JPH05279659A - ランキンサイクル用作動流体 - Google Patents

ランキンサイクル用作動流体

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JPH05279659A
JPH05279659A JP4077639A JP7763992A JPH05279659A JP H05279659 A JPH05279659 A JP H05279659A JP 4077639 A JP4077639 A JP 4077639A JP 7763992 A JP7763992 A JP 7763992A JP H05279659 A JPH05279659 A JP H05279659A
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JP
Japan
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working fluid
rankine cycle
hfc245eb
medium
hfc236ea
Prior art date
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JP4077639A
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English (en)
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Yukio Omure
幸雄 大牟礼
Masahiro Noguchi
真裕 野口
Katsuki Fujiwara
克樹 藤原
Hiroshi Momota
博史 百田
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高温熱源に対する安定性に優れたランキンサイ
クル用作動流体を提供することをおもな目的とする。 【構成】式CF3 CHFCHn 3-n (但し、nは1ま
たは2である)で表わされるフルオロプロパンの少なく
とも1種からなるランキンサイクル用作動流体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ランキンサイクル用の
作動流体に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】ランキンサイクルにおいては、
熱エネルギーを用いて液状媒体(作動流体)を加熱蒸発
させ、膨脹装置内で膨脹させることにより、機械エネル
ギーを得た後、該媒体を凝縮させ、ポンプにより加圧し
て液状媒体とするサイクルを繰り返して、熱エネルギー
を機械エネルギーに変換している。従来、ランキンサイ
クル用の作動流体としては、フルオロ炭化水素、これら
の共沸組成物ならびにその近辺の組成の組成物が知られ
ており、その一つに2,2−ジクロロ−1,1,1−ト
リフルオロエタン(フロン−123)がある。しかしな
がら、フロン123は、高温熱源(たとえば、140〜
200℃程度)に対して安定性に欠けているという問題
点がある。
【0003】また、特開平2−272086号公報は、
水素含有ハロゲン化炭化水素からなる広義の作動媒体組
成物を開示しており、極めて多種類の水素含有ハロゲン
化炭化水素が挙げられている。しかしながら、該公報に
おいて、具体的に使用例が示されているのは、冷凍サイ
クルのみであって、ランキンサイクルについては、何も
教えていない。即ち、冷凍サイクルは、熱交換器での冷
媒の蒸発時および凝縮時の熱量を冷房(或いは冷凍)お
よび暖房に利用しているので、冷媒の適性は、蒸発潜熱
の大小および圧縮機入口における蒸気比容積により決定
される。これに対し、ランキンサイクルでは、高温熱源
により高圧蒸気となった媒体が膨脹機を介して低圧蒸気
となる時の断熱落差により決定される。従って、冷凍サ
イクルにおける知見が、そのままランキンサイクルに適
用できるものではないし、逆にランキンサイクルにおけ
る知見が、そのまま冷凍サイクルに適用できるものでも
ない。このことは、例えば、ランキンサイクル用媒体と
して最も一般的なものは、火力発電所などで使用される
水であるが、水は蒸気圧縮式の冷凍サイクル用冷媒とし
ては使用できないことからも、明らかである。従って、
特開平2−272086号公報の開示からは、ランキン
サイクル用作動流体として何が好適であるかを知ること
はできない。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、高温熱源に対する安定性に優れたランキンサイクル
用作動流体を提供することを主な目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、高温熱源に
対する安定性に優れたランキンサイクル用作動流体をを
得るべく種々研究を重ねた結果、特定の2種のフルオロ
プロパンが、高温での安定性に優れ、且つ高温熱源を使
用するランキンサイクルにおいて送電端出力を高めるこ
とができることを見出した。
【0006】すなわち、本発明は、式CF3 CHFCH
n 3-n (但し、nは1または2である)で表わされる
フルオロプロパンの少なくとも1種からなるランキンサ
イクル用作動流体を提供するものである。
【0007】本発明作動流体は、上記の式において、n
=1の場合には、1,1,2,3,3,3−ヘキサフル
オロプロパン(HFC236ea)であり、n=2の場
合には、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン
(HFC245eb)である。
【0008】本発明による作動流体は、熱エネルギーを
機械エネルギーに変換し得る任意の形式のランキンサイ
クルにおいて使用可能である。以下、図面を参照しつ
つ、フルオロプロパンを作動流体とするランキンサイク
ルの一例を説明する。
【0009】図1は、熱エネルギーを機械エネルギーに
変換するためのランキンサイクル系統図の一例であり、
熱交換器である蒸気発生装置(4)で、例えば熱水によ
り加熱された作動流体は、蒸発し、高温高圧の蒸気とな
る。この作動流体蒸気は、次いで膨脹装置(1)に入
り、断熱膨脹を行ない、温度および圧力が低下して、仕
事を行なう。膨脹装置(1)内で仕事を行なって低温低
圧となった作動流体は、熱交換器である凝縮装置(2)
に入り、例えば、冷水により冷却され、凝縮液化する。
この液化した作動流体は、ポンプ(3)に入り、昇圧さ
れて再び蒸気発生装置(4)に入り、前述の様なサイク
ルが繰り返される。
【0010】上記のランキンサイクル用に使用される膨
脹装置としては、回転式または往復式の容積型膨脹機、
タービン型膨脹機などが使用可能であり、蒸気発生装置
としては、水蒸気の発生に使用されるボイラーと同じ形
式のものが使用可能であり、また凝縮装置としては冷凍
装置に使用されている形式のものが使用可能である。ポ
ンプとしては、化学装置に一般に使用されている有機溶
媒の加圧送給ポンプが使用可能である。
【0011】本発明で使用するHFC236eaおよび
HFC245ebは、100〜200℃程度の熱源に対
して適度な蒸気圧および臨界点を有しており、単位熱量
当たりの機械エネルギーへの変換率および熱源の回収率
が高く、作動流体として優れた特性を有している。
【0012】本発明による作動流体は、地熱、廃熱など
の任意の熱源を使用するランキンサイクルにおいて使用
可能であるが、地球温暖化の懸念のない自然エネルギー
の利用に有用である。特に、地熱は、世界中の多くの地
域の地下に100〜200℃程度の熱水として蓄えられ
ていることが多いので、本発明の作動流体は、この様な
地下熱源の利用に極めて有利である。
【0013】
【発明の効果】本発明は、従来実質的に存在しなかった
100〜200℃という高温熱源に対処し得る新たなラ
ンキンサイクル用作動流体を提供するものである。即
ち、本発明によるランキンサイクル用作動流体は、公知
の作動流体であるフロン−123に比して、高温での熱
安定性および出力特性に優れている。
【0014】また、現在大きな国際的な問題となってい
るオゾン層の破壊についても、その危険性はない。
【0015】
【実施例】以下に実施例、比較例及び試験例を示し、本
発明の特徴とするところをより一層明らかにする。
【0016】実施例1 HFC236eaおよびHFC245ebをそれぞれ使
用して、図1に示すランキンサイクルを熱水温度100
℃、120℃、140℃、160℃、180℃および2
00℃で運転した。その結果をそれぞれ表1乃至表6に
順次示す。なお、運転条件は、以下の通りであった。
【0017】1.熱水条件 上記の各温度(100℃、120℃、140℃、160
℃、180℃、200℃)において、1500トン/hr。
【0018】2.冷却水温度 入口温度:14.5℃ 出口温度:26.0℃ 3.熱交換器条件 蒸発器ピンチ温度:3℃ 凝縮器ピンチ温度:3℃ 表 1 HFC236ea HFC245eb 発電端出力(KW) 4241 4312 送電端出力(KW) 3027 3212 媒体循環量(ton/hr) 1042 863 媒体ポンプ動力(KW) 320 206 冷却水ポンプ動力(KW) 508 506 断熱落差(kcal/kg ) 3.61 4.45 表 2 HFC236ea HFC245eb 発電端出力(KW) 8359 8181 送電端出力(KW) 6348 6402 媒体循環量(ton/hr) 1564 1338 媒体ポンプ動力(KW) 643 373 冷却水ポンプ動力(KW) 760 784 断熱落差(kcal/kg ) 4.73 5.42 表 3 HFC236ea HFC245eb 発電端出力(KW) 14190 13330 送電端出力(KW) 11027 10728 媒体循環量(ton/hr) 2199 1858 媒体ポンプ動力(KW) 1211 612 冷却水ポンプ動力(KW) 1066 1094 断熱落差(kcal/kg ) 5.70 6.34 表 4 HFC236ea HFC245eb 発電端出力(KW) 21979 19775 送電端出力(KW) 16971 16273 媒体循環量(ton/hr) 2977 2289 媒体ポンプ動力(KW) 2395 976 冷却水ポンプ動力(KW) 1410 1372 断熱落差(kcal/kg ) 6.51 7.62 表 5 HFC236ea HFC245eb 発電端出力(KW) 27041 28431 送電端出力(KW) 20904 23661 媒体循環量(ton/hr) 3660 2744 媒体ポンプ動力(KW) 2928 1645 冷却水ポンプ動力(KW) 1732 1676 断熱落差(kcal/kg ) 6.52 9.14 表 6 HFC236ea HFC245eb 発電端出力(KW) 32196 39172 送電端出力(KW) 24991 32121 媒体循環量(ton/hr) 4355 3350 媒体ポンプ動力(KW) 3468 3283 冷却水ポンプ動力(KW) 2058 1992 断熱落差(kcal/kg ) 6.52 10.31 また、図2は、熱水温度と送電端出力との関係を示すグ
ラフである。
【0019】表1乃至表6および図2に示す結果から、
160℃以下では、HFC236eaが、またそれ以上
の高温では、HFC245ebが優れた特性を有してい
ることが明らかである。
【0020】比較例1 本発明化合物の1つである245ebの異性体としてC
3 CF2 CH3(HFC245cb)を選び、作動流
体として使用する以外は実施例1と同様にしてランキン
サイクルを運転した。各温度における結果を表7および
表8に示す。
【0021】 表 7 100℃ 120℃ 140℃ 発電端出力(KW) 4447 9486 13371 送電端出力(KW) 2942 6464 9153 媒体循環量(ton/hr) 1192 1999 2810 媒体ポンプ動力(KW) 612 1558 2169 冷却水ポンプ動力(KW) 505 810 1129 断熱落差(kcal/kg ) 3.32 4.21 4.21 表 8 160℃ 180℃ 200℃ 発電端出力(KW) 17299 21290 25353 送電端出力(KW) 11872 14633 17434 媒体循環量(ton/hr) 3629 4461 5308 媒体ポンプ動力(KW) 2783 3406 4053 冷却水ポンプ動力(KW) 1456 1788 2126 断熱落差(kcal/kg ) 4.21 4.21 4.21 また、図2にHFC245cbを使用する場合の熱水温
度と送電端出力との関係を併せて示す。
【0022】表7および8ならびに図2に示す結果から
明らかな様に、HFC245cbを使用する場合には、
HFC236eaまたはHFC245ebを使用する場
合に比して、送電端出力が低い。
【0023】ところで特開平2−272086号公報の
実施例には、HFC245ebおよびその異性体である
HFC245cbの冷凍サイクルの結果が記載され、例
えばHFC245cbはHFC245ebの6倍強の冷
凍能力を有する旨記載されている。
【0024】これに対し、上記実施例1および比較例1
によれば、ランキンサイクル用作動流体としての送電端
出力特性は、少なくとも前記冷凍能力の傾向とは関係な
く、むしろ逆の傾向にあり、予想外の結果であるといえ
る。
【0025】試験例1 HFC236ea2gまたはHFC245eb2gにタ
ービン油2gを加えた2種の混合物に鋼片(2mm×5mm
×50mm)を浸漬し、加熱下にシールドチューブ法によ
り、両フロンの熱安定性を調べた。
【0026】加熱後のハロゲン濃度および分解生成物の
濃度で示される結果は、下記表9にに示す通りである。
加熱条件は、130℃×1ケ月(試験A)および150
℃×1ケ月(試験B)とした。
【0027】 表 9 ハロゲン濃度(ppm ) 分解生成物(%) 試験A: HFC236ea 1以下 0.01以下 HFC245eb 1以下 0.01以下 試験B: HFC236ea 1以下 0.01以下 HFC245eb 1以下 0.01以下 本発明による作動流体は、高温における熱安定性に優れ
ていることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ランキンサイクルの一例を示す概念図である。
【図2】高温熱源を使用するランキンサイクルにおける
本発明作動流体の優れた特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1…膨脹装置 2…凝縮装置 3…ポンプ 4…蒸気発生装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 克樹 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 百田 博史 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式CF3 CHFCHn 3-n (但し、nは
    1または2である)で表わされるフルオロプロパンの少
    なくとも1種からなるランキンサイクル用作動流体。
JP4077639A 1992-03-31 1992-03-31 ランキンサイクル用作動流体 Pending JPH05279659A (ja)

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