JPH052706Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、糞尿等の汚水を汲み取る装置に関
する。

〔従来の技術〕

現在使用されているこの種の汲取装置は、殆ど
が車載型のもので、汚水タンクを車両に搭載し、
いわゆる汲取式便所等の汚水溜から汚水を汲み取
つて搬送し、浄化施設等の廃棄場所へ廃棄する形
式のものである。

この基本的な構成を第１図と第２図により説明
すると、圧力ポンプ２を備えた汚水タンク１が車
両９に搭載され、汚水タンク１のバルブ３，４を
介して２本のホース５，６が連結されている。こ
のうち一方のホース５は、汚水汲取用のもので、
この先端を汚水溜ａの中に漬け、バルブ３を開き
ながら、圧力ポンプ２で減圧された汚水タンク１
に汚水を吸引して汲み取る。他方のホース６は汚
水排出用で、バルブ４を開くことで、汚水タンク
１に貯えた汚水を廃棄場所等に廃棄する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

家庭等の汲取式便所等の汚水溜ａには、様々な
異物が混入していることが多く、汚水の汲み取り
中にこれらがホース５の途中で詰まり、ホース５
が閉塞することがしばしばある。この場合、ホー
ス５の詰まりを取り除くため、従来主として次の
ような手段がとられてきた。即ち、(1) ホース５
の詰まりが生じている個所の見当を付け、そこに
衝撃を与える。(2) 圧力ポンプ２で汚水タンク１
を加圧し、ホース５内の汚水を逆流させる。(3)
排出用のホース６の先に汲取用のホース５の先を
連結し、ホース６側から吸引してホース５内の汚
水を逆流させる、等である。

これらのうち、第一の手段は、簡易である反
面、確実性に乏しく、逆に閉塞状態をより固くす
るおそれがある。第二の手段は、ホース５とバル
ブ３との継手等が弱い場合、そこが外れて汚水が
多量に飛散する等、大きな事故を招く可能性があ
る。従つて、市街地等での採用は極めて危険であ
る。これに対して、第三の手段は、確実性が高
く、安全である反面、ホース５の基端側を大気圧
下におくため、その都度これを取り外さなければ
ならない。このため、作業が面倒であり、また、
少量ではあるが、取り外したホース５の基端側か
らの汚水等の垂れこぼし等を避けることができな
い。

この考案は、従来の汚水汲取装置における上記
の問題点を解決するためなされたもので、確実
に、安全に、かつ簡易にホース５の詰まりを解消
することができる汚水汲取装置を提供することを
目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案の構成を、図面の符号を引用しながら
説明すると、圧力ポンプ２を備えた汚水タンク１
にバルブ３，４を介して２本のホース５，６を連
結する。このうち、少なくとも汲取用となる一方
のホース５のバルブ３寄りに、開閉自在な空気導
入孔７を設ける。また、２本のホース５，６の先
端に、これらを着脱自在に接続する継手８を形成
する。

〔作用〕

この汲取装置の作用を、その使用方法と共に説
明すると、通常、汚水溜ａから汚水を汲み取ると
きは、汚水タンク１を減圧し、バルブ３を開閉し
ながら、汲取用のホース５の先端を汚水溜ａに漬
ける。すると、ホース５、バルブ３を通つて、汚
水タンク１の中に汚水が吸い取られる。

これに対し、ホース５の中に異物が詰まつて閉
塞状態となつたときは、まず、バルブ３を閉める
と共に、ホース５の先端とホース６の先端を継手
８によつて連結する。次いで、汚水タンク１を減
圧しながら、空気導入孔７とバルブ４を開ける。
すると、ホース５のバルブ３寄りが大気圧とな
り、バルブ４側がこれに対して負圧となるため、
ホース５の中の汚水が先端からホース６側へ吸引
され、さらにバルブ４を通つて汚水タンク１に吸
引される。この結果、ホース５の中の汚水が逆流
し、詰まりが解消される。

〔実施例〕

次に、この考案の実施例とその望ましい実施態
様について説明する。

第１図及び第２図で示すように、車両９に汚水
タンク１が搭載され、同タンク１に圧力ポンプ２
が備えられている。なお、第１図と第２図におい
て１０の符号で示したのは、圧力ポンプ２の排気
筒である。

上記汚水タンク１の後部側に、それぞれバルブ
３，４を介して２本のホース５，６が連結されて
いる。このうち、一方のホース５は、汲取用のも
ので、通常、50φ×50m程度のフレツキシブルビ
ニールホースが使用される。これに対して、他方
のホース６は、汚水タンク１に貯えられた汚水を
外部に排出するためのもので、通常上記ホース５
より太径の長さ3m程度のフレツキシブルビニー
ルホースが使用される。

前者のホース５は、汚水タンク１の上部に設け
られたホースリール１１に巻かれ、ここから必要
な長さだけ引き出して使用し、使用後巻戻され
る。また、後者のホース６は、車両９の脇に設け
られたキヤツプ状のホース受１２に先端を差し込
んで常時固定しておき、使用時にここから先端を
引き出して使用する。

上記ホース５とホース６の先端には、これらを
互いに接続する継手８が設けられている。この継
手８は、或る程度の気密性をもつてホース５とホ
ース６の先端を仮に連結できれば充分である。例
えば、ホース５の先端をホース６の先端に或る程
度隙間なく嵌め込める程度の継手であればよく、
両者自体がそうした嵌め合い寸法を備えていれ
ば、それらの先端自体が差込式の継手８ともな
る。

バルブ３，４には、通常ボールコツクが使用さ
れる。例えば、第３図と第４図は、バルブ３を示
すものであるが、レバー１３で開閉操作されるバ
ルブ３がフランジ継手１４を介して汚水タンク１
の後部に接続され、これに継手１５を介してホー
ス５が接続されている。

図示の実施例では、ホース５の基端とバルブ３
を連結する上記継手１５に空気導入孔７が設けら
れている。図示の空気導入孔７は、継手１５の側
壁に貫通させたねじ孔からなり、その口端７ａが
テーパ状になつている。この空気導入孔７には栓
１６がねじ込まれ、これによつて同空気導入孔７
が閉じられる。図示の栓１６は、上記空気導入孔
７に適合したねじ部１６ａ、上記口端７ａに適合
するテーパ部１６ｂ及び翼状のハンドル部１６ｃ
とからなつており、作業者が工具を使用せずに、
手で空気導入孔７を開閉できる。

上記のような栓１６で開閉する形式の空気導入
孔７の場合、冬期等にバルブ３が凍結したとき、
ここから湯を注いで、凍結を解消することができ
る。もちろん、空気導入孔７として、栓によつて
開閉するものゝ他、コツク状のもの等も使用する
ことができる。

〔考案の効果〕

以上説明した通り、この考案によれば、ホース
５が詰まつたときに、その都度ホース５の基端側
を取り外さずに、空気導入孔７を開けるだけで、
そのまゝホース５とホース６との先端を接続し、
ホース６を通してホース５内の汚水を汚水タンク
１に吸引することができる。このため、ごく簡易
な作業でホース５の詰まりを取り除くことができ
るようになると共に、ホース５の基端側での汚水
の垂れこぼし等もなく、衛生的に作業をすること
ができるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の実施例を示す汚水汲取装
置の全体平面図、第２図は、同装置の配管系統説
明図、第３図は、同装置のバルブ３付近の斜視
図、第４図は、同バルブ３とホース５との継手付
近の縦断面図である。 １……汚水タンク、２……圧力ポンプ、３，４
……バルブ、５，６……ホース、７……空気導入
孔、８……継手。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧力ポンプ２を備えた汚水タンク１と、このタ
   ンク１にバルブ３，４を介して連結された２本の
   ホース５，６とからなる汚水汲取装置において、
   汲取用のホース５のバルブ３寄りに、開閉自在な
   空気導入孔７を設け、２本のホース５，６の先端
   に、これらを着脱自在に接続する継手８を形成し
   てなることを特徴とする汚水汲取装置。