JPH05307925A - 温度ヒューズ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】従来品に比べて部品点数を少なく、簡易な構造
の温度ヒューズを提供する 【構成】導電性材で有底筒状に形成された基体ケース
（２）に、外部と電気的に接続されるターミナル（３）
を取付け、基体ケースの開口部（２ａ）には絶縁性のブ
ッシング（４）が、密封嵌合されている。この基体ケー
ス内には、導電性及び弾性を有し、長手方向に延びる舌
片状の平板を２枚重合わせて形成されたコンタクト
（５）が、その一端部（５ａ）を前記ブッシングに片持
ち支持され、他端部（５ｂ）側が浮いた状態で保持され
ている。そして、該２枚のコンタクト間には、各コンタ
クトが互いに反対方向に湾曲されて前記基体ケース内壁
に接触する大きさに成形された感温ペレット（７）が挟
入保持される。かつ、ターミナル（８）が、ブッシング
を貫通して取付けられ、前記コンタクトと電気的に接続
されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本願発明は、所定温度により電気
回路を遮断する電気継電器、いわゆる温度ヒューズに関
する。詳しくは、有機物粒子で成形され所定温度で溶融
液化する感温ペレットを、温度センサとして用いた１回
使用の温度ヒューズに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この様な温度ヒューズとしては、
図６、図７に示したようなサーマルカットオフと呼ばれ
るタイプのものが用いられていた。ここで図６は作動
前、図７は作動後の状態を断面図で示したものである。
これによると、かかる構成は、有底円筒状の金属ケース
５０の底部５０ｂにターミナル５１が取付けられ、その
底部内には感温ペレット５２が充填配置され、開口部５
０ａには、絶縁性材で成形されたブッシング５３が嵌合
されて、当該ブッシング５３を貫通するようにしてター
ミナル５４は配置されている。そして、金属ケース５０
内に位置するターミナル５４の先端部５４ｔには、感温
ペレット５２との間に配置されたコイル状の圧縮バネ５
５の付勢力によって、円盤コンタクト５６と、及び金属
ケース５０の内壁に接触した菊座金５７とが、押接され
ている。該菊座金５７とブッシング５４との間には，コ
イル状の引外しバネ５８が付勢力をもって配置されてい
る。また、前記ブッシング５３は、コンパウンド５９に
より密封されている。

【０００３】以上の構成により、従来のサーマルカット
オフは、作動前は図６から明らかなようにターミナル５
４、その先端部５４ｔ、菊座金５７、円盤コンタクト５
６、金属ケース５０、そしてターミナル５１の順で通電
路が形成されている。次に、この作動過程は、所定温度
により感温ペレット５２が溶融液化することにより、圧
縮バネ５５の支えが無くなって付勢力が弱まり、これに
打ち勝つ引外しバネ５８の付勢力によって、菊座金５７
と円盤コンタクト５６とがターミナル５４の先端部５４
ｔから引き離され、接触が解かれることになる（図７参
照）。これにより、前記通電路が遮断されるものであ
る。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のサーマルカットオフは、構成からも明らかなよう
に、部品点数が多く、作動の信頼性が不十分であると共
に、組立工数が多く生産コストが嵩むという問題点が存
していた。すなわち、圧縮バネ５５と引外しバネ５８
は、数ｍｍのコイルバネによって構成されているため、
その製造にコストが高価になる他、前記のように作動さ
せるため互いの付勢力を微妙に調整して製造しなければ
ならず、その品質の維持が難しいという問題点があっ
た。さらに、菊座金５７の接触力と、それによる作動時
の摩擦力をも考慮に入れなければ成らないという製造の
困難さも存していた。このように従来のサーマルカット
オフは、部品点数が多い上に、各種バネの微妙なバラン
スの上に成り立っているため、品質の維持と管理項目の
増加を招き、それが信頼性の向上と、コストの逓減の妨
げとなっていた。

【０００５】そこで本願発明は、かかる問題点の解消を
目的とするもので、従来品に比べて部品点数を少なく、
簡易な構造の温度ヒューズを提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願温度ヒューズは次のように構成される。すなわ
ち、導電性材で有底筒状に形成された基体ケースと、該
基体ケースに取付けられて、外部と電気的に接続される
ターミナルと、絶縁性材で形成され、前記基体ケースの
開口部に密封嵌合されたブッシングと、導電性及び弾性
を有し、長手方向に延びる舌片状の平板を２枚重合わ
せ、その一端部が前記ブッシングに片持ち支持され、他
端部側が前記基体ケース内の空間に浮いた状態で保持さ
れたコンタクトと、該２枚のコンタクト間に挟入保持さ
れ、各コンタクトが互いに反対方向に湾曲されて前記基
体ケース内壁に接触する大きさに成形された感温ペレッ
トと、前記ブッシングを貫通して取付けられ、前記コン
タクトと電気的に接続されたターミナルと、からなるこ
とを特徴としている。

【０００７】また、単一のコンタクトを配置する構成と
して、導電性材で有底筒状に形成された基体ケースと、
該基体ケースに取付けられて、外部と電気的に接続され
るターミナルと、絶縁体で形成され、前記基体ケースの
開口部に密封嵌合されたブッシングと、導電性及び弾性
を有し、長手方向に延びる舌片状の単一平板を成し、そ
の一端部が前記ブッシングに片持ち支持されて、他端部
側が前記基体ケース内の空間に浮いた状態で保持された
コンタクトと、該コンタクトと前記基体ケース内壁との
間に挟入保持され、コンタクトが湾曲されて基体ケース
内壁に接触する大きさに成形された感温ペレットと、前
記ブッシングを貫通し取付けられ、前記コンタクトと電
気的に接続されたターミナルと、からなることを特徴と
している。

【０００８】

【作用】上記構成により、本願温度ヒューズは、次のよ
うに作動する。先ず、感温ペレッドの挟入配置により、
各コンタクトが湾曲されて基体ケース内壁に接触し、タ
ーミナル、基体ケースを通り、これと接触するコンタク
トから、ターミナルと通電路が形成される。この状態で
ターミナルを持って電気回路と接続される。次に、回路
の雰囲気温度が所定温度に達した時点で、感温ペレット
が溶融液化し、支えが解除されたコンタクトが反発し、
基体ケースから離れ、ブッシングに片持支持されたコン
タクトの他端部側が浮いた状態になる。これによって、
前記通電路が切断され、流れていた電流が遮断されるこ
とになる。別言すれば、基体ケースとコンタクト間の電
気抵抗が無限大となる。

【０００９】

【実施例】次に本願発明にかかる温度ヒューズの具体的
実施例を、図面に基づき以下にその詳細を説明する。図
１は第１実施例１を一部切欠いて示した全体斜視図であ
る。図２は作動前の状態を示した縦断面図であり、図３
は図２におけるＡーＡ線断面図である。また、図４は、
作動後の状態を示した縦断面図である。

【００１０】基体ケース２は、金属等の導電性材で断面
矩形の有底筒状に形成されている。該基体ケース２の底
部２ｂの略中央には、ターミナル３が貫通溶着されて取
付けられている。また基体ケース２の開口部２ａには、
これを密封するように、セラミック、樹脂等の絶縁性材
で成形されたブッシング４が、嵌合されている。基体ケ
ース２内には、導電性及び弾性を有し、長手方向に延び
る長方形薄板を２枚重合わせた状態でのコンタクト５、
５が配置されている。この配置は、重合わせたコンタク
ト５の一端部５ａを前記ブッシング４のほぼ中央部に埋
め込むようにして支持し、他端部側５ｂが基体ケース２
内の空間６内に浮いた状態で保持するようにされてい
る。いわゆる片持ち状態で保持されることになる。

【００１１】そして、この状態から、２枚のコンタクト
５、５を互いに反対方向に湾曲させ、その間に略円柱状
の感温ペレット７を、その底面７ａをコンタクト５に当
接させて、挟み込むようにして配置されている。この感
温ペレット７の大きさは、湾曲させられたコンタクト５
が基体ケース２の内壁２ｓに接触し、電気的に導通可能
な高さを持って成形されている。別言すれば、その高さ
は基体ケース２の内壁間距離に近いものとされる。な
お、ここで用いられる感温ペレット７は、従来品のサー
マルカットオフに用いられている感温ペレットと同様、
有機物粒子で作られたもので、既に公知のものであるた
め詳細は省略する。

【００１２】ターミナル８は、ブッシング４を貫通し、
コンタクト５の一端部５ａで電気的に接続されている。
なお、本実施例では、基体ケース２が矩形断面の筒状に
形成されているが、これに限らず円筒状に形成してもよ
い。この場合、コンタクト５の短手方向は湾曲され、基
体ケース２の内周曲率と一致するように形成される。

【００１３】以上のように構成することにより、通電路
は、ターミナル３から基体ケース２を通り、この内壁２
ｓに接触したコンタクト５、そしてターミナル８の経路
によって構成される。そして、所定の雰囲気温度におい
て感温ペレット７は溶融液化し、支えが解除された各コ
ンタクト５、５は反発して基体ケース内壁２ｓから離
れ、空間６に浮いた状態に保持されることになる（図４
参照。）。これにより前記の通電路は、切断され回路を
流れていた電流は遮断されることになる。

【００１４】次に、図５は本願温度ヒューズの第２実施
例１０を示すものある。この第２実施例１０と第１実施
例１との違いは、コンタクトの枚数の違いである。した
がって、基体ケース２、各ターミナル３、８、ブッシン
グ４、そして感温ペレット７、の構成は、第１実施例１
と同じであるため、同一番号を付してその詳細を省略す
る。

【００１５】コンタクト１１は、単一枚から成り、コン
タクト５と同様の材質で、長手方向に延びる長方形薄板
状に形成され、その一端部１１ａがブッシング４のほぼ
中央部に埋め込むこようにして片持ち支持され、他端部
側１１ｂは基体ケース２内の空間１２内に浮いた状態で
保持さている。コンタクト１１の片面には、接点部１３
が形成され、その反対面と基体ケース２の内壁２ｓとの
間には、感温ペレット７が挟入保持されている。これに
より、コンタクト１１は、湾曲させられ接点部１３が基
体ケース内壁２ｓに接触し、電気的に接続させられてい
る。

【００１６】かかる構成により、通電路は、ターミナル
８からコンタクト１１、接点部１３を通り、これと接触
する基体ケース内壁２ｓからターミナル３の経路によっ
て構成される。そして、第１実施例と同様に、所定の雰
囲気温度において感温ペレット７は溶融液化し、支えが
解除されたコンタクト１１は反発して、接点部１３が基
体ケース内壁２ｓから離れ、空間１２に浮いた状態に保
持されることになる（図示省略。）。これにより前記の
通電路は、切断され回路を流れていた電流は遮断される
ことになる。

【００１７】

【効果】上記構成により、本願発明は以下に列挙する効
果を奏する。通電路の切断を、板バネ状のコンタクトの
反発によっているため、作動が確実で、誤動作の無い信
頼性の高い温度ヒューズを製造することができる。構造
が簡単で、部品点数が少ないため、組立工数が少なくて
すみ、よって製造コストの安価な製品を供給することが
できると共に、品質の維持管理が容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願温度ヒューズにかかる第１実施例を、一部
切欠いて示した全体斜視図である。

【図２】第１実施例の作動前の状態を表した縦断面図で
ある。

【図３】図２におけるＡーＡ線断面図である。

【図４】第１実施例の作動前の状態を表した縦断面図で
ある。

【図５】第２実施例の作動前の状態を表した縦断面図で
ある。

【図６】従来例のサーマルカットオフの作動前の状態を
示した縦断面図である。

【図７】従来例のサーマルカットオフの作動後の状態を
示した縦断面図である。

【符号の説明】

１・・・第１実施例の温度ヒューズ ２
・・・基体ケース ２ａ・・開口部 ２ｂ・・底部 ２
ｓ・・内壁 ３・・・ターミナル ４・・・ブッシング ５
・・・コンタクト ５ａ・・一端部 ５ｂ・・他端部 ６
・・・空間 ７・・・感温ペレット ７ａ・・底面 ８
・・・ターミナル 10・・・第２実施例の温度ヒューズ 11
・・・コンタクト 11ａ・・一端部 11ｂ・・・他端部 12
・・・空間 13・・・接点部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】導電性材で有底筒状に形成された基体ケー
   ス（２）と、 該基体ケース（２）に取付けられて、外部と電気的に接
   続されるターミナル（３）と、 絶縁性材で形成され、前記基体ケース（２）の開口部
   （２ａ）に密封嵌合されたブッシング（４）と、 導電性及び弾性を有し、長手方向に延びる舌片状の平板
   を２枚重合わせ、その一端部（５ａ）が前記ブッシング
   （４）に片持ち支持されて、他端部（５ｂ）側が前記基
   体ケース（２）内の空間（６）に浮いた状態で保持され
   たコンタクト（５）と、 該２枚のコンタクト（５）間に挟入保持され、各コンタ
   クト（５）が互いに反対方向に湾曲されて前記基体ケー
   ス内壁（２ｓ）に接触する大きさに成形された感温ペレ
   ット（７）と、 前記ブッシング（４）を貫通して取付けられ、前記コン
   タクト（５）と電気的に接続されたターミナル（８）
   と、 からなることを特徴とする温度ヒューズ。
2. 【請求項２】導電性材で有底筒状に形成された基体ケー
   ス（２）と、 該基体ケース（２）に取付けられて、外部と電気的に接
   続されるターミナル（３）と、 絶縁体で形成され、前記基体ケース（２）の開口部（２
   ａ）に密封嵌合されたブッシング（４）と、 導電性及び弾性を有し、長手方向に延びる舌片状の単一
   平板を成し、その一端部（１１ａ）が前記ブッシング
   （４）に片持ち支持されて、他端部（１１ｂ）側が前記
   基体ケース（２）内の空間（１２）に浮いた状態で保持
   されたコンタクト（１１）と、 該コンタクト（１１）と前記基体ケース内壁（２ｓ）と
   の間に挟入保持され、コンタクト（１１）が湾曲されて
   基体ケース内壁（２ｓ）に接触する大きさに成形された
   感温ペレット（７）と、 前記ブッシング（４）を貫通し取付けられ、前記コンタ
   クト（１１）と電気的に接続されたターミナル（８）
   と、 からなることを特徴とする温度ヒューズ。