JPH05302097A - 金属キレート剤及び粉体用分散剤 - Google Patents

金属キレート剤及び粉体用分散剤

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JPH05302097A
JPH05302097A JP4131792A JP13179292A JPH05302097A JP H05302097 A JPH05302097 A JP H05302097A JP 4131792 A JP4131792 A JP 4131792A JP 13179292 A JP13179292 A JP 13179292A JP H05302097 A JPH05302097 A JP H05302097A
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lignin
metal
acid
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JP4131792A
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Yasuaki Kimura
泰章 木村
Naoko Noda
直子 能田
Masahiro Takizawa
正博 滝沢
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MOKUSHITSU SHINSOZAI GIJUTSU K
MOKUSHITSU SHINSOZAI GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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MOKUSHITSU SHINSOZAI GIJUTSU K
MOKUSHITSU SHINSOZAI GIJUTSU KENKYU KUMIAI
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 カルボキシアルキル化リグニン誘導体からな
る。 【効果】 (イ)水中に含まれる金属を効率よくキレー
トすることができる、(ロ)天然物由来であるリグニン
を原料として用いていることから、合成高分子電解質に
比べ生分解性が良い、(ハ)リンを含まないことから縮
合リン化合物のような富栄養化の問題を起こさない、
(ニ)ゼオライトのように水不溶性ではないので、液体
洗剤用としても使用可能である、などという利点を有す
るので、金属キレート剤として、スケール防止剤、洗浄
剤用ビルダー等の金属キレート効果を必要とする分野に
応用できる。また、リグニン本来の持つ分子網目構造に
よる立体障害及びカルボキシル基による吸着、反発効果
により、親水性の粉体に対して優れた凝集抑制効果を有
することから、粉体用分散剤としても有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カルボキシアルキル化
リグニン誘導体からなる金属キレート剤及び粉体用分散
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】天然水及び一般的な水道水中には、多く
のカルシウム及びマグネシウムのような金属の塩を含ん
でいる。これらの金属は、例えば、ボイラー給水を加熱
するとき、あるいは加熱蒸留によって海水から脱塩する
とき、溶解していた塩は不溶塩に転換され、伝熱面上に
スケールとして付着する。このスケールは、断熱体であ
るので伝熱能力を著しく低下させるため、しばしばこれ
を除去しなければならなくなる。このスケールの付着を
抑制するために、種々のスケール防止剤が提案され、そ
の多くは、マレイン酸及び(メタ)アクリル酸等の不飽
和カルボン酸を中心とし、それと他のコモノマーとの共
重合体からなる合成高分子電解質であった。
【0003】また、水中に含まれる金属は、衣類その他
の洗浄に際しては、洗浄剤の主成分である界面活性剤と
不溶性の塩を形成し、その洗浄力を低下させる。つま
り、水の硬度が洗浄力を低下させるため、水中の金属を
キレートし、界面活性剤の洗浄力を低下させないように
するために、洗浄剤にビルダーを加え、このビルダーに
水中の金属塩をキレートさせ、洗浄力を向上させる手法
が一般的に用いられてきた。従来、このビルダーとして
は、トリポリリン酸ソーダ等の縮合リン酸塩化合物及び
無機化合物であるゼオライトが使用されてきた。また、
不飽和カルボン酸を中心とした合成高分子電解質が提案
されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】即ち、これらのスケー
ル防止剤やビルダーは、水中に含まれる金属をキレート
する金属キレート剤と位置づけることが出来る。ところ
が、これらの金属キレート剤には種々の問題がある。例
えば、スケール防止剤やビルダーとして提案されてきた
不飽和カルボン酸を中心とした合成高分子電解質には、
近年問題となっている環境汚染という面で生分解性に乏
しいという問題があり、ビルダーとして使用されてきた
縮合リン酸塩化合物には、湖沼等の富栄養化を起すとい
う問題があり、またビルダーとして使用されてきたゼオ
ライトには、水不溶性であるために液体洗浄剤には使用
できないというような問題がある。
【0005】従って、本発明の目的は、上記課題を克服
した、即ち生分解性が良好でしかも縮合リン化合物のよ
うな富栄養化の問題を起さず且つゼオライトのように水
不溶性ではない、高性能の金属キレート剤及び粉体用分
散剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
課題を克服した金属キレート剤を見い出すため鋭意研究
を重ねた結果、天然に存在する高分子であるリグニンに
カルボキシル基を導入した化合物が、上記目的に適合し
た金属キレート剤であることを見い出し、また該化合物
が上記目的に適合した粉体用分散剤であることも併せ見
い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明によれば、カルボキシアルキ
ル化リグニン誘導体からなることを特徴とする金属キレ
ート剤及び粉体用分散剤が提供される。
【0008】本発明の金属キレート剤は、カルボキシア
ルキル化リグニン誘導体からなるという構成としたこと
から、優れたキレート性能を有する上に、合成高分子電
解質に比べ生分解性が良好であり、且つ水溶性であっ
て、しかもリンを含まないので富栄養化の問題も発生し
ない。
【0009】以下、本発明の金属キレート剤について詳
しく説明する。本発明の金属キレート剤(カルボキシア
ルキル化リグニン誘導体)の原料として用いられるリグ
ニンとしては、針葉樹リグニン、広葉樹リグニン及び草
木類リグニンのいずれもが使用できる。詳しく言うと、
例えばエゾマツ、アカマツ、スギ、ヒノキ等を始めとす
る針葉樹及び/又はシラカバ、ブナ等を始めとする広葉
樹を原木として、その木材チップを酢酸及び塩酸を用い
て高温で蒸煮して得られる酢酸蒸解リグニン、高圧の飽
和水蒸気で処理し瞬時に圧力を開放して木材を粉砕する
ことによって得られる蒸煮爆砕リグニン、水酸化ナトリ
ウムと硫化ナトリウムの混合水溶液を蒸解液として高温
で木材チップを蒸解することで得られるクラフトリグニ
ン、木粉をアルコールで煮沸することで得られるアルコ
ール可溶性リグニン、木粉を中性又は弱アルカリ性の重
亜硫酸塩溶液で高温で蒸煮することで得られるリグニン
スルホン酸、木粉を振動式ボールミルで微粉砕し含水ジ
オキサンで抽出することで得られるブジョルクマンリグ
ニン(Milled Wood Lignin)、リグニンをpH2、10
0℃で亜硝酸を使ってニトロ化したニトロリグニン、ま
たブラウンス天然リグニン、過ヨウ素酸リグニン、硫酸
リグニン、塩酸リグニン、銅アンモニアリグニン、ジオ
キサンリグニン、チオグリコール酸リグニン、加水分解
リグニン等の木材から得られるリグニンの他、稲等の草
木から得られるリグニンが挙げられる。
【0010】これらのリグニンには程度の差こそあれ、
その分子中にアルコール性及びフェノール性水酸基が含
まれている。この水酸基をカルボキシアルキル化するこ
とにより、リグニン中にカルボキシル基を導入し、天然
由来の高分子電解質であるカルボキシアルキル化リグニ
ン誘導体を得ることができる。
【0011】本発明の金属キレート剤に用いられるカル
ボキシアルキル化リグニン誘導体は、種々の製造方法に
より得ることが出来る。例えば、リグニンスルホン酸あ
るいはクラフト及びエタノール可溶性リグニンを、水酸
化ナトリウム水溶液に溶解後、モノブロモ酢酸と反応さ
せる方法〔田中ほか:工業化学雑誌、69,70-72(1966);
W.Lange ほか:Wood Sci.Technol.,14,1-7(1980)〕や、
Milled Wood Ligninをイソプロパノール(IPA)に分
散した後水酸化ナトリウムを加え、更にモノクロロ酢酸
を加えて加熱して反応させるという方法〔中野ほか:紙
パ技協誌、36,1080-1081(1982)〕などにより製造するこ
とができる。
【0012】また、本発明者らは、先にリグニンをアル
カリ水溶液に浸漬処理し、これを有機溶媒中に分散させ
た後、モノハロゲノアルキルカルボン酸を添加するとい
うカルボキシアルキル化リグニン誘導体の製造方法を確
立したが、この方法によると、水に不溶なリグニンを原
料とした場合にも、著しく水溶性の向上したカルボキシ
アルキル化リグニン誘導体が得られるので、この方法は
本発明の金属キレート剤を得る方法として好適である。
【0013】本発明のカルボキシアルキル化リグニン誘
導体からなる金属キレート剤は、優れた金属キレート性
能を有するので、スケール防止剤、洗浄剤用ビルダー等
の金属キレート効果を必要とする分野で非常に有用であ
る。
【0014】加えて、カルボキシアルキル化リグニン誘
導体は、リグニン本来の持つ分子の網目構造による立体
障害及びカルボキシル基による吸着、反発効果により、
親水性の粉体に対して凝集抑制効果を有することから、
粉体用の分散剤としても極めて有用である。即ち、カル
ボキシアルキル化リグニン誘導体のカルボキシル基等の
親水性基が、親水性の粉体粒子表面に吸着し、該粒子の
凝集を抑制する効果が発現されるものと推定される。更
に、吸着したカルボキシアルキル化リグニンの網目構造
による分子の立体障害、吸着に関与していないフリーの
カルボキシル基による粉体粒子間の反発の増強等のカル
ボキシアルキル化リグニンの分子構造の作用が、大きく
凝集抑制効果に寄与すると考えられる。
【0015】本発明の分散剤の使用に当っては、粉体の
種類にもよるが、通常分散液中の分散剤濃度は約1.0
×10-3%〔g/cm3〕以上とするのが好ましく、特
に5.0×10-3〜10%〔g/cm3〕とするのが好
ましい。分散液中の分散剤濃度が約1.0×10-3
〔g/cm3〕未満では、凝集抑制効果が小さいことが
多い。
【0016】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明をよ
り具体的に説明するが、これにより本発明の態様が限定
されるものではない。なお、以下に示す%はいずれも重
量基準である。
【0017】(カルボキシアルキル化リグニン誘導体の
製造) 製造例1 40%のNaOH水溶液32.5gに、酢酸蒸解リグニ
ン(針葉樹)10gを加え、混合浸漬した。一方、予め
150gの1,4−ジオキサンを入れた300ml容三
角フラスコに、この浸漬物を撹拌下で加え、撹拌分散さ
せた。この三角フラスコに還流管及び滴下ロートを備
え、これを60℃の湯浴中に入れた。撹拌を続けなが
ら、1,4−ジオキサン20gにモノクロロ酢酸13g
を溶かした溶液を、滴下ロートから1時間かけて滴下
し、その後3時間反応させた。
【0018】反応終了後、冷却し、三角フラスコ内のス
ラリーを濾別した。固形物をビーカーに移し、水で溶解
し、希塩酸でpH8に調整し、電気透析により脱塩し
た。これをナス型フラスコに移しロータリーエバポレー
ターで濃縮した後、IPA1l中に添加することによ
り、カルボキシメチル化リグニンを析出させた。これを
遠心分離し、IPAで3回程洗浄して乾燥し、カルボキ
シメチル化リグニンを得た。
【0019】製造例2 37.5%のNaOH水溶液8gに、酢酸蒸解リグニン
(針葉樹)5gを加え、混合浸漬した。一方、予め10
0gのアセトンを入れた300ml容三角フラスコに、
この浸漬物を撹拌下で加え、撹拌分散させた。この三角
フラスコに還流管及び滴下ロートを備え、これを60℃
の湯浴中に入れた。撹拌を続けながら、アセトン20g
にモノクロロ酢酸5gを溶かした溶液を、滴下ロートか
ら1時間かけて滴下し、その後3時間反応させた。反応
終了後、製造例1と同様に分離、精製、乾燥処理しカル
ボキシメチル化リグニンを得た。
【0020】製造例3 48%のNaOH水溶液42gに、酢酸蒸解リグニン
(針葉樹)21gを加え、混合浸漬した。一方、予め1
50gのイソプロパノールを入れた300ml容三角フ
ラスコに、この浸漬物を撹拌下で加え、撹拌分散させ
た。この三角フラスコに還流管及び滴下ロートを備え、
これを80℃の湯浴中に入れた。撹拌を続けながら、イ
ソプロパノール20gにモノクロロ酢酸10.5gを溶
かした溶液を、滴下ロートから1時間かけて滴下し、そ
の後3時間反応させた。反応終了後、製造例1と同様に
分離、精製、乾燥処理しカルボキシメチル化リグニンを
得た。
【0021】製造例4 50%のNaOH水溶液10gに、酢酸蒸解リグニン
(針葉樹)5gを加え、混合浸漬した。一方、予め15
0gのイソプロパノールを入れた300ml容三角フラ
スコに、この浸漬物を撹拌下で加え、撹拌分散させた。
この三角フラスコに還流管及び滴下ロートを備え、これ
を25℃の水浴中に入れた。撹拌を続けながら、イソプ
ロパノール20gにモノブロモ酢酸7.5gを溶かした
溶液を、滴下ロートから1時間かけて滴下し、その後2
時間反応させた。反応終了後、製造例1と同様に分離、
精製、乾燥処理しカルボキシメチル化リグニンを得た。
【0022】製造例5 50%のNaOH水溶液14gに、酢酸蒸解リグニン
(針葉樹)10gを加え、混合浸漬した。一方、予め1
50gの1,4−ジオキサンを入れた300ml容三角
フラスコに、この浸漬物を撹拌下で加え、撹拌分散させ
た。この三角フラスコに還流管及び滴下ロートを備え、
これを25℃の水浴中に入れた。撹拌を続けながら、
1,4−ジオキサン20gにモノクロロ酢酸7gを溶か
した溶液を、滴下ロートから1時間かけて滴下し、その
後3時間反応させた。反応終了後、製造例1と同様に分
離、精製、乾燥処理しカルボキシメチル化リグニンを得
た。
【0023】製造例6 48%のNaOH水溶液63gに、酢酸蒸解リグニン
(針葉樹)31.5gを加え、混合浸漬した。一方、予
め150gのイソプロパノールを入れた300ml容三
角フラスコに、この浸漬物を撹拌下で加え、撹拌分散さ
せた。この三角フラスコに還流管及び滴下ロートを備
え、これを40℃の湯浴中に入れた。撹拌を続けなが
ら、イソプロパノール20gにモノクロロ酢酸22.0
5gを溶かした溶液を、滴下ロートから1時間かけて滴
下し、その後3時間反応させた。反応終了後、製造例1
と同様に分離、精製、乾燥処理しカルボキシメチル化リ
グニンを得た。
【0024】製造例7 50%のNaOH水溶液10gに、蒸煮爆砕リグニン
(広葉樹)5gを加え、混合浸漬した。一方、予め15
0gのイソプロパノールを入れた300ml容三角フラ
スコに、この浸漬物を撹拌下で加え、撹拌分散させた。
この三角フラスコに還流管及び滴下ロートを備え、これ
を60℃の湯浴中に入れた。撹拌を続けながら、イソプ
ロパノール20gにモノクロロ酢酸5gを溶かした溶液
を、滴下ロートから1時間かけて滴下し、その後3時間
反応させた。反応終了後、製造例1と同様に分離、精
製、乾燥処理しカルボキシメチル化リグニンを得た。
【0025】製造例8 50%のNaOH水溶液10gに、リグニンスルホン酸
5gを加え、混合浸漬した。一方、予め150gのイソ
プロパノールを入れた300ml容三角フラスコに、こ
の浸漬物を撹拌下で加え、撹拌分散させた。この三角フ
ラスコに還流管及び滴下ロートを備え、これを60℃の
湯浴中に入れた。撹拌を続けながら、イソプロパノール
20gにモノクロロ酢酸5gを溶かした溶液を、滴下ロ
ートから1時間かけて滴下し、その後3時間反応させ
た。反応終了後、製造例1と同様に分離、精製、乾燥処
理しカルボキシメチル化リグニンを得た。
【0026】製造例9 50%のKOH水溶液10gに、酢酸蒸解リグニン(針
葉樹)5gを加え、混合浸漬した。一方、予め170g
のイソプロパノールを入れた300ml容三角フラスコ
に、この浸漬物を撹拌下で加え、撹拌分散させた。この
三角フラスコに還流管及び滴下ロートを備え、これを2
5℃の水浴中に入れた。撹拌を続けながら、イソプロパ
ノール20gにモノクロロ酢酸5gを溶かした溶液を、
滴下ロートから1時間かけて滴下し、その後2時間反応
させた。反応終了後、製造例1と同様に分離、精製、乾
燥処理しカルボキシメチル化リグニンを得た。
【0027】製造例10 50%のNaOH水溶液10gに、酢酸蒸解リグニン
(針葉樹)5gを加え、混合浸漬した。一方、予め15
0gのイソプロパノールを入れた300ml容三角フラ
スコに、この浸漬物を撹拌下で加え、撹拌分散させた。
この三角フラスコに還流管及び滴下ロートを備え、これ
を25℃の水浴中に入れた。撹拌を続けながら、イソプ
ロパノール20gにモノクロロプロピオン酸6gを溶か
した溶液を、滴下ロートから1時間かけて滴下し、その
後2時間反応させた。反応終了後、製造例1と同様に分
離、精製、乾燥処理しカルボキシエチル化リグニンを得
た。
【0028】製造例11 50%のNaOH水溶液10gに、酢酸蒸解リグニン
(針葉樹)5gを加え、混合浸漬した。一方、予め15
0gのベンゼンを入れた300ml容三角フラスコに、
この浸漬物を撹拌下で加え、撹拌分散させた。この三角
フラスコに還流管及び滴下ロートを備え、これを25℃
の水浴中に入れた。撹拌を続けながら、ベンゼン50g
にモノクロロ酢酸5gを溶かした溶液を、滴下ロートか
ら1時間かけて滴下し、その後3時間反応させた。反応
終了後、製造例1と同様に分離、精製、乾燥処理しカル
ボキシメチル化リグニンを得た。
【0029】前記の製造例における製造条件をまとめる
と、表1に示される。
【0030】
【表1】
【0031】実施例1〜11 製造例1〜11で得られたカルボキシアルキル化リグニ
ン誘導体のそれぞれについて、Caイオンキレート能の
測定を行なった。まず、初期Caイオン濃度1.0×1
0-3MのCaCl2水溶液にイオン強度調整剤として4
M KClを1ml/50ml(イオン強度0.08)
加え、KOH水溶液を用いてpH10に調整した。これ
に前記各製造例で得られたカルボキシアルキル化リグニ
ン誘導体の5%水溶液を200ppm加えたときの残留
Caイオン濃度を、Caイオン電極(ORION社製)
を用いた電極法で測定した。減少したCaイオン量から
カルボキシアルキル化リグニン誘導体1gがキレートし
たCaイオン量をCaCO3として換算し、そのmg数
をイオンキレート能とした。その結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】表2の結果から、本発明の金属キレート剤
が優れたCaイオンキレート能を有することが分かる。
【0034】実施例12 本発明のキレート剤を用い、次の組成の洗剤を調整し、
洗浄試験に供したところ、充分満足する洗浄特性が得ら
れた。 アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム 20% キレート剤(製造例1によるもの) 25% 二号ケイ酸ナトリウム 5% 炭酸ナトリウム(無水物) 3% カルボキシメチルセルロース 0.5% 硫酸ナトリウム(無水物) 46.5% ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 計 100%
【0035】実施例13及び比較例1 酸化鉄粒子の懸濁液における本発明のカルボキシアルキ
ル化リグニン誘導体からなる分散剤の酸化鉄粒子凝集抑
制効果を調べた。即ち、所定濃度の各サンプル水溶液
に、イオン強度調整剤として4M KCIを1ml/5
0ml(イオン強度0.08)加えた。この各溶液15
gを15mgの酸化鉄(純正化学社製)に添加し、手で
よく振とうした後、超音波を3分間照射して酸化鉄を一
度充分に分散させた。室温で24時間静置後、粒度分布
・粒径測定装置(堀場社製、CAPA−500)を用い
て粒径測定を行ない、平均粒径により、酸化鉄粒子の凝
集抑制効果を評価した。なお、比較のため、リグニンス
ルホン酸ナトリウムについても同様の試験を行なった。
それらの結果を図1に示す。
【0036】図1から明らかなように、本発明の分散剤
は、濃度1.0×10-3%(g/cm3)以上になると
高い凝集抑制効果を発現する。リグニンスルホン酸ナト
リウムの凝集抑制効果は、本発明の分散剤に比べ小さい
ことが分かる。
【0037】
【発明の効果】本発明の金属キレート剤は、カルボキシ
アルキル化リグニン誘導体からなるという構成としたこ
とから、次のような卓越した効果を奏する。 (イ)水中に含まれる金属を効率よくキレートすること
ができる。 (ロ)天然物由来であるリグニンを原料として用いるこ
とから、合成高分子電解質に比べ生分解性が良い。 (ハ)リンを含まないことから縮合リン化合物のような
富栄養化の問題を起こさない。 (ニ)ゼオライトのように水不溶性ではないので、液体
洗剤用としても使用可能である。 その結果、 (ホ)金属キレート剤として、スケール防止剤、洗浄剤
用ビルダー等の金属キレート効果を必要とする分野に応
用できる。
【0038】また、本発明の粉体用分散剤は、カルボキ
シアルキル化リグニン誘導体かなるという構成としたこ
とから、リグニン本来の持つ分子の網目構造による立体
障害及びカルボキシル基による吸着、反発効果により、
親水性の粉体に対して優れた凝集抑制効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例13及び比較例1における酸化鉄粒子径
とポリマー(キレート剤),水溶液濃度との関係を示す
グラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボキシアルキル化リグニン誘導体か
    らなることを特徴とする金属キレート剤。
  2. 【請求項2】 カルボキシアルキル化リグニン誘導体か
    らなることを特徴とする粉体用分散剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4874255B2 (ja) * 2004-09-24 2012-02-15 株式会社日本触媒 クラフトリグニンを利用した分散剤および新規なリグニン誘導体
WO2023115206A1 (en) * 2021-12-21 2023-06-29 Polyvalor, Limited Partnership Ultrasound-assisted carboxyalkylation of lignin

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