JPH05285422A - 泡浮選機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】鉱物を浮揚させて鉱石から鉱物を分離するため
の改良された泡浮選機を提供すること。 【構成】少くとも１つの直立円筒形浮選セルと、セルの
上端の全周の周りに延設され六角形のオーバーフロー泡
樋とから成る泡浮選機。この独特の構成は、泡浮選プロ
セスを最適化し、複数のセルをハネカム状に嵌め合わせ
ることを可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鉱業、特に、鉱物を浮
揚させて鉱石から除去することにより鉱石から鉱物を分
離するための改良された泡浮選機（以下、単に「浮選
機」とも称する）及び浮選セル（以下、単に「セル」と
も称する）の構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】鉱業においては、浮選は、銅浮選、微粉
石炭浮選、鉄鉱石浮選、りん酸岩及びカリ浮選、硫化卑
金属浮選、及び硫化貴金属浮選等において鉱物を濃縮し
回収するための主要な方法である。浮選は、基本的に
は、微粉砕固形物と、液体と、空気を緊密に混合し、鉱
石中の岩石から所望の鉱物を浮揚させることによって岩
石から鉱物を濃縮させる三相単位プロセスである。この
浮選プロセスを遂行するに当っては、鉱石を微粉砕固形
物に破砕し、それを液体と混合してスラリー又はパルプ
を生成する。次いで、浮選機を用いてその内部空気源か
ら上記スラリーに空気を吹込み、それによって固形物と
液体を混合し、その混合物中に空気を分散させる。スラ
リーへの空気の吹込みは、空気自己吸込み浮選機によっ
て行うこともできる。

【０００３】米国特許第４，４２５，２３２号及び４，
８００，０１７号は、スラリー中に浸漬するロータ／ス
テータポンプ組立体を備えた浮選機を用いて、そのロー
タ羽根によりスラリーを撹拌して固形物と液体を十分に
混合し、その混合物に空気を吹込み、浮選セル内の液面
に泡を発生させる浮選分離装置及び方法を開示してい
る。鉱物粒子は、気泡（鉱物粒子を担持するキャリアの
役割を果たす）に付着し、自然に浮揚して泡を形成す
る。これが、鉱物を回収するための効果的な四組であ
る。泡は、それに捕捉されている鉱物粒子と共にスラリ
ーの上面から流体力学的に排出され、収集されて脱水さ
れる。

【０００４】図１に示されるような従来の浮選セルタン
クは、長方形又はＵ字形であり、長いオーバーフロー泡
樋（セルの液面からオーバーフロー即ち溢流によって泡
を導出するための樋）と、セルとセルを分割する仕切板
を用いる。セルとセルとの間の仕切板に沿って延設した
横断方向のオーバーフロー泡樋を用いる場合もあるが、
一般に、オーバーフロー泡樋は、セルタンクの長手側縁
に沿って延設されている。ロータ又はミキサーによって
創生された気泡とともに上昇した所望の鉱物を含有した
泡は、セル内の液面からオーバーフロー泡樋へ溢流し、
そこから排出管に流入して収集される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
浮選セルタンク及び泡樋の構成は、非能率であり、コス
ト高であることが判明した。長方形の浮選セルタンク
は、コーナー（かど部分）と平坦な側壁を有しており、
中のスラリーによって及ぼされる膨出力に耐えるように
強力な補強を施さなければならない。更に、長方形の浮
選セルタンクに存在するコーナーは、渦流や、澱みポケ
ットを生じることによって無駄を増大させる。オーバー
フロー泡樋は、浮選セルタンクとは独立して形成され、
多くの場合、自立（それ自体で床上に立てることができ
る）構造である。本発明は、従来技術の浮選機の上述の
ような欠点を克服することを課題とする。

【０００６】本発明の目的は、すべてのコーナーをなく
すことによって浮選タンクの容積が完全に利用されるよ
うにした浮選セル及びオーバーフロー泡樋構造を提供す
ることである。本発明の他の目的は、立て物の床面積を
最大限に利用し、それによってコストを最少限にするこ
とができる浮選セル及びオーバーフロー泡樋構造を提供
することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、円筒形のタンク即ちセルと独特の六角形
のオーバーフロー泡樋とで構成した浮選機を提供する。
この独特の六角オーバーフロー泡樋は、隣接する列のセ
ルを蜂の巣状即ちハネカム状に嵌め合わせることを可能
にする。各円筒形セル内には、所望の鉱物を付着させて
泡を形成するための気泡を創生する回転機構を配設す
る。六角オーバーフロー泡樋の底壁には、泡を収集する
ための泡出口を設ける。六角オーバーフロー泡樋は、円
筒形セルと一体に形成し、セルの壁が樋の一側壁を形成
するように

【０００８】本発明の独特の円筒形セルとその外周の六
角オーバーフロー泡樋の構成は、セルの容積に対する泡
樋のオーバーフロー唇縁の長さの比率を増大することが
できるので、多くの場合、従来技術では必要とされた不
都合な横断方向の泡樋を設ける必要性を排除する。又、
セルの円筒形状と円形断面は、澱みや渦流の発生により
無駄を生じる原因となる不都合なコーナーを排除する。
更に、円筒形状は、それ自体補強機能を有し、スラリー
の膨出力に耐えるための重厚な補強を必要とする平坦な
側壁を回避する。加えて、独特の六角オーバーフロー泡
樋の構成は、浮選セルをハネカム状に嵌め合わせること
を可能にし、それによって建物のスペースの有効利用を
可能にし、建設費用を削減する。する。

【０００９】

【実施例】図１は、２つの浮選セル１４，１６とオーバ
ーフロー泡樋２８，３０から成る従来の浮選装置１２の
構成を示す。浮選装置１２は、供給ボックス即ち入口ボ
ックス１０を備えており、微粉砕鉱石は供給ボックス１
０内で液体と混合されて浮選セル内へ供給される。各セ
ル１４，１６内には、泡浮揚のための気泡を発生する回
転機構即ち空気吹込み手段１８，２０が配設されてい
る。更に、分離されずに残された未分離固形物と液体を
排出するための出口ボックス２２が設けられている。慣
用のオーバーフロー泡樋２８，３０は、それぞれ、セル
の長手側辺２４，２６に沿って設けられている。更に、
浮選装置１２は、２つのセル１４と１６に分割する仕切
板と、その上に横断方向のオーバーフロー泡樋３２が設
けられている。オーバーフロー泡樋２８，３０の底壁に
は、泡出口３４，３６が設けられている。図１に示され
たような従来の浮選装置は、先に述べたように、そのセ
ルの形状及び泡樋の構成の故にいろいろな欠点がある。

【００１０】図２及び３を参照すると、本発明による改
良された浮選機及びオーバーフロー泡樋が示されてい
る。本発明の浮選機５０は、複数の直立円筒形浮選セル
５２，５３，５４，５５，５６，５７，５８を有してい
る。それらのセルは、いずれも実質的に同じ構造である
から、ここではそれらのうちの３つのセル５２，５４，
５６について詳しく説明する。各セルは、鉱物の分離に
用いるべき気泡を創生するための回転機構即ち空気吹込
み手段６０，６１，６２を備えている。供給ボックス６
４，６６は、微粉砕鉱石と液体を浮選機内へ供給するた
めの入口ボックス又は入口ポートである。出口ボックス
６８，７０は、分離されずに残された未分離固形物と液
体を排出するための出口ポートである。

【００１１】各セルの上端の側縁７２，７４，７６，７
８，８０，８２は、側壁を有するオーバーフロー泡樋８
４，８６，８８，９０，９２，９４によって画定され
る。各オーバーフロー泡樋の底壁には、泡出口９６，９
８，１００，１０２，１０４，１０６が設けられてい
る。鉱物豊富泡は、各セル５２，５４，５６からオーバ
ーフローして六角形のオーバーフロー泡樋に能率的に最
適な態様で流入する。

【００１２】浮選セルを円筒形とし、その上端のオーバ
ーフロー泡樋を六角形としたことにより、複数のセルを
ハネカム状に能率的な態様に嵌め合わせることができ
る。この浮選機の作動効率を更に高めるためにセルを横
断する方向の浅いオーバーフロー泡樋を設けることもで
きる。

【００１３】更に、所望ならば、セルとセルとを高低差
をつけて、即ち下流側のセルを低くして連結するための
つなぎボックス１０８，１１０を設けることができる。
このような高低差は、スラリーが一連のセルを通して流
れるときの水頭の喪失を補償する。図３は、セル５６と
それより低いセル５７を連結するつなぎボックス１０８
を示している。

【００１４】図４は、本発明による円筒形セルと六角形
のオーバーフロー泡樋の拡大透視図である。円筒形セル
１２０は、六角形のオーバーフロー泡樋１２２を備えて
いる。鉱物豊富泡を収集するために泡樋１２２の底壁に
設けられた泡出口１２４に排出パイプを接続することが
できる。

【００１５】

【発明の効果】本発明の円筒形セルは、泡による所望の
鉱物の回収を阻害する乱流を惹起するコーナーを排除す
るとともに、重厚な補強の必要性を排除する。更に、六
角形のオーバーフロー泡樋は、泡の収集を最適化し、上
述したように複数のセルを互いに嵌め合わせた独特のハ
ネカム配置を可能にする。これらの利点は、大型浮選装
置において特に有利であり、コストを削減するととも
に、鉱物の回収効率を高める。

【００１６】以上、本発明を実施例に関連して説明した
が、本発明は、ここに例示した実施例の構造及び形態に
限定されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸
脱することなく、いろいろな実施形態が可能であり、い
ろいろな変更及び改変を加えることができることを理解
されたい。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、従来の浮選セルタンクの上からみた平
面図である。

【図２】図２は、本発明に従ってハネカム状に嵌め合わ
された複数のセルの上からみた平面図である。

【図３】図３は、図２のハネカム配列体の側面図であ
る。

【図４】図４は、本発明による単一の円筒形セルと六角
形のオーバーフロー泡樋の透視図である。

【符号の説明】

５０：浮選機 ５２〜５９：円筒形浮選セル ６０〜６２：回転機構（空気吹込み手段） ６４，６６：供給ボックス（入口ボックス、入口ポー
ト） ６８，７０：出口ボックス（出口ポート） ８４〜９４：オーバーフロー泡樋 １０８，１１０：つなぎボックス

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】（ａ）上端を有する少くとも１つの直立円
   筒形浮選セルと、 （ｂ）該セルに付設された入口ボックスと、 （ｃ）該セルに付設された出口ボックスと、 （ｄ）鉱物豊富泡を創生するために前記セル内に配設さ
   れた回転機構と、 （ｅ）前記鉱物豊富泡を収集するために前記セルの上端
   の全周の周りに延設され、該上端に取付けられた六角形
   のオーバーフロー泡樋と、から成る泡浮選機。
2. 【請求項２】複数の請求項１に記載の直立浮選セルと、
   各浮選セルに設けられた六角形のオーバーフロー泡樋と
   から成り、それらの浮選セル及び六角形のオーバーフロ
   ー泡樋がハネカム状に配列されていることを特徴とする
   泡浮選機。
3. 【請求項３】前記複数の浮選セルを連結するために１つ
   のつなぎボックスが設けられていることを特徴とする請
   求項２に記載の泡浮選機。
4. 【請求項４】少くとも２列の円筒形浮選セルと、 各列の一端のセル内へ微粉砕鉱石と流体を供給するため
   に該一端のセルに設けられた入口ポートと、 各列の反対端のセルから未分離の微粉砕鉱石と流体を排
   出するために該反対端のセルに設けられた出口ポート
   と、 各セル内に鉱物豊富泡を創生するために各セル内に配設
   された空気吹込み手段と、 前記鉱物豊富泡を収集するために各セルに設けられた六
   角形のオーバーフロー泡樋とから成り、１つの列のセル
   の六角形のオーバーフロー泡樋と、それに隣接する列の
   六角形のオーバーフロー泡樋とがハネカム状に接触して
   いることを特徴とする泡浮選機。
5. 【請求項５】前記浮選セルを連結するために各列に１つ
   のつなぎボックスが設けられていることを特徴とする請
   求項４に記載の泡浮選機。
6. 【請求項６】少くとも２列の円筒形浮選セルと、 各セルに設けられた入口手段及び出口手段と、 各セル内に配設された空気吹込み手段と、 各セルに設けられた六角形のオーバーフロー泡樋とから
   成り、１つの列のセルの六角形のオーバーフロー泡樋
   と、それに隣接する列の六角形のオーバーフロー泡樋と
   がハネカム状に接触していることを特徴とする泡浮選
   機。
7. 【請求項７】前記空気吹込み手段は回転機構から成るこ
   とを特徴とする請求項６に記載の泡浮選機。
8. 【請求項８】少くとも２つの浮選セルを連結するために
   １つのつなぎボックスが設けられていることを特徴とす
   る請求項６に記載の泡浮選機。