JPH05281380A - 核燃料チャンネルおよびこれを利用した固有安全水冷却チューブ原子炉 - Google Patents

核燃料チャンネルおよびこれを利用した固有安全水冷却チューブ原子炉

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JPH05281380A
JPH05281380A JP4153717A JP15371792A JPH05281380A JP H05281380 A JPH05281380 A JP H05281380A JP 4153717 A JP4153717 A JP 4153717A JP 15371792 A JP15371792 A JP 15371792A JP H05281380 A JPH05281380 A JP H05281380A
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fuel channel
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Sun-Hung Jang
舜 興 張
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 正常運転中には冷却材が核分裂エネルギーを
吸収し、冷却材による冷却が不可能である場合には減速
材が輻射・対流等の被動的作用によって崩壊熱を吸収し
て核燃料チャンネルの過度の温度上昇を防止する核燃料
チャンネルおよび固有安全水冷却チューブ原子炉を提供
する。 【構成】 多数の冷却材孔(5)を有する核燃料マトリ
ックス(4)を間隙(3)を有するように核燃料チャン
ネルチューブ(2)内に配置して核燃料チャンネルを形
成した。上記核燃料チャンネルを配設した低圧原子炉容
器(40)を有する原子炉(50)と、安全バルブ(5
8)を有し、前記低圧原子炉容器(40)と連通する減
速材タンク(56)と、減速材を冷却する減速材冷却熱
交換器(59)と、原子炉(50)のエネルギーを水蒸
気に変換する蒸気発生器(52)と、冷却材を加圧する
加圧器(51)とによって固有安全水冷却チューブ原子
炉を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は核分裂を利用する原子炉
に関し、特に、原子力発電所、地域暖房用原子炉、熱併
合発電用原子炉および研究用原子炉に利用でき得る核燃
料チャンネルおよびこれを利用した固有安全水冷却チュ
ーブ原子炉に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、原子炉はウランやプルトニウ
ム等の核分裂を制御可能な状態で行って、発生するエネ
ルギーを利用できるようにした装置であり、その利用分
野は原子力発電所、原子力船、地地域暖房用原子炉およ
び研究用原子炉等がある。原子炉の種類には水冷却炉
(Water-Cooled Reactor)、気体冷却炉(Gas-Cooled R
eactor)、液体金属冷却炉(Liquid Metal-Cooled Reac
tor)があり、この中で技術的に最も開発されており、ま
た、現在の世界の原子力発電の主流をなしているのは水
冷却炉である。水冷却炉は核分裂が引き起こされる核燃
料を冷却する冷却材(Coolant)として水を使用し、加圧
軽水炉(Pressurized Water Reactor)、加圧重水炉(Pr
essurized Heavy Water Reactor)、沸騰水炉(Boiling
Water Reactor)等に区分される。
【0003】火力と水力等とは異なり原子炉では核分裂
が起こると放射性物質等が生成されるので安全性のい問
題が重要である。正常稼動中では、原子炉から作業者あ
るいは隣接地域が受ける放射線量は非常に少ないので健
康に害を及ぼさない。しかし、予期しない重大な事故が
発生し、これに十分な対応措置が取られない場合には、
人間および環境に深刻な被害を及ぼす。したがって、各
々の原子炉型は放射性物質の外部漏出事故の可能性を極
小化し、万一の場合に漏出事故が起こってもその被害を
最小化することができるように設計されなければならな
い。
【0004】原子炉は諸種の保護安全装置を備えていて
放射性物質の外部漏出を起こし得る事故が発生するとか
その予兆が見られる場合は原子炉が自動的に停止され
る。しかし、原子炉では核分裂生成物等の放射能崩壊に
よる熱(残熱または崩壊熱)が継続して発生されるので
これを効率的に冷却しないと炉心が熔融される重大事故
に発展することができる。したがって水冷却型原子炉で
は非常炉心冷却装置(Emergency Core Cooling System,
ECCS)が備えられ、正常的な冷却系統が作動しない場合
には、非常冷却水を炉心に供給して崩壊熱を除去する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】既存の原子力発電所は
他の発電手段(石炭または石油火力発電所)と比較する
と、人間および環境に与える危険度がより小さいものと
評価されている。しかし、一般大衆の原子力安全性に対
する危惧心は益々増大しており、全世界の原子力界では
安全性を革新的に向上させるべき必要性があるという概
念が広く形成されている。この概念を基に開発されてい
るのが新型安全炉である。新型安全炉の特徴は原子炉の
安全装置を作動させるためポンプとかバルブ等の被駆動
機器(駆動力を必要とする機器)に主に依存する既存原
子炉とは異なり、重力とか自然循環等の自然原理(被動
安全性)を主に利用するとの点である。新型安全炉は既
存の原子炉の安全性をはるかに向上させるものとして評
価されている。
【0006】新型安全炉の中でも既に立証された技術を
最大に活用することができる回路型水冷却炉(Loop-typ
e Water-Cooled Reactor)に開発努力が集中されてい
る。ここに属する原子炉等は系を単純化させながらも安
全性を大きく向上させ得るものとして予想されている
が、非常炉心冷却水の効率的な炉心注入のためには被駆
動機器を使用する減圧系(Depressurization System)を
必要とする。したがって、絶対的な安全性により一層近
づけるためには、非常炉心冷却装置自体が必要でない原
子炉の開発が要求される。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は減速材と冷却材
とを分離し、チューブ形態の核燃料チャンネルが大容量
の減速材に浸漬されるようにすることにより正常運転中
には冷却材が核分裂エネルギーを取り除き、冷却材喪失
事故とか冷却材による正常的な冷却が不可能である場合
には減速材に崩壊熱が伝達されて核燃料チャンネル温度
の過度の上昇が発生しないように構成した核燃料チャン
ネルおよびこれらを利用した固有安全水冷却型チューブ
原子炉を提供するものである。
【0008】
【作用】本発明は独特な設計のチューブ形炉心を採択し
たことで、金属核燃料マトリックスまたはジルカロイマ
トリックスは正常運転および事故時の熱伝導体の役割だ
けでなく冷却材喪失事故の直後に崩壊熱の吸収体として
の役割を果たすようにし、減速材は正常運転中にはポン
プによる強制循環によって冷却されるが、事故時の崩壊
熱は格納容器(Containment)内の原子炉上部に位置する
減速材タンクとの自然循環と減速材タンク安全バルブの
開放によって格納容器中の大気(Containment Atmosphe
re)に伝達されて格納容器で被動冷却される。また、本
発明の固有安全水冷却型チューブ原子炉によれば、別途
に非常炉心冷却装置を設ける必要がなく、事故後の崩壊
熱の除去のため被駆動機器を使用せず、熱伝導、熱輻
射、自然循環、圧力等の被動的安全性に全面的に依存す
る固有的に安全な炉を得ることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を添付の図面を参考に詳細に説
明する。図1、図2および図3は本発明による核燃料チ
ャンネルの断面図であり、本発明の原子炉(Inherently
Safe and Simple Tube Reactor,ISSTER)の要部の核燃
料チャンネル、即ち、金属核燃料マトリックスを使用す
る核燃料チャンネル(図1)とジルカロイマトリックス
を使用する核燃料チャンネル(図2および図3)の断面
を示している。
【0010】図1に示された金属核燃料マトリックスを
使用する核燃料チャンネル1の場合、ジルコニウム合金
で作られる長い円形管の核燃料チャンネルチューブ2内
に数ミリメータの間隙をなして核燃料マトリックス4が
組み込まれている。チャンネルチューブ2と核燃料マト
リックス4の間の間隙3にはヘリウム(He)気体等を
充填させる。金属核燃料マトリックス4には冷却材孔5
が分布して形成され、ジルカロイからなる冷却材孔チュ
ーブ6が金属燃料と冷却材との直接触を防止している。
中心に位置する孔5Aには可燃性毒物質とか炉心計測装
置を挿入することができる。
【0011】図2および3に示されたジルカロイマトリ
ックスを利用する核燃料チャンネル10および20の場
合は減速材が核燃料チャンネル10の外側にだけ位置す
る円柱形(図2)と内側と外側の両側に位置する環状形
(図3)の二つの類型に大きく区分することができる。
まず、円柱形のジルカロイ(Zircaloy)核燃料マトリッ
クス14は数個の孔11A,11B,11Cを有し、一
部の孔11Aには核燃料(2酸化ウラン)を入れ、残り
の孔11B(冷却材孔)には冷却材(Coolant)が流れる
ように構成したものである。必要によっては炉心内計測
装置(In-CoreInstrumentation)または可燃性毒物質(B
urnable Poison)を挿入するための孔11Cを核燃料マ
トリックス14の中心部に置くことができる。この時、
核燃料チャンネルチューブ12と核燃料マトリックス1
4間に形成される間隙13にもヘリウム(He)気体等
が充填される。
【0012】図3に示された環状管形核燃料チャンネル
20の構成を説明すると、同心円の内側核燃料チューブ
22Aと外側核燃料チューブ22B間の空間に位置する
ジルカロイ核燃料マトリックス24に複数の孔25およ
び26を穴けて一部の孔25には核燃料(2酸化ウラ
ン)を入れ、残余の孔26には冷却材(Coolant)が流れ
るようになっている。また、ジルカロイ核燃料マトリッ
クス24と内・外側核燃料チューブ22A,22Bとの
間の間隙23にはヘリウム(He)気体等を充填する。
このような環状管形核燃料チャンネル20は減速材が内
側核燃料チューブ22Aの内部と外側核燃料チューブ2
2Bの外側に位置するようになる(図4で詳細に後述す
る)。
【0013】核燃料チャンネル1,10または20等は
図4に示されたように大きな円筒形の低圧原子炉容器4
0内に配列され減速材41に浸漬される。ここで、核燃
料チャンネル1,10または20の数は原子炉の出力に
よって変わる。核燃料チャンネル1,10または20の
配列は正方形配列(Square Array)が基本であるが、場
合によっては他の配列も可能である。原子炉容器40の
下部と上部には各々減速材入口ノズル42と出口ノズル
43が位置する。ここで、冷却材と減速材として3通り
の組合せ(D O冷却材−D O減速材、H O冷却材
−D O減速材、H O冷却材−H O減速材)が可能
である。原子炉の物理特性上から減速材としてはD O
を使用することが望ましいものと判断される。重水の使
用を増加する程反応度フィードバックがよく核燃料の濃
縮度を低め得る長所がある反面、重水処理のための補助
系が追加されねばならない。
【0014】本発明の原子炉を利用する原子力発電所の
核蒸気供給系(Nuclear Steam Supply System,NSSS)構
成図を図5に示した。即ち、1基の原子炉50と1基の
加圧器51、出力によって数が変わり得る冷却材回路で
核蒸気供給系が成り立つ。各冷却材回路は蒸気発生器5
2、冷却材ポンプ53および配管(高温管および低温
管)54で構成される。そして減速材の循環のための回
路55が原子炉50とその上部の減速材タンク56(格
納容器内に位置)との間に配設される。ここで、原子炉
50は水平に位置(水平に置かれた円筒形原子炉容器4
0内に核燃料チャンネル等1,10,20を水平に配
列)することもでき、垂直に位置(垂直に立てられた円
筒形原子炉容器40内に核燃料チャンネル等1,10,
20を垂直に立てて配列)することもできる。
【0015】本発明の原子炉で正常運転時に核分裂によ
って核燃料内で発生するエネルギーの大部分は熱伝導に
よって冷却材に伝達される。冷却材は蒸気発生器52で
水蒸気を発生し、この水蒸気がタービンを回し電気が生
産される。このためには冷却材が高い圧力にならねばな
らないが既存の加圧重水炉とか加圧軽水炉のような10
0気圧ないし155気圧が適当である。原子炉内での冷
却材圧力境界は金属核燃料マトリックスを使用する核燃
料チャンネル1(図1)の場合冷却材孔チューブ6(図
1)であり、ジルカロイマトリックスを使用する核燃料
チャンネル10,20の場合はジルカロイ核燃料マトリ
ックス14,24自体であるが、この亀裂とか破損に備
えて核燃料チャンネルチューブ12,22A,22Bも
冷却材圧力に対して設計される。この場合、一部のチャ
ンネル1,10,20で核燃料マトリックス4,14,
24の局部的な破損が生じたとしても原子炉停止なしに
継続運転することができる。反面、減速材の圧力は大気
圧またはこれよりやや高い低圧で維持する。
【0016】正常運転時の核分裂エネルギーの大部分は
冷却材によって冷却されるが、中性子が発生する大部分
のエネルギーとガンマ線エネルギーの相当の部分は減速
材に伝達される。各核燃料マトリックス4,14,24
とチャンネルチューブ2,12,22A,22B間の間
隙(Gap)3,13,23を通じても熱が減速材に伝達さ
れ得るが、その量は非常に少なく維持される。結果的
に、全体の核分裂エネルギーの約5%が減速材に伝達さ
れるが、これを適切に冷却させなければ沸騰(Boiling)
が起こり中性子に対する減速能力が急激に低下される。
【0017】したがって、本発明では独特な減速材循環
回路を採択することによって減速材タンク56にある低
温の減速材が原子炉の下部に注入され原子炉内で加熱さ
れて後、更に減速材タンク56に昇って直接混じるよう
になした。このような減速材の循環は減速材循環ポンプ
57によって維持され、原子炉内での減速材沸騰を防止
する。減速材タンク56内の減速材は別途の回路によっ
て減速材冷却熱交換器59で機器冷却水入口60から流
入され、機器冷却水出口61から流出される機器冷却水
によって冷却されるが、この点は既存のCANDU(Ca
nadian Deuterium Uranium)原子炉に於けると同一であ
る。
【0018】原子炉は何れの理由でも出力とか冷却材流
量が変わる過度状態とか冷却材が喪失される事故を受け
ることがある。この中で安全性の観点からもっとも極端
な事故は冷却材による冷却が全く不可能になる状態であ
る。したがって、本発明では冷却材が完全に喪失される
事故時でも特別な被駆動機器の作動なしに崩壊熱の冷却
がなされる設計を考案し、何れの場合でも重大事故が生
じないようにした。
【0019】冷却材の完全喪失事故時のISSTERの
対応は次のとおりである。まず、冷却材喪失事故が起こ
ると制御棒の挿入とか冷却材の非反応度係数(Negative
Reactivity Coefficient)によって原子炉が停止され、
原子炉出力が直ちに崩壊熱水準に低くなる。しかし、冷
却材による冷却がなされないので核燃料マトリックス
4,14,24の温度が漸次に上昇しながら減速材に伝
達される熱量が漸次増加する。ここで、核燃料で生成さ
れる崩壊熱は、金属核燃料マトリックス4(図1)また
はジルカロイ核燃料マトリックス14,24(図2およ
び図3)への熱伝導、核燃料マトリックス4,14,2
4とチャンネルチューブ2,12,22A,22Bの間
の熱輻射および熱伝導(He等充填気体による)、チャ
ンネルチューブ2,12,22A,22Bへの熱伝導、
チャンネルチューブ2,12,22A,22Bと減速材
間の対流熱伝達または沸騰熱伝達の順序で減速材に伝達
される。核燃料マトリックス4,14,24の温度は生
成される崩壊熱が減速材に伝達される熱量と平衡をなす
まで上昇し、その以後には崩壊熱の減少によって徐々に
下降するようになる。本発明の原子炉は核燃料マトリッ
クス4,14,24の温度が何れの所でも許容値を超過
しないように設計されている。
【0020】冷却材喪失事故時に減速材循環ポンプ57
が正常的に作動し減速材冷却熱交換器59を通じた冷却
が正常的になされる場合、正常運転時の減速材冷却と同
様に段状強制対流熱伝達によって減速材に伝達された崩
壊熱が冷却される。しかし、本発明では全てのポンプ5
3が作動を中止しても減速材の自然循環等によって崩壊
熱が安全に除去される。作動原理を次に説明する。
【0021】減速材循環ポンプ57が停止すると、減速
材循環容量が減少し、したがって、核燃料チャンネルチ
ューブ2,12,22A,22Bの壁面では核沸騰(Nu
cleate Boiling)が起こる。したがって原子炉上部へ抜
き出す減速材は蒸気と液体が混合された水蒸気であり、
この水蒸気は減速材タンク56でより低い温度の水と混
合されながら凝縮する。減速材出口43側と入口42側
の密度差は直ちに減速材循環回路55に2相の自然循環
(Two-Phase Natural Circulation)流動を形成する。時
間が経つのにしたがって崩壊熱は継続して減速材に伝達
されるが減速材冷却はなされないので減速材タンク56
の水は飽和状態(Saturated State)に達する。この時点
以降は原子炉の減速材の入口ノズル42には飽和状態の
水が入り込み、出口ノズル43には飽和状態の水‐蒸気
の混相流が出る自然循環が持続され、核燃料チャンネル
チューブ2,12,22A,22Bの壁面では減速材の
飽和沸騰が崩壊熱を除去する。
【0022】減速材が、一応、飽和状態に達して後、崩
壊熱によって継続して生成される蒸気は減速材系の圧力
を増加させる。したがって、減速材タンク56上部に安
全バルブ58等を設け、減速材圧力が一定の制限値に至
ると自然に開放され、水蒸気を格納容器内の大気(Cont
ainment Atmosphere)に放出するように設計した。これ
で崩壊熱が格納容器の大気に伝達され、格納容器の大気
は格納容器の被動冷却系によって冷却される。したがっ
て減速材タンク56の容量を崩壊熱が気化させ得る水の
量を基にして十分に大きく決定すると、1週間または3
日以上被駆動機器の作動とか運転員の介入なしに原子炉
は安全に冷却される。その以後には適当な経路で冷却水
を減速材タンク56に供給すると原子炉を安全に維持す
るための他の追加措置は必要としない。
【0023】本発明では冷却材と減速材を分離し、マト
リックス形状の核燃料チャンネルと独特な減速材システ
ムを採択することによって冷却材喪失事故に対する絶対
的な安全性を確保する。なお、冷却材と減速材の分離は
冷却材と減速材の同時喪失を防止し、減速材圧力を大気
圧水準に維持することができるようにする。低い減速材
システムの圧力は減速材側に挿入される制御棒装置の信
頼度を向上させ、その他の補助システムの設計を容易に
させる。核燃料チャンネル1,10,20での金属核燃
料またはジルカロイマトリックスは正常運転時に核分裂
エネルギーを冷却材に伝達する熱伝導体である。冷却材
喪失事故の場合、原子炉停止直後には崩壊熱を蓄積する
熱吸収体の役割をなし、その次には減速材への崩壊熱伝
達を促進させる熱伝導体の役割を行うことで核燃料チャ
ンネルの過度の温度上昇を防止する。そして、原子炉上
部の減速材タンク56と係わる減速材循環回路55およ
び減速材タンク56上部の安全バルブ58は事故後の崩
壊熱を格納容器の大気に直接伝達して格納容器の被動冷
却系によって冷却されるようにより、非常用の炉心冷却
装置を用いることなく、炉心の安全な冷却を可能にす
る。
【0024】
【発明の効果】本発明の固有安全水冷却チューブ原子炉
は従来の水冷却型原子炉で最も重要な設計となる“非常
用炉心冷却装置”を必要としない固有の安全性を有す
る。また、事故後の原子炉の安全性を熱伝導、熱輻射、
自然対流、圧力等被動的な自然原理にのみ依存して非常
時の冷却操作の失敗の可能性を除去できることにより、
従来の原子炉あるいは現在研究中の新型安全炉と比較す
ると、原子炉の安全性を大いに向上させることができ
る。
【0025】また、本発明の固有安全水冷却チューブ原
子炉では非常用炉心冷却装置が省略されることによって
原子炉システムが大幅に単純化される。システムの単純
化は、経済性向上に直結する。更に、原子炉および減速
材システム以外の設計は従来の軽水炉の設計技術をその
まま利用することによって早期の実用化が期待され、発
電所建設のための必要な立証実験が現在提案されている
新型安全炉等よりも一層簡単である。すなわち、本発明
の原子炉によれば、単一核燃料チャンネルに対する熱除
去能力と冷却材循環回路の適正作動の如何のみが重要な
立証対象項目になる。そして、実用化段階では多様な選
択および適用が可能になるが、すなわち、冷却材と減速
材の材質変化を初めとして諸種類の原子炉システムの設
計が可能であり、原子力発電所、地域暖房用原子炉、熱
併合発電用原子炉、研究用原子炉等諸用途への適用が可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による核燃料チャンネルの断面図。
【図2】本発明による核燃料チャンネルの断面図。
【図3】本発明による核燃料チャンネルの断面図。
【図4】原子炉容器内の核燃料チャンネル配列例示図。
【図5】本発明の原子炉を利用した原子力発電所の核蒸
気供給システム図。
【符号の説明】
1 核燃料チャンネル 2 核燃料チャンネルチューブ 3 間隙 4 金属核燃料マトリックス 5 冷却材孔 10 核燃料チャンネル 11B 冷却材孔 12 核燃料チャンネルチューブ 13 間隙 14 ジルカロイ核燃料マトリックス 20 核燃料チャンネル 22A 内側核燃料チャンネルチューブ 22B 外側核燃料チャンネルチューブ 23 間隙 24 ジルカロイ核燃料マトリックス 26 冷却材孔 40 原子炉容器 50 原子炉 51 加圧器 52 蒸気発生器 56 減速材タンク 58 安全バルブ 59 減速材冷却熱交換器

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジルコニウム合金の円筒形管からなる核燃
    料チャンネルチューブ(2)内に上記核燃料チャンネル
    チューブ(2)と所定の間隙(3)を維持する円柱形金
    属核燃料マトリックス(4)を位置させ、上記金属核燃
    料マトリックス(4)内に多数の冷却材用の孔(5およ
    び5A)を形成して冷却材が流れるように構成したこと
    を特徴とする核燃料チャンネル。
  2. 【請求項2】上記多数の冷却材孔(5)中の上記金属核
    燃料マトリックス(4)の中心部に形成された孔(5
    A)内には可燃性毒物質および炉心計測装置を挿入した
    ことを特徴とする請求項1記載の核燃料チャンネル。
  3. 【請求項3】上記間隙(3)内にはヘリウム(He)気
    体を充填させたことを特徴とする請求項1記載の核燃料
    チャンネル。
  4. 【請求項4】ジルコニウム合金の円筒形管に形成された
    核燃料チャンネルチューブ(12)内に上記核燃料チャ
    ンネルチューブ(12)と所定の間隙(13)を維持す
    るジルカロイ核燃料マトリックス(14)を位置させ、
    上記ジルカロイ核燃料マトリックス(14)には多数の
    孔(11A,11Bおよび11C)を形成して一部の孔
    (11A)には核燃料を入れ、一部孔(11B)は冷却
    材孔として利用するようにしたことを特徴とする核燃料
    チャンネル。
  5. 【請求項5】上記多数の孔(11A,11Bおよび11
    C)中の中心部に位置する孔(11C)には可燃性毒物
    質あるいは炉心計測装置を挿入するようにしたことを特
    徴とする請求項4記載の核燃料チャンネル。
  6. 【請求項6】同心円状に配置された内側核燃料チャンネ
    ルチューブ(22A)と外側核燃料チャンネルチューブ
    (22B)で区分して両核燃料チャンネルチューブ(2
    2A,22B)間の空間にジルカロイ核燃料マトリック
    ス(24)を位置させ、上記両核燃料チャンネルチュー
    ブ(22A,22B)と上記核燃料マトリックス(2
    4)との間に所定の間隙(23)を維持させ、 上記ジルカロイ核燃料マトリックス(24)には多数の
    孔(25,26)を形成して一部の孔(25)には核燃
    料を入れ、残余の冷却材孔(26)には冷却材が流れる
    ように構成したことを特徴とする請求項4記載の核燃料
    チャンネル。
  7. 【請求項7】上記各間隙(13または23)内にヘリウ
    ム(He)気体を充填させたことを特徴とする請求項4
    あるいは請求項6のいずれかに記載の核燃料チャンネ
    ル。
  8. 【請求項8】多数の核燃料チャンネルが減速材に浸漬さ
    れた状態で低圧原子炉容器(40)内に配列されている
    原子炉(50)と、 上記原子炉(50)上部に設けられ、減速材循環ポンプ
    (57)を有する減速材循環回路(55)によって上記
    原子炉(50)内の低圧原子炉容器(40)と連通して
    上記原子炉(50)内の減速材を循環するように構成さ
    れ、圧力によって自然的に開閉される少くとも一つの安
    全バルブ(58)を備えられた減速材タンク(56)
    と、 上記減速材タンク(56)と連通され、冷却水入口およ
    び出口(60および61)から冷却水を流入および流出
    させて冷却水で減速材を冷却する減速材冷却熱交換器
    (59)と、 原子炉冷却材ポンプ(53)を有する冷却材配管(5
    4)を通じて上記原子炉(50)に連結され、上記原子
    炉(50)で発生されたエネルギーで水蒸気を発生させ
    る少なくとも一つの蒸気発生器(52)と、 上記蒸気発生器(52)の1つと連結された高温配管に
    接続され上記蒸気発生器(52)に流入される冷却材を
    加圧する加圧器(51)とで構成されたことを特徴とす
    る固有安全水冷却チューブ原子炉。
  9. 【請求項9】上記核燃料チャンネルは、ジルコニウム合
    金円筒形管からなる核燃料チャンネルチューブ(2)内
    に上記核燃料チャンネルチューブ(2)と所定の間隙
    (3)を維持する円柱形の金属核燃料マトリックス
    (4)を配設し、上記金属核燃料マトリックス(4)に
    多数の円形の冷却材用の孔(5および5A)を形成して
    冷却材が流れるように構成したことを特徴とする請求項
    8記載の固有安全水冷却チューブ原子炉。
  10. 【請求項10】上記核燃料チャンネルは、ジルコニウム
    合金円筒形からなる核燃料チャンネルチューブ(12)
    内に上記核燃料チャンネルチューブ(12)と所定の間
    隙(13)を維持するジルカロイ核燃料マトリックス
    (14)を位置させ、上記ジルカロイ核燃料マトリック
    ス(14)内には多数の孔(11A,11Bおよび11
    C)を形成し、一部孔(11A)には核燃料を入れ、一
    部孔(11B)は冷却材孔として利用するようにしたこ
    とを特徴とする請求項8記載の固有安全水冷却チューブ
    原子炉。
  11. 【請求項11】上記核燃料チャンネルは、同心円状に配
    置された内側核燃料チャンネルチューブ(22A)と外
    側核燃料チャンネルチューブ(22B)で区分して両核
    燃料チャンネルチューブ(22A,22B)間の空間に
    ジルカロイ核燃料マトリックス(24)を位置させ、上
    記両核燃料チャンネルチューブ(22A,22B)と上
    記核燃料マトリックス(24)との間に所定の間隙(2
    3)を維持させ、 上記ジルカロイ核燃料マトリックス(24)には多数の
    孔(25,26)を形成して一部の孔(25)には核燃
    料を入れ、残余の孔(26)には冷却材が流れるように
    構成したことを特徴とする請求項8記載の固有安全水冷
    却チューブ原子炉。
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