JPH05281111A - 疲労試験機用アクチュエータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 疲労試験機用アクチュエータにおいて、高変
位領域にわたり、高精度の計測又は制御を容易に行うこ
とができ、変位計の保護も可能にする。 【構成】 大変位用差動変圧器式変位計２の下部がアク
チュエータピストン１０の内孔に、計測ロッド７の先端
部が小変位用差動変圧器式変位計４の内孔に挿入されて
いる。ハンドル９の操作により、計測又は制御の対象が
大変位の場合は、連結アーム８と計測ロッド７との接触
を切り離し、小変位の場合は、アクチュエータピストン
１０と連結アーム８、及び連結アーム８と計測ロッド７
とを接触させて、アクチュエータピストン１０の変位量
を計測ロッド７に伝達させ、万一、大変位が発生したと
きは、連結アーム８と計測ロッド７との接触部が滑るよ
うにしてある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、疲労試験機用アクチュ
エータに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、疲労試験機用アクチュエータにお
ける、アクチュエータピストンの変位量を計測又は制御
する場合は、大変位用変位計又は小変位用変位計のどち
らかを用いるか、大変位用変位計と小変位用変位計とを
共用するか、又は、その都度、変位量の大きさに適合す
る変位計及びその変位計用のアンプを選定していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、変位計が１個
の場合は、大きい変位量と小さい変位量のうち、どちら
かが高精度の計測又は制御を保持できるように設計され
るか、又は高精度は保持できなくとも、どちらにも使用
できるように設計されていた。

【０００４】したがって、大きい変位量と小さい変位量
のうち、どちらかの計測又は制御の精度が、かなり不正
確であったり、大きい変位量と小さな変位量との各場合
とも不正確であったり、更に変位量の計測値を基にして
行われる制御も、良好な精度を得られなかったりしてい
た。

【０００５】また、変位計を２個用いる場合でも、小変
位用変位計の着脱が困難であったり、小変位用変位計に
保護機能を備えないままで、不用意に大きい変位量を加
えて、小変位用変位計が破損してしまう危険性があっ
た。

【０００６】本発明の目的は、疲労試験機用アクチュエ
ータにおける、アクチュエータピストンの変位量を計測
又は制御する場合において、小変位用変位計の破損の危
険性をなくし、変位量の大きさに関係なく、高精度で計
測又は制御を行うことを可能にすることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的は、次のように
して達成することができる。

【０００８】アクチュエータピストンが稼動する場合、
アクチュエータピストンの変位量を計測又は制御する、
大変位用変位計と小変位用変位計とを配設してある疲労
試験機用アクチュエータにおいて、変位量を計測又は制
御する場合、小変位用変位計について、変位量を計測又
は制御する状態に装着、及び変位量を計測又は制御する
状態から離脱するための操作ハンドルを有しており、変
位量が小さいときは、小変位用変位計が装着された状態
にあり、変位量が大きいときは、小変位用変位計が離脱
された状態にあって、アクチュエータピストンが稼動す
ること。

【０００９】

【作用】本発明によれば、アクチュエータピストンの変
位量のうち、小さい変位量を計測又は制御する場合は、
ハンドル操作のみで、小変位用変位計を装着できるの
で、小さい変位量を、容易に高精度で計測又は制御する
ことができる。

【００１０】また、大きい変位量を計測又は制御する場
合は、ハンドル操作のみで、小変位用変位計を、容易に
離脱して置くことができるので、小変位用変位計が破損
することがなく、大変位用変位計により、高精度で計測
又は制御することができる。

【００１１】

【実施例】本発明の一実施例を図１〜図５を用いて説明
する。図１は一実施例のアクチュエータ部の正面図、図
２は図１のＡ−Ａ断面図、図３は図２の計測ロッドを回
したときの説明図、図４は図１のＢ−Ｂ断面図、図５は
図４の計測ロッドを回したときの説明図であり、１はア
クチュエータ、２は大変位用差動変圧器式変位計、３は
ガイドブッシュ、４は小変位用差動変圧器式変位計、５
は支持棒、６は支持板、７は計測ロッド、８は連結アー
ム、９はハンドル、１０はアクチュエータピストン、１
１は固着部、１２はスリット、１３は螺子、１４はピン
を示している。

【００１２】図１において、大変位用差動変圧器式変位
計２は支持板６に固定されており、大変位用差動変圧器
式変位計２の下半分は、上下運動をするアクチュエータ
ピストン１０の内孔部に挿入されている。このような状
態において、アクチュエータピストン１０が上下運動す
るときの変位量のうち、大きい変位量の計測又は制御
を、大変位用差動変圧器式変位計２により行っている。

【００１３】一方、小変位用差動変圧器式変位計４は、
小変位用差動変圧器式変位計４の脚をガイドブッシュ３
の上面に固着することによって、ガイドブッシュ３に固
定されてある。また、ガイドブッシュ３は支持板６に固
定されており、更に支持板６はアクチュエータ１に対し
て立設している支持棒５に固定されている。

【００１４】小変位用差動変圧器式変位計４の内孔部に
は、計測ロッド７の先端部分が挿入されており、計測ロ
ッド７における先端部分以外の部分は、先端部分に比べ
て断面積が大きく、このうち、上部はガイドブッシュ３
の内孔部に位置しており、矩形状の断面を呈している。
計測ロッド７の下部は支持板６の内孔部、及び連結アー
ム８に設けてある２個の角状の突起物の間を通り、連結
アーム８よりも下方に達している。

【００１５】ガイドブッシュ３における円筒状の中央部
分で、かつ中心角が９０度よりも少し大きい角度に当る
領域に、水平方向のスリット１２を設けており、かつス
リット１２の一端部には縦方向のスリットを設けてあ
る。

【００１６】図１は、スリット１２の水平方向のスリッ
ト部分に、ガイドブッシュ３の半径方向に、ハンドル９
のアームが挿入されている状態を示している。ハンドル
９のアームのガイドブッシュ３の軸中心に近い側の端部
は、計測ロッド７に固着されている。

【００１７】図２は、図１のＡ−Ａ断面図であり、計測
ロッド７はピン１４を介してガイドブッシュ３に固定さ
れてあり、この場合は、小変位用差動変圧器式変位計４
は変位量の計測又は制御に関与しない。すなわち、この
場合は、大きい変位量を、大変位用差動変圧器式変位計
２により計測又は制御をしているときであり、小変位用
差動変圧器式変位計４は、振動などによる被害を受けな
いように、計測ロッド７が固定されている。

【００１８】図３は、図２において、ハンドル９の操作
により、計測ロッド７を回した状態を示しており、この
場合は、計測ロッド７はピン１４による拘束から解除さ
れている。

【００１９】図４は、図１のＢ−Ｂの断面図であり、ハ
ンドル９の部分は図２の状態にある場合である。連結ア
ーム８は、内孔と２個の角状の突起物を有しており、ま
たアクチュエータピストン１０に対して、内孔の周面が
アクチュエータピストン１０の外周面を取り巻くように
なっている。

【００２０】連結アーム８における、２個の角状の突起
物の先端部には螺子１３を取り付けてある。また、２個
の角状の突起物には固着部１１を有し、２個の角状の突
起物間に計測ロッド７の下部を挿入してある。図４の場
合は、計測ロッド７が２個の角状の突起物に接触してい
ない状態を示している。

【００２１】すなわち、図２及び図４は、大きい変位量
を計測又は制御しているときの各要部を示しており、こ
の場合は、アクチュエータピストン１０の変位が大きい
ので、小変位用差動変圧器式変位計４は、変位量の計測
又は制御に関与しない状態にある。

【００２２】図５は、図４において、図２に示すハンド
ル９を図３のように操作して、計測ロッド７を回したと
きの状態を示している。この場合は、計測ロッド７が固
着部１１に接触し、計測ロッド７は連結アーム８に固着
される。

【００２３】また、計測ロッド７が固着部１１に接触し
た場合、連結アーム８の２本の角状の突起物間の間隔が
広げられる。しかし、２個の角状の突起物の先端部の間
隔が螺子１３により固定されていることから、連結アー
ム８は内孔の周面が縮小して、アクチュエータピストン
１０の外周面と強く接触し、アクチュエータピストン１
０に固定された状態となる。

【００２４】すなわち、この場合は、計測ロッド７は連
結アーム８を介してアクチュエータピストン１０に固定
された状態となり、更に、図３に示すように、計測ロッ
ド７はピン１４による拘束から解除される。

【００２５】したがって、アクチュエータピストン１０
の変位量が計測ロッド７に伝達され、小変位用差動変圧
器式変位計４により、アクチュエータピストン１０の変
位量の計測又は制御を行うことができる。なお、小変位
用差動変圧器式変位計４による変位量の計測又は制御
は、変位量が小さいときに限り実施される。

【００２６】また、ハンドル９のアームにおける縦方向
の可動範囲は、ガイドブッシュ３に設けられたスリット
１２の縦方向のスリット部分の長さに左右されるが、こ
の長さは小変位用差動変圧器式変位計４の計測可能範囲
内となるように設定してある。

【００２７】固着部１１と計測ロッド７との接触の強さ
は、螺子１３による締め付け具合により調節され、計測
ロッド７の変位量が小変位用差動変圧器式変位計４の許
容変位量を越えて動作する場合は、ハンドル９のアーム
がスリット１２の縦方向のスリット部分の上端部に衝突
するようにするとともに、このような大きな変位が発生
した場合は、固着部１１と計測ロッド７との接触部が滑
るように、螺子１３による締め付け具合を事前に調節し
て置き、小変位用差動変圧器式変位計４の破損を防止し
ている。

【００２８】

【発明の効果】疲労試験機用アクチュエータにおいて、
小変位から大変位までの広い変位領域にわたる変位量に
ついて、高精度の計測又は制御を容易に行うことがで
き、変位計の保護も可能にしている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の正面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図。

【図３】図２の計測ロッドを回したときの説明図であ
る。

【図４】図１のＢ−Ｂ断面図。

【図５】図４の計測ロッドを回したときの説明図であ
る。

【符号の説明】

１…アクチュエータ、２…大変位用差動変圧器式変位
計、４…小変位計用差動変圧器式変位計、９…ハンド
ル。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アクチュエータピストンが稼動する場
   合、前記アクチュエータピストンの変位量を計測又は制
   御する、大変位用変位計と小変位用変位計とを配設して
   ある疲労試験機用アクチュエータにおいて、前記変位量
   を計測又は制御する場合、前記小変位用変位計につい
   て、前記変位量を計測又は制御する状態に装着、及び前
   記変位量を計測又は制御する状態から離脱するための操
   作ハンドルを有しており、前記変位量が小さいときは、
   前記小変位用変位計が装着された状態にあり、前記変位
   量が大きいときは、前記小変位用変位計が離脱された状
   態にあって、前記アクチュエータピストンが稼動する疲
   労試験機用アクチュエータ。