JPH0529498Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は歯科実習用人体の頭部模型及び胸胴部
模型を有する歯科実習用マネキンの診療台への固
定調節装置に関する。

（従来の技術） 従来より歯科教育実習で多用されている人体模
型（マネキン）には、(イ)上下歯顎部の咬合自在な
歯顎模型を人体頭部外殻模型に内蔵し、これを実
習台に取付けたもの（実開昭56−110466）や、(ロ)
前記頭部模型を棒状部材で構成したスタンドに取
付けて成る主要部が頭部のみのマネキンと、(ハ)胴
体付マネキンが知られている（特開昭51−
66189）。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記従来技術(イ)の実習台取付け
タイプでは、人体頭部模型が実習台端部に設置さ
れたものが知られているが、人体頭部模型を他の
診療台に取付けて実習することは出来ず、診療台
のバツクレストやヘツドレストに相当するものも
ないため、診療台上での患者のポジシヨニングの
実習を十分に行えない欠点がある。

また、(ロ)のスタンド取付けタイプでは、移動や
組立ては容易であるが、(イ)と同様に診療台のバツ
クレストやヘツドレストに相当するものがなく、
診療台上での患者の頭部のポジシヨニングを実習
することが出来ない。これに対して、(ハ)の胴体付
マネキンでは、頭部模型と胴体模型とを有する歯
科実習用マネキンであつて、診療台のバツクレス
トに相当するものもある点において、実践的な実
習が行える。しかし、この(ハ)においては、マネキ
ン実習専用装置であるため、マネキンを他の診療
台へ取付けることは出来ないし、また、頭部模型
が診療台の背もたれに相当する支持要素の固定さ
れているため、頭部模型を診療台で診療目的に適
した角度に向けるポジシヨニングの実習が出来な
い欠点があつた。

本考案は、前記の問題点を解決するため、なさ
れたもので、バツクレストに対して傾動調節自在
としたヘツドレスト有するごく一般的な歯科診療
台のいずれのメーカーの診療台に対しても、簡単
に取付け出来て、持ち運びを容易とすることと、
実際的な臨床姿勢や診療形態を学ぶポジシヨニン
グ実習とを可能にした歯科実習用マネキンの診療
台の固定調節装置を提供するものである。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するための本考案の歯科診療
台への実習用マネキン固定調節装置を実施例に基
づき説明する。

第１図は実習用マネキンを歯科診療台に装備し
た全体斜視図、第２図は同シートベルトの取着説
明図、第３図は同診療台シート部と胸胴模型の高
さ調節脚の説明図である。

即ち、本考案の歯科診療台への実習用マネキン
固定調節装置は、人体の頭部模型１と上半身胸胴
模型２とを有する歯科実習用マネキンを、歯科診
療台３に調節自在に固定する装置であつて、頭部
模型１と胸胴模型２とを、首振自在なジヨイント
機構４をもつて接続し、この頭部模型１を接続し
た胸胴模型２を、上記胸胴模型２の側面より取り
出したシートベルト２２，２２をもつて診療台の
バツクレスト３２へ取着することにより、前記マ
ネキン頭部模型１を、上記歯科診療台のバツクレ
ストに対するヘツドレスト３３の傾動に追従し、
前記ジヨイント機構４をもつて常時上記ヘツドレ
スト３３に密接安置すると共に、陶芸胸胴模型２
の左右各下端に設けた脚長可変自在な調節脚２
３，２３をもつて脚先を前記診療台のシート部３
１に当接することによつて、各種診療台のバツク
レスト３２とマネキンとの高さ調節をすることを
特徴とする。

（作用） 上記のように構成された歯科診療台へのマネキ
ン固定調節装置の頭部模型１と胸胴模型２との接
続は、合成樹脂製胸胴部２１内面上部に固着した
ジヨイント機構望ましくは、ボールジヨイント機
構４によりその枢軸４１に挿着した頭部模型１
は、全方位に首振自在に接続される。胸胴模型２
と診療台３との取付けは、胸胴模型２に一端を固
着したシートベルト２２，２２が診療台バツクレ
スト３２を包囲して互のシートベルト他端を係止
具２２１，２２２によつて係止連結する。従つ
て、胸胴模型２のみがシートベルト２２により、
バツクレスト３２に固定され、頭部模型１はヘツ
ドレスト３３の上で首振自在に安置された状態を
得る。

さらに頭部模型１を挿着した胸胴模型２のバツ
クレスト高さの異なる各種診療台への頭部位置高
さの調節は、胸胴模型２の左右各下端に設けた調
節脚２３，２３を設け、この調節脚２３，２３の
診療台シート部３１に当接する脚長を調整するこ
とにより行なうことができる。歯科診療台のバツ
クレストに対するヘツドレスト３３の傾動に追従
したマネキン頭部模型１のヘツドレスト３３との
密接安置は、前記のボールジヨイント機構４の係
止レバー４２により行なう。以上の作用により形
式の異つた種々の診療台に本考案のマネキンが堅
牢に安置可能となる。

（実施例） 本考案の代表的な実施例図第１図〜第３図によ
り説明する。

第１図は上下歯顎咬合模型を装着した顔面を有
する人体頭部模型１と、前後２つ割りの硬質合成
樹脂製胸胴模型２を歯科診療台３に取着した全体
斜視図である。この実施例における人体頭部模型
１は、石膏やプラスチツク、アルミ鋳物その他の
金属材料等の硬質材料をベースにして作つた上部
顔面マスクと人体の頬に酷似した柔軟性、伸縮性
を有するゴム質材料で造つた下部顔面マスクより
成り、その内部に歯顎咬合模型を装着することに
より研削実習、印象採得、補綴実習など、また顔
面を利用して立位でのフエイスボウ実習などの研
修が可能な頭部模型である。硬質の上部顔面マス
ク内には、頭部模型１を胸胴模型２に接続するた
めのボールジヨイント機構４の枢軸４１を嵌着す
る取付金具類が内蔵されている。

胸部に相当する前胴２１ａと背中部に相当する
後胴２１ｂとの、前後二分割した胸胴模型２の後
胴２１ｂには、その左右両脇部位にシートベルト
２２，２２の一端を固着し、他端には自動車のシ
ートベルトに用いられている如き長さ調節可能な
ワンタツチで脱着出来る係止具２２１，２２２が
設けられている。また、左右下端には背丈方向に
調節脚２３，２３が設けられ、高さ調節ねじ２３
１，２３１により脚長が変化出来るよう組立られ
ている。更にまた後胴２１ｂ首部位には全方位首
振自在なボールジヨイント機構４が堅牢に固着さ
れ、該機構の係止レバー４２が胴体の外に露出し
ている。該機構４の枢軸４１により胸胴模型２と
頭部模型１との接続をなし、全方位に頭部模型１
が回動可能となる。前胴２１ａは後胴２１ｂに脱
着自在に嵌合し、最上部には首を形成しており、
必要により男性体、女性体、小児体などに取替え
が可能なように構成している。この前胴２１ａの
胸部などに接触センサーを仕組み、実習時の不注
意を検知することも可能である。なお第１図中５
はハンドピースなどの診療器具である。

なお、胸胴模型としては、実施例では前後２分
割の構成として示したが、これにとらわれずにロ
ツドの組合せによつて胸胴状に枠組した枠体など
を用いてもよい。

（考案の効果） 本考案は、以上説明したように構成されている
ので次に記載する効果を奏する。

(1) マネキンの胸胴部がシートベルトによつて診
療台のバツクレストに固定できるので、頭部と
胸胴部は、診療台に密着安置される。水平位、
立位の如何に拘らず、安定した診療体勢がとれ
る。特に、胸胴下部に２本の高さ調節脚を設け
ることによつて、胸胴部をシート部から一定距
離に常時保持できるから、本考案のマネキン
は、どんな診療台にも使用することができ、任
意のバツクレスト傾斜角度にも対応することが
できる。

(2) 診療台に取付けた状態で、研削実習他印象採
得、その他フエイスボウ実習等の立位でしか出
来ない補綴実習も頭部模型が堅牢に固定されて
いるから可能と成る。

(3) 頭部は全方位首振自在なボールジヨイント機
構により固定出来るので、診療台のバツクレス
トに対するヘツドレストの傾動に密着安置出来
る。

(4) 人体に模した頭部と顔面及び胸胴部を付した
事により実際の診療形態がとれ特に患者の胸胴
部があるので胸胴部により治療範囲が制限され
た難しい範囲での診療ポジシヨン実習が出来
る。

(5) 胴体内部を利用して頭部、顔面部、歯顎模型
などが収納可能で持ち運びが容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例である実習用マネキン
を歯科診療台に装備した全体斜視図、第２図は同
シートベルトの取付説明図、第３図は同診療台シ
ート部と胸胴模型の高さ調節脚の説明図である。 符号の説明、１……人体の頭部模型、２……胸
胴模型、２２……シートベルト、２３……調節
脚、３……歯科診療台、３１……シート部、３２
……バツクレスト、３３……ヘツドレスト、４…
…ジヨイント機構。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 人体の頭部模型と上半身胸胴模型とを有する
   歯科実習用マネキンを、歯科診療台に調節自在
   に固定する装置であつて、頭部模型と胸胴模型
   とを、首振自在なジヨイント機構をもつて接続
   し、この頭部模型を接続した胸胴模型を、上記
   胸胴模型の側面より取り出したシートベルトを
   もつて上記歯科診療台のバツクレストへ取着す
   ることにより、前記マネキン頭部模型を、上記
   歯科診療台のバツクレストに対するヘツドレス
   トの傾動に追従し、前記ジヨイント機構をもつ
   て常時上記ヘツドレストに密接安置すると共
   に、当該胸胴模型の左右各下端に設けた脚長可
   変自在な調節脚をもつて、脚先を前記診療台の
   シート部に当接することによつて、各種診療台
   のバツクレストと歯科実習用マネキンとの高さ
   調節をすることを特徴とする歯科診療台への実
   習用マネキン固定調節装置。 ２ 首振自在なジヨイント機構が、全方位首振自
   在なボールジヨイント機構より成る請求項１記
   載の実習用マネキン固定調節装置。