JPH05285633A - ダクタイル鋳鉄等のフェイディング防止用接種剤 - Google Patents
ダクタイル鋳鉄等のフェイディング防止用接種剤Info
- Publication number
- JPH05285633A JPH05285633A JP12137792A JP12137792A JPH05285633A JP H05285633 A JPH05285633 A JP H05285633A JP 12137792 A JP12137792 A JP 12137792A JP 12137792 A JP12137792 A JP 12137792A JP H05285633 A JPH05285633 A JP H05285633A
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- JP
- Japan
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- cast iron
- inoculant
- magnesium
- fading
- ductile cast
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- Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ダクタイル鋳鉄，バミキュラー鋳鉄等を用い
た各種製品を製造する際に、フェイディング現象を防止
して黒鉛の球状化不良率を低減させ、製品の硬度，強度
等の品質を均一にし、製品の品質を向上させることがで
きるフェイディング防止用接種剤を提供することを目的
とする。 【構成】 上記の接種剤として、０．５〜８重量％のマ
グネシウム，４０〜７５重量％のケイ素，６重量％未満
の希土類金属と４重量％未満のカルシウムを含み、残部
が５０重量％以下の鉄から成る接種剤の構成にしてあ
る。また、前記ケイ素の一部又は全部を、ニッケル，
銅，バリウム，マンガン及びジルコニウムから成る群か
ら選ばれた少なくとも一種の元素で置換したダクタイル
鋳鉄等のフェイディング防止用接種剤を提供する。
た各種製品を製造する際に、フェイディング現象を防止
して黒鉛の球状化不良率を低減させ、製品の硬度，強度
等の品質を均一にし、製品の品質を向上させることがで
きるフェイディング防止用接種剤を提供することを目的
とする。 【構成】 上記の接種剤として、０．５〜８重量％のマ
グネシウム，４０〜７５重量％のケイ素，６重量％未満
の希土類金属と４重量％未満のカルシウムを含み、残部
が５０重量％以下の鉄から成る接種剤の構成にしてあ
る。また、前記ケイ素の一部又は全部を、ニッケル，
銅，バリウム，マンガン及びジルコニウムから成る群か
ら選ばれた少なくとも一種の元素で置換したダクタイル
鋳鉄等のフェイディング防止用接種剤を提供する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ダクタイル鋳鉄，バミ
キュラー鋳鉄等を用いた各種製品を製造する際に、製品
の硬度，強度等の品質を均一にし、かつ、フェイディン
グ現象を防止する接種剤に関するものである。
キュラー鋳鉄等を用いた各種製品を製造する際に、製品
の硬度，強度等の品質を均一にし、かつ、フェイディン
グ現象を防止する接種剤に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来より、鋳鉄の溶湯からダクタイル鋳
鉄もしくはバミキュラー鋳鉄製の各種製品を製造するに
は、取鍋の底部にマグネシウム合金等の黒鉛球状化剤を
投入し、溶解炉、保持炉から鋳鉄の溶湯を取鍋へ注入し
て上記黒鉛球状化剤と反応させ、球状化処理をしてから
該溶湯を鋳型へ注湯して鋳込む方法が採用されている。
鉄もしくはバミキュラー鋳鉄製の各種製品を製造するに
は、取鍋の底部にマグネシウム合金等の黒鉛球状化剤を
投入し、溶解炉、保持炉から鋳鉄の溶湯を取鍋へ注入し
て上記黒鉛球状化剤と反応させ、球状化処理をしてから
該溶湯を鋳型へ注湯して鋳込む方法が採用されている。
【０００３】このような方法の場合、球状化処理後の時
間経過とともに、溶湯中のマグネシウムが消失してフェ
イディング現象が発生し、球状化不良が生じ易いという
難点があった。このフェイディング現象とは、鋳鉄の溶
湯中へ上記黒鉛球状化剤とか接種剤を添加した際に、時
間の経過とともにその効果が薄れてゆく現象であり、通
常球状化剤もしくは接種剤を添加してから１５分程度で
前記効果がなくなるため、それ以前に鋳込み作業を実施
する必要がある。
間経過とともに、溶湯中のマグネシウムが消失してフェ
イディング現象が発生し、球状化不良が生じ易いという
難点があった。このフェイディング現象とは、鋳鉄の溶
湯中へ上記黒鉛球状化剤とか接種剤を添加した際に、時
間の経過とともにその効果が薄れてゆく現象であり、通
常球状化剤もしくは接種剤を添加してから１５分程度で
前記効果がなくなるため、それ以前に鋳込み作業を実施
する必要がある。
【０００４】上記フェイディング現象を防止するための
手段として、取鍋中に残留するマグネシウム及びカルシ
ウム値を高める手段とか、溶湯中にＦｅ−Ｓｉ系の接種
剤を添加する手段も採用されている。これらの手段によ
れば、フェイディング現象が発生するまでの時間が適宜
延長されて、黒鉛の球状化不良を最小限とすることがで
きる。
手段として、取鍋中に残留するマグネシウム及びカルシ
ウム値を高める手段とか、溶湯中にＦｅ−Ｓｉ系の接種
剤を添加する手段も採用されている。これらの手段によ
れば、フェイディング現象が発生するまでの時間が適宜
延長されて、黒鉛の球状化不良を最小限とすることがで
きる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のフェイディング現象を防止する手段の中で、
取鍋中の残留マグネシウムを高くするため、球状化剤中
のカルシウム値を高める手段を用いた場合、このカルシ
ウムが鋳鉄の球状化処理後に発生するスラグの主原因と
なり易く、このスラグの発生によって鋳鉄内にピンホー
ルとかノロカミ等の欠陥が生じてしまい、更に鋳鉄を構
成する結晶中のマトリックスのバラツキが大きくなっ
て、鋳造品の不良率が高くなるという難点がある。ま
た、フェイディング現象が発生するまでの時間の延長率
も５〜１０％程度しか得られないという課題がある。
うな従来のフェイディング現象を防止する手段の中で、
取鍋中の残留マグネシウムを高くするため、球状化剤中
のカルシウム値を高める手段を用いた場合、このカルシ
ウムが鋳鉄の球状化処理後に発生するスラグの主原因と
なり易く、このスラグの発生によって鋳鉄内にピンホー
ルとかノロカミ等の欠陥が生じてしまい、更に鋳鉄を構
成する結晶中のマトリックスのバラツキが大きくなっ
て、鋳造品の不良率が高くなるという難点がある。ま
た、フェイディング現象が発生するまでの時間の延長率
も５〜１０％程度しか得られないという課題がある。
【０００６】一方、溶湯中にＦｅ−Ｓｉ系の接種剤を添
加する手段は、結晶中のマトリックスが均一になる上、
フェイディング現象が発生するまでの時間の延長率が１
５％程度得られるが、時間経過に伴って溶湯温度が下が
り、接種剤の溶け込み不良に起因するハードスポット現
象が発生して鋳造品の不良率が高くなってしまうという
問題点があった。
加する手段は、結晶中のマトリックスが均一になる上、
フェイディング現象が発生するまでの時間の延長率が１
５％程度得られるが、時間経過に伴って溶湯温度が下が
り、接種剤の溶け込み不良に起因するハードスポット現
象が発生して鋳造品の不良率が高くなってしまうという
問題点があった。
【０００７】そこで本発明はこのような従来のダクタイ
ル鋳鉄等を用いた各種製品を製造する際に生じる難点を
解消して、前記フェイディングを極力防止し、それに伴
って黒鉛の球状化不良率を低減させて、得られたダクタ
イル鋳鉄もしくはバミキュラー鋳鉄の強度，硬度を高め
て品質を向上させることができるフェイディング防止用
接種剤を提供することを目的とするものである。
ル鋳鉄等を用いた各種製品を製造する際に生じる難点を
解消して、前記フェイディングを極力防止し、それに伴
って黒鉛の球状化不良率を低減させて、得られたダクタ
イル鋳鉄もしくはバミキュラー鋳鉄の強度，硬度を高め
て品質を向上させることができるフェイディング防止用
接種剤を提供することを目的とするものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するために、ダクタイル鋳鉄等の溶湯を鋳型に注湯す
る際に添加する接種剤として、０．５〜８重量％のマグ
ネシウム，４０〜７５重量％のケイ素，４重量％未満の
希土類金属と４重量％未満のカルシウムを含み、残部が
５０重量％以下の鉄から成るダクタイル鋳鉄等のフェイ
ディング防止用接種剤の構成にしてある。また、前記ケ
イ素の一部又は全部を、ニッケル，銅，バリウム，マン
ガン及びジルコニウムから成る群から選ばれた少なくと
も一種の元素で置換したフェイディング防止用接種剤に
してあり、更に前記マグネシウム，希土類，カルシウム
の比率は、マグネシウム／希土類含有量の比率を１／２
〜２倍とし、かつ、マグネシウム／カルシウム含有量の
比率を２倍以上としたフェイディング防止用接種剤を提
供する。
成するために、ダクタイル鋳鉄等の溶湯を鋳型に注湯す
る際に添加する接種剤として、０．５〜８重量％のマグ
ネシウム，４０〜７５重量％のケイ素，４重量％未満の
希土類金属と４重量％未満のカルシウムを含み、残部が
５０重量％以下の鉄から成るダクタイル鋳鉄等のフェイ
ディング防止用接種剤の構成にしてある。また、前記ケ
イ素の一部又は全部を、ニッケル，銅，バリウム，マン
ガン及びジルコニウムから成る群から選ばれた少なくと
も一種の元素で置換したフェイディング防止用接種剤に
してあり、更に前記マグネシウム，希土類，カルシウム
の比率は、マグネシウム／希土類含有量の比率を１／２
〜２倍とし、かつ、マグネシウム／カルシウム含有量の
比率を２倍以上としたフェイディング防止用接種剤を提
供する。
【０００９】
【作用】かかる本発明によれば、取鍋で球状化処理され
た溶湯を鋳型内に注湯する際に上記接種剤を同時に一定
量添加（注湯流接種）することにより、フェイディング
作用に基づいて溶湯から消失されたマグネシウム，希土
類を補うことが出来る。そしてこのマグネシウムによっ
て黒鉛球状化不良が防止されて黒鉛晶出用の核が形成さ
れるので、鋳鉄中のマトリックスがバラツクことなく、
得られた鋳鉄の強度，硬度が均一になり製品の品質が高
められる。
た溶湯を鋳型内に注湯する際に上記接種剤を同時に一定
量添加（注湯流接種）することにより、フェイディング
作用に基づいて溶湯から消失されたマグネシウム，希土
類を補うことが出来る。そしてこのマグネシウムによっ
て黒鉛球状化不良が防止されて黒鉛晶出用の核が形成さ
れるので、鋳鉄中のマトリックスがバラツクことなく、
得られた鋳鉄の強度，硬度が均一になり製品の品質が高
められる。
【００１０】更にマグネシウムが他の元素との合金を構
成して融点が下がることによって溶湯へ溶け込み易くな
り、ハードスポットの発生をなくして、より接種効果を
高める作用がある。また、フェイディング現象が発生す
るまでの時間が延長される上、取鍋中の残留カルシウム
値が低く抑えられているため、このカルシウムに起因す
るスラグの発生をなくし、鋳鉄内にピンホールとかノロ
カミ等の欠陥が生じないという作用が得られる。
成して融点が下がることによって溶湯へ溶け込み易くな
り、ハードスポットの発生をなくして、より接種効果を
高める作用がある。また、フェイディング現象が発生す
るまでの時間が延長される上、取鍋中の残留カルシウム
値が低く抑えられているため、このカルシウムに起因す
るスラグの発生をなくし、鋳鉄内にピンホールとかノロ
カミ等の欠陥が生じないという作用が得られる。
【００１１】
【実施例】以下、本発明に係るダクタイル鋳鉄等のフェ
イディングを防止する接種剤の実施例を説明する。
イディングを防止する接種剤の実施例を説明する。
【００１２】一般に特殊鋳鉄として加工特性、切削特性
及び引張り特性を改良する上で、黒鉛を球状化した鋳鉄
が知られており、この球状黒鉛は黒鉛をマグネシウムで
処理して製造されるものであるため、特にダクタイル鋳
鉄にとってマグネシウムは不可欠な成分となっている。
及び引張り特性を改良する上で、黒鉛を球状化した鋳鉄
が知られており、この球状黒鉛は黒鉛をマグネシウムで
処理して製造されるものであるため、特にダクタイル鋳
鉄にとってマグネシウムは不可欠な成分となっている。
【００１３】他方においてダクタイル鋳鉄の溶湯温度と
マグネシウムとの沸点とは４００℃以上の差があり、か
つ、鉄とマグネシウムは互いの元素間に親和力がないた
め合金にならず、従って時間の経過に伴って溶湯中の残
留マグネシウムが減少してしまい、目的のダクタイル鋳
鉄を製造することができないこととなる。
マグネシウムとの沸点とは４００℃以上の差があり、か
つ、鉄とマグネシウムは互いの元素間に親和力がないた
め合金にならず、従って時間の経過に伴って溶湯中の残
留マグネシウムが減少してしまい、目的のダクタイル鋳
鉄を製造することができないこととなる。
【００１４】そこで本発明は、取鍋で球状化処理された
ダクタイル鋳鉄等の溶湯の注湯流をを鋳型内に注湯する
際に、同時に補給する接種剤に関して種々の実験を試み
た結果、以下に示す成分及び配合率のものが最も適して
いることを見出したものである。即ち、接種剤中のマグ
ネシウム成分が極端に多くなると、溶湯と接種剤の反応
が激しくなり、酸化マグネシウムが発生して溶湯のマグ
ネシウムの補給が出来なくなる。一方、接種剤中のマグ
ネシウム成分が少なすぎると、マグネシウムの消失と補
給のバランスがくずれて黒鉛の球状化効果がなくなるた
め、本発明はマグネシウムの含有量を０．５〜８重量％
の範囲と定めた。
ダクタイル鋳鉄等の溶湯の注湯流をを鋳型内に注湯する
際に、同時に補給する接種剤に関して種々の実験を試み
た結果、以下に示す成分及び配合率のものが最も適して
いることを見出したものである。即ち、接種剤中のマグ
ネシウム成分が極端に多くなると、溶湯と接種剤の反応
が激しくなり、酸化マグネシウムが発生して溶湯のマグ
ネシウムの補給が出来なくなる。一方、接種剤中のマグ
ネシウム成分が少なすぎると、マグネシウムの消失と補
給のバランスがくずれて黒鉛の球状化効果がなくなるた
め、本発明はマグネシウムの含有量を０．５〜８重量％
の範囲と定めた。
【００１５】次に希土類は、溶湯中の球状化剤阻害元素
を中和して、球状化率を高めると共に沸点が高いため、
フェイディング現象が終了するまでの時間を延長する作
用があるが、多く使用すると炭化物を生成して硬度不良
の原因となり、かつ、球状化処理後にスラグの発生して
鋳鉄の不良率が高くなるので６重量％未満の範囲に定め
た。
を中和して、球状化率を高めると共に沸点が高いため、
フェイディング現象が終了するまでの時間を延長する作
用があるが、多く使用すると炭化物を生成して硬度不良
の原因となり、かつ、球状化処理後にスラグの発生して
鋳鉄の不良率が高くなるので６重量％未満の範囲に定め
た。
【００１６】カルシウムは、多く添加すると溶湯との間
で吸熱反応が生じて接種剤が溶け込み難くなって接種効
果が低下してしまう上、球状化処理後の製品中にスラグ
として巻き込まれてしまい、鋳鉄の不良率が高くなるた
め４重量％未満の範囲に定めた。
で吸熱反応が生じて接種剤が溶け込み難くなって接種効
果が低下してしまう上、球状化処理後の製品中にスラグ
として巻き込まれてしまい、鋳鉄の不良率が高くなるた
め４重量％未満の範囲に定めた。
【００１７】前記ケイ素はマグネシウムと親和力がある
ため、製造上の観点から接種剤の主体となるものであ
り、本実施例では４０〜７５重量％とした。そして残部
が５０重量％以下の鉄から成っている。尚、この４０〜
７５％の範囲で含有されるケイ素の一部又は全部を、ニ
ッケル，銅，バリウム，マンガン及びジルコニウムから
成る選ばれた元素の一種に置換することも可能である。
ため、製造上の観点から接種剤の主体となるものであ
り、本実施例では４０〜７５重量％とした。そして残部
が５０重量％以下の鉄から成っている。尚、この４０〜
７５％の範囲で含有されるケイ素の一部又は全部を、ニ
ッケル，銅，バリウム，マンガン及びジルコニウムから
成る選ばれた元素の一種に置換することも可能である。
【００１８】前記したマグネシウム、希土類、カルシウ
ムの比率は、溶湯への接種効果，フェイディング防止効
果の観点から、マグネシウム／希土類含有量が１／２〜
３とし、かつ、マグネシウム／カルシウム含有量の比を
２倍以上としている。従ってマグネシウムをカルシウム
よりも効果的に添加することが本実施例の特徴となって
いる。
ムの比率は、溶湯への接種効果，フェイディング防止効
果の観点から、マグネシウム／希土類含有量が１／２〜
３とし、かつ、マグネシウム／カルシウム含有量の比を
２倍以上としている。従ってマグネシウムをカルシウム
よりも効果的に添加することが本実施例の特徴となって
いる。
【００１９】次に表１に本発明にかかるフェイディング
防止用接種剤の実施例と従来のフェイディング防止用接
種剤の組成を示す。そして、表２に前記本発明及び従来
例のフェイディング防止用接種剤を、取鍋で球状化処理
された溶湯の注湯流を鋳型内に注湯する際に同時に添加
した場合の溶湯の組成及び注湯後１６分を経過したとき
の球状化の状態を判定した結果を示す。
防止用接種剤の実施例と従来のフェイディング防止用接
種剤の組成を示す。そして、表２に前記本発明及び従来
例のフェイディング防止用接種剤を、取鍋で球状化処理
された溶湯の注湯流を鋳型内に注湯する際に同時に添加
した場合の溶湯の組成及び注湯後１６分を経過したとき
の球状化の状態を判定した結果を示す。
【００２０】
【表１】
【００２１】
【表２】
【００２２】表２において、従来例１は注湯して１６分
後に球状化率が７６．３％、従来例２は５６．７％であ
ったのに対して、本発明を適用した本発明１は同様に注
湯して１６分後の球状化率が９５．３％、本発明２は９
４．１％であり、従来例に比して格段に高い球状化率を
保っている。
後に球状化率が７６．３％、従来例２は５６．７％であ
ったのに対して、本発明を適用した本発明１は同様に注
湯して１６分後の球状化率が９５．３％、本発明２は９
４．１％であり、従来例に比して格段に高い球状化率を
保っている。
【００２３】次に鋳鉄の取鍋で球状化処理された溶湯を
鋳型内に注湯する際に同時にフェイディング防止用接種
剤を添加（注湯流接種）した表２の本発明１，２にかか
る鋳鉄の注湯後１６分経過後の状態の顕微鏡写真（×１
００）を図１及び図２に示す。また、同様に表２の従来
例１，２の注湯後１６分経過後の状態の顕微鏡写真（×
１００）を図３及び図４に示す。図に示すように、それ
ぞれ表２に示す球状化率を有し、本発明にかかるフェイ
ディング防止用接種剤を添加して得られた鋳鉄の方が従
来に比して格段に球状化の状態が良好であることが判
る。
鋳型内に注湯する際に同時にフェイディング防止用接種
剤を添加（注湯流接種）した表２の本発明１，２にかか
る鋳鉄の注湯後１６分経過後の状態の顕微鏡写真（×１
００）を図１及び図２に示す。また、同様に表２の従来
例１，２の注湯後１６分経過後の状態の顕微鏡写真（×
１００）を図３及び図４に示す。図に示すように、それ
ぞれ表２に示す球状化率を有し、本発明にかかるフェイ
ディング防止用接種剤を添加して得られた鋳鉄の方が従
来に比して格段に球状化の状態が良好であることが判
る。
【００２４】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかるフ
ェイディング防止用接種剤によれば、取鍋で球状化処理
された溶湯の注湯流を鋳型内に注湯する際に上記接種剤
を同時に一定量添加することにより、フェイディング作
用に基づいて溶湯から消失されたマグネシウム，希土類
を補うことが出来る。そしてこのマグネシウムによって
黒鉛球状化不良が防止されて黒鉛晶出用の核が形成され
るので、鋳鉄中のマトリックスがバラツクことなく、得
られた鋳鉄の強度，硬度が均一になり、製品の品質を高
めることができる。
ェイディング防止用接種剤によれば、取鍋で球状化処理
された溶湯の注湯流を鋳型内に注湯する際に上記接種剤
を同時に一定量添加することにより、フェイディング作
用に基づいて溶湯から消失されたマグネシウム，希土類
を補うことが出来る。そしてこのマグネシウムによって
黒鉛球状化不良が防止されて黒鉛晶出用の核が形成され
るので、鋳鉄中のマトリックスがバラツクことなく、得
られた鋳鉄の強度，硬度が均一になり、製品の品質を高
めることができる。
【００２５】更にマグネシウムが他の元素との合金を構
成して融点を下げることによって溶湯へ溶け込み易くな
り、ハードスポットの発生をなくすることができるとと
もに、接種効果を高める作用がある。また、フェイディ
ング現象が発生するまでの時間が延長されるため、鋳込
み時間を長くすることができるという利点が発揮され
る。
成して融点を下げることによって溶湯へ溶け込み易くな
り、ハードスポットの発生をなくすることができるとと
もに、接種効果を高める作用がある。また、フェイディ
ング現象が発生するまでの時間が延長されるため、鋳込
み時間を長くすることができるという利点が発揮され
る。
【図１】本発明にかかるフェイディング防止用接種剤を
適用して得られた鋳鉄の顕微鏡写真。
適用して得られた鋳鉄の顕微鏡写真。
【図２】本発明にかかるフェイディング防止用接種剤を
適用して得られた鋳鉄の顕微鏡写真。
適用して得られた鋳鉄の顕微鏡写真。
【図３】従来のフェイディング防止用接種剤を適用して
得られた鋳鉄の顕微鏡写真。
得られた鋳鉄の顕微鏡写真。
【図４】従来のフェイディング防止用接種剤を適用して
得られた鋳鉄の顕微鏡写真。
得られた鋳鉄の顕微鏡写真。
フロントページの続き (72)発明者 多田 成 愛知県小牧市古雅３丁目７番12号 (72)発明者 高尾 圭一 高知県高知市瀬戸西町１丁目344番地
Claims (3)
- 【請求項１】 ダクタイル鋳鉄等の溶湯を鋳型に注湯す
る際に添加する注湯流用接種剤として、０．５〜８重量
％のマグネシウム，４０〜７５重量％のケイ素，６重量
％未満の希土類金属と４重量％未満のカルシウムを含
み、残部が５０重量％以下の鉄から成ることを特徴とす
るダクタイル鋳鉄等のフェイディング防止用接種剤。 - 【請求項２】 前記ケイ素の一部又は全部を、ニッケ
ル，銅，バリウム，マンガン及びジルコニウムから成る
群から選ばれた少なくとも一種の元素で置換した請求項
１記載のダクタイル鋳鉄等のフェイディング防止用接種
剤。 - 【請求項３】 前記マグネシウム，希土類，カルシウム
の比率は、マグネシウム／希土類含有量の比率を１／２
〜３倍とし、かつ、マグネシウム／カルシウム含有量の
比率を２倍以上とした請求項１記載のダクタイル鋳鉄等
のフェイディング防止用接種剤。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12137792A JPH05285633A (ja) | 1992-04-14 | 1992-04-14 | ダクタイル鋳鉄等のフェイディング防止用接種剤 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12137792A JPH05285633A (ja) | 1992-04-14 | 1992-04-14 | ダクタイル鋳鉄等のフェイディング防止用接種剤 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05285633A true JPH05285633A (ja) | 1993-11-02 |
Family
ID=14809724
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12137792A Pending JPH05285633A (ja) | 1992-04-14 | 1992-04-14 | ダクタイル鋳鉄等のフェイディング防止用接種剤 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH05285633A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN105970075A (zh) * | 2016-07-15 | 2016-09-28 | 江苏汽铸造股份有限公司 | 一种制备蠕墨铸铁材料的工艺方法 |
| CN113278874A (zh) * | 2021-04-19 | 2021-08-20 | 成都宏源铸造材料有限公司 | 一种镍铬合金孕育剂及其制备方法及其制备方法 |
Citations (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS564623A (en) * | 1976-06-24 | 1981-01-19 | Union Carbide Corp | Polymer*polyol composition* its manufacture and manufacture of polyurethane products therefrom |
-
1992
- 1992-04-14 JP JP12137792A patent/JPH05285633A/ja active Pending
Patent Citations (1)
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| CN113278874A (zh) * | 2021-04-19 | 2021-08-20 | 成都宏源铸造材料有限公司 | 一种镍铬合金孕育剂及其制备方法及其制备方法 |
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