサを生体内に刺入することはできる
が、我国の国民性はそれを望まない。また、むやみに温
度センサを刺入すると細菌感染の恐れもある。
【0004】また、腫瘍部を効果的に温熱治療するには
アプリケータの大きさやその装着位置が非常に重要なの
であるが、従来は生体内の温度分布を把握する装置がな
かったので、アプリケータの大きさや装着位置に対する
生体各部の温度分布及びその状態における治療効果など
のデータが得られず、結局、アプリケータの装着位置な
どの決定は医師の経験に頼らざるを得ないという問題点
もあった。
アプリケータの大きさやその装着位置が非常に重要なの
であるが、従来は生体内の温度分布を把握する装置がな
かったので、アプリケータの大きさや装着位置に対する
生体各部の温度分布及びその状態における治療効果など
のデータが得られず、結局、アプリケータの装着位置な
どの決定は医師の経験に頼らざるを得ないという問題点
もあった。
【0005】この発明は、この問題点に着目してなされ
たものであって、生体各部の温度分布を精密に推定を
し、その結果を表示することによって、より有効な加温
治療などを実現する生体内温度分布推定装置を提供する
ことを目的とする。
たものであって、生体各部の温度分布を精密に推定を
し、その結果を表示することによって、より有効な加温
治療などを実現する生体内温度分布推定装置を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する
為、この発明の生体内温度推定装置は、患者の断層画像
データを受ける画像入力インタフェースと、生体各組織
についての生体パラメータを記憶する記憶手段と、温度
分布の計算に必要な手動入力によるデータを受ける手動
入力手段と、前記画像入力インタフェースと記憶手段と
手動入力手段からのデータを基にして、代謝による産熱
項と体表面からの熱放出項を含んだ精密な生体熱輸送方
程式を利用して生体各部の温度分布を計算する演算手段
と、この演算手段の演算結果を用いて患者の生体各部の
温度分布を表示する表示手段とで構成されている。
為、この発明の生体内温度推定装置は、患者の断層画像
データを受ける画像入力インタフェースと、生体各組織
についての生体パラメータを記憶する記憶手段と、温度
分布の計算に必要な手動入力によるデータを受ける手動
入力手段と、前記画像入力インタフェースと記憶手段と
手動入力手段からのデータを基にして、代謝による産熱
項と体表面からの熱放出項を含んだ精密な生体熱輸送方
程式を利用して生体各部の温度分布を計算する演算手段
と、この演算手段の演算結果を用いて患者の生体各部の
温度分布を表示する表示手段とで構成されている。
【0007】
【作用】この発明は、以下の全体方程式を利用して精密
に生体内の温度分布を推定する装置である。
に生体内の温度分布を推定する装置である。
【0008】
【数1】
【0009】(数1)は、生体内の熱輸送を数式モデル
化した生体熱輸送方程式BHT(Bio-Heat Transfer eq
uation)である。(数1)の右辺においてWh は高周波
による発熱、WC は血流による冷却、Wm は代謝による
産熱、Wr は体表面から環境への熱放出、他の項は熱伝
導をそれぞれ表している。また、ρは体積密度(Kg/
m3 )、cは比熱(J/Kg℃)、Tは温度(℃)、κは
熱電導率(W/m ℃)である。なお、(数1)の各値の
うち、Wh は、この発明を加温装置と連動させて使用す
る場合にのみ必要となる値であり、以下の(数2)と
(数3)で与えられる。
化した生体熱輸送方程式BHT(Bio-Heat Transfer eq
uation)である。(数1)の右辺においてWh は高周波
による発熱、WC は血流による冷却、Wm は代謝による
産熱、Wr は体表面から環境への熱放出、他の項は熱伝
導をそれぞれ表している。また、ρは体積密度(Kg/
m3 )、cは比熱(J/Kg℃)、Tは温度(℃)、κは
熱電導率(W/m ℃)である。なお、(数1)の各値の
うち、Wh は、この発明を加温装置と連動させて使用す
る場合にのみ必要となる値であり、以下の(数2)と
(数3)で与えられる。
【0010】
【数2】
【0011】ここで、φは生体内の特定部位(x,y)
の電位(V)、εはその点の誘電率(F/m)を表して
いる。
の電位(V)、εはその点の誘電率(F/m)を表して
いる。
【0012】
【数3】
【0013】なお、σは、導電率(S/m)である。ま
た、(数1)の血流による冷却項WC は、
た、(数1)の血流による冷却項WC は、
【0014】
【数4】
【0015】のように与えられる。ここで、F(T) は血
流量(m3 /KgS )、ρb は血液の体積密度(Kg/m
3 )、Cb は血液の比熱(J/Kg℃)、Tb は血液の温
度(℃)である。そしてこの血流量F(T) は図4のよう
に温度Tに依存して変化する。また、(数1)の代謝に
よる産熱項Wm は、
流量(m3 /KgS )、ρb は血液の体積密度(Kg/m
3 )、Cb は血液の比熱(J/Kg℃)、Tb は血液の温
度(℃)である。そしてこの血流量F(T) は図4のよう
に温度Tに依存して変化する。また、(数1)の代謝に
よる産熱項Wm は、
【0016】
【数5】
【0017】但し T≧T0 のとき ΔT=0 T<T0 のとき ΔT=(T0 −T) で与えられる。つまり、各組織における組織温度Tが代
謝基準温度T0 (℃)以上の場合は産熱項Wm が一定値
になり、組織温度Tが代謝基準温度T0 未満の場合は組
織温度Tと代謝基準温度T0 の差に応じて指数的に値が
増加する。
謝基準温度T0 (℃)以上の場合は産熱項Wm が一定値
になり、組織温度Tが代謝基準温度T0 未満の場合は組
織温度Tと代謝基準温度T0 の差に応じて指数的に値が
増加する。
【0018】また、(数1)の体表面から環境への熱放
出項Wr は、放射による熱放出Rr 、対流による熱放出
Rc 、蒸散による熱放出Re を用いて、Wr =Rr +R
c +Re …(数6)で与えられる。そして、(数6)に
おける放射による熱放出Rrは、ステファン・ボルツマ
ンの法則によって、体表面温度TS(℃)と環境温度T
a (℃)とを絶対温度で表しそれぞれを4乗したものと
の差に比例する。つまり、Rr =γδ〔(TS +27
3.15)4 −(Ta +273.15)4 〕…(数7)
である。尚、γは生体の放射率、δはボルツマン定数
(W/m2・K4)である。また、(数6)における対流に
よる熱放出項Rc は、皮膚表面の空気の流速の平方根に
比例する。つまり、Rc =hc ×(V/V0 )1/2 ×
(Ts −Ta )…(数8)である。尚、hc は対流の熱
伝達係数(W/m2・℃)、Vは体表面での空気の流速
(m/s)、V0 は基準の空気の流速(m/s)であ
る。更にまた、(数6)における蒸散による熱放出Re
は、体表面温度TS が環境温度Ta より大きい場合は、
体表面温度Ts と環境温度Ta との差に比例する項と、
その差の4乗に比例する項とが加わる。つまり、Ts >
Ta のとき Re =E0 +βe 〔αv (Ts −Ta )+λv (Ts −
Ta )4 〕…(数9)である。但し、Re ≦50E0 で
あり、E0 は不感蒸散による熱放出(W/m2)、βe は
運動による蒸散の増加係数、αv は比例制御の蒸散係数
(W/m2・℃)、λv は4乗比例制御の蒸散係数(W/
m2・℃4 )である。しかし、Ts ≦Ta のときはRe =
E0 …(数10)である。
出項Wr は、放射による熱放出Rr 、対流による熱放出
Rc 、蒸散による熱放出Re を用いて、Wr =Rr +R
c +Re …(数6)で与えられる。そして、(数6)に
おける放射による熱放出Rrは、ステファン・ボルツマ
ンの法則によって、体表面温度TS(℃)と環境温度T
a (℃)とを絶対温度で表しそれぞれを4乗したものと
の差に比例する。つまり、Rr =γδ〔(TS +27
3.15)4 −(Ta +273.15)4 〕…(数7)
である。尚、γは生体の放射率、δはボルツマン定数
(W/m2・K4)である。また、(数6)における対流に
よる熱放出項Rc は、皮膚表面の空気の流速の平方根に
比例する。つまり、Rc =hc ×(V/V0 )1/2 ×
(Ts −Ta )…(数8)である。尚、hc は対流の熱
伝達係数(W/m2・℃)、Vは体表面での空気の流速
(m/s)、V0 は基準の空気の流速(m/s)であ
る。更にまた、(数6)における蒸散による熱放出Re
は、体表面温度TS が環境温度Ta より大きい場合は、
体表面温度Ts と環境温度Ta との差に比例する項と、
その差の4乗に比例する項とが加わる。つまり、Ts >
Ta のとき Re =E0 +βe 〔αv (Ts −Ta )+λv (Ts −
Ta )4 〕…(数9)である。但し、Re ≦50E0 で
あり、E0 は不感蒸散による熱放出(W/m2)、βe は
運動による蒸散の増加係数、αv は比例制御の蒸散係数
(W/m2・℃)、λv は4乗比例制御の蒸散係数(W/
m2・℃4 )である。しかし、Ts ≦Ta のときはRe =
E0 …(数10)である。
【0019】以上の諸式を踏まえて、以下、この発明の
各構成要素の作用を説明する。演算手段は、画像入力イ
ンタフェースから患者の断層像を取り込み、自動的に、
又は手動入力手段による入力値を基にして各臓器の輪郭
を抽出し、必要があれば腫瘍の位置及び大きさを特定す
る。次に演算手段は、記憶手段から前記(数1)を解く
ための生体各組織ごとの生体パラメータを受け取る。そ
して、演算手段は、(数1)の生体熱輸送方程式を有限
要素法などの手法を用いて解いて、各微少単位ごとの温
度Tを求め、これを表示装置に温度分布として表示す
る。
各構成要素の作用を説明する。演算手段は、画像入力イ
ンタフェースから患者の断層像を取り込み、自動的に、
又は手動入力手段による入力値を基にして各臓器の輪郭
を抽出し、必要があれば腫瘍の位置及び大きさを特定す
る。次に演算手段は、記憶手段から前記(数1)を解く
ための生体各組織ごとの生体パラメータを受け取る。そ
して、演算手段は、(数1)の生体熱輸送方程式を有限
要素法などの手法を用いて解いて、各微少単位ごとの温
度Tを求め、これを表示装置に温度分布として表示す
る。
【0020】
【実施例】図1はこの発明の一実施例を示す生体内温度
推定装置の回路ブロック図である。この生体内温度推定
装置は、患者の断層画像を医用画像装置から取り込む画
像入力インタフェース1と、各組織・臓器の生体パラメ
ータ等を記憶する外部記憶装置2と、演算に必要な所定
のデータを手動入力するキーボード3と、キーボード3
の補助入力装置であるマウス4と、上記(数1)の生体
熱輸送方程式などを解き生体内の温度分布を計算するC
PU5と、CPU5による演算結果を表示する表示装置
6とで構成されている。尚、画像入力インタフェース1
は、CT、MRなどの医用画像装置からの情報を取り込
むものであり、例えばイメージスキャナ・カメラが該当
する。もっとも、この場合は画像を一旦フィルムに現像
する必要があるので情報量が低下する為、医用画像デー
タから画像データを直接入力できる構成にするのが望ま
しい。また、外部記憶装置2には前記(数1)〜(数
5)に関する生体パラメータが、各組織・臓器ごとに記
憶されている(図2参照)。また、外部記憶装置2には
前記(数6)〜(数10)に関する体表面から環境への
熱放出のパラメータが記憶されている(図3参照)。な
お、マウス4に代えてトラックボールやタブレットを利
用してもよい。
推定装置の回路ブロック図である。この生体内温度推定
装置は、患者の断層画像を医用画像装置から取り込む画
像入力インタフェース1と、各組織・臓器の生体パラメ
ータ等を記憶する外部記憶装置2と、演算に必要な所定
のデータを手動入力するキーボード3と、キーボード3
の補助入力装置であるマウス4と、上記(数1)の生体
熱輸送方程式などを解き生体内の温度分布を計算するC
PU5と、CPU5による演算結果を表示する表示装置
6とで構成されている。尚、画像入力インタフェース1
は、CT、MRなどの医用画像装置からの情報を取り込
むものであり、例えばイメージスキャナ・カメラが該当
する。もっとも、この場合は画像を一旦フィルムに現像
する必要があるので情報量が低下する為、医用画像デー
タから画像データを直接入力できる構成にするのが望ま
しい。また、外部記憶装置2には前記(数1)〜(数
5)に関する生体パラメータが、各組織・臓器ごとに記
憶されている(図2参照)。また、外部記憶装置2には
前記(数6)〜(数10)に関する体表面から環境への
熱放出のパラメータが記憶されている(図3参照)。な
お、マウス4に代えてトラックボールやタブレットを利
用してもよい。
【0021】図5は、図1の装置を用いて、患者の安静
時における生体内の温度を推定する場合のフローチャー
トを示したものである。以下、図5に従って動作手順を
説明すると、CPU5は、制御プログラムに従って患者
の断層像を医用画像装置から取り込む(ステップST
(以下STと略す)1)。次に、この断層像を用いて各
組織・臓器の輪郭を抽出する(ST2)。この操作は、
通常オペレータの操作によるが、医用画像装置からデジ
タルデータとしての断層像が取り込まれた場合のように
画質が良好であれば自動的に各臓器を認識することもで
きる。そして、室温の入力を受けた後(ST3)、外部
記憶手段2から(数1)を解くために必要な生体パラメ
ータを受け取って、これを温度解析用のデータとして作
成する(ST4)。そして、作成されたデータを基にし
て(数1)を解いて生体各部の温度を求め、その結果を
外部記憶装置2に記憶すると共に表示装置7に各種の色
彩などを利用して表示する(ST5)。尚、生体全体を
微小領域に分割して偏微分方程式を解く手法は公知であ
るのでここでは省略する。
時における生体内の温度を推定する場合のフローチャー
トを示したものである。以下、図5に従って動作手順を
説明すると、CPU5は、制御プログラムに従って患者
の断層像を医用画像装置から取り込む(ステップST
(以下STと略す)1)。次に、この断層像を用いて各
組織・臓器の輪郭を抽出する(ST2)。この操作は、
通常オペレータの操作によるが、医用画像装置からデジ
タルデータとしての断層像が取り込まれた場合のように
画質が良好であれば自動的に各臓器を認識することもで
きる。そして、室温の入力を受けた後(ST3)、外部
記憶手段2から(数1)を解くために必要な生体パラメ
ータを受け取って、これを温度解析用のデータとして作
成する(ST4)。そして、作成されたデータを基にし
て(数1)を解いて生体各部の温度を求め、その結果を
外部記憶装置2に記憶すると共に表示装置7に各種の色
彩などを利用して表示する(ST5)。尚、生体全体を
微小領域に分割して偏微分方程式を解く手法は公知であ
るのでここでは省略する。
【0022】以上の処理は患者安静時の生体内の温度を
推定する場合の処理であるが、この発明はこれに限定さ
れない。図6は、図1に示す構成の装置を加温装置(図
7参照)と接続し、この加温装置と連動しつつ温熱治療
をする場合のフローチャートである。以下、この処理を
説明すると、CPU5は、制御プログラムに従って腫瘍
部を含む断層像を医用画像装置から取り込む(ST1
1)。次に、この断層像を用いて各組織・臓器の輪郭を
抽出する(ST12)。そして、腫瘍の位置や大きさを
オペレータがキーボード3、マウス4を操作して入力す
る(ST13)。
推定する場合の処理であるが、この発明はこれに限定さ
れない。図6は、図1に示す構成の装置を加温装置(図
7参照)と接続し、この加温装置と連動しつつ温熱治療
をする場合のフローチャートである。以下、この処理を
説明すると、CPU5は、制御プログラムに従って腫瘍
部を含む断層像を医用画像装置から取り込む(ST1
1)。次に、この断層像を用いて各組織・臓器の輪郭を
抽出する(ST12)。そして、腫瘍の位置や大きさを
オペレータがキーボード3、マウス4を操作して入力す
る(ST13)。
【0023】続いて、オペレータは、加温装置で使用す
るアプリケータの大きさや装着位置をキーボード3など
を操作して入力する(ST14)。この操作ではアプリ
ケータ液バックの膨らみ具合は特に重要であるので、加
温装置側におけるアプリケータへの冷却水の注水量を、
加温装置とのインタフェース回路を介して受け取るのが
望ましい。以上の作業が終了すると電界解析が可能とな
るので前記(数2)と(数3)を解くためのデータを作
成する。具体的には、外部記憶装置2から生体各組織ご
との誘電率εと導電率σの値を受け取る(ST15)。
そして、偏微分方程式(数2)を有限要素法などの手法
を用いて解く(ST16)。このST16の処理により
生体各部の電界強度Eが求まるので、この値をそれぞれ
(数3)に代入して生体内を発熱させる電力Wh を計算
する(ST17)。
るアプリケータの大きさや装着位置をキーボード3など
を操作して入力する(ST14)。この操作ではアプリ
ケータ液バックの膨らみ具合は特に重要であるので、加
温装置側におけるアプリケータへの冷却水の注水量を、
加温装置とのインタフェース回路を介して受け取るのが
望ましい。以上の作業が終了すると電界解析が可能とな
るので前記(数2)と(数3)を解くためのデータを作
成する。具体的には、外部記憶装置2から生体各組織ご
との誘電率εと導電率σの値を受け取る(ST15)。
そして、偏微分方程式(数2)を有限要素法などの手法
を用いて解く(ST16)。このST16の処理により
生体各部の電界強度Eが求まるので、この値をそれぞれ
(数3)に代入して生体内を発熱させる電力Wh を計算
する(ST17)。
【0024】次に、CPU5は加温装置側より加温装置
の印加電力、水温、室温、を取り込む(ST18)。加
温装置では、アプリケータから反射電力が生じるのが通
例であるので、ここで印加電力としては、入射電力から
反射電力を引いた値の単位時間当たり平均値を用いる。
尚、ここで、水温と室温は、(数1)を解くうえで境界
条件となるものである。ただし、水温や室温が加温装置
の動作中に変化しないのであれば、加温装置から逐一転
送する必要はない。
の印加電力、水温、室温、を取り込む(ST18)。加
温装置では、アプリケータから反射電力が生じるのが通
例であるので、ここで印加電力としては、入射電力から
反射電力を引いた値の単位時間当たり平均値を用いる。
尚、ここで、水温と室温は、(数1)を解くうえで境界
条件となるものである。ただし、水温や室温が加温装置
の動作中に変化しないのであれば、加温装置から逐一転
送する必要はない。
【0025】次に、以上のデータを用いて温度分布解析
用のデータを作成する。具体的には、外部記憶手段2か
ら(数1)と(数4)〜(数10)を構成している生体
内の各パラメータを受け取る(ST19)。なお、温度
によって値の異なるパラメータはこの処理の度に異なる
値を受け取る。そして、作成されたデータを基にして
(数1)を解いて生体各部の温度を求め、その結果を外
部記憶装置2に記憶すると共に表示装置7に各種の色彩
などを利用して表示する(ST20)。その後、加温が
終了したか否かを判定して、加温が継続されている場合
はST18に戻る(ST21)。
用のデータを作成する。具体的には、外部記憶手段2か
ら(数1)と(数4)〜(数10)を構成している生体
内の各パラメータを受け取る(ST19)。なお、温度
によって値の異なるパラメータはこの処理の度に異なる
値を受け取る。そして、作成されたデータを基にして
(数1)を解いて生体各部の温度を求め、その結果を外
部記憶装置2に記憶すると共に表示装置7に各種の色彩
などを利用して表示する(ST20)。その後、加温が
終了したか否かを判定して、加温が継続されている場合
はST18に戻る(ST21)。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、この発明では、数
多くの温度センサを刺入しなくても、生体各部の温度分
布をダイナミックに視覚化することができる。そして、
この温度分布解析には患者個人の断層像を利用して体型
や脂肪層の厚さなどを反映しており、更に、(数1)に
示す精密な熱輸送方程式を用いているので、温度分布解
析の精度が非常に高い。
多くの温度センサを刺入しなくても、生体各部の温度分
布をダイナミックに視覚化することができる。そして、
この温度分布解析には患者個人の断層像を利用して体型
や脂肪層の厚さなどを反映しており、更に、(数1)に
示す精密な熱輸送方程式を用いているので、温度分布解
析の精度が非常に高い。
【0027】従って、この装置を加温装置と連動して動
作させると、従来は豊富な経験と高度な熟練の要求され
ていた温熱治療が容易なものとなる。具体的に説明する
と、表示装置には、常時、加温中の加温断面の温度分布
が表示されるので、ホットスポットの出現を容易に認識
できる。また、治療中にホットスポットが生じた場合に
その旨の警告を発することも容易であるから、ホットス
ポットが生じた場合に加温装置側の印加電力や冷却用の
水温を下げたり、冷却水の循環流量を上げる等の措置を
採ることで、火傷の危険を未然に防止できる。更に、解
析計算された温度分布と一連の温熱治療後の癌の縮小率
との相関をみることができるので治療効果の判定が容易
になる。
作させると、従来は豊富な経験と高度な熟練の要求され
ていた温熱治療が容易なものとなる。具体的に説明する
と、表示装置には、常時、加温中の加温断面の温度分布
が表示されるので、ホットスポットの出現を容易に認識
できる。また、治療中にホットスポットが生じた場合に
その旨の警告を発することも容易であるから、ホットス
ポットが生じた場合に加温装置側の印加電力や冷却用の
水温を下げたり、冷却水の循環流量を上げる等の措置を
採ることで、火傷の危険を未然に防止できる。更に、解
析計算された温度分布と一連の温熱治療後の癌の縮小率
との相関をみることができるので治療効果の判定が容易
になる。
【0028】また、この発明は、安静時の生体各部の温
度の推定が出来るので、各組織に対する生体パラメータ
を操作して末梢循環障害、代謝障害などの疾患による生
体内温度の変化を推定することかでき、サーモグラフィ
によるこれらの疾患の定量診断にも役立てることができ
る。
度の推定が出来るので、各組織に対する生体パラメータ
を操作して末梢循環障害、代謝障害などの疾患による生
体内温度の変化を推定することかでき、サーモグラフィ
によるこれらの疾患の定量診断にも役立てることができ
る。
【図1】この発明の一実施例を示す生体内温度推定装置
の回路ブロック図である。
の回路ブロック図である。
【図2】生体パラメータテーブルの一例を図示したもの
である。
である。
【図3】体表面からの熱放出のパラメータテーブルの一
例を図示したものである。
例を図示したものである。
【図4】血流量の温度依存性を示す図面である。
【図5】図1の生体内温度推定装置の動作を説明する為
のフローチャートである。
のフローチャートである。
【図6】図1の生体内温度推定装置の別の動作を説明す
る為のフローチャートである。
る為のフローチャートである。
【図7】従来の加温装置を示す概略図である。
1 画像入力インタフェース 2 外部記憶装置 3、4 手動入力手段 5 演算手段 6 表示手段
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】患者の断層画像データを受ける画像入力イ
ンタフェースと、生体各組織についての生体パラメータ
を記憶する記憶手段と、温度分布の計算に必要な手動入
力によるデータを受ける手動入力手段と、前記画像入力
インタフェースと記憶手段と手動入力手段からのデータ
を基にして、代謝による産熱項と体表面からの熱放出項
を含んだ精密な生体熱輸送方程式を利用して生体各部の
温度分布を計算する演算手段と、この演算手段の演算結
果を用いて患者の生体各部の温度分布を表示する表示手
段とを備えることを特徴とする生体内温度推定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3189698A JPH0531080A (ja) | 1991-07-30 | 1991-07-30 | 生体内温度推定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3189698A JPH0531080A (ja) | 1991-07-30 | 1991-07-30 | 生体内温度推定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0531080A true JPH0531080A (ja) | 1993-02-09 |
Family
ID=16245697
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3189698A Pending JPH0531080A (ja) | 1991-07-30 | 1991-07-30 | 生体内温度推定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0531080A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008054975A (ja) * | 2006-08-31 | 2008-03-13 | Keio Gijuku | 癌凍結融解壊死療法における治療領域の熱伝導をシミュレートし、治療領域を推定する方法 |
-
1991
- 1991-07-30 JP JP3189698A patent/JPH0531080A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008054975A (ja) * | 2006-08-31 | 2008-03-13 | Keio Gijuku | 癌凍結融解壊死療法における治療領域の熱伝導をシミュレートし、治療領域を推定する方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050215 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20071105 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20080205 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080512 |