JPH05277319A - 改善されたフィルター素子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数本のフィルターチューブが側周面を相接
して配列され、かつ両端板間にわたって延びている各フ
ィルターチューブの両端部が、両端板に固定されてお
り、両端板の少くとも一方に各フィルターチューブと嵌
合する開口が穿設されている構成体を有するフィルター
素子をさらに改善すること。 【構成】 複数本のフィルターチューブが側周面を相接
して配列され、かつ両端板間にわたって延びている各フ
ィルターチューブの両端部が、両端板に固定されてお
り、両端板の少くとも一方に各フィルターチューブと嵌
合する開口が穿設されている構成体を有するフィルター
素子において、側周面を相接して配列された上記フィル
ターチューブ構成体を無端状に配列して、濾過されるべ
き物質を帯同する流路中に内面および外面を有するフィ
ルタースリーブを形成することを特徴とするフィルター
素子。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】本発明は改善されたフィルター素子、こと
に空気もしくは流体から汚染物を分離するためのフィル
ター素子に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】西独特許出願公開３８２４６２２号公報
により、複数本のフィルターチューブが周側面を相接し
て配列され、かつ間隔を置いて平行に設けられた両端板
間にわたって延びている各フィルターチューブの両端部
が密封状態で各端板に固定されており、上方端板に各フ
ィルターチューブと係合するための開口が穿設され、か
つフィルターチューブがフィルター媒体、例えば透過性
の紙、布などの材料で構成されているフィルター素子は
公知である。

【０００３】このフィルター素子では、フィルターチュ
ーブ内部と汚染された大気との間の圧力差により、この
空気がフィルター内に引込まれる。フィルター媒体は、
汚染物、例えば大気中の粉塵がこれを貫通しないように
除去する作用を有する。粉塵が除去された空気はフィル
ターチューブ内に引込まれる。

【０００４】フィルター装置における重要な要件は、最
少限度の容積で最大限の濾過面をもたらすことであり、
本発明は上述の公開３８２４６２２号公報により提案さ
れた構造がその当時の従来技術に対してこの点に関する
利点を有することを評価しつつ、さらに改善することが
望ましくかつ可能であることを前提とする。

【０００５】

【発明の要約】本発明は複数本のフィルターチューブが
側周面を相接して配列され、かつ両端板間にわたって延
びている各フィルターチューブの両端部が、両端板に固
定されており、両端板の少くとも一方に各フィルターチ
ューブと嵌合する開口が穿設されている構成体を有する
フィルター素子において、側周面を相接して配列された
上記フィルターチューブ構成体を無端状に配列して、濾
過されるべき物質を帯同する流路中に内面および外面を
有するフィルタースリーブを形成することを特徴とする
フィルター素子。

【０００６】本発明の好ましい特徴によれば、このよう
なフィルター素子の複数個を共軸的に重ね合わせ、複数
個の素子の各チューブが一貫した流路を形成するよう
に、各素子の各チューブと接続する開口がこの端板に形
成される。

【０００７】さらに他の好ましい特徴によれば、側周面
を相接して配列されるフィルターチューブ構成体は、ア
コーディオン形状に構成されたフィルター媒体を有し、
同じくアコーディオン形状に構成されていることが好ま
しい第２のフィルター媒体シートと結合されて、その間
に周側面を接して配列された流路を形成する。

【０００８】またさらに他の好ましい特徴によれば、側
周面を相接して配列されるフィルターチューブ構成体
は、類似するアコーディオン形状の２枚のフィルター媒
体シートを有し、その一方のシートが折曲ひだの半ピッ
チを他方シートに対してずらされており、これにより上
記一方のシートのひだ頂部が他方シートのひだ樋溝と衝
合せしめられ、両シートがこのずれた状態で相互に結合
固定される。

【０００９】以下に本発明を添付図面に関連してさらに
詳細かつ具体的に説明する。

【００１０】図面を参照しつつ説明すると、塵埃などの
フィルター集合体１１は、複数個のフィルター素子ない
し単位体１２から成り、各単位体はスリーブ状を成し、
この単位体ないしスリーブはそれぞれ協働作用し得るコ
ネクタ１３、１４により同軸的密封状態に配列されてい
る。各単位体の環状壁１５は二重アコーディオン形状を
なし、共通軸１７に関して同心状の１群の流路１６をも
たらす。

【００１１】図示実施例において素子ないし単位体１２
の数は３個で、それぞれのスリーブ壁１５は、１０本の
流路１６を有し、各流路は斜方形横断面を有する。スリ
ーブの内径１８および外径１９はそれぞれ５５ｍｍおよ
び１１０ｍｍであり、各流路１６の側壁はほぼ２０ｍｍ
幅であって、各単位体１２はほぼ１５０ｍｍの軸方向長
さを有する。

【００１２】各単位体のスリーブ状壁を構成するフィル
ター材料は、濾過の目的で現在使用されている種類の補
強ニードル突刺処理されたフェルトであるのが好まし
く、フィルター集合体の使用される特定の状況に適する
透過性を有するべきである。しかしながら、さらに他の
材料、例えば低融点繊維を含有し、加熱により透過性シ
ートとなるような樹脂含浸処理した梳整ウエブから成る
強化非織布なども使用され得る。

【００１３】図３に示される上方および中間単位の下方
端部に設けられるコネクタ１３は、それぞれ各流路１６
を構成するフィルターチューブと嵌合する開口２３（図
３および５）を有する環状ディスク２２を具備する。こ
のディスク２２の内周縁および外周縁には軸方向フラン
ジ２４、２５が設けられており、その間の条溝には単位
体環状壁１５の下方端部が配置される。環状壁１５の下
方縁辺２６は接着剤によりコネクタ１３の環状面２７に
固定される。コネクタ１３の下面は、後に詳述される目
的のため、その外周面において階段状に構成される。

【００１４】中間および下方単位の上方端部に設けられ
るコネクタ１４は、同様に環状に形成され、流路１６と
軸方向において連通する孔隙２３が穿設されている。そ
の軸方向フランジ２４、２５が環状ディスク２２の内周
縁および外周縁に設けられ、これにより単位体環状壁１
５の上方縁辺２８と嵌合するようにディスク下面に条溝
を形成する。環状壁１５は接着剤によりこのディスクの
表面に固定される。各コネクタ１４の上面には周面フラ
ンジ３１が設けられ、上記コネクタ１３下方の階段状周
面と係合する着座部を形成する。

【００１５】上方単位体上方端部は、垂直方向フランジ
を有する頂部円形板体３２を支承して環状壁１５の頂部
と係合する条溝を形成し、また下方単位体の下方端部は
環状底部板体３３から直立する半径方向に間隔を置いた
フランジ（図示せず）の間に係合する。各単位体のアコ
ーディオン状折曲壁面は頂部および底部板体に固定され
る。コネクタ１３、１４と同様に、頂部板体には流路１
６と係合する透孔が形成されるが、底部板体３３にはこ
のような開口ないし透孔は設けられない。頂部板体３２
は半径方向において外方フランジを越えて外方に延びて
おり、フィルター集合体を支承するケーシング３５と係
合するための突出部３４を形成する。フィルター集合体
１１とケーシング３５の間には密封手段３６が設けられ
る。必要に応じ協働すべきコネクタ１３、１４の間にも
適当な密封手段が設けられる。

【００１６】ことに図４を参照して本発明フィルター素
子の使用法を説明すると、フィルター集合体が置かれて
いる汚染大気から、フィルター流路と濾過されるべき汚
染大気との間に存在する圧力差により、空気が最上方単
位体からその下方に在る単位体まで軸方向において斉合
している流路中に流入せしめられる。この流路中におけ
る比較的低い圧力により、環状壁１６の半径方向内平面
および半径方向外方面を経て汚染大気を流路中に引入
れ、汚染物質を壁面で濾過し、浄化された空気が半径方
向において流路中に、軸線方向において上方に流れる。

【００１７】濾過媒体を簡単に浄化するため（第５
図）、高圧空気ジェットノズル３７が各流路ないしフィ
ルターチューブの上方端部に設けられ、同時的または部
分的に衝撃波をもたらし、それぞれの流路を降下し、蛇
行効果ないし波動効果によりフィルター媒体から汚染物
質集塊を剥離し、図示されていない適当な収塵室中に給
送する。周面対周面接触状態で結束されたフィルターチ
ューブの固有の強度、ことにチューブ相互支承により、
濾過作業の間に、例えばチューブに及ぼされる圧力に対
し、圧潰されないように対抗できる。

【００１８】図示されていないが、さらに他の実施態様
においては、周知のベンチュリーパルスジェット装置を
単位体上方に設け、圧搾空気のパルスジェットをフィル
ターチューブ結束体内の環状間隙中に向けて作用させフ
ィルター媒体表面から汚染物質塊体を剥離させることも
できる。濾過処理を行なっている間に、環状スリーブ状
フィルターの内方に向けてスペースを空けておくために
必要な任意の処置をとり得る点が有利である。

【００１９】本発明は図示した実施態様の細部にまで限
定されるべきものではなく、特許請求の範囲で規制され
た技術的範囲内において各種各様の改変が可能である。

【００２０】例えば斜方形状横断面のフィルターチュー
ブ、従って流路を使用するのが好ましいと判断された場
合にはフィルター媒体の２枚のアコーディオン状折曲シ
ートを直接背面対背面接触するように結合して異なる横
断面形状をもたらすことができる。例えばアコーディオ
ン状シートをずらせて結合して長斜方形状流路を、ある
いは円筒形状スリーブないしフィルター媒体をアコーデ
ィオン形状と組合わせることもできる。

【００２１】また本発明は図示された横断面円形のスリ
ーブに限定されるものではなく、他の横断面形状でも差
支えない。例えば周面対周面接触フィルターチューブ構
成体は、正方形その他の形状の横断面のスリーブを形成
することができる。

【００２２】単位体は前述した寸法と全く相違する寸法
に形成されることができ、例えば１０００ｍｍ以上の長
さに構成することもできるが、一般的にこの軸方向寸法
は５００ｍｍから６００ｍｍの範囲になされる。この単
位体の長さおよび横方向寸法はもちろんフィルターの使
用目的に適合するように選定される。

【００２３】前述したように好ましいフィルター材料は
補強ニードル突刺処理されたフェルトであるが、場合に
より例えば非繊維性の透過性プラスチックも使用され得
る。フィルター材料チューブ端部を各コネクタに装着固
定する好ましい方法は接着剤であるが、他の密封手段も
もちろん使用可能である。

【００２４】コネクタ手段も図示説明されたものと相違
することができ、単位体の一方端部においてのみコネク
タを設け、環状壁の自由端を受領してこれと密封係合し
得るコネクタであれば、どのような構造のものでも差支
えない。

【００２５】上述したところから理解されるように、こ
こで提案される単位体の概念は、損傷あるいは摩耗した
フィルター素子を必要に応じ交換することを容易ならし
めるためである。

【００２６】なお、ここで提案される構造は慣用の集塵
装置の既存のフィルターの代りに使用され得ることはも
ちろんである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるフィルタースリーブの正面図

【図２】図１中のＩＩ−ＩＩ線による断面図

【図３】フィルター単位を連結する態様を示す、図１中
のＩＩＩ−ＩＩＩ線による断面図

【図４】塵埃を帯同する空気のフィルタースリーブへの
近接態様を示す略図的斜視図

【図５】塵埃をフィルター媒体から除去する手段を示す
概念図

【符号の説明】

１１…フィルター集合体 １２…フィルター素子 １３…コネクタ １４…コネクタ １５…（フィルター素子の）環状壁 １６…流路 １８…スリーブ内径 １９…スリーブ外径 ２２…環状ディスク ２３…孔隙（流路１６と連通） ２４…フランジ ２５…フランジ ２６…（環状壁１５の）下方縁辺 ２７…（コネクタ１３の）環状面 ２８…（環状壁１５の）上方縁辺 ２９…（環状ディスク２２の）表面 ３１…（コネクタ１４の）周面フランジ ３２…頂部円形板体 ３５…ケーシング

Claims (10)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数本のフィルターチューブが側周面を
   相接して配列され、かつ両端板間にわたって延びている
   各フィルターチューブの両端部が、両端板に固定されて
   おり、両端板の少くとも一方に各フィルターチューブと
   嵌合する開口が穿設されている構成体を有するフィルタ
   ー素子において、側周面を相接して配列された上記フィ
   ルターチューブ構成体を無端状に配列して、濾過される
   べき物質を帯同する流路中に内面および外面を有するフ
   ィルタースリーブを形成することを特徴とするフィルタ
   ー素子。
2. 【請求項２】 請求項（１）によるフィルター素子であ
   って、側周面を相接して配列されたフィルターチューブ
   構成体が、アコーディオン形状に構成されたフィルター
   媒体を有し、第２のフィルター媒体シートに固定され
   て、これらの間に周側面を相接した流路を形成すること
   を特徴とするフィルター素子。
3. 【請求項３】 請求項（１）あるいは（２）によるフィ
   ルター素子であって、側周面を相接して配列されたフィ
   ルターチューブ構成体が、類似するアコーディオン形状
   の２枚のフィルター媒体シートを有し、その一方のシー
   トが折曲ひだの半ピッチを他方シートに対してずらされ
   ており、これにより上記一方のシートのひだ頂部が他方
   シートのひだ樋溝と衝合せしめられ、両シートがこのず
   れた状態で相互に結合固定されていることを特徴とする
   フィルター素子。
4. 【請求項４】 上記請求項のいずれかによるフィルター
   素子であって、各チューブが透過性の強化ニードル突刺
   処理されたフェルトから形成されていることを特徴とす
   るフィルター素子。
5. 【請求項５】 上記請求項のいずれかによるフィルター
   素子であって、両端板がそれぞれ環状をなし、その内方
   に向かう面に各フィルターチューブの対応端部を受領し
   てこれを着座係合させるための溝が形成されていること
   を特徴とするフィルター素子。
6. 【請求項６】 上記請求項のいずれかによるフィルター
   素子であって、これら素子を上下方向に重ね合わせる場
   合の相互係合をもたらすため、端板両面が相互補完形状
   を有することを特徴とするフィルター素子。
7. 【請求項７】 上記請求項のいずれかによるフィルター
   素子であって、端部対端部同軸接合される場合に、各チ
   ューブが一貫した流路を形成するように、各素子の端板
   が他の素子の端板と接合され、各素子の各チューブと接
   続する開口がこの端板に形成されていることを特徴とす
   るフィルター素子。
8. 【請求項８】 請求項（７）によるフィルター素子であ
   って、相接続される素子の端板と隣接する素子の端板と
   が密封状態で相結合されることを特徴とするフィルター
   素子。
9. 【請求項９】 請求項（７）あるいは（８）によるフィ
   ルター素子であって、各流路の上方端と係合し得る浄化
   手段が設けられており、その作動により衝撃波を各流路
   にもたらし得るようにされていることを特徴とするフィ
   ルター素子。
10. 【請求項１０】 請求項（９）によるフィルター素子で
    あって、浄化手段が連続する流路に対して連続的に作動
    されることを特徴とするフィルター素子。