JPH0527673U - 代謝ケージ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の代謝ケージよりも数段優れた代謝ケー
ジを提供することにある。 【構成】 ケージ本体１の正面に扉３を有し、採尿ロー
ト４の末端に滑り台５を有し、ケージ本体１と給餌器６
とが通路７で結ばれ、給水部に排水管９を設けているこ
とを特徴とする代謝ケージである。 【効果】 小動物の尿をほぼ純粋な状態で採取でき、蓄
尿中の小動物の取扱いが容易である等である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、代謝ケージに関するものである。詳しくは本考案は、小動物の尿検 査に際し、小動物の尿及び糞を採取することができる小動物の代謝ケージに関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

特に薬物のスクリーニング段階において、薬物の体内代謝、腎又は尿路の病変 、心、肝又は内分泌腺等の機能変化等を知る手段の一つとして、一般に小動物の 尿検査が行われている。

【０００３】 而して、かかる尿検査に際し、当然のことながら小動物の尿を採取しなければ ならず、通常これに代謝ケージなるものが用いられている。

【０００４】 しかしながら、従来の代謝ケージでは、小動物の代謝ケージへの出し入れ、即 ち、小動物の取扱いが不便であり、実験者の負担は過大なものであった。また従 来のものは、糞が代謝ケージ内の外部から見えない所に溜まり、糞の観察が容易 でなかった。また従来のものは、採取された尿に餌や給水の水等の不純物が混入 し易い欠点を有していた。更に従来のものは、採光が充分でなかったため、閉鎖 的であり、ケージ外からの小動物の観察が困難であったと共に、小動物へのスト レスも懸念された。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

従って、本考案の目的は、従来の代謝ケージよりも数段優れた代謝ケージを提 供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案者らは、上記目的を達成するために検討を行い、次のからの特徴を 有し、の特徴を有することが望ましいとする代謝ケージを考案するに到った。

【０００７】 ケージ本体１の正面に扉３を有していること、 採尿ロート４の末端に可変式の滑り台５を有し、かつ採尿ロート４と滑り台５ の間に隙間を有していること、 ケージ本体１と給餌器６とが通路７で結ばれていること、 給水部に排水管９を設けていること、 ケージ本体１の正面及び側面が格子状になっていること、

【０００８】 即ち、添付の図面に示す通りである。 本考案に係る代謝ケージ（以下「本ケージ」という）の材質としては、ステン レス等を挙げることができるが、一般に小動物の代謝ケージに使われるものなら 何であっても用いることができる。

【０００９】 ここに、小動物としては、マウス、ラット、モルモット、ハムスター等を挙げ ることができる。

【００１０】 本考案を以下に詳しく説明する。

【００１１】上記の特徴について 本ケージは、図２及び図３に示すように、ケージ本体１の正面に扉３を有して いるので、実験者は小動物の出し入れを非常に簡易に行うことができる。

【００１２】 従って、本ケージでは、従来の代謝ケージのように小動物を出し入れする毎に ケージ全体又は代謝ケージの上部（ケージ本体）をラックから引き出さなければ ならないという必要が全くなく、小動物を代謝ケージに入れている間に通常数回 行われる試験物質の投与や症状観察といった作業等を簡便に行うことができる。 また、従来の代謝ケージでは、代謝ケージから小動物を取り出す毎に排尿された 尿を溜めるフラスコ等（以下単に「フラスコ」という）を予めずらしておかなけ ればならないが、本ケージではその必要がなく、ずらし忘れによる尿の損失とい うことが全くない。

【００１３】上記の特徴について 本ケージは、図１に示すように、採尿ロート４の末端に特別な滑り台５を有し ており、これらの間には僅かな隙間が開いている。故に、尿は当該隙間から下の フラスコに流れ落ち、糞は滑り台５から下のトレー等に滑り落ちることになる。 ここで当該滑り台５はネジ等による可変式となっているが、これは糞の大きさに 応じて滑り台５の傾斜度を調節できるよう配慮したためである。

【００１４】 従って、本ケージでは、糞は常に見得る状態にあるので、代謝実験における重 要な実験項目の１つである糞の観察を容易に行うことができる。また、従来の代 謝ケージでは、糞の観察に際して、糞を見得る状態におくために採尿ロートをケ ージ本体から引き出さなければならず、そのためには予めフラスコをずらしてお く必要があるが、本ケージではその必要がなく、ずらし忘れによる尿の損失とい うことが全くない。

【００１５】上記の特徴について 本ケージは、図３及び図４に示すように、ケージ本体１と給餌器６とが通路７ で結ばれた構造を有しており、当該通路の幅をネジ等で調節できるようになって いる。即ち、小動物は、餌を食べるためには上記通路７を通って給餌器６に行か なければならないということになる。

【００１６】 従って、本ケージでは食べかす等がケージ本体１内に落ちることがなく、フラ スコに食べかす等が混入することがまずない。また、本ケージでは小動物の大き さに合わせて通路７の幅を調節できるようになっているので、小動物の大きさに 通路７の幅を正しく合わせれば、小動物がケージ本体１へ餌を持ち帰ることはで きない。

【００１７】上記の特徴について 本ケージは、図１及び図４に示すように、給水部に排水管９を有している。

【００１８】 従って、従来の代謝ケージでは、水が漏れた場合、直接ケージ本体から採尿ロ ートに水が流れ込み、蓄尿されたフラスコに水が混入するという好ましくない事 態が発生していたが、本ケージでは、万が一水漏れが起こっても、排水管９から 下のトレイ等に流れ落ち、フラスコに水が混入するということはまずない。

【００１９】上記の特徴について 本ケージは、図１及び図２に示すように、ケージ本体１の上から半分以上を格 子状にすることが望ましい。小動物に採光を充分に与えることができ、この方が 開放的であり、またケージ本体１が通常の飼育ケージと大差のない形態になるか らである。

【００２０】 従って、これによりケージ外からの小動物の観察が容易となる。また、ケージ 本体１が飼育ケージと大差のない形態を有していることから、飼育ケージから代 謝ケージ（本ケージ）に移されることによる小動物へのストレスが緩和され、ス トレスからくる運動不足や体重増加抑制といった悪影響が減少するものと期待さ れる。

【００２１】

【考案の効果】

以上より、本ケージによれば、(1) 小動物が排出する尿をほぼ純粋な状態で採 取することができ、(2) 蓄尿中の小動物の取扱いや、(3) 蓄尿中の小動物への薬 物投与を容易に行うことができる。またケージ本体１を格子状にすることにより 蓄尿中の小動物の症状観察等を容易に行うこともできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本ケージの側面図である。

【図２】 本ケージの正面図である。

【図３】 本ケージの平面図である。

【図４】 本ケージの背面図である。

【符号の説明】

１ ケージ本体 ２ 格子 ３ 扉 ４ 採尿ロート ５ 滑り台 ６ 給餌器 ７ 通路 ８ 給水器 ９ 排水管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケージ本体１の正面に扉３を有してい
   ること、採尿ロート４の末端に可変式の滑り台５を有
   し、かつ採尿ロート４と滑り台５の間に隙間を有してい
   ること、ケージ本体１と給餌器６とが通路７で結ばれ
   ていること、給水部に排水管９を設けていること、の
   からの特徴を有する代謝ケージ。