JPH05303720A - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

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JPH05303720A
JPH05303720A JP10732092A JP10732092A JPH05303720A JP H05303720 A JPH05303720 A JP H05303720A JP 10732092 A JP10732092 A JP 10732092A JP 10732092 A JP10732092 A JP 10732092A JP H05303720 A JPH05303720 A JP H05303720A
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JP
Japan
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layer
gap
insulating layer
tip
magnetic pole
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JP10732092A
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Inventor
Kazuo Nakamura
和男 中村
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ヘッド素子部が薄膜技術によって積層形成され
る薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法に関し、各薄膜磁
気ヘッド間におけるギャップ深さのバラツキを防止する
ことを目的とする。 【構成】少なくとも下部磁極層7、ギャップ層8、コイ
ル層9、コイル絶縁層10および上部磁極層11を有する薄
膜磁気ヘッドにおいて、上下の磁極間の各絶縁層のう
ち、最も上部磁極層11寄りの絶縁層20の先端20aでギャ
ップ深さGDを決定できるように、先端20aを他の絶縁層
よりもギャップ先端位置に接近させてなる構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】磁気ディスク装置における情報の
記録/再生に磁気ヘッドが使用されるが、本発明は、ヘ
ッド素子部が薄膜技術によって積層形成される薄膜磁気
ヘッドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
〔薄膜磁気ヘッドの構成〕図7は薄膜磁気ヘッドの全容
を示す斜視図、図8は同薄膜磁気ヘッドによって情報の
記録/再生を行なっている状態を示す断面図( 図7にお
けるVIII−VIII断面拡大図 )である。
【0003】薄膜磁気ヘッドは、スライダ部1とヘッド
素子部2とで構成され、スライダ部1の後端1rにヘッド
素子部2が成膜技術とリソグラフィ技術によって積層形
成されている。3は薄膜コイルの端子である。浮上レー
ル4やスライダ部1前端1fの流入斜面5は、ヘッド素子
部2の形成後に、スライダ部1を研削することによって
形成される。
【0004】図8に示すように、ヘッド素子部2は、磁
路を構成する下部磁極層7と上部磁極層11との間に薄膜
コイル9を巻いた構成になっている。そして、ギャップ
層8の厚さで、下部磁極層7と上部磁極層11間のギャッ
プGの寸法が規定され、このギャップGの先端を磁気記
録媒体Dに対向させることで、情報の記録/再生が行わ
れる。
【0005】薄膜コイル9は、コイル絶縁層10で絶縁さ
れており、また下部保護膜6と上部保護膜12でヘッド素
子部2全体が覆われている。GDはギャップ深さであり、
ギャップGの先端から、下部磁極部7pと上部磁極部11p
間のギャップGの拡がり始める点( 上下の磁極7p・11p
間において、ギャップ層8のみが存在する領域の内端)
Aまでの寸法である。
【0006】コイル9に情報信号を通電したとき、下部
磁極層7と上部磁極層11間に発生する磁界で磁気記録媒
体Dに情報を記録するため、S/N特性およびオーバラ
イト特性などにすぐれ、効率的に情報を記録/再生可能
とするには、ギャップ深さGDを可能な限り浅くして、コ
イル9からの距離を短くすることが必要である。同時
に、各薄膜磁気ヘッドごとのヘッド特性が変動するのを
防止するために、ギャップ深さGDを一定にそろえること
が必要である。
【0007】〔薄膜磁気ヘッドの製造プロセス〕図9
は、薄膜磁気ヘッドにおけるヘッド素子部2の従来の成
膜プロセスを工程順に示す断面図であり、この図によっ
て、成膜プロセスの概略を説明する。なお、各膜の形状
は、成膜後にリソグラフィ技術とエッチングによって所
定パターンに形成される。
【0008】a.下部磁極層の成膜 研削後にスライダ部となるAl2 O3・TiCの基板(ウェ
ハ)13上に、Al2O3 をスパッタし、下部保護膜6とす
る。その上に、磁性体であるNiFeをメッキで成膜し、下
部磁極層7とする。
【0009】b.ギャップ層の成膜 下部磁極層7上に非磁性体であるAl2O3 をスパッタで成
膜し、ギャップ層8を形成し、先端部をギャップGにす
る。
【0010】c.コイル絶縁層の成膜 ギャップ層8上にフォトレジストをスピンコートして熱
硬化させ、コイル絶縁層10aを形成する。ただし、1回
のコーティングと熱硬化では膜厚が足りないため、数回
繰り返して成膜を行ない、必要とする膜厚のコイル絶縁
層10aとする。
【0011】なお、絶縁膜を繰り返し成膜する際に、リ
ソグラフィ技術とエッチングによって、絶縁膜各層の先
端を徐々に後退させ、傾斜部14aを形成するとともに、
傾斜部14aの先端Aをギャップ深さの起点とする。
【0012】d.薄膜コイルの成膜 コイル絶縁層10a上にCuをメッキで成膜してパターニン
グし、 (f)工程に示す上部磁極層11の後端11bを中心と
する渦巻き状の薄膜コイル9を形成する。このとき、コ
イル9をメッキする際のメッキベースを除去する等のエ
ッチング工程で、ギャップ層8の先端8aおよび下部絶縁
層10aの先端がエッチングされて膜厚が薄くなると共
に、(c) 工程におけるギャップ深さ起点Aが後退する。
【0013】e.コイル絶縁層の成膜 薄膜コイル9上にフォトレジストをスピンコートし、熱
硬化させてコイル絶縁層10bを形成する。この場合も、
1回のコーティングと熱硬化では膜厚が足りないため、
数回繰り返して成膜を行ない、必要とする膜厚のコイル
絶縁層10bとする。また、繰り返し行なう成膜の際に、
リソグラフィ技術とエッチング技術によって、絶縁膜各
層の先端を徐々に後退させ、傾斜部14bとする。
【0014】f.上部磁極層の成膜 コイル絶縁層10bの上に磁性体であるNiFeをメッキで成
膜し、パターニングして上部磁極層11を形成する。この
とき、下部磁極層7の後端上に、上部磁極層11の後端11
bを直接重ねることで、ギャップGを挟んだ閉磁路を形
成する。
【0015】g.上部保護膜の成膜 上部磁極層11上にAl2O3 をスパッタで成膜し、上部保護
膜12を形成する。その後、前記ヘッド素子部2の対が数
個〜10個単位のスライダブロックに分離し、スライダブ
ロックの状態で、15で示す研削位置まで研削して、ギャ
ップ深さGDを決定する。
【0016】図10はスライダブロックの切断分離の仕方
とギャップ深さ加工を示す図で、(a) はウェハの平面
図、 (b)は1個のスライダブロックの平面図、(c)は1
個のスライダブロックの拡大斜視図、である。
【0017】前記のプロセスによって、 (a)に示すよう
に1枚のウェハ16上に同時に多数のヘッド素子部2を配
列形成した後、鎖線L上を切断して、ヘッド素子部2の
対が数個ないし10個単位のスライダブロック17に分離
し、各スライダブロック17ごとに、ギャップ深さが所定
の寸法となるように研削する。すなわち、 (c)図に示す
ギャップ深さ加工面19を、図9(g) に示す研削位置15ま
で、基板13と成膜各層を研削する。
【0018】ところで、ギャップ深さは、スライダブロ
ック17の外側から直接測定することはできない。そのた
め、ヘッド素子部2の成膜工程の途中で、ギャップ深さ
の目安となる加工基準パターン18a、18bを、スライダ
ブロック17の両端位置に形成しておき、該加工基準パタ
ーン18a、18bの幅Wが所定の値となるまで研削する。
【0019】すなわち、スライダブロック17の両端位置
には、図9における下部磁極層7〜上部磁極層11の成膜
は行なわず、ギャップ深さ決定層となる下部絶縁層10a
を成膜した後に、下部保護膜6上に下部絶縁層10aの先
端Aに合わせて加工基準パターン18a、18bを形成し、
その上に透明な上部保護膜12を成膜する。
【0020】そして、ギャップ深さ研削時に、X−Yテ
ーブルによってスライダブロック17を一方向例えばX軸
方向に送りながら、ギャップ深さ加工面19に砥石を突き
当てて、両方の加工基準パターン18a、18bの寸法Wが
所定の値となるまで平面研削する。
【0021】図11はこうして作製された薄膜磁気ヘッド
のヘッド素子部であり、(a) は斜視図、 (b)は断面図で
ある。下部磁極層7および上部磁極層11の先端を絞った
形状とすることで、下部磁極部7pおよび上部磁極部11p
を形成し、磁束がギャップ層8の先端で形成されるギャ
ップGに集中するようにしている。
【0022】また (b)図に示すように、ギャップ層8と
上部磁極部11pと下部絶縁層10aとの接点が、ギャップ
深さGDを決定する絶縁層の先端位置Aとなっている。な
お、31、32は端子パターンであり、図7における端子
3、3に接続されている。
【0023】〔ギャップ層先端の膜厚が減少する問題〕
前記のように、ギャップ層8を形成した後に、その上に
下部絶縁層10aやコイル9、上部絶縁層10bを形成する
が、これらの工程によってギャップ層8の先端のギャッ
プGを構成する部分が次第にエッチングされて、膜厚が
減少してくる。しかも、減少の程度は一定しないため、
各薄膜磁気ヘッド間でギャップ寸法がばらつく原因とな
る。
【0024】例えば、図9の(d) 工程でも説明したよう
に、コイル9を形成するには、(c)工程で形成された下
部絶縁層10aの上にメッキベースとなる導電膜を蒸着や
スパッタで形成し、その上にコイルをパターニングする
ためのレジストマスクを形成した状態で、銅を選択メッ
キする。その後、レジストマスクをエッチング液で除去
し、さらにイオンミーリングによって、メッキベースを
除去する。
【0025】このとき、メッキベースが完全に除去され
るように、イオンミーリングを深めに行なうため、ギャ
ップ層8までエッチングされて薄くなる。また、メッキ
ベースやフォトレジスト等を積層する前に、密着性が向
上するように、クリーニングのためにイオンミーリング
が行われるが、この際にもギャップ層8の先端部が8aの
ように膜減りする。
【0026】さらに、下部絶縁層10aや上部絶縁層10b
を形成する際も、各種のエッチングが行われるため、ギ
ャップ層8や各コイル絶縁層10a、10c、10bなども、
下側の層ほど次第にエッチングされて、薄くなってく
る。これに対し、図12に示すように、コイル9や各コイ
ル絶縁層10a、10b、10cも形成し、上部磁極層11を形
成する前にギャップ層8を形成することが提案されてい
る。
【0027】しかしながら、この構成によれば、ギャッ
プ層8の先端がエッチングされるのは防止できるが、ギ
ャップ深さGDを決定している下部絶縁層10aの先端位置
Aがイオンミーリングやエッチング処理などによって後
退し、各薄膜磁気ヘッドごとにギャップ深さのバラツキ
が発生する。
【0028】すなわち、下部絶縁層10aの成膜時にその
先端Aを基準にして図10(c) の加工基準パターン18a、
18bを形成しても、その後に先端Aが次第に後退してい
くので、加工基準パターン18a、18bを基準にしてギャ
ップ深さ加工を行なっても、ギャップ深さにバラツキが
生じる。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】図13は図11(b) におけ
る磁極部付近を拡大した断面図である。破線で示すよう
に、ギャップ層8の先端がエッチングされず膜厚t1の場
合は、A1点が下部絶縁層10aの頂端となるのに対し、通
常は実線で示すように、エッチングによってギャップ層
8の膜厚がt2まで減少し、また下部絶縁層10aや中間絶
縁層10cなどの先端も同時にエッチングされるため、下
部絶縁層10aの頂端はA2位置まで後退する。
【0030】特に、図9の(c) 工程でも説明したよう
に、下部絶縁層10aなどの先14aをゆるく傾斜させ、上
部磁極層11の成膜時に上部磁極層も傾斜するようにして
いるため、膜厚減少による下部絶縁層10aの先端の後退
量が大きい。
【0031】ギャップ層8や下部絶縁層10aの先端が、
例えば0.2〜0.3μm程度エッチングで膜厚減少した場
合、特に下部絶縁層10aがエッチングされ易く、かつ勾
配が小さいため、下部絶縁層10aの頂端Aの後退量はそ
の2倍の0.4〜0.6μm程度となる。しかも、この後退
量は常に一定とは限らない。
【0032】図12のように上部絶縁層10bの上にギャッ
プ層8を形成する場合は、ギャップ層8の膜減りは防止
できるが、ギャップ層8の成膜までの各エッチングによ
って、下部絶縁層10aの先端がエッチングされて、頂端
Aが後退する。
【0033】図10で説明したように1枚のウェハ上に多
数のヘッド素子部を作製するが、ウェハ上の場所によっ
てエッチングされ易い所とエッチングされ難い所があ
り、また各ウェハによってもエッチングの難易度やエッ
チング条件が異なる。
【0034】その結果、最終的に分離された各薄膜磁気
ヘッドごとにギャップ深さが異なり、ヘッド特性にバラ
ツキが生じることになる。また、ギャップ深さを0.5〜
1.0μmと、極限まで浅くして磁気効率を上げることが
求められているが、前記のようにギャップ深さの変動が
大きいと、下部絶縁層10aの先端がギャップGに露出し
て来たりする恐れがあり、ギャップ深さを極限まで浅く
することが困難となる。
【0035】本発明の技術的課題は、このような問題に
着目し、各薄膜磁気ヘッド間におけるギャップ深さのバ
ラツキを防止することにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】図1は本発明による薄膜
磁気ヘッドおよびその製造方法の基本原理を説明する断
面図である。請求項1の発明は、少なくとも下部磁極層
7、ギャップ層8、コイル層9、コイル絶縁層10および
上部磁極層11を有する薄膜磁気ヘッドにおいて、上下の
磁極間の各絶縁層のうち、最も上部磁極層11寄りの絶縁
層20の先端20aでギャップ深さGDを決定できるように、
先端20aを他の絶縁層よりもギャップ先端位置に接近さ
せた構成になっている。
【0037】請求項2の発明は、請求項1のように、上
下の磁極間の各絶縁層のうち、最も上部磁極層11寄りの
絶縁層20の先端20aでギャップ深さGDを決定できるよう
に、先端20aを他の絶縁層よりもギャップ先端位置に接
近させるとともに、図3のように、このギャップ深さ決
定絶縁層20と上部磁極層11との間に、ギャップ層8を配
設した構成である。
【0038】請求項3の発明は、薄膜磁気ヘッドの製造
方法であり、上下の磁極間の各絶縁層のうち、ギャップ
先端位置に最も接近し、ギャップ深さGDを決定するギャ
ップ深さ決定絶縁層としてフォトレジストを用い、硬化
処理を行なう際に、加熱と紫外線照射を行なうことによ
って、短時間に熱硬化させるものである。
【0039】請求項4の発明は、請求項1の発明のよう
に、上下の磁極間の各絶縁層のうち、最も上部磁極層11
寄りの絶縁層20の先端20aでギャップ深さGDを決定でき
るように、先端20aを他の絶縁層よりもギャップ先端位
置に接近させるとともに、このギャップ深さ決定絶縁層
20にフォトレジストを用い、露光・現像によるパターニ
ングの後に、加熱と紫外線照射を行なうことによって、
短時間に熱硬化させるものである。
【0040】
【作用】請求項1のように、上下の磁極間の各絶縁層の
うち、最も上部磁極層11寄りの絶縁層20の先端20aでギ
ャップ深さGDを決定できるように、先端20aを他の絶縁
層よりもギャップ先端位置に接近させた構成にすると、
該絶縁層20は上部磁極層11寄りなため、各絶縁層のうち
では最後に形成されるので、初めの段階で形成される下
部絶縁層10aなどに比べて、エッチングを受ける機会が
最も少ない。その結果、該絶縁層20の先端20aでギャッ
プ深さGDを設定すると、エッチングを受けて頂端Aが後
退することはなく、また後退量が一定でないために各薄
膜磁気ヘッドごとにギャップ深さGDにバラツキが発生す
るといった問題も生じない。
【0041】請求項2のように、最も上部磁極層11寄り
の絶縁層20の先端20aでギャップ深さGDを決定するとと
もに、このギャップ深さ決定絶縁層20と上部磁極層11と
の間に、ギャップ層8を配設したことにより、ギャップ
深さGDのバラツキを防止できるほか、ギャップ層8の先
端の膜厚がエッチングで薄くなるのを防止して、ギャッ
プ寸法のバラツキを抑制できる。
【0042】請求項3のように、各絶縁層のうち、ギャ
ップ先端位置に最も接近し、ギャップ深さGDを決定する
絶縁層として、フォトレジストを用い、加熱と紫外線照
射を行なうことによって、短時間に熱硬化させるので、
該絶縁層の先端の傾斜が急峻となり、エッチングを受け
ても、ギャップ深さ方向の後退量は少ない。その結果、
各薄膜磁気ヘッドごとに、ギャップ深さがバラツクのを
抑制できる。
【0043】請求項1のように、上部磁極層11寄りの絶
縁層20でギャップ深さGDを決定する構造にした場合に、
請求項4のように、ギャップ深さ決定絶縁層20にフォト
レジストを用い、露光・現像によるパターニングの後
に、加熱と紫外線照射を行なうと、短時間に熱硬化す
る。
【0044】上部磁極層11の密着性を良くするために、
ギャップ深さを決定するための最も上部磁極層11寄りの
絶縁層20の表面をイオンミーリングなどでクリーニング
することが多いため、加熱と紫外線照射によって短時間
に熱硬化させ、先端を急峻にすることは、クリーニング
・エッチングによるギャップ深さの変動を抑制する上で
有効である。
【0045】
【実施例】次に本発明による薄膜磁気ヘッドおよびその
製造方法が実際上どのように具体化されるかを実施例で
説明する。図2は請求項1の発明の実施例を示す断面図
であり、(a) 図は上部絶縁層10bの先端をギャップ深さ
決定絶縁層20とした例である。この実施例の場合は、従
来の上部絶縁層10bの先端を他の絶縁層よりもギャップ
先端側に延長するだけで足りる。
【0046】これに対し (b)図は、上部絶縁層10bの上
全面にギャップ深さ決定絶縁層20を被せ、該ギャップ深
さ決定絶縁層20の先端を他の絶縁層よりもギャップ先端
側に延長した例である。この場合は、上部絶縁層10b
を、従来より薄くすることができる。
【0047】また、(a) 図の上部絶縁層10bや(b) 図の
ギャップ深さ決定絶縁層20の硬化処理を行なう際に、請
求項3のように、加熱処理と紫外線照射を行ない、熱硬
化を促進して、上部絶縁層10bやギャップ深さ決定絶縁
層20の先端を急峻にすると、クリーニングのためにイオ
ンミーリングを行なう際の先端位置の後退を抑制でき
る。
【0048】図3は請求項2の発明の実施例を示す断面
図である。この実施例は、図2の(a) 図または(b) 図の
ように上部磁極層11に最も近い絶縁層20をギャップ深さ
決定絶縁層とし、しかもその上にギャップ層8を成膜
し、その上に上部磁極層11を形成した構成になってい
る。
【0049】この実施例の場合は、上部磁極層11に最も
近い絶縁層をギャップ深さ決定絶縁層20としているの
で、ギャップ深さのバラツキを抑制できるほか、エッチ
ングを受ける各工程より後に、ギャップ層8が形成され
るので、従来のようにギャップ層8の先端がエッチング
されて膜厚が減少し、ギャップ寸法が変動するといった
問題も解消される。
【0050】図4は請求項3のギャップ深さを決定する
絶縁層の熱硬化を促進するために加熱と紫外線照射を行
なう実施例を示すタイムチャートであり、21は温度曲
線、22は紫外線のパワー曲線である。図5(b) は加熱と
紫外線照射を行なっている状態であり、ホットプレート
23上に、フォトレジスト24を塗布した基板25を載置し、
250〜270℃程度に加熱し、しかも上から紫外線UVを照
射する。
【0051】図4に示すように、加熱温度は、最初の1
分間程度は60℃程度とし、以後徐々に昇温して、5〜6
分間240 ℃程度に維持するのが有効である。また、紫外
線パワーは、最初の5分間程度は 350mW/cm2とし、その
後4分間程度は 750mW/cm2とした。
【0052】このように、フォトレジスト24を硬化させ
る際に、加熱処理を行なうと同時に紫外線を照射する
と、熱反応に光反応が加わるため硬化反応が促進され、
短時間にフォトレジストの軟化点を通過して硬化する。
その結果、フォトレジストが軟化している時間が短く、
図5(b) のように、鎖線で示す硬化処理前のフォトレジ
スト膜24に対し、硬化処理時の端部の変形が少なく、実
線26のように熱変形の少ない急峻な形状になる。
【0053】これに対し、従来のように単に加熱するだ
けでは、硬化が緩慢なためフォトレジストが軟化点を通
過する際の変形量が大きく、図5(a) における実線27の
ように端部がゆるい傾斜になる。そのため、図13に示し
たように、従来のコイル絶縁層10aは、ギャップ先端側
の端部がゆるやかな斜面14aとなり、エッチングによる
頂端位置Aの後退量が大きくなる。
【0054】図6は本発明の方法で製造した薄膜磁気ヘ
ッドのギャップ側の断面図であり、下部絶縁層10aを前
記のように加熱と紫外線照射によって硬化させたため、
先端部が図13の場合と違って急峻になっている。そのた
め、下部絶縁層10aの成膜時の頂端位置A1に対し完成後
の頂端位置はA2となり、エッチングによる下部絶縁層10
aの後退量は少なく、ギャップ深さのバラツキを抑制で
きる。
【0055】図6は下部絶縁層10aに請求項3の硬化方
法を実施した例であるが、図2や図3のように、上部磁
極層11側にギャップ深さ決定絶縁層20を設ける場合に、
該ギャップ深さ決定絶縁層20を請求項3の方法で短時間
に硬化させるのも有効である。すなわち、該ギャップ深
さ決定絶縁層20をイオンミーリングなどでクリーニング
する際の頂端位置Aの後退量を抑制できる。
【0056】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば、
最も上部磁極層11寄りの絶縁層20の先端20aを他の絶縁
層よりもギャップ先端位置に接近させて、ギャップ深さ
GDを決定する構成とすることにより、エッチングを受け
る機会が最も少なくなり、エッチングで頂端Aが後退
し、また後退量が一定でないために、各薄膜磁気ヘッド
ごとにギャップ深さGDにバラツキが発生するのを防止で
きる。
【0057】請求項1のように、最も上部磁極層11寄り
の絶縁層20の先端20aでギャップ深さGDを決定するとと
もに、請求項2のように該ギャップ深さ決定絶縁層20と
上部磁極層11との間に、ギャップ層8を配設したことに
より、ギャップ深さGDのバラツキを防止できるほか、ギ
ャップ層8の先端がエッチングで薄くなるのを防止し
て、ギャップ寸法のバラツキも抑制できる。
【0058】請求項3のように、ギャップ先端位置に最
も接近し、ギャップ深さGDを決定する絶縁層に、フォト
レジストを用い、加熱と紫外線照射を行なうことで短時
間に熱硬化させ、該絶縁層の先端の傾斜を急峻にするこ
とで、エッチングを受けた際のギャップ深さ方向の後退
量を抑制でき、その結果各薄膜磁気ヘッドごとにギャッ
プ深さがバラツクのを抑制できる。
【0059】請求項1や2のように、上部磁極層11寄り
の絶縁層20でギャップ深さGDを決定する構造にすると共
に、請求項4のように、ギャップ深さ決定絶縁層20にフ
ォトレジストを用い、加熱と紫外線照射を行ない、短時
間に熱硬化させて先端を急峻にすると、エッチングによ
るギャップ深さの変動をより効果的に抑制することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による薄膜磁気ヘッドおよびその製造方
法の基本原理を説明する断面図である。
【図2】請求項1の発明の各種実施例を示す断面図であ
る。
【図3】請求項2の発明の実施例を示す断面図である。
【図4】請求項3の発明の実施例を示すタイムチャート
である。
【図5】従来の方法で硬化処理したフォトレジストと本
発明の方法で硬化処理したフォトレジストを示す断面図
である。
【図6】下部絶縁層を本発明の方法で硬化処理した薄膜
磁気ヘッドの断面図である。
【図7】薄膜磁気ヘッドの全容を示す斜視図である。
【図8】薄膜磁気ヘッドで情報の記録/再生を行なって
いる状態を示す断面図である。
【図9】薄膜磁気ヘッドにおけるヘッド素子部の成膜プ
ロセスを工程順に示す断面図である。
【図10】スライダブロックの切断とギャップ深さ加工を
示す図である。
【図11】ヘッド素子部の完成状態を示す斜視図と断面図
である。
【図12】従来のギャップ層の膜減り防止構造を示す断面
図である。
【図13】従来の薄膜磁気ヘッドにおけるギャップ深さの
バラツキ原因を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 スライダ部 2 ヘッド素子部 3 薄膜コイルの端子 6 下部保護膜 7 下部磁極層 7p 下部磁極 8 ギャップ層 8a ギャップ先端の膜減り部 G 記録/再生ギャップ A ギャップ深さの起点 A1 エッチング前のギャップ深さ起点 A2 エッチングにより後退したギャップ深さ起点 D 磁気記録媒体 9 薄膜コイル 10 コイル絶縁層 10a コイル絶縁用の下部絶縁層 10b コイル絶縁用の上部絶縁層 10c コイル絶縁用の中間絶縁層 11 上部磁極層 11p 上部磁極 12 上部保護膜 13 基板 15 研削位置 16 ウェハ 17 スライダブロック 18a,18b 加工基準パターン 19 ギャップ深さ加工面 20 ギャップ深さ決定絶縁層 20a ギャップ深さ決定絶縁層の先端 21 温度曲線 22 紫外線のパワー曲線 23 ホットプレート 24 硬化処理前のフォトレジスト 25 基板 26 本発明による硬化処理後の端部 27 従来の方法による硬化処理後のフォトレジスト形状

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下部磁極層7、ギャップ層
    8、コイル層9、コイル絶縁層10および上部磁極層11を
    有する薄膜磁気ヘッドにおいて、 上下の磁極間の各絶縁層のうち、最も上部磁極層11寄り
    の絶縁層20の先端20aでギャップ深さGDを決定できるよ
    うに、先端20aを他の絶縁層よりもギャップ先端位置に
    接近させてなることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 少なくとも下部磁極層7、ギャップ層
    8、コイル層9、コイル絶縁層10および上部磁極層11を
    有する薄膜磁気ヘッドにおいて、 上下の磁極間の各絶縁層のうち、最も上部磁極層11寄り
    の絶縁層20の先端20aでギャップ深さGDを決定できるよ
    うに、先端20aを他の絶縁層よりもギャップ先端位置に
    接近させ、 このギャップ深さ決定絶縁層20と上部磁極層11との間
    に、ギャップ層8を配設してなることを特徴とする薄膜
    磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 少なくとも下部磁極層7、ギャップ層
    8、コイル層9、コイル絶縁層10および上部磁極層11を
    有する薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、 上下の磁極間の各絶縁層のうち、ギャップ先端位置に最
    も接近し、ギャップ深さGDを決定する絶縁層としてフォ
    トレジストを用い、硬化処理を行なう際に、加熱と紫外
    線照射を行なうことによって、短時間に熱硬化させるこ
    とを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも下部磁極層7、ギャップ層
    8、コイル層9、コイル絶縁層10および上部磁極層11を
    有する薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、 上下の磁極間の各絶縁層のうち、最も上部磁極層11寄り
    の絶縁層20の先端でギャップ深さGDを決定できるよう
    に、先端20aを他の絶縁層よりもギャップ先端位置に接
    近させるとともに、 このギャップ深さ決定絶縁層20にフォトレジストを用
    い、露光・現像によるパターニングの後に、加熱と紫外
    線照射を行なうことによって、短時間に熱硬化させるこ
    とを特徴とする請求項3記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
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