JPH0528942A - 荷電粒子線装置用ブランキング制御方法 - Google Patents
荷電粒子線装置用ブランキング制御方法Info
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- JPH0528942A JPH0528942A JP3184316A JP18431691A JPH0528942A JP H0528942 A JPH0528942 A JP H0528942A JP 3184316 A JP3184316 A JP 3184316A JP 18431691 A JP18431691 A JP 18431691A JP H0528942 A JPH0528942 A JP H0528942A
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- 238000000034 method Methods 0.000 title description 5
- 238000010894 electron beam technology Methods 0.000 claims description 26
- 230000005855 radiation Effects 0.000 claims 7
- 230000005405 multipole Effects 0.000 claims 1
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 7
- 238000007493 shaping process Methods 0.000 description 5
- 230000002950 deficient Effects 0.000 description 2
- 230000033001 locomotion Effects 0.000 description 2
- 230000002411 adverse Effects 0.000 description 1
- 238000011109 contamination Methods 0.000 description 1
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- 230000005684 electric field Effects 0.000 description 1
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- Electron Beam Exposure (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、複数回のブランキング操作による不
要な試料面上レジストの露光を低減し、描画パターン精
度を向上させることにある。 【構成】図1に示す電子線描画装置用ブランキング制御
方法において、描画制御回路2から発生する描画データ
により、複数のブランキング点をブランキング切り替え
回路4とブランキング制御回路5を使って制御し、次の
ビーム偏向位置情報によってブランキング点を選択する
機能を有することを特徴とする。 【効果】上記の構成により、描画パターンによっては、
局所的にブランキング操作が重なる事や試料中心面を必
要以上に横切る事等による不要な露光を低減し、試料中
心の偏向範囲に対する、ブランキング速度を見かけ上、
早めると共に、ビームオン時に制御回路に混入するノイ
ズ等の影響を低減することが可能となる。
要な試料面上レジストの露光を低減し、描画パターン精
度を向上させることにある。 【構成】図1に示す電子線描画装置用ブランキング制御
方法において、描画制御回路2から発生する描画データ
により、複数のブランキング点をブランキング切り替え
回路4とブランキング制御回路5を使って制御し、次の
ビーム偏向位置情報によってブランキング点を選択する
機能を有することを特徴とする。 【効果】上記の構成により、描画パターンによっては、
局所的にブランキング操作が重なる事や試料中心面を必
要以上に横切る事等による不要な露光を低減し、試料中
心の偏向範囲に対する、ブランキング速度を見かけ上、
早めると共に、ビームオン時に制御回路に混入するノイ
ズ等の影響を低減することが可能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子線描画装置等に用
いられるブランキング機構の制御方法に関し、特に、ブ
ランキング操作による不要露光を低減し、高速・高精度
なブランキングを可能にする制御方法に関する。
いられるブランキング機構の制御方法に関し、特に、ブ
ランキング操作による不要露光を低減し、高速・高精度
なブランキングを可能にする制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子線描画装置では、電子銃より出射さ
れた電子ビームが通過する経路の途中で、電子ビームに
与える電界や磁界を制御することにより、任意の位置へ
電子ビームを偏向制御し、描画を行なっている。偏向動
作を制御するためには、コイルや静電偏向板等の負荷に
応じて必要な速度や精度を持った偏向制御回路が必要と
なるが、偏向動作にはビームを所定の位置まで偏向し必
要精度内に落ち着くまでの整定待ち時間、いわゆるセト
リング時間が伴う。偏向距離が長く、且つ、高精度な描
画を行なう場合、セトリング時間中の偏向動作は、不必
要な露光となり描画結果に悪影響を与えるため、通常、
この期間中はブランキング板等の偏向板を用いて電子ビ
ームをオフ(描画を停止)しておき、セトリング時間後
の安定した偏向出力信号になってから描画を開始するよ
うにしている。
れた電子ビームが通過する経路の途中で、電子ビームに
与える電界や磁界を制御することにより、任意の位置へ
電子ビームを偏向制御し、描画を行なっている。偏向動
作を制御するためには、コイルや静電偏向板等の負荷に
応じて必要な速度や精度を持った偏向制御回路が必要と
なるが、偏向動作にはビームを所定の位置まで偏向し必
要精度内に落ち着くまでの整定待ち時間、いわゆるセト
リング時間が伴う。偏向距離が長く、且つ、高精度な描
画を行なう場合、セトリング時間中の偏向動作は、不必
要な露光となり描画結果に悪影響を与えるため、通常、
この期間中はブランキング板等の偏向板を用いて電子ビ
ームをオフ(描画を停止)しておき、セトリング時間後
の安定した偏向出力信号になってから描画を開始するよ
うにしている。
【0003】図2は従来の電子線描画装置の一例を示
す。電子銃8から出射された電子ビームは第1アパーチ
ァ9,転写レンズ10,可変成形偏向板11,第2アパ
ーチァ12,ブランキング板13,ブランク絞り14,
縮小レンズ15,副偏向板16,主偏向コイル17,対
物レンズ18等を通過し、ウェーハ19上に照射され
る。各種偏向器類は、CPU1と描画制御回路2によっ
て発生する指令に基づき任意に動作する可変成形制御回
路3,ブランキング制御回路5,副偏向制御回路6,主
偏向制御回路7等の偏向信号によって制御される。
す。電子銃8から出射された電子ビームは第1アパーチ
ァ9,転写レンズ10,可変成形偏向板11,第2アパ
ーチァ12,ブランキング板13,ブランク絞り14,
縮小レンズ15,副偏向板16,主偏向コイル17,対
物レンズ18等を通過し、ウェーハ19上に照射され
る。各種偏向器類は、CPU1と描画制御回路2によっ
て発生する指令に基づき任意に動作する可変成形制御回
路3,ブランキング制御回路5,副偏向制御回路6,主
偏向制御回路7等の偏向信号によって制御される。
【0004】図3に副偏向制御とブランキング制御の一
例を示す。一様なパターン間隔で描画を行なう副偏向制
御信号のセトリング時間中には、ブランキング制御信号
で電子ビームがブランク絞り開口穴14aを通過しない
ようにブランク絞り14の端部に偏向し、描画を停止す
る。そして、副偏向信号が安定した出力状態になってか
らブランキングを解除(電子ビームを光軸上に戻す)
し、描画を再開する。具体的には、12ビット程度の描
画データよりD/A変換される副偏向制御信号のセトリ
ング時間が約100nS程度となるため、セトリング時
間中のブランキングを行なわない場合には、電子ビーム
を引きずるような偏向信号となるため、パターンが変形
し、不良露光パターンが多発する。それに対して、1ビ
ットの信号を制御するブランキング制御回路は、<10
nSもの高速切り替えが可能であるので、副偏向のセト
リング時間中の描画をブランキングで切り替える事によ
り、副偏向が次の偏向位置へ移動するときに露光面へ与
える影響は、1/10以下になっている。
例を示す。一様なパターン間隔で描画を行なう副偏向制
御信号のセトリング時間中には、ブランキング制御信号
で電子ビームがブランク絞り開口穴14aを通過しない
ようにブランク絞り14の端部に偏向し、描画を停止す
る。そして、副偏向信号が安定した出力状態になってか
らブランキングを解除(電子ビームを光軸上に戻す)
し、描画を再開する。具体的には、12ビット程度の描
画データよりD/A変換される副偏向制御信号のセトリ
ング時間が約100nS程度となるため、セトリング時
間中のブランキングを行なわない場合には、電子ビーム
を引きずるような偏向信号となるため、パターンが変形
し、不良露光パターンが多発する。それに対して、1ビ
ットの信号を制御するブランキング制御回路は、<10
nSもの高速切り替えが可能であるので、副偏向のセト
リング時間中の描画をブランキングで切り替える事によ
り、副偏向が次の偏向位置へ移動するときに露光面へ与
える影響は、1/10以下になっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の電子線描画装置
では、一対の偏向板によるビームブランキング操作であ
り、且つ、片極は偏向動作には使用しないため、ビーム
オフ時のブランキング位置が一点であった。図3に副偏
向制御とブランキング制御、及び、ブランク絞り上のビ
ームブランキング位置の一例を示す。副偏向のセトリン
グ時間中にブランキング制御信号を与えることにより、
ビームはブランキング位置へ移動する(ビームをオ
フ)。
では、一対の偏向板によるビームブランキング操作であ
り、且つ、片極は偏向動作には使用しないため、ビーム
オフ時のブランキング位置が一点であった。図3に副偏
向制御とブランキング制御、及び、ブランク絞り上のビ
ームブランキング位置の一例を示す。副偏向のセトリン
グ時間中にブランキング制御信号を与えることにより、
ビームはブランキング位置へ移動する(ビームをオ
フ)。
【0006】従来の電子線描画装置によるブランク絞り
開口穴付近と試料面でのビーム位置ブランキング動作の
一例を図4(A),(B)に示す。図4(A)は、ブラン
キング位置b1 から同一角度上に複数の描画パターン
(,,)が点在する場合で、〜の順序で描画
しその都度、b1の位置へ戻り、副偏向等のセトリング
待ちを行なうことを想定している。この場合、複数回の
ブランキング動作が同一軌道となるため、特にb1−
間でブランキング動作の往復回数は6回となる。即ち、
複数の同一軌道上ブランキング操作により試料面上で
は、N個の描画パターンを描画する場合、最悪2N回の
ブランキング操作による不要露光が行なわれる事にな
る。ここで、ブランキング速度を10nS,副偏向の変
更範囲を100μm角,セトリング時間を100nS,
ブランク絞り開口穴径φを1mm, ショット時間を100
nS程度と考え、1μm角のパターンを1μm毎に描画
&ブランキングした場合、縮小レンズと対物レンズを介
したブランク絞り開口穴径と試料面の関係はほぼ25対
1と考えると、N=20回となる。ブランキングのスル
ーレートを考慮した試料面上の操作時間を2nSと考え
ると、ブランキング操作による露光時間=2×20×2
nS=80nS程度となる。また、図4(B)は、図4
(A)と同じ条件でブランキング動作の軌道が異なる場
合を示しているが、ビームオフ時のブランキング位置が
一点であるため、描画パターンによってはブランキング
動作中のビームが不要に試料面上を横切る場合が多い。
即ち、試料面の通過速度が速い(露光時間が短い)ブラ
ンキング操作でも、複数回の操作によりレジストが感光
してしまう可能性がある。その場合、ブランキング操作
が常に一方向のため、描画パターン位置とは無関係に一
様な影響を受ける。
開口穴付近と試料面でのビーム位置ブランキング動作の
一例を図4(A),(B)に示す。図4(A)は、ブラン
キング位置b1 から同一角度上に複数の描画パターン
(,,)が点在する場合で、〜の順序で描画
しその都度、b1の位置へ戻り、副偏向等のセトリング
待ちを行なうことを想定している。この場合、複数回の
ブランキング動作が同一軌道となるため、特にb1−
間でブランキング動作の往復回数は6回となる。即ち、
複数の同一軌道上ブランキング操作により試料面上で
は、N個の描画パターンを描画する場合、最悪2N回の
ブランキング操作による不要露光が行なわれる事にな
る。ここで、ブランキング速度を10nS,副偏向の変
更範囲を100μm角,セトリング時間を100nS,
ブランク絞り開口穴径φを1mm, ショット時間を100
nS程度と考え、1μm角のパターンを1μm毎に描画
&ブランキングした場合、縮小レンズと対物レンズを介
したブランク絞り開口穴径と試料面の関係はほぼ25対
1と考えると、N=20回となる。ブランキングのスル
ーレートを考慮した試料面上の操作時間を2nSと考え
ると、ブランキング操作による露光時間=2×20×2
nS=80nS程度となる。また、図4(B)は、図4
(A)と同じ条件でブランキング動作の軌道が異なる場
合を示しているが、ビームオフ時のブランキング位置が
一点であるため、描画パターンによってはブランキング
動作中のビームが不要に試料面上を横切る場合が多い。
即ち、試料面の通過速度が速い(露光時間が短い)ブラ
ンキング操作でも、複数回の操作によりレジストが感光
してしまう可能性がある。その場合、ブランキング操作
が常に一方向のため、描画パターン位置とは無関係に一
様な影響を受ける。
【0007】以上のような、複数回のブランキング動作
における試料面上のビーム操作は、不要に試料面上レジ
ストを感光させ、描画パターンの精度に影響を与える要
因の一つと考えられる。
における試料面上のビーム操作は、不要に試料面上レジ
ストを感光させ、描画パターンの精度に影響を与える要
因の一つと考えられる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、図1に示す
ように、描画制御回路2から発生する描画データによ
り、ブランキング切り替え回路4を介してブランキング
制御回路5を任意動作させ、4極化(又は多極化)した
ブランキング電極13により、ブランク絞り開口穴14
aより電子ビームが通過した後のウェーハ19上の描画
範囲を4象限(又は多象限)に分割することにより、4
点(又は2点以上)のブランキング点を設ける。それら
のブランキング点を、ブランキング切り替え回路4とブ
ランキング制御回路5を使って、次のビーム偏向位置情
報によって選択する機能を有することを特徴とする。
ように、描画制御回路2から発生する描画データによ
り、ブランキング切り替え回路4を介してブランキング
制御回路5を任意動作させ、4極化(又は多極化)した
ブランキング電極13により、ブランク絞り開口穴14
aより電子ビームが通過した後のウェーハ19上の描画
範囲を4象限(又は多象限)に分割することにより、4
点(又は2点以上)のブランキング点を設ける。それら
のブランキング点を、ブランキング切り替え回路4とブ
ランキング制御回路5を使って、次のビーム偏向位置情
報によって選択する機能を有することを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明は、2点以上のブランキング点を設け、
予め、次の描画パターンがどの位置(象限)であるかを
判断して置き、偏向動作が1パターン描画終了後、次の
描画位置へ移動する期間(セトリング時間)中に、次の
描画パターンに一番近い位置のブランキング点へ移動さ
せることより、ブランキング操作の軌道が等しくなるこ
とによる不要な露光を低減し、且つ、ブランキング範囲
が半分になるため見かけ上のブランキング速度を向上で
きる。
予め、次の描画パターンがどの位置(象限)であるかを
判断して置き、偏向動作が1パターン描画終了後、次の
描画位置へ移動する期間(セトリング時間)中に、次の
描画パターンに一番近い位置のブランキング点へ移動さ
せることより、ブランキング操作の軌道が等しくなるこ
とによる不要な露光を低減し、且つ、ブランキング範囲
が半分になるため見かけ上のブランキング速度を向上で
きる。
【0010】
【実施例】以下、図面に基づき本発明の一実施例を記述
する。
する。
【0011】図1は電子線描画装置用ブランキング制御
方法の一例を示す。電子銃8から出射された電子ビーム
は第1アパーチァ9,転写レンズ10,可変成形偏向板
11,第2アパーチァ12,ブランキング板13,ブラ
ンク絞り14,縮小レンズ15,副偏向板16,主偏向
コイル17,対物レンズ18等を通過し、ウェーハ19
上に照射される。ブランキング制御には、4極のブラン
キング電極13をブランキング切り替え回路4を介して
複数のブランキング電極を選択制御するブランキング制
御回路5を具え、描画制御回路2から発生する描画デー
タにより、副偏向や主偏向等の偏向器が整定する迄のセ
トリング時間中に、ブランク絞り開口穴14aより電子
ビームが通過した後のウェーハ19上の描画範囲を4象
限で分担する4極のブランキング電極13を任意動作さ
せ、整定後の描画位置に最も近いブランキング点を選択
する機能を具えている。
方法の一例を示す。電子銃8から出射された電子ビーム
は第1アパーチァ9,転写レンズ10,可変成形偏向板
11,第2アパーチァ12,ブランキング板13,ブラ
ンク絞り14,縮小レンズ15,副偏向板16,主偏向
コイル17,対物レンズ18等を通過し、ウェーハ19
上に照射される。ブランキング制御には、4極のブラン
キング電極13をブランキング切り替え回路4を介して
複数のブランキング電極を選択制御するブランキング制
御回路5を具え、描画制御回路2から発生する描画デー
タにより、副偏向や主偏向等の偏向器が整定する迄のセ
トリング時間中に、ブランク絞り開口穴14aより電子
ビームが通過した後のウェーハ19上の描画範囲を4象
限で分担する4極のブランキング電極13を任意動作さ
せ、整定後の描画位置に最も近いブランキング点を選択
する機能を具えている。
【0012】図5に副偏向制御とブランキング制御、及
び、ブランク絞り上のビームブランキング位置の一例を
示す。ブランク絞り開口穴14aから見た、ウェーハ1
9上の描画範囲で描画パターン位置が第4現象から第2
現象に切り替わる場合、先ず制御信号φ1によってφ1
の位置へビームはブランキングする。その後、制御信号
φ3によってφ3の位置へブランキングし、制御信号φ
1によるブランキングが終わると同じに制御信号φ2に
よってφ2の位置へブランキングする様にブランキング
のタイミングを合わせる。そして副偏向等のセトリング
が終った後、制御信号φ2によるブランキングを解除す
る。1つのブランキング制御に要する時間が10nS程
度であると、一連のブランキング点移動に要する時間は
40nS以下であり、副偏向制御信号のセトリング時間
は約100nS程度なので何等、問題にはならない。し
かも、ビームがブランク絞りの開口穴を外れた時に切り
替え信号を発生すれば、ブランキング点移動に要する時
間は20nS以下にすることも可能である。
び、ブランク絞り上のビームブランキング位置の一例を
示す。ブランク絞り開口穴14aから見た、ウェーハ1
9上の描画範囲で描画パターン位置が第4現象から第2
現象に切り替わる場合、先ず制御信号φ1によってφ1
の位置へビームはブランキングする。その後、制御信号
φ3によってφ3の位置へブランキングし、制御信号φ
1によるブランキングが終わると同じに制御信号φ2に
よってφ2の位置へブランキングする様にブランキング
のタイミングを合わせる。そして副偏向等のセトリング
が終った後、制御信号φ2によるブランキングを解除す
る。1つのブランキング制御に要する時間が10nS程
度であると、一連のブランキング点移動に要する時間は
40nS以下であり、副偏向制御信号のセトリング時間
は約100nS程度なので何等、問題にはならない。し
かも、ビームがブランク絞りの開口穴を外れた時に切り
替え信号を発生すれば、ブランキング点移動に要する時
間は20nS以下にすることも可能である。
【0013】ブランク絞り開口穴付近と試料面でのビー
ム位置ブランキング動作の一例を図6(A),(B)に示
す。図6(A)は、ブランキング位置b1 から同一角度
上に複数の描画パターン(,,)が点在する場合
で、〜の順序で描画する場合である。の描画パタ
ーンが終了しビームをb1 の位置へブランキングした
後、からへ偏向動作が開始される。そのセトリング
時間中に、ブランキング点をビームがブランク絞り開口
穴を通過しないようにブランク絞りの端部である位置を
b1−b2−b3 と移動し、からへの偏向動作が終了
するのをの描画パターンに最も近いb3 の位置で待
ち、の描画パターンを描画する。この場合、複数回の
ブランキング動作が同一軌道となるのは、b3−間で
ブランキング動作の往復回数は4回となる。即ち、ブラ
ンク絞り開口穴から見た、試料上の描画範囲に均一的な
N個の描画パターンが存在する場合、複数の同一軌道上
ブランキング操作による不要露光は、描画パターンに要
するブランキング操作の回数は変わらないもの、最悪は
N回と半分に低減される。ここで、ブランキング速度を
10nS,副偏向の変更範囲を100μm角,セトリン
グ時間を100nS,ブランク絞り開口穴径φを1mm,
ショット時間を100nS程度と考え、1μm角のパタ
ーンを1μm毎に描画&ブランキングした場合、縮小レ
ンズと対物レンズを介したブランク絞り開口穴径と試料
面の関係はほぼ25対1と考えると、N=20回とな
る。ブランキングのスルーレートを考慮した試料面上の
操作時間を2nSと考えると、ブランキング操作による
露光時間=1/2×2×20×2nS=40nS程度と
なる。また、図6(B)は、図6(A)と同じ条件でブ
ランキング動作の軌道が異なる場合を示しているが、ビ
ームオフ時のブランキング位置が4点あり、且つ、描画
パターンに最も近い位置のブランキング点が選択される
ため、ブランキング動作中のビームが不要に試料面上を
横切る面積は少なくなる。しかも、偏向中心付近ではブ
ランキング操作による露光時間が殆ど生じないため、中
心部での描画精度は向上する。また、放射状にブランキ
ング操作を行なえるので、描画パターンの位置によって
は、不要露光が発生する方向を制御する事が可能とな
る。
ム位置ブランキング動作の一例を図6(A),(B)に示
す。図6(A)は、ブランキング位置b1 から同一角度
上に複数の描画パターン(,,)が点在する場合
で、〜の順序で描画する場合である。の描画パタ
ーンが終了しビームをb1 の位置へブランキングした
後、からへ偏向動作が開始される。そのセトリング
時間中に、ブランキング点をビームがブランク絞り開口
穴を通過しないようにブランク絞りの端部である位置を
b1−b2−b3 と移動し、からへの偏向動作が終了
するのをの描画パターンに最も近いb3 の位置で待
ち、の描画パターンを描画する。この場合、複数回の
ブランキング動作が同一軌道となるのは、b3−間で
ブランキング動作の往復回数は4回となる。即ち、ブラ
ンク絞り開口穴から見た、試料上の描画範囲に均一的な
N個の描画パターンが存在する場合、複数の同一軌道上
ブランキング操作による不要露光は、描画パターンに要
するブランキング操作の回数は変わらないもの、最悪は
N回と半分に低減される。ここで、ブランキング速度を
10nS,副偏向の変更範囲を100μm角,セトリン
グ時間を100nS,ブランク絞り開口穴径φを1mm,
ショット時間を100nS程度と考え、1μm角のパタ
ーンを1μm毎に描画&ブランキングした場合、縮小レ
ンズと対物レンズを介したブランク絞り開口穴径と試料
面の関係はほぼ25対1と考えると、N=20回とな
る。ブランキングのスルーレートを考慮した試料面上の
操作時間を2nSと考えると、ブランキング操作による
露光時間=1/2×2×20×2nS=40nS程度と
なる。また、図6(B)は、図6(A)と同じ条件でブ
ランキング動作の軌道が異なる場合を示しているが、ビ
ームオフ時のブランキング位置が4点あり、且つ、描画
パターンに最も近い位置のブランキング点が選択される
ため、ブランキング動作中のビームが不要に試料面上を
横切る面積は少なくなる。しかも、偏向中心付近ではブ
ランキング操作による露光時間が殆ど生じないため、中
心部での描画精度は向上する。また、放射状にブランキ
ング操作を行なえるので、描画パターンの位置によって
は、不要露光が発生する方向を制御する事が可能とな
る。
【0014】従って、描画パターン位置に最適なブラン
キング点を予め選択し、偏向器のセトリング時間中に移
動することにより、描画パターンの精度に影響を与える
要因の一つと考えられる、ブランキング動作中のビーム
により不要に試料面上レジストを感光してしまう(電子
ビームを引きずるような現象)ような不良露光パターン
の発生を低減できる。また、ブランク絞り上でのブラン
キング範囲は同じだが、ブランク絞り開口穴から見た時
の、偏向範囲に対する試料面上のブランキング範囲が半
分になるため、見かけ上のブランキング速度が最高で2
倍程度に向上できる。
キング点を予め選択し、偏向器のセトリング時間中に移
動することにより、描画パターンの精度に影響を与える
要因の一つと考えられる、ブランキング動作中のビーム
により不要に試料面上レジストを感光してしまう(電子
ビームを引きずるような現象)ような不良露光パターン
の発生を低減できる。また、ブランク絞り上でのブラン
キング範囲は同じだが、ブランク絞り開口穴から見た時
の、偏向範囲に対する試料面上のブランキング範囲が半
分になるため、見かけ上のブランキング速度が最高で2
倍程度に向上できる。
【0015】また、図7にブランキング板と制御回路の
一例を示す。4極のブランキング電極を独立に制御する
ため、ブランキング制御回路には4ブロックの同様な回
路を設けている。このため、ブランキング信号に制御回
路から発生するノイズが混入した場合、対向するブラン
キング板にも同相のノイズが混入するので打ち消しあ
い、実際の偏向動作に与える影響は減少される作用も得
られる。つまり、偏向板の両端に同じ制御回路系から同
相の信号を加えることにより、偏向中心での偏向位置精
度を向上する事ができる。また、多数のブランキング点
を設けることにより、ブランク絞り上の汚れ付着を低減
することも可能である。
一例を示す。4極のブランキング電極を独立に制御する
ため、ブランキング制御回路には4ブロックの同様な回
路を設けている。このため、ブランキング信号に制御回
路から発生するノイズが混入した場合、対向するブラン
キング板にも同相のノイズが混入するので打ち消しあ
い、実際の偏向動作に与える影響は減少される作用も得
られる。つまり、偏向板の両端に同じ制御回路系から同
相の信号を加えることにより、偏向中心での偏向位置精
度を向上する事ができる。また、多数のブランキング点
を設けることにより、ブランク絞り上の汚れ付着を低減
することも可能である。
【0016】なお、以上の実施例では、静電偏向板を用
いたブランキング制御で4極のブランキング電極を用い
た場合を示したが、両極の場合についても同様であり、
また、磁界等の手段を用いてもよいことは勿論である。
また、以上の説明では電子線描画装置について述べたが
本発明の思想はこれに限るものではなく電子線応用装置
(SEM,LSIテスタ,TEM)さらにはFIBまで
適用可能なものである。
いたブランキング制御で4極のブランキング電極を用い
た場合を示したが、両極の場合についても同様であり、
また、磁界等の手段を用いてもよいことは勿論である。
また、以上の説明では電子線描画装置について述べたが
本発明の思想はこれに限るものではなく電子線応用装置
(SEM,LSIテスタ,TEM)さらにはFIBまで
適用可能なものである。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、ブランキング操作の角
度が同じ軌道となるようなパターンを描画した場合、局
所的にブランキング操作が重なる事や試料中心面を必要
以上に横切る事等による不要な露光を低減し、試料中心
の偏向範囲に対する、ブランキング速度を見かけ上、早
めると共に、ビームオン時に制御回路に混入するノイズ
等の影響を低減し、ブランク絞り上のビーム照射による
汚れ付着を低減することが可能となり、装置の高精度化
が可能となる。
度が同じ軌道となるようなパターンを描画した場合、局
所的にブランキング操作が重なる事や試料中心面を必要
以上に横切る事等による不要な露光を低減し、試料中心
の偏向範囲に対する、ブランキング速度を見かけ上、早
めると共に、ビームオン時に制御回路に混入するノイズ
等の影響を低減し、ブランク絞り上のビーム照射による
汚れ付着を低減することが可能となり、装置の高精度化
が可能となる。
【図1】本発明による電子線描画装置用ブランキング制
御方法の一実施例を示す図。
御方法の一実施例を示す図。
【図2】従来の電子線描画装置における制御回路ブロッ
クの一実施例を示す図。
クの一実施例を示す図。
【図3】従来の電子線描画装置における副偏向制御とブ
ランキング制御の一実施例を示す図。
ランキング制御の一実施例を示す図。
【図4】従来の電子線描画装置におけるブランク絞り開
口穴付近と試料面でのビーム位置ブランキング動作の一
実施例を示す図。
口穴付近と試料面でのビーム位置ブランキング動作の一
実施例を示す図。
【図5】本発明による副偏向制御とブランキング制御、
及び、ブランク絞り上のビームブランキング動作の一実
施例を示す図。
及び、ブランク絞り上のビームブランキング動作の一実
施例を示す図。
【図6】本発明によるブランク絞り開口穴付近と試料面
でのビーム位置ブランキング動作の一実施例を示す図。
でのビーム位置ブランキング動作の一実施例を示す図。
【図7】本発明によるブランキング板と制御回路の一実
施例を示す図。
施例を示す図。
1…CPU、2…描画制御回路、3…可変成形制御回
路、4…ブランキング切り替え回路、5…ブランキング
制御回路、6…副偏向制御回路、7…主偏向制御回路、
8…電子銃、9…第1アパーチァ、10…転写レンズ、
11…可変成形偏向板、12…第2アパーチァ、13…
ブランキング板、14…ブランク絞り、14a…ブラン
ク絞りの開口穴、15…縮小レンズ、16…副偏向板、
17…主偏向コイル、18…対物レンズ、19…ウェー
ハ。
路、4…ブランキング切り替え回路、5…ブランキング
制御回路、6…副偏向制御回路、7…主偏向制御回路、
8…電子銃、9…第1アパーチァ、10…転写レンズ、
11…可変成形偏向板、12…第2アパーチァ、13…
ブランキング板、14…ブランク絞り、14a…ブラン
ク絞りの開口穴、15…縮小レンズ、16…副偏向板、
17…主偏向コイル、18…対物レンズ、19…ウェー
ハ。
Claims (7)
- 【請求項1】ブランキング板等を用いた偏向動作による
線源のオン・オフを行なう機能を具備する荷電粒子線装
置において、次のビーム偏向位置の情報をブランキング
制御動作に反映する機能を有することを特徴とする荷電
粒子線装置。 - 【請求項2】ブランキング板等を用いた偏向動作による
線源のオン・オフを行なう機能を具備する荷電粒子線装
置において、ブランキング動作中に生じる不要な露光を
低減するべく、次のビーム偏向位置に最適なブランキン
グ点を2ヵ所以上のブランキング点から選択し、制御す
る機能を有することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 【請求項3】ブランキング板等を用いた偏向動作による
線源のオン・オフを行なう機能を具備する荷電粒子線装
置において、ブランキング動作中に生じる不要な露光を
偏向領域の中心付近で低減するべく、次のビーム偏向位
置に最適なブランキング点を2ヵ所以上のブランキング
点から選択し、放射状に制御する機能を有することを特
徴とする荷電粒子線装置。 - 【請求項4】ブランキング電極等を用いた偏向動作によ
る線源のオン・オフを行なう機能を具備する荷電粒子線
装置において、偏向領域に対応したブランキングの範囲
を分担することにより、見かけ上のブランキング動作を
早めるべく、次のビーム偏向位置に最適なブランキング
点を2ヵ所以上のブランキング点から選択し、制御する
機能を有することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 【請求項5】ブランキング板等を用いた偏向動作による
線源のオン・オフを行なう機能を具備する荷電粒子線装
置において、偏向板の両端に同じ制御回路系から同相の
信号を加えることにより、線源オン時の偏向位置精度を
向上することを特徴とする電子線描画装置。 - 【請求項6】ブランキング板等を用いた偏向動作による
線源のオン・オフを行なう機能を具備する荷電粒子線装
置において、偏向範囲を多象限に分割し、次のビーム偏
向位置に適したブランキング点を選択移動することによ
り、アパーチァの同一点での汚れ付着を低減する。 - 【請求項7】請求項1乃至6に記載の荷電粒子線装置に
おいて、多極のブランキング板を有し、上記記載の動作
を行なうことが可能な事を特徴とする荷電粒子線装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3184316A JPH0528942A (ja) | 1991-07-24 | 1991-07-24 | 荷電粒子線装置用ブランキング制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3184316A JPH0528942A (ja) | 1991-07-24 | 1991-07-24 | 荷電粒子線装置用ブランキング制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0528942A true JPH0528942A (ja) | 1993-02-05 |
Family
ID=16151206
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3184316A Pending JPH0528942A (ja) | 1991-07-24 | 1991-07-24 | 荷電粒子線装置用ブランキング制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0528942A (ja) |
-
1991
- 1991-07-24 JP JP3184316A patent/JPH0528942A/ja active Pending
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