JPH05292332A - 色データ補正処理方式 - Google Patents

色データ補正処理方式

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JPH05292332A
JPH05292332A JP4085175A JP8517592A JPH05292332A JP H05292332 A JPH05292332 A JP H05292332A JP 4085175 A JP4085175 A JP 4085175A JP 8517592 A JP8517592 A JP 8517592A JP H05292332 A JPH05292332 A JP H05292332A
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JP
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color
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color data
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JP4085175A
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Atsuko Asakawa
敦子 浅川
Kazushige Saga
一繁 佐賀
Shigemi Osada
茂美 長田
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は,色データ補正処理方式に関し,色
再現を正確に行うことを目的とする。 【構成】 プリンタ6の前段に,補正関数を学習させた
ニューラルネットワーク4を含む色データ補正処理部5
を設け,この補正関数として,色データ及びこの色デー
タの占める面積と出力したい所望の色データとの間の関
係をニューラルネットワーク4の結合の重みの形で学習
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,色データ補正処理方式
に関し,特に,画像出力装置の色再現特性に応じた補正
関数を学習させた色補正用ニューラルネットワークを用
いた色データ補正処理方式に関する。
【0002】事実を正確に伝える必要のある新聞などの
報道関係においては,色の正確さも必要とされる。しか
し,同一の対象物であっても複数の画像出力装置(プリ
ンタ)に出力した場合,装置によって色が異なったり,
出力画像の種類(印刷される画像の大きさの違い)によ
っては同一の色が微妙に異なって出力されることがあ
る。そのような場合に,色データを補正することによ
り,色を正確に再現することができる。
【0003】
【従来の技術】色の表現法として,赤(R),緑
(G),青(B)を用いる加色表現と,シアン(C),
マゼンダ(M),イエロー(Y)を用いる減色表現とが
ある。加色表現とは三色の光(RGB)の重ね合わせに
よって色を表現する方法である。減色表現とは三色の色
材(CMY)の反射光の重ね合わせによって色を表現す
る方法である。
【0004】一般に,コンピュータディスプレイ上では
RGBの光の加色表現を行い,プリントアウトした結果
などの印刷物ではCMYの反射光を用いた不透明な色材
の減色表現を行う。そこで,ディスプレイ上の画像をプ
リントアウトする場合,RGB加色表現からCMY減色
表現への変換を行う必要がある。しかし,この変換方法
の違い等により,同じ色を出力しても,出力装置間で出
力された色の違いが発生する場合がある。
【0005】そのため,図5に示す如く,その系(プリ
ンタ)の色の再現特性に合わせて補正関数をつくり色の
違いを補正していることが多い。図5において,原(入
力)画像1をTVカメラ(又はスキャナ)2で撮像して
ディスプレイ3上の画像とする。即ち,所定の(RGB
からなる)色データを得る。これを補正関数8により補
正した上でプリンタ6から出力画像7として出力する。
この出力画像7を同一のTVカメラ2で撮像して同一の
ディスプレイ3上の画像とし色データを得る。この色デ
ータと先の色データとを比較して,プリンタ6からの出
力画像7を評価する。即ち,色データが近似している
程,出力画像7は原画像1に近いことになり,補正関数
8が優れていることになる。
【0006】しかし,補正関数8はあらかじめ次数など
関数の形が定められているため,全ての場合において必
ずしも最適な補正関数を生成することができるとは限ら
ない。また,補正関数8の設定は人手によらなければな
らない。
【0007】そこで図6に示す如く,ニューラルネット
ワーク9を用いて,この補正関数を生成させる。ニュー
ラルネットワーク9は学習により非線型な変換規則を獲
得することが可能であることから,図5のあらかじめ形
が定まっている補正関数8を生成する方法より,より適
した変換規則を得ることができる。
【0008】図6の場合,プリンタ6における色変換規
則の特性を打ち消すように逆変換規則を作りそれを補正
関数とすれば,もともとの原画像1の色を出力すること
ができる。そのため,ニューラルネットワーク9の学習
データは,入力側教師データとしてプリントアウトした
結果の色のRGB値を,また出力側教師データとして原
画像の色のRGB値を用いる。また,この時,学習させ
る色として様々な色を含むようにさせる。この学習済の
ニューラルネットワーク9を用いれば,プリンタ6の色
の再現特性を打ち消すことができるため,より原画に近
い色を出力することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで,図6に示す
技術においては,プリンタ6の色補正のためにニューラ
ルネットワーク9を学習させるデータとして,同じ面積
を占める色のサンプルを多数用意し,それを使用してい
た。
【0010】しかし,実際にプリンタ6から出力させた
場合,以下に述べるような問題があることが判った。即
ち,ある色を出力補正用のニューラルネットワーク9を
通して出力した場合,学習したサンプルと同じ大きさの
面積を占める色のデータを出力した時には,ほぼ正確に
再現する。ところが,同じ色で異なる大きさの面積を占
める色をプリントアウトした時には,学習済の同じ色の
サンプルの出力と異なる色を出力してしまう。
【0011】例えば,図7(A)に示す如く,学習デー
タとして大面積の薄緑色のサンプル(R,G,B)=
(R1,G1,B1)を用いた場合,出力データは,大
面積のものは(R,G,B)=(14,22,29)と
なり,小面積のものは(R,G,B)=(12,19,
25)となった。また,図7(B)に示す如く,学習デ
ータとして大面積の深緑色のサンプル(R,G,B)=
(R2,G2,B2)を用いた場合,出力データは,大
面積のものは(R,G,B)=(19,31,39)と
なり,小面積のものは(R,G,B)=(18,28,
36)となった。ここで,各数値は各信号の大きさを
“0”から“255”までの256階調で表したもので
ある。
【0012】このように各信号の数値が異なる原因とし
て,以下に示すことが考えられる。使用したプリンタ6
は熱転写型プリンタであり,色の表現方法としてはCM
Yそれぞれの色のドットの密度によって,明度,彩度,
色相を示している。そのため,領域の大きさが変わるこ
とによって,RGBのドット数の比が多少異なってしま
う。従って,同じ比率でRGBのドットをプリントして
も,大きい面積でプリントアウトした時と小さい面積で
プリントアウトした時とでは,微妙に色が異なってしま
う可能性がある。なお,同様の理由により,図7(A)
及び(B)の場合,大面積の(即ち学習データと同一面
積の)出力データが,原画像1を正確に再現していると
考えられる。
【0013】上述した問題は,色補正を実用化する場合
に顕著になる。即ち,通常,自然界では,大きな面積が
ある一定の色のみで占められていることはほとんどな
く,小さな面積を様々な異なる色が占めている。よっ
て,プリンタ出力する画像データは図のように大きくか
つ一定(同一)の大きさの面積で出力する場合だけを補
正するのではなく,大きな領域と小さな領域を占める同
じ色が異なる色で出力されないようにする必要がある。
【0014】本発明は,色再現を正確に行うことが可能
な色補正用ニューラルネットワークを用いた色データ補
正処理方式を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理構成
図であり,本発明による色データ補正処理方式について
示している。
【0016】色データ補正処理部5は,色補正用ニュー
ラルネットワーク4を含み,入力画像1から得た色デー
タを補正する。色データ補正処理部5は入力画像1から
色データを得るための手段であるTVカメラ2(及びデ
ィスプレイ3)と,カラー画像を出力するための手段で
あるプリンタ6との間に設けられる。
【0017】色補正用ニューラルネットワーク4は,色
データを補正するための補正関数を学習させられてい
る。即ち,補正関数として,プリンタ6から出力された
色データ及びこの色データの占める面積とプリンタ6か
ら出力したい所望の色データとの間の関係を,ニューラ
ルネットワーク4の結合の重みの形で,前記学習により
分散記憶させられている。
【0018】そして,補正関数を学習済みのニューラル
ネットワーク4が,入力画像1から得た色データ及びこ
の色データを得た入力画像1の面積の入力に応じて,当
該入力された色データを補正関数により補正して出力す
る。
【0019】
【作用】ニューラルネットワーク4は,プリンタ6から
出力された色データと出力したい色データ(原画像1の
色データ)との関係を,その色データを出力した時の面
積の違い(比率)まで含めて,補正関数として学習して
いる。即ち,色データの占める面積(プリンタ6から出
力した時の面積)に依存することなく,プリンタ6の色
変換規則の特性を打ち消すことができる逆変換規則を補
正関数としている。
【0020】従って,学習したサンプルと異なる大きさ
を占める色データについても,その面積に依存すること
なく,ニューラルネットワーク4は正しく色補正を行っ
た色データを出力できる。この色データをプリンタ6の
入力として用いることにより,入力画像(原画像)の面
積とは無関係に,プリンタ6の色変換規則の特性を打ち
消した出力画像7即ち原画像1に忠実な画像をプリント
アウトできる。
【0021】
【実施例】図1において,入力画像(原画像)1をTV
カメラ2(又はスキャナ)で撮像してディスプレイ3上
の画像とする。即ち,所定の(RGBからなる)色デー
タを得る。これを色データ補正処理部5で補正した上で
プリンタ6へ入力しこれから出力画像7として出力す
る。なお,出力画像7を同一のTVカメラ2で撮像して
同一のディスプレイ3上の画像とし色データを得て,こ
の色データを学習データとして用いる。
【0022】色データ補正処理部5は色補正用のニュー
ラルネットワーク4を備える。このニューラルネットワ
ーク4の結合の重み即ち補正関数は,出力時の面積まで
を考慮した所定の学習により決定される。
【0023】学習モードにおいて,出力画像7から得た
色データ及びこの色データ(出力画像)の占める面積が
ニューラルネットワーク4への入力教師データとして用
いられる。また,入力画像1から得た色データがニュー
ラルネットワーク4への出力教師データとして用いられ
る。この出力教師データは,TVカメラ2を通したもの
ではあるが,色変換規則の特性の大きいプリンタ6を通
っていないので,原画像(入力画像)1に忠実と考えて
よい。
【0024】処理モードにおいて,入力画像1から得た
色データ及びこの色データ(入力画像)の占める面積が
ニューラルネットワーク4へ入力される。この入力に応
じて,ニューラルネットワーク4は,入力された色デー
タを学習した補正関数で補正して,色データとして出力
する。
【0025】このニューラルネットワーク4の出力した
色データがプリンタ6の入力として用いられる。補正関
数はプリンタ6の色変換規則の特性を打ち消す逆変換規
則からなるので,プリンタ6からの出力画像7は,プリ
ンタ6での特性を打ち消して,入力画像1に忠実なもの
となる。また,補正関数は面積に依存しないので,入力
画像1の大きさに拘わりなく,入力画像1に忠実な出力
画像7が得られる。
【0026】図2は実施例構成図であり,色データ補正
処理部5の構成を示す。色データ記憶部51は,学習モ
ードにおける出力画像7から得た色データ,処理モード
における入力画像1から得た色データを格納する。ここ
で,色データは,色信号R,G,Bの各々についてその
大きさを“0”から“255”までの256偕調で表し
たものである。
【0027】面積記憶部52は,学習モードにおける出
力画像7の占める面積,処理モードにおける入力画像1
の占める面積を格納する。ニューラルネットワーク4の
結合の重みは,図示しない記憶部に格納される。
【0028】これらの記憶部は例えばデータ処理システ
ムの磁気ディスク装置等の記憶媒体上に設けられる。ま
た,ニューラルネットワーク4は例えばコンピュータシ
ステムの如きデータ処理システムにより実行されるプロ
グラム又は専用ハードウェアとして実現される。
【0029】本実施例のニューラルネットワーク4は,
4個の入力ユニット(h−1ないしh−4),6個のヒ
ドン(中間)ユニット(i−1ないしi−6),3個の
出力ユニット(j−1ないしj−3)から成る3層の階
層ネットワークである。
【0030】このようなニューラルネットワーク4とし
ては,例えば,本願出願人の出願による特願昭62−3334
85号(昭和62年12月28日出願)「ロボット制御方
式」記載のニューラルネットワークを用いることができ
る。
【0031】ニューラルネットワーク4は,ユニットと
呼ぶ一種のノード41と重みを持つ内部結合とからなる
階層ネットワークにより構成され,学習則としては,基
本的には,コンピュータに適応機能を与えるデータ処理
方式として提唱されているバックプロパゲーション法と
いう処理方式(D. E. Rumelhart, G. E. Hinton, andR.
J. Williams, "Learning Internal Representations b
y Error Propagation,"PARALLEL DISTRIBUTED PROCESSI
NG, vol.1, pp.318 - 364, The MIT Press, 1986) に従
う。
【0032】バックプロパゲーション法ではユニットと
呼ぶ一種のノード41と重みを持つ内部結合とで階層ネ
ットワークを構成している。図3は,ユニット(図中
「0」で示す)の内部構成である基本ユニット41−1
を示している。基本ユニット41−1は,多入力−出力
系であり,複数の各々の入力に対し各々の内部結合の重
みを乗じてこれらの全乗算結果を和算する累算部41−
2と,さらに,閾値処理を施して1つの出力を出す閾値
処理部41−3とをもっている。即ちバックプロパゲー
ション法における基本ユニット41−1でのデータ処理
は,入力と重みとの積和演算および閾値処理からなって
いる。ここで,バックプロパゲーション法では閾値の関
数として,式(2)で示されるシグモイド関数を用いて
いる。
【0033】基本ユニットで行われる演算を数式で示す
と以下のようになる。
【0034】
【数1】
【0035】
【数2】
【0036】但し,h :h層(入力層)のユニット番
号(この例では4まで),i :i層(中間層)のユニ
ット番号(この例では6まで),p :入力パターン番
号(入力である色データ及び面積(の組)に付した番
号),θi :i層のi番目のユニット閾値,Wih:h−
i層間の内部結合の重み,xpi:h層の各ユニットから
i層のi番ユニットへの入力の積和,yph:pパターン
入力に対するh層の出力,ypi:pパターン入力に対す
るi層の出力,である。なお,重みWijについても同様
に定まる。
【0037】バックプロパゲーション法では,この積和
と閾値処理を基本とする基本ユニット41−1を図2の
ような誤差フィードバックを持つ階層ネットワーク構造
として,重みと閾値とを誤差のフィードバックにより適
応的に自動調節するアルゴリズムを用い,所望のデータ
処理方法をニューラルネットワーク4に学習させること
により適応的なデータ処理を実行する。
【0038】次に,ニューラルネットワーク4の学習に
ついて説明する。入力される色データはR,G,Bの3
つからなり,これに面積が加わるから,入力ユニットは
4個である。一方,これらの入力を補正して得られる色
データはR,G,Bの3つであるから,出力ユニットは
3個である。中間ユニットは,経験的に6個とした。
【0039】入力される色データが対応すべき色データ
は一意に定まるので,ニューラルネットワーク4によ
り,学習が可能である。この学習は,階層ネットワーク
の内部結合の重みWih及びWjiを入力される色データ及
び面積と原画像の色データとに従って学習的に決定する
ものである。すなわち,バックプロパゲーション法の学
習アルゴリズムを用いて重みWih及びWjiの値を自動決
定する。
【0040】この重みWih及びWjiの値を決定するため
の学習手順は次のようである。即ち,まず内部結合の重
みの初期値を決める。この初期値は,1以下の乱数によ
り決める。これは,重みの値が全て同じか,あるいはユ
ニットに関して対称となると,バックプロパゲーション
法では重みの変化が生ぜず,学習が進行しなくなってし
まうためである。続いて,入力教師データ及びこれと対
をなす所望の出力教師データを順次取り込む。
【0041】続いて,バックプロパゲーション法に関わ
る制御パラメータを入力する。ここではインクリメンタ
ルな繰り返し学習の一回当たりの重みの変化量の係数で
ある学習率と収束時の振動を抑えるための学習速度を制
御パラメータとしている。
【0042】そして,バックプロパゲーション法のアル
ゴリズムに従って3つの出力層ユニットの各々の出力値
が所望の出力教師データと一致するようにインクリメン
タルに内部結合の重みWih,Wjiを学習する。最後に3
つの出力層ユニットの各々の出力値と所望の出力教師デ
ータとの誤差が,全ての入力教師データに関して所定の
値より少なくなったら,学習を終了する。
【0043】上述の重みWihやWjiは各ユニットi−1
ないしi−6やj−1ないしj−3に夫々対応する記憶
装置内に格納され,その内容が上述の学習の間フィード
バックによって修正される。そして最終的に学習結果と
しての重みWih,Wjiが定まる。
【0044】なお,重みの更新のためのアルゴリズムを
簡単に説明すると,まずネットワーク4の出力と出力教
師データとの誤差の二乗和をネットワーク4の誤差とし
て求める。このネットワーク4の誤差を,重みWih,W
jiで偏微分する。これにより,誤差と重みとの関係を知
り,公知の勾配法により,誤差を漸近的に“0”とす
る。
【0045】次に,学習の具体的手順について説明す
る。 (1) 図1の原画像(入力画像)1として,図4(A)に
示す如きカラーチャート11を用意する。このカラーチ
ャート11は,例えば,横を1ないし10の10区画,
縦をAないしKの11区画に区切り,合計110区画の
各部の色を各々違えたものである。
【0046】(2) 原画像1をTVカメラ2で撮影(この
時,併せてディスプレイ3上に表示をする)することに
より,カラーチャート11の各々の色のRGBの値(色
データ)を求める。これにより,110個の色データが
得られる。但し,これらは互いに異なる色についてのも
のである。これらは,プリンタ6(色変換)を経ていな
いので,原画像1に忠実であると考えてよい。従って,
面積は定まっているから,110個の出力教師データが
得られる。
【0047】(3) 前記(2) で求めたRGBからなる色デ
ータをプリンタ6に入力し,プリンタ6からカラーチャ
ートを出力させる。このプリンタ6の出力したカラーチ
ャートは,色補正を経ていないので,プリンタ6の色変
換規則の特性をそのまま反映したものとなる。
【0048】(4) プリンタ6の出力したカラーチャート
を先のと同一のTVカメラ2で撮影し,当該カラーチャ
ートの各々の色のRGBの値(色データ)を求める。 (5) 図4(B)に示す如く,原画像1であるカラーチャ
ート11の各々の色の占める面積を変化させて,前記
(1) ないし(4) を繰り返す。図4(B)は,面積を変化
させたカラーチャート12の一例を示し,面積を約27
倍した例である。この工程により,例えば図4(A)に
示すカラーチャート中の110色の各々について,種々
の面積のプリンタ6からの出力結果を得て,色データを
求める。
【0049】(6) 前記(5) で求めた色データに当該色デ
ータの占める面積をパラメータとして付加して,入力教
師データを作る。従って,110色の各々について,面
積の種類の分だけの入力教師データが作成される。
【0050】(7) 入力教師データ(R,G,B,面積)
をニューラルネットワーク4の所定の4つの入力ユニッ
トに入力し,出力教師データ(R,G,B)をニューラ
ルネットワーク4の所定の3つの出力ユニットからの出
力との誤差を求めるために入力し,学習させる。この学
習は全ての入力教師データについて,そのニューラルネ
ットワーク4からの出力と出力教師データとの誤差が所
定値以下になるまで行われる。そして,学習の結果,各
結合の重みWih,Wjiが補正関数として格納される。
【0051】次に,色データ補正処理について説明す
る。 (1) 前述の学習をしたニューラルネットワーク4を含む
色データ補正処理部5を,図1に示す如く,プリンタ6
の前段に接続する。
【0052】(2) プリントアウトしたい画像(入力画
像)1をTVカメラ2で撮影し,ディスプレイ3を介し
て,色データ補正処理部5へ入力する。この時,TVカ
メラ2で撮影することにより,各色データのRGBの値
が具体的数値(前述の如く,“0”から“255”まで
の256偕調の数値)として求まる。また,当該色デー
タの占める面積も色データ補正処理部5へ入力される。
この面積の算出及び入力は,例えば,ディスプレイ3の
接続されているデータ処理装置によって自動的に行われ
る。なお,操作員によって行うようにしてもよい。
【0053】(3) 色データ補正処理部5は,RGBから
なる色データと面積とを各記憶部を介してニューラルネ
ットワーク4の所定の4つの入力ユニットに入力する。
この入力に応じて,ニューラルネットワーク4は,学習
した結合の重み(補正関数)を用いた演算を行い,3つ
の出力ユニットにRGBからなる色データを出力する。
この色データは,補正関数がプリンタ6の色変換規則の
特性を打ち消す逆変換規則であることから,後段に接続
されるプリンタ6の特性を予め考慮した(歪んだ)色デ
ータとなる。
【0054】(4) 色データ補正処理部5(ニューラルネ
ットワーク)の出力した色データをプリンタ6に入力
し,プリンタ6から画像を出力させる。プリンタ6の特
性はニューラルネットワーク4での補正により打ち消さ
れるので,プリンタ6の出力する出力画像7は入力画像
1に極めて近いものとなる。
【0055】以上,本発明を実施例により説明したが,
本発明はこれに限定されるものではなく,その主旨に従
い種々の変形が可能である。例えば,ニューラルネット
ワーク4の構成は前述したものに限られない。
【0056】前述の実施例においては,入力ユニットに
入力する色データとしてR,G,Bの3つの数値からな
るもの(これを一次色データという)を用いていたが,
これに代えてRGBそれぞれの数値を掛け合わせたもの
を用いてもよい。即ち,TVカメラ2により得たR,
G,Bの値をそのまま用いるのではなく,これらに所定
の処理をして得たデータ,例えばR×R,G×G,B×
B,R×G,…からなる色データ(これはRGBのうち
の2つを掛け合わせてあるデータである)を入力ユニッ
トに入力してもよい。なお,掛け合わせる回数は2回だ
けとは限られない。 この場合,入力ユニットの数は,
色データの数の増加に応じて増やされる。また,これに
応じて中間ユニットの数も増設される。なお,出力ユニ
ットの数は3個(R,G,B)である。
【0057】また,前述の実施例においては,出力ユニ
ットから出力される色データはR,G,Bの3つの数値
からなるものであったが,C,M,Yの3つの数値から
なる色データを出力するようにしてもよい。R,G,B
からなる色データの場合にはニューラルネットワーク4
はプリンタ6の特性を打ち消す補正を行っているが,
C,M,Yからなる色データの場合にはニューラルネッ
トワーク4は当該補正の他にRGBからCMYへの色変
換をも併せて行うことになる。
【0058】従って,R,G,Bからなる色データの場
合,プリンタ6に入力されたニューラルネットワーク4
の出力は,通常プリンタ6が備えている色変換機能によ
りRGBからCMYへ色変換される。一方,C,M,Y
からなる色データの場合,プリンタ6に入力されたニュ
ーラルネットワーク4の出力は,色変換されることな
く,そのままプリントアウトのために用いられる。この
場合,プリンタ6の印刷特性等を打ち消して原画像に忠
実なプリントアウトの結果を得ることができる。
【0059】更に,前述の実施例において,色データ補
正処理部5はディスプレイ3及びプリンタ6の双方から
独立して示したが,色データ補正処理部5(特にニュー
ラルネットワーク4)はディスプレイ3又はプリンタ6
のいずれかに内蔵される構成としてもよい。この場合,
ディスプレイ3及びプリンタ6の機種を問わず,これら
を直接接続するだけで原画像に忠実なプリンタ6の出力
を得ることができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
プリンタの色再現特性に応じた補正関数を学習させた色
補正用ニューラルネットワークを用いた色データ補正処
理において,補正関数として色データ及びこの色データ
の占める面積と出力したい所望の色データとの間の関係
をニューラルネットワークの結合の重みの形で学習させ
ることにより,入力した色データの占める面積に依存す
ることなくプリンタの色変換規則の特性を打ち消すこと
ができるので,入力画像の面積とは無関係にプリンタか
ら原画像に忠実な画像をプリントアウトすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】実施例構成図である。
【図3】基本ユニット構成図である。
【図4】カラーチャートを示す図である。
【図5】従来技術説明図である。
【図6】従来技術説明図である。
【図7】従来技術の問題点説明図である。
【符号の説明】
1 入力(原)画像 2 TVカメラ 3 ディスプレイ 4 ニューラルネットワーク 5 色データ補正処理部 6 プリンタ 7 出力画像 8 補正関数 9 ニューラルネットワーク

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色データを補正するための補正関数を学
    習させた色補正用ニューラルネットワークを用いて,入
    力画像から得た色データを補正する色データ補正処理方
    式において, 前記補正関数として,前記色データ及びこの色データの
    占める面積と出力したい所望の色データとの間の関係
    を,前記ニューラルネットワークの結合の重みの形で,
    前記学習により分散記憶させ, 前記学習済みのニューラルネットワークが,前記入力画
    像から得た色データ及びこの色データを得た入力画像の
    面積の入力に応じて,当該入力された色データを前記補
    正関数により補正して出力することを特徴とする色デー
    タ補正処理方式。
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