JPH05296035A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JPH05296035A
JPH05296035A JP17975991A JP17975991A JPH05296035A JP H05296035 A JPH05296035 A JP H05296035A JP 17975991 A JP17975991 A JP 17975991A JP 17975991 A JP17975991 A JP 17975991A JP H05296035 A JPH05296035 A JP H05296035A
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fuel
air
exhaust gas
internal combustion
combustion engine
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JP17975991A
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English (en)
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Toshimi Araga
年美 荒賀
Eiichi Sudo
栄一 須藤
Yujiro Oshima
雄次郎 大島
Soichi Matsushita
宗一 松下
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は排気系にアフターバーナを備えた内燃
機関の排気浄化装置に関し、排気浄化性能を従来に比べ
て向上さることを目的とする。 【構成】燃料(ガソリン)のうち、着火性、燃焼性の良
い低沸点成分を取り出すバブリングチャンバ(以下、チ
ャンバという)33を設け、内燃機関1の燃料供給系統
2及び吸気系統3から分岐した、燃料供給系統31及び
空気供給系統32を夫々接続する。空気供給系統32を
途中で更に分岐し、感温調整弁40を設けた2次空気ラ
イン42をアフターバーナ18に接続する。また、チャ
ンバ33内から発生した燃料の低沸点成分をアフターバ
ーナ18に搬送する混合気供給ライン34を設ける。ア
フターバーナ18内においては、2次空気ライン42か
らの2次空気により略理論空燃比に希釈された低沸点成
分の確実な燃焼により、排気ガス中の炭化水素が確実に
燃焼、酸化せしめられ、排気浄化性能が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関の排気浄化装置
に係り、特に排気系統にアフターバーナを備えた内燃機
関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にガソリン内燃機関の排気ガス中に
は、未燃成分である炭化水素(HC)が含まれている。
このHCは、大気中において有害成分であり、このた
め、近年、ガソリン内燃機関を搭載している自動車にお
いては、排気系に触媒コンバータを設けて上記有害成分
の浄化を行っている。しかしながら、上記触媒コンバー
タは、それ自体の温度が有害成分の酸化温度まで上昇し
ないと浄化機能を発揮しない特性を有しており、機関始
動時の低温(外気温度と同一温度)状態においては浄化
機能が低下している。
【0003】図7は低温状態における機関始動直後の、
触媒コンバータ通過後のHCの濃度と経過時間の関係を
示すグラフである。
【0004】同図中、曲線Aで示すように、機関始動時
(図中、T1 で示す)直後の10〜20秒間(図中、aで示
す範囲)においては、上記の如く触媒コンバータの浄化
機能を発揮せず、また、燃焼室内が低温状態であるがた
めの不完全燃焼によるHCの大量排出も加わって大量の
HCが排出される。そして、触媒コンバータが所定の温
度に達するまでの2〜10分間(図中、bで示す範囲、時
間は外気温度によって異なる)にHCの濃度は徐々に減
少し、触媒コンバータが所定温度に達した状態(図中、
c以降)で初めて浄化機能を完全に発揮する。従って、
自動車に触媒コンバータを搭載していても、始動、停止
を繰り返すことの多い都市部においては、HCの浄化の
効果は低い。
【0005】そこで、従来、上記問題を解決するための
内燃機関の排気浄化装置として種々の提案が行われてお
り、例えば、実開昭 47-3110号公報に開示されたものが
ある。この公報に開示された排気浄化装置は、内燃機関
の排気系統に、燃料供給装置、空気吸入口、及び点火栓
を設けたアフターバーナを備えたものである。
【0006】本装置によれば、内燃機関の低温時の始動
と同時にアフターバーナに燃料と空気を供給し、点火栓
によって燃料を燃焼させる。そして、この火炎を口火と
して排気ガス中の上記未燃成分であるHCを、排気系統
において燃焼、酸化させている。これにより、有害成分
のHCは水( H2O)と二酸化炭素( CO2)に分解され、
低温時においても排気浄化作用が行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の排気浄化装
置においては、アフターバーナに燃料をそのまま直接供
給する構成であるため、アフターバーナ内での点火栓に
よる供給燃料への着火性が悪く、また、着火された口火
となる火炎も不完全燃焼となってしまう。このため、供
給された燃料のうち未燃焼状態の燃料が新たに排気系統
に排出され、また、口火の不完全燃焼により、内燃機関
から排出される排気ガス中のHCも燃焼、酸化が良好に
行われない。このように、上記構成の排気浄化装置で
は、低温時における排気浄化機構が良好に作用せず、有
害なHCが大気に排出されてしまう。
【0008】そこで本発明は上記課題に鑑みなされたも
ので、内燃機関の低温時においても大気に排出されるH
Cを確実に低減し、排気浄化性能を向上させた内燃機関
の排気浄化装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、内燃機関の低温時に排気系統へ燃料を供給
する燃料供給装置と、前記供給された燃料に点火する点
火栓とを備えた内燃機関の排気浄化装置において、前記
燃料供給装置は、内燃機関用燃料から前記内燃機関用燃
料の低沸点成分を取り出す装置を設け、前記取り出され
た低沸点成分を前記排気系統への供給燃料とした構成で
ある。
【0010】
【作用】内燃機関用燃料のうち、低沸点成分だけを排気
系統への供給燃料としたことにより、排気系統に供給さ
れた燃料の点火栓による着火性、及び引火性が良好とな
り、且つ着火された供給燃料は完全燃焼が行われるよう
になる。
【0011】
【実施例】図1は本発明になる内燃機関の排気浄化装置
の一実施例の構成図を示す。
【0012】同図中、1は自動車に搭載された4サイク
ルのガソリン内燃機関であり、大略、内燃機関1に燃料
(ガソリン)を供給する燃料供給系統2と、内燃機関1
に燃焼用の空気を供給する吸気系統3と、内燃機関1の
排気ガスを外部に搬送する排気系統4と、排気系統4を
含み、排気系統4において排気ガス中の未燃成分を燃
焼、酸化させ、有害成分を浄化する排気浄化装置5とを
備えている。
【0013】燃料供給系統2は、燃料タンク8、燃料ポ
ンプ9、噴射ポンプ10、電子燃料噴射制御装置(EF
I)11よりなる燃料供給ライン12と、圧力調整弁1
3を設けた燃料リターンライン14とよりなる。燃料は
燃料ポンプ9及び噴射ポンプ10とにより供給ライン1
2とリターンライン14とを循環し、内燃機関1に必要
な燃料だけがEFI11によってシリンダ内に噴射され
る。
【0014】吸気系統3は、エアクリーナ15、エアフ
ローメータ(図示せず)を設けた吸気ライン16が内燃
機関1のインテークマニホールド(図示せず)に接続さ
れている。EFI11では、上記エアフローメータ等で
検出した吸入空気の温度や流量のデータを入力すること
により、適正な空燃比のもとで内燃機関の負荷に対応し
た燃料噴射量を決定し、吸気中に燃料を混入させる。
【0015】排気系統4は、排気マニホールド17、後
述するアフターバーナ18、排気ガス中の有害成分を浄
化する触媒コンバータ19、及び消音器であるマフラ2
0を設けた排気ライン21から構成されている。
【0016】排気浄化装置5は、大略、上記排気系統4
と、上記燃料供給系統2から分岐した燃料供給系統31
と、上記吸気系統3から分岐した空気供給系統32と、
後述するバブリングチャンバ33と、混合気供給ライン
34とより構成されている。
【0017】燃料供給系統31は、上記燃料供給ライン
12の燃料ポンプ9の下流側から分岐した燃料供給ライ
ン35がバブリングチャンバ33に接続され、また、バ
ブリングチャンバ33から循環ポンプ36を介して燃料
リターンライン37が上記燃料供給系統2の燃料リター
ンライン14に接続された系統である。
【0018】また、空気供給系統32は、上記吸気ライ
ン16から分岐された空気供給ライン38が空気ポンプ
39を介して2方に分岐され、その内一方は、感温調整
弁40及び逆止弁41を設けて上記アフターバーナ18
に接続された2次空気ライン42とされ、また他方は、
そのままバブリングチャンバ33に接続されたバブリン
グライン43とされている。混合気供給ライン34は、
途中に逆止弁44を設けてバブリングチャンバ33から
アフターバーナ18に接続されている。
【0019】アフターバーナ18は、排気マニホールド
17と触媒コンバータ19との間に設けられており、燃
焼室18aに上記混合気供給ライン34と、2次空気ラ
イン42とが夫々接続されており、電気スパークによる
点火栓18bが設けられている。
【0020】図2はバブリングチャンバ33の一実施例
の断面図を示す。
【0021】同図に示すように、バブリングチャンバ3
3は、約 0.2リットルの燃料が保有されるフロート室3
3hを設けた本体部33aと、各種ラインが接続される
蓋部33bとよりなる。蓋部33bには、上記燃料供給
ライン35が接続される接続部33cと、バブリングラ
イン43が接続される接続部33dと、混合気供給ライ
ン34が接続される接続部33eが設けられている。
【0022】本体部33aには、燃料リターンライン3
7がフロート室33hに連通して接続される接続部33
gと、上記接続部33dと接続され空気を底部に案内す
る管路33fと、管路33fに接続され、本体部33a
の底部に配設された複数のバブリング空気噴出用のノズ
ル45と、フロート室33h内の液面の位置に対応して
上下動するフロート46とが設けられており、また、フ
ロート46の上下動に対応して前記燃料供給ライン35
を開閉する締切弁47が、蓋部33bとの間に設けられ
ている。
【0023】図1に示す燃料の循環ポンプ36が稼働す
ると、フロート室33h内の燃料が引き出されるもの
の、フロート46が下動して締切弁47を開とするた
め、燃料が燃料供給ライン35よりフロート室33h内
に供給される。このように、循環ポンプ36を稼働する
と、フロート室33h内の燃料の液面を一定位置に維持
した状態で燃料を循環させることができる。
【0024】また、空気ポンプ39が稼働すると、バブ
リング空気がバブリングライン43及び管路33fを通
ってノズル45から燃料中に噴出される。燃料中に空気
を吹き込むと、燃料中に溶け込んだ状態であり、そのま
までは気化することのできない燃料中の低沸点成分(主
に炭素数がC4 〜C7 の成分)が空気と接触することに
よって、吹き込まれた空気の圧力と、低沸点成分の蒸気
圧力との差の分の低沸点成分を気化することができる。
例えば、 140mlのガソリン中に 500ml/minの空気をバブ
リングすると、常温の場合、1.25g/min のガソリン蒸気
を作ることができる。このように、バブリングチャンバ
33内では、気化した低沸点成分とバブリング空気とが
混合した混合気がフロート室33hの液面上に発生し、
混合気ライン34を通ってアフターバーナ18に送り込
まれる。
【0025】従って、上記方法においては、燃料と燃料
中に吹き込まれる空気との接触面積を大きくすることに
より、燃料中からより多くの低沸点成分を発生させるこ
とができる。このため、ノズル45から噴出される空気
ができるだけ小さな気泡となるように、ノズル45は連
通気孔を有する焼結体にて形成されている。更に、バブ
リング空気が多い時に、液面上で弾けた燃料の飛沫が混
合気供給ライン34を通ってアフターバーナ18に直接
供給されることを防止するために、メッシュ状の飛沫防
止プレート48が液面の上方に設けられている。また、
気泡を含んだ燃料が燃料リターンライン37に流れない
ように、フロート室33h底面上の接続部33g側の部
位には仕切り板33iが設けられている。
【0026】また、上記の如く、燃料が常に循環し、バ
ブリングチャンバ33内の燃料が入れ代わっているた
め、低沸点成分は減少することなく常に一定量取り出す
ことができる。
【0027】次に本実施例の排気浄化装置の作用につい
て説明する。
【0028】図3は排気浄化装置のコントローラの構成
図、図4は排気浄化装置のコントローラのタイムチャー
トを示す。
【0029】本実施例の排気浄化装置5のコントローラ
50は、コンピュータ制御によるコントローラであり、
図3に示すように、イグニッション・キーの接点と、触
媒コンバータ19に設けられた温度計19aによる触媒
の温度と、バブリングチャンバ33のフロート室33h
内の燃料の温度(外気温度でも同じ作用となる)を入力
信号としている。また、アフターバーナ18の点火栓1
8bの点火、停止命令、循環ポンプ36、空気ポンプ3
9夫々の始動、停止命令、及び感温調整弁40の開度命
令を出力信号としている。
【0030】図4中、エンジン始動時、先ずオペレータ
がイグニッション・キーをオンとすると、エンジンクラ
ンキング用のスタータモータがエンジンがかかるまで回
転する。この状態では、内燃機関1、燃料、及び触媒コ
ンバータ19を含めた全ての構成部品が低温状態にあ
る。
【0031】コントローラ50は、イグニッション・キ
ーがオンとなった信号を入力すると同時に、排気浄化装
置5の燃料の循環ポンプ36、及び空気ポンプ39に始
動命令を出力すると共に、アフターバーナ19の点火栓
に点火開始の命令を出力する。
【0032】空気ポンプ39が稼働すると、上述したよ
うに、バブリングライン43に空気を送り込んで、上述
したように燃料の低沸点成分を含んだ混合気がアフター
バーナ18に送られる。しかしながら、バブリングチャ
ンバ33から供給される上記混合気は、空燃比が可燃範
囲より過濃側にあり、点火栓18bが点火しても着火し
ない状態にある。このため、アフターバーナ18の燃焼
室18aには2次空気ライン42から空気が供給されて
おり、これによって混合気は、燃焼上の理論空燃比、も
しくはそれよりも僅かに小さい値の空燃比に調整され
る。
【0033】従って、アフターバーナ18ではイグニッ
ション・キーをオンとしたのとほぼ同じタイミングで、
2次空気によって薄められた可燃状態の混合気が点火栓
18bにより点火されて着火燃焼する。
【0034】この混合気の燃焼による火炎は、内燃機関
1の排気ガス中に大量に含まれる未燃焼成分であるHC
をアフターバーナ18内で燃焼、酸化させる口火として
作用する。即ち、バブリングチャンバ33から得られた
上記混合気の燃焼による火炎により、排気ガス中に含ま
れる有害成分であるHC自体が着火し、そして燃焼す
る。このように、排気ガス中のHCが燃焼、即ち酸化反
応することにより、HCは水( H2O)と二酸化炭素( C
O2)に分解され、排気ガスの排気浄化がアフターバーナ
18内にて一部行われる。
【0035】また、このHCの燃焼により排気ガスの温
度が上昇するため、触媒コンバータ19を急速に加熱さ
せる。このように、触媒コンバータ19の温度を急速に
上昇させることにより、図7に示す範囲bの時間を短縮
することができ、触媒コンバータ19の排気浄化機能を
より早急に機能させることができる。
【0036】このように、アフターバーナ18にて混合
気を燃焼させることにより、排気ガス中のHCを燃焼、
酸化させてHCの浄化を行う作用と、触媒コンバータ1
9を加熱させることにより、触媒コンバータ19の浄化
機能を早急に機能させる作用とが同時に行われ、HCの
浄化性能を向上させることができる。
【0037】コントローラ50が、触媒コンバータ19
の温度計19aにより、触媒の温度が排ガス中の有害成
分を酸化反応をする温度( 250℃〜 300℃)となったこ
とを入力すると、上記循環ポンプ36、空気ポンプ39
に停止命令を出力すると共に、点火栓18bの点火停止
命令を出力する。
【0038】ここで、本実施例の排気浄化装置5では、
上記の如く、バブリングチャンバ33により、燃料中の
低沸点成分のみをアフターバーナ18に供給している。
この低沸点成分とは、常温状態において炭素数がC4
7 のパラフィン系脂肪族であり、アンチノック性の小
さい成分である。即ち、着火性、燃焼性が良く、単位重
量当たりの発熱量も大きい。このため、アフターバーナ
18内における点火栓18bによる混合気への着火は確
実となり、また、着火した火炎は完全燃焼となり発熱量
も大きい。このため、燃料を単にアフターバーナで燃焼
させていた従来の構成に比べて、口火となる火炎が確実
に発生すると共に強い火炎となり、内燃機関1から排出
される排気ガス中のHCへの着火、燃焼を確実とするこ
とができる。その結果、排気ガス中のHCの浄化性能を
従来に比べてより向上させることができる。
【0039】ここで、バブリングチャンバ33から得ら
れる燃料の低沸点成分の量は、例えば−10℃〜−20℃程
度の低温状態においては、低沸点成分の蒸気圧が低下す
るため常温状態の3分の1程度に減少する。このため、
コントローラ50は、燃料、または外気の温度を入力
し、感温調整弁40の開度を調整する。
【0040】図5は、コントローラ50によって調整さ
れる感温調整弁40の開度と、燃料(外気)の温度との
関係、及びバブリング空気量と同温度との関係を示す。
【0041】同図に直線Bで示すように、燃料(外気)
の温度が低い程、感温調整弁40の開度は閉側となり、
2次空気ライン42の空気量を減少させて、曲線Cで示
されるバブリング空気量を増加させる。これにより、低
温状態においても低沸点成分を含んだ混合気量を増加さ
せることができる。
【0042】また、低温時に上記の如くバブリング空気
量を増加させた場合であっても、バブリングチャンバ3
3で得られる混合気は、常温時の混合気に比べて薄い混
合気となってしまう。従って、感温調整弁40を閉側と
することによりアフターバーナ18に供給される2次空
気が減少しても、アフターバーナ18における混合気の
空燃比は、常温時において述べた理論空燃比とほぼ同じ
値に維持される。即ち、空気ポンプ39から送られる空
気のトータルの量が同じでも、コントローラ50が感温
調整弁40の開度を適当に調整することにより、いかな
る温度状態においても、排気ガス中のHCを燃焼させる
口火となる火炎に十分な量と空燃比の混合気を得ること
ができる。
【0043】また、上記−10℃〜−20℃程度の低温状態
の燃料から得られる低沸点成分は、常温状態の低沸点成
分よりも軽い成分のC4 〜C5 が主体となり、混合気は
更に着火性、燃焼性が増す。このため、低温状態におい
て口火となる火炎は好条件側に移行する。
【0044】このように、排気浄化装置5によれば、−
10℃〜−20℃程度の低温状態においても常温状態と同様
に、排気ガス中のHCを燃焼させるために十分な口火と
なる火炎を得ることができる。
【0045】尚、本実施例においては、コントローラ5
0によりコンピュータ制御で感温調整弁40の開度を調
整しているが、温度を検知して開度を変化せしめる機械
式の感温調整弁を用いてもよい。
【0046】図6は、本実施例の排気浄化装置5を採用
した排気系統4において、低温(常温)状態における機
関始動直後の触媒コンバータ通過後のHCの濃度と経過
時間との関係を示すグラフである。同図中、曲線Dは本
実施例の排気浄化装置5を装着した場合のHCの濃度を
示し、曲線A(図1中、曲線Aと同じ)は、対照例とし
てアフターバーナを装着していない場合のHCの濃度を
示す。
【0047】同図中、曲線Dで示すように、本実施例の
排気浄化装置5を採用した場合、機関始動時(図中、T
1 で示す)直後にアフターバーナ18にてHCが確実に
燃焼し、そして酸化が行われるため、機関始動直後のH
C濃度のピークは、曲線Aのものに比べて3分の1程度
に抑えられる。また、HCの確実な燃焼により触媒コン
バータ19の温度上昇が速められるためHC濃度は急速
に低下する。このため、触媒コンバータ19が所定温度
に達して、所定の排気浄化機能が作用するまでに大気中
に排出されるHCの量(図中、ハッチング部の面積で表
される)は、アフターバーナを装着していない場合に比
べて10分の1程度に減少する。
【0048】アフターバーナを装着し、燃料を直接アフ
ターバーナ内で燃焼させている従来の排気浄化装置にお
いては、上述したようにアフターバーナ内で口火となる
火炎の着火が不確実であり、また、着火された火炎も不
完全燃焼となる。このため、大気中に排出されるHCの
量を曲線Aのものに比べては減少させることができるも
のの、本実施例の排気浄化装置5に比べて大量のHCを
大気に排出する。
【0049】このように本実施例の排気浄化装置5によ
れば、アフターバーナを装着した従来装置に比べても、
低温状態での機関始動時におけるHCの排出量を確実に
低減させることができる。
【0050】尚、コントローラ50は、内燃機関1の始
動時に触媒コンバータ19の温度が所定温度に達してい
れば、図4に示す排気浄化動作を起こさないインターロ
ック機能を備えている。従って、機関運転直後の再始動
時等は排気浄化性能が良好な状態であるため、排気浄化
動作は行われない。
【0051】また、本実施例においては、バブリングチ
ャンバ33によって空気と燃料を接触させることによ
り、燃料中から低沸点成分を取り出す構成を示したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、他の方法によ
り燃料中から低沸点成分を取り出す装置を装着したもの
であってもよい。例えば、燃料タンクとは別置きとされ
たチャンバに少量の燃料を保有し、この燃料をヒータに
より加熱して低沸点成分の蒸気圧力を上昇せしめ、これ
によって燃料中から低沸点成分を気化させる構成のもの
でもよい。この場合、低沸点成分が気化するまでの時間
が上記実施例に比べて多少かかるものの、上述した本実
施例による効果と同様の効果をえることができる。
【0052】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、排気系統に
供給された燃料への点火栓による着火が確実となり、且
つ着火された供給燃料は完全燃焼が行われるようになる
ため、内燃機関から排出された未燃成分を排気系統内に
おいて確実に燃焼、酸化させることができ、これによっ
て、内燃機関の低温時における排気浄化装置の排気浄化
性能を従来に比べて向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる内燃機関の排気浄化装置の一実施
例の構成図である。
【図2】バブリングチャンバの一実施例の断面図であ
る。
【図3】図1に示す排気浄化装置のコントローラの構成
図である。
【図4】図3に示すコントローラのタイムチャートであ
る。
【図5】図3に示すコントローラによって調整される感
温調整弁の開度と燃料(外気)の温度との関係、及びバ
ブリング空気量と同温度との関係を示すグラフである。
【図6】本実施例の排気浄化装置において、低温状態に
おける機関始動直後の触媒コンバータ通過後のHCの濃
度と経過時間との関係を示すグラフである。
【図7】アフターバーナの無い排気系統において、低温
状態における機関始動直後の触媒コンバータ通過後のH
Cの濃度と経過時間との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 内燃機関 2,31 燃料供給系統 3 吸気系統 4 排気系統 5 排気浄化装置 11 電子燃料噴射制御装置 15 エアークリーナ 17 排気マニホールド 18 アフターバーナ 19 触媒コンバータ 20 マフラー 21 排気ライン 32 空気供給系統 33 バブリングチャンバ 34 混合気供給ライン 35 燃料供給ライン 36 循環ポンプ 37 燃料リターンライン 38 空気供給ライン 39 空気ポンプ 40 感温調整弁 42 2次空気ライン 43 バブリングライン 45 ノズル 46 フロート 47 締切弁 48 飛沫防止プレート 50 コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須藤 栄一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 大島 雄次郎 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 松下 宗一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の低温時に排気系統へ燃料を供
    給する燃料供給装置と、該供給された燃料に点火する点
    火栓とを備えた内燃機関の排気浄化装置において、 前記燃料供給装置は、内燃機関用燃料から該内燃機関用
    燃料の低沸点成分を取り出す装置を設け、該取り出され
    た低沸点成分を前記排気系統への供給燃料としたことを
    特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017066872A (ja) * 2015-09-28 2017-04-06 株式会社クボタ ディーゼルエンジン

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