JPH05264940A - 光情報伝達装置 - Google Patents

光情報伝達装置

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JPH05264940A
JPH05264940A JP4060322A JP6032292A JPH05264940A JP H05264940 A JPH05264940 A JP H05264940A JP 4060322 A JP4060322 A JP 4060322A JP 6032292 A JP6032292 A JP 6032292A JP H05264940 A JPH05264940 A JP H05264940A
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JP
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optical
magneto
polarization
light
transmission
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Application number
JP4060322A
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English (en)
Inventor
Seiji Okada
誠二 岡田
Kazushi Fukuniwa
一志 福庭
Toshimi Okazaki
俊実 岡崎
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】機能素子の統合化を行なって伝送の効率化や制
御の簡便化を図る。 【構成】レーザダイオード27a,27bからの光は、
それぞれ偏光子26a,26bで直線偏光とされてから
磁気光学素子3a,3bに入力される。磁気光学素子3
a,3bへの入射光は、これらの磁気光学素子が置かれ
た外界の状況によりその偏光面を回転させ、次段の偏光
子26c,26dによってTEモードのみが取り出され
る。取り出された光に対して、偏光面分配器として機能
する磁気光学素子3c,3dにて伝送時の偏光面が決定
され、2つの偏光面に異なる信号を載せて両者を混合し
て主伝送経路である光ファイバ30に送出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車や電気鉄道等の
移動体において、光機能素子にて状態の検出、情報の伝
送等を行なう光情報伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より移動体の制御においては、各種
の状態検出機能を有するセンサからの電気信号をそのま
まワイヤハーネスを介して制御部分に伝送している。ま
た、近年の車両の高機能化により状態検出項目の増加が
余儀なくされ、それに伴ってセンサ部品点数の増大が生
じているのが現状である。以下、具体的な移動体におけ
る制御状況について説明する。
【0003】<自動車の場合>自動車は、エンジン等の
原動機から発生した動力を変速機、差動機を介してタイ
ヤに伝達し、それにて路面を駆動して推進する。この原
理は、自動車が登場して以来、不変のものである。そし
て、現在の自動車技術では、動力の発生、変速、駆動の
各要素に電子制御の技術が導入され、これらパワートレ
インのより効率的な伝達、乗り心地の味付け、あるいは
安全機構の付与等が確立されつつある。また、パワート
レインとシャーシーの統合制御を行ない、自動車の運動
状態とパワートレイン動力発生及び伝達状態とを関連付
けた最適制御が行なわれつつある。しかし、上記統合制
御の進展は、逆に、状況検出の必要性をますます増加さ
せ、センサ等の高機能化や信号伝達系の複雑化を生じさ
せる。その結果、センサ等の機能部品の種目が増加する
とともに、信号伝達系の肥大化(ワイヤーハーネスの伸
長と占有空間の増大)が問題となる。以上のような背景
に対して、自動車の信号伝達系において多重通信方式を
導入し、信号伝達系の肥大化を防止する方策が考えら
れ、一部に実施されつつある。
【0004】<電気鉄道の場合>電車、電気機関車等に
代表される電気鉄道車両においては、従来より、出力ト
ルクの制御性に優れる直流電動機による駆動方式が採用
されている。しかし、直流を使用する方式では、電動機
に入力する電源電圧を抵抗器にて制御するという手法し
かなく、この方式では、抵抗器から発生するジュール熱
が大きく、エネルギー効率の点からは損失が大きい。ま
た、最近では、抵抗器に代わってチョッパ方式を採用し
た電圧制御が行なわれるに到っている。このチョッパ方
式は、抵抗による制御方式に比較して効率上は有利であ
るが、直流電流のチョッピングの際に発生する高周波の
電磁波が、制御系や信号等の地上設備へ電磁障害を引き
起こし、その対策が必要となる。一方、直流電動機は制
御性において利点があるものの、電動機の重量が大きい
こと、整流子等の機械的な接触部分が存在するため回転
数に限界があること、また高頻度での保守点検が必要で
あること等から、車両の高出力化と高速化、さらにはメ
ンテナンスフリーの要求には限度が生じている。このよ
うな状況に対して、近年、インバータによる三相誘導電
動機を用いた電気車の開発が進められており、多くの実
用例を見るに到っている。しかし、この方式の電動機制
御では、多様化する要求負荷トルク特性を満足するた
め、投入する電力の電圧、もしくは電流と周波数の複雑
な制御が必要であり、このためには、上述の自動車にお
ける統合制御に類似した制御系の出現が不可欠となる。
【0005】<電気自動車の場合>地球環境の保全、大
気環境の保護の上で電気自動車の出現が望まれており、
自動車の駆動を電動機でまかなおうとすると、自動車の
特質である、非常に多様化した必要トルク特性をどのよ
うに満足させるかが大きな課題となる。この課題の解決
の糸口としては、上記電気鉄道の場合で述べたインバー
タ制御による誘導電動機による駆動が最適なものとな
る。また、電力源であるバッテリーの有限性を加味する
と、電動機を中心とするパワートレインとシャーシー系
の統合制御をより最適化した電力の効率的利用が課題に
なる。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】上述の各移動体の
制御において、多種目に及ぶ状況検出と検出信号の制御
部分への伝送は、現状の技術では多くの困難を包含して
いる。つまり、検出項目の増加に伴い、センサ部品の点
数増加や伝送情報の増加、そして、伝送ハーネスの容量
と重量の増加を招き、これらがコストの低減や軽量化を
迫られる移動体の制御に対して制約を課すとともに、電
磁障害による誤動作防止対策を必要とする等の問題があ
る。これに対して、上述のように情報の多重伝送方式が
提案され、一部実施されているが、将来の統合制御や電
気自動車への適用を考慮に入れると、抜本的な解決策と
は言い難い。そこで、統合制御に対する代表的な困難要
因について詳細に説明する。
【0007】<検出項目の多様化と伝送容量の増加>現
状の自動車において、パワートレインとシャーシの制御
を行なうにあたり検出している状況項目としては、エン
ジン回転数、吸入空気量、投入燃料、冷却水温度、排気
温度、車輪回転数(速度)、操舵角検出等がある。そし
て、現状の技術では、これらの検出因子に対して個別の
検出素子を適用しており、さらに高度の制御を行なう場
合、トルク検出等、新たに付加される検出素子の数量は
増加する。これが、全体としての部品点数の増加に結び
付き、一つの側面からは製造コストの高騰を導く結果と
なる。また、検出項目の多様化は、検出情報の伝送にお
いて伝送容量の増大を招くことになる。そして、これが
信号伝達経路(一般に言うワイヤーハーネス)の伸長距
離を増大させて、その設置空間の増大と車両重量の増大
を招き、軽量化とコンパクト化という自動車技術の革新
課題に対して大きな障害となっている。
【0008】<電磁障害による誤動作の発生>上述のよ
うに、自動車における状況検出の多様化は、伝送経路の
伸長をもたらすが、この結果、制御部分が外界または自
動車の内部的要因による電磁波の影響を受けることがあ
る。例えば、エンジンの点火系から発生する外乱電磁波
は無視できない。このことは、情報伝達系に対する電磁
シールド等の付加的手段による対策が不可避であること
を意味する。このような状況に鑑み、光伝送方式による
情報の多重伝送方式や光パルス圧縮伝送方式(例えば、
特開昭62−157013号)が提案されている。この
方式の利点は、情報伝送を光にて行なうため、それが外
来電磁波の影響を受けないこと、さらに、多重伝送方式
の場合、通信技術で確立されている多重通信方式による
高密度伝達によって伝送経路の短縮化を図ろうとする試
みも成されている。しかし、この光による伝送方式にて
も、状況検出の種目が増加するに従って伝送周波数が増
大し、送信・受信の過程が複雑になるとともに、特性と
して汎用素子の域を超えた特殊素子の導入が不可避であ
る。ここに、自動車において光多重伝送方式を適用する
困難の一つが存在する。
【0009】そこで、伝送周波数の高周波数化を避けつ
つ、伝送密度の向上を図るためには、光ケーブル等の伝
送路を複数の副次的経路に分割し、系統別の伝送を行な
うことが不可欠である。すなわち、制御の段階で関連す
る検出因子を同一の副次的伝送経路に多重伝送する。例
えば、4WS(四輪操舵)の場合、車速と舵角が制御主
因子になるが、これらを同一の副次的経路で伝送すれば
よい。また、車両の統合制御を構成する際、状況検出素
子、信号伝達素子等の種目の増大は避けられない。この
ことは、上述のように、機能の向上とともに製造コスト
の増加を引き起こすこととなるが、同一の素子によっ
て、これらの機能が実現できれば、製造コストの増加を
抑制しつつ機能の向上を達成することができる。本発明
は、上記問題点に鑑みて成されたもので、その目的とす
るところは、移動体において、光による状況検出と情報
伝達を行なう光多重伝送を採用し、機能素子の統合化を
行なって伝送の効率化や制御の簡便化を図る光情報伝達
装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、複数の偏光面にて光情報
を伝送する光情報伝達装置であって、外界の変化に感応
して、光を用いて所定の状態量を検出する状態量検出手
段と、前記状態量に対応させて複数の偏光面の分割を行
なう偏光面分割手段と、前記複数の偏光面上の光信号の
切り替えを行なう光スイッチ手段とを備える。また、請
求項4に記載の発明は、複数の偏光面にて光情報を伝送
する光情報伝達装置であって、外界の変化に感応して、
所定の状態量を電気信号として出力する手段と、前記電
気信号を光信号に変換する手段と、前記光信号を複数の
偏光面に分割して伝送する偏光面分割手段と、前記複数
の偏光面上の光信号の切り替えを行なう光スイッチ手段
とを備える。
【0011】
【作用】以上の構成において、機能素子の統合化が行な
われ、伝送の効率化を図るように機能する。
【0012】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明に係る好
適な実施例を詳細に説明する。 [機能素子の構造]最初に、本実施例に係る光情報伝達
装置(以下、装置という。また、装置全体の構成につい
ては、後述する)にて使用する機能素子、つまり、車両
のエンジン回転数、吸入空気量、投入燃料、冷却水温
度、排気温度、車輪回転数(速度)、操舵角検出、トル
ク検出等の検出項目に対する状況検出素子、情報伝送に
おける切り替え素子、そして、偏光面分配素子の素子構
造について説明する。
【0013】図1は、本実施例に係る状況検出素子、情
報伝送における切り替え素子、偏光面分配素子を形成す
る光機能素子の物理的な構造を示す図である。同図に示
す素子は、光導波路と磁気光学素子を直結した構造をそ
の基本としており、素子のベースである基板1は、その
材料として、例えば磁性ガーネットが使用されている。
基板1の上面は光導波膜2にて覆われ、その光導波膜2
の中に光機能素子として働く磁気光学機能膜3が形成さ
れている。
【0014】光導波膜2は、入射された特定の偏光面を
有する光(入射光)を磁気光学機能膜(磁気光学素子)
3に導き、この磁気光学機能膜3にて所定の偏光面の回
転を受けた光(出射光)を出力するための光導波路4を
有する。なお、磁気光学機能膜3の態様は、光を導いて
その偏光面を回転するという機能を有する限りにおいて
膜状のものに限定されず、例えば、単結晶状のものであ
ってもよい。
【0015】光導波路4は、光を外部に漏洩することな
く特定の方向に導く伝送路であり、光通信等で用いる光
ファイバーは、この光導波路に該当する。光導波路4
は、光を導く導波路部分を、導波路を形成する部材の屈
折率より大きい屈折率を有する部材で挟んだサンドイッ
チ構造を持つ。この構造によって、導波路中を進行する
光は、両部材の屈曲率の差によって全反射の原理に従
い、光を外部に漏洩することなく伝播する。よって、外
界の状況により屈曲率の変化をきたす場合には外部に漏
洩する光が発生して、光の伝送効率が変化することにな
る。
【0016】磁気光学素子として、YIG,GdIG等
の材料は、酸化物磁性体であると同時に光を透過させる
性質がある。このことは、光の透過する特性が磁気特性
と関連しており、これらの材料が磁気光学特性を顕著に
持っていることになる。すなわち、磁化Mは、これに平
行に入射した光の偏光面をある特定の角度だけ回転させ
る性質を持っている。そして、磁化が正の方向を持つ
か、負方向を持つかによって偏光面の回転方向も正負に
分離する。この性質は、光通信における光スイッチや光
磁気記録にて利用されている特徴的なものである。一
方、上記偏光面の回転角(ファラデー回転角:θF )は
外界から印加される圧力、温度、磁界等によって影響を
受け、変化する。
【0017】[機能素子の特性]そこで、外界状況の各
検出項目に対する磁気光学素子の特性について説明す
る。 <温度検出>温度による磁気光学素子の特性変化は、透
過光の偏光面の回転角によって検出できる。
【0018】図2は、希土類を含む鉄ガーネット系の素
子の温度変化に対する偏光面の回転度合いを示すもので
ある。同図に示すように、温度の上昇により、磁気光学
素子の磁化Mの熱擾乱によりファラデー回転角θF は小
さくなる。また、上昇した温度環境から温度の低下を生
じたときには、外部磁場の作用によりθF はもとの回転
角に復帰する。
【0019】図2に示す例では、ディスプロシウムを使
用した鉄ガーネット(Dy3 Fe512)が、温度変化
に対して偏光面の回転が著しいことがわかる。なお、こ
こでの検出可能な上限温度は、強磁性的性質が消滅する
磁気光学素子のキュリー温度が限界であり、その値は、
おおよそ200〜300℃である。ファラデー回転角θ
F は、一般に以下の式にて表わされる。 θF =φ(M/Ms)・l …(1) ここで、φはファラデー係数、lは光路長、Mは磁化、
そして、Msは飽和磁化である。従って、磁化を飽和し
た場合、つまり、磁化の比であるM/Msを1としたと
きは、θF はφに比例することになる。そこで、図3に
示すように、磁気光学素子3(Dy3 Fe512)に、
その磁化Mが飽和するのに十分な磁場をかけて、磁化と
平行に直線偏光の光を通す。このとき、光を通過させる
距離(光路長)lを、例えば、2.7mmにすると、温
度が300Kで偏光面は90°回転し、入射光と同一の
偏光面成分はなくなる。また、温度を400Kに変化さ
せると、ファラデー係数の変化により回転角は65°に
なる。つまり、この温度では、入射光と同一偏光面の成
分は、cos65°=0.45倍となる。このように、
温度により磁化が短くなり、その磁化の向きと光が通過
した光路長とで偏光面の回転角が決まるので、入射光に
対する出射光の偏光状態、あるいは、特定の偏光面の強
度を測定することで、磁気光学素子が置かれた外界の温
度測定が可能となる。
【0020】<圧力検出>磁気光学素子を形成する酸化
物磁性体は、その磁気異方性の発現に歪みが関与し、そ
れが主要因であることが解っている(いわゆる、磁歪効
果)。すなわち、磁性体においては、磁化の向きによっ
て磁性体が磁化の方向に延びる場合(正磁歪)と、その
方向に弛じむ場合(負磁歪)とがある。このことは、磁
性体が延びるか弛じむか等の形状の僅かな変化によっ
て、歪みを媒介にして磁化の方向が決定づけられること
を意味する。この効果は「磁歪の逆効果」として知られ
ており、磁気光学素子の磁気異方性の主要因である。図
4は、磁気光学機能膜(磁気光学素子(ここでは、Y3
Fe512))3の磁化容易軸方向を光の伝搬方向に一
致させ、磁化させた様子を示す図である。ここで、Y3
Fe512のファラデー係数は、室温で約2.5×10
4 deg/mであり、光路長lを3.6mmとすれば、
温度300Kにおけるファラデー回転角θF は90°と
なる。
【0021】そこで、図5に示すように、磁気光学素子
において図の左右方向に圧力を加えると、Y3 Fe5
12は負の磁歪特性を有することから、上記の磁歪の逆効
果により、ある歪以上では、磁化が回転して磁気光学素
子の面に垂直に立ち上がる。このときは、ファラデー効
果による偏光面の回転は起こらないので、図5に示すよ
うに、入射光の偏光面と出射光の偏光面とが同一にな
る。よって、基板1を含めた磁気光学素子全体の弾性率
を適当に選ぶことにより、素子に加える圧力に対する出
射光の偏光面の回転の変化点を任意に設定できる。従っ
て、圧力の印加にて磁性体に歪みを発生させ、これによ
る磁気特性、特にファラデー回転角θF の変化を検出す
ることで、素子に加わった圧力を検出できる。
【0022】<磁界検出>一般に、磁性体には磁化容易
軸があるので、磁化Mと磁場Hとの特性においてヒステ
リシスが存在する。また、磁気光学素子におけるファラ
デー回転角θF と磁界との関係において、θF の検出値
から磁界の強度を検出できることにもなる。この場合、
磁気光学素子の磁化容易軸に対して垂直の方向に磁界が
印加されるように磁気光学素子を配置すると、θF と磁
界との関係において、異方性磁界±kHの間で直線性が
得られ、θF の値から磁界を検出することができる。換
言すれば、磁気光学素子の磁化困難軸方向に磁場Hを印
加した場合、弱磁場において磁化Mは、その磁場に比例
する。つまり、 M=kH …(2) の関係がある。なお、kは、比例関係における傾きであ
り、素子の結晶状態に依存する値である。
【0023】また、図6は、具体的な磁場Hと磁化Mと
の関係を示すグラフである。同図において、実線にて示
される特性は、磁化容易軸方向に磁場を印加した場合の
M−H曲線である。この特性は、クリティカルな磁界を
検出したい場合に利用できるものである。一方、図6の
破線にて示される特性は、磁化容易軸に垂直に磁場を印
加したときの特性曲線であり、磁界をリニアに検出した
い場合に利用する特性である。よって、上記の式
(1),(2)より、 θF =φ(M/Ms)・l =φ(k/Ms)・l・H …(3) が成立し、上記の式(3)、及び図7に示す磁場Hとフ
ァラデー回転角との関係より明らかなように、弱磁場に
おいては、ファラデー回転角θF は磁場Hに比例する。
このように、偏光面の回転角より磁界を検出することが
でき、この磁界検出の利点は、例えば、電線等に流れる
高周波電流による電磁障害等の影響がないままに、磁界
を検出できることである。
【0024】<回転センサー>磁気光学素子の磁化容易
軸方向に誘起される磁界は、±θF の偏光面の回転を発
生させるという点を利用すると、回転軸等に記録された
磁気ピッチ等を検出することができる。そして、軸の回
転角、軸の回転数、さらには、2組の磁気ピッチの位相
ずれから伝達トルク(回転トルク、または静止トルク)
の検出が可能になる。
【0025】<偏光面分配器>磁気光学素子を通過する
光の偏光面の回転角は、光が通過する素子の長さ(光路
長)に比例する。つまり、磁気光学素子の光路長を変え
ることで、例えば、伝送路中に混合する光の偏波面を制
御することができる。図8は、温度300Kで、3.3
×10deg/mのファラデー係数を持つDy3 Fe5
12を用いた磁気光学素子3の通過路部分の長さを種々
変化させた場合(ここでは、光路長を2.7mm,1.
8mm,0.9mmとした)の、出射光の偏光面の回転
角変化を示す図である。同図からわかるように、上記各
光路長に対して、それぞれ90°,60°,30°の異
なった偏光面が形成される。
【0026】そこで、これらの各偏光面を持った光を一
本の光導波路に再度混合して伝送すると、一本の導波路
中に複数個の伝達経路を形成することができることにな
る。そして、特に相互干渉を嫌う情報については、π/
2の位相角を持つ偏光面を用い、その他の偏光面につい
ては、干渉性を利用した演算処理機能に用いることがで
きる。図9は、磁気光学素子の光路長を変化させる他の
例であり、ここでは、上述のように偏光面の回転角が光
路長に比例することを利用して、単一の磁気光学素子を
階段状の構造にし、その内、光路長lの部分にてファラ
デー回転角θF が得られるとすると、光路長2lの部分
にてファラデー回転角2θF 、光路長3lの部分にてフ
ァラデー回転角3θF を得るようにしたものである。
【0027】<光スイッチ>上記偏光面の±θF の回転
は、光通信で用いられている光伝送経路の分岐、切り替
えに用いることができる。つまり、光スイッチの機能と
して光を2つに分岐したり、光の通過や遮断の制御、ま
たは、光の偏光面を90°回転させる、あるいはさせな
いという制御を偏光面の±θF の回転を利用して行なう
ことができる。
【0028】[機能素子による情報伝送]次に、図1に
示す構成を有する光機能素子を使用した情報伝送につい
て説明する。上述のように、磁気光学素子では、温度、
圧力、磁界等を偏光面回転角として検出するが、本実施
例に係る光情報伝送装置では、これら複数の検出項目を
同一構造の磁気光学素子にて統合する。図10は、実施
例に係る光情報伝送装置の全体ブロック構成である。同
図に示す装置では、温度センサ21にて検出した温度情
報と、圧力センサ22にて検出した圧力情報を、電気信
号としてそれぞれ電気光信号変換器25a,25bへ伝
え、各電気光信号変換器25a,25bでは、入力され
た電気信号を光信号に変換する。電気光信号変換器25
aからの光信号は偏光子26aに入力され、また、電気
光信号変換器25bからの光信号は偏光子26bに入力
されて、そこで光信号の特定の偏光面が取り出される。
そして、偏光子26a,26bからの光信号は、それぞ
れ偏光面分配器として機能する磁気光学素子3a,3b
にて伝送時の偏光面が決定された後、主伝送経路である
光ファイバ30に送出される。つまり、ここでは、図1
0に示すように、温度情報と圧力情報の偏光面を0°と
90°に分け、これら2つの偏光面に異なる信号を載
せ、両者を混合して光ファイバ30中を伝送する。
【0029】なお、ここでの偏光面の分配は、上記<偏
光面分配器>にて説明したように、磁気光学素子におけ
る光路長を変えることで行なう。また、図11は、本実
施例に係る他の光情報伝送装置の全体ブロック構成図で
ある。同図に示す装置では、温度、圧力、磁界等の外界
状況の検出を磁気光学素子にて行なう。すなわち、図1
1に示す装置において、レーザダイオード27a,27
bからの光は、それぞれ偏光子26a,26bで直線偏
光とされてから磁気光学素子3a,3bに入力される。
このとき、磁気光学素子3a,3bへの入射光は、これ
らの磁気光学素子が置かれた外界の状況によりその偏光
面を回転させ、次段の偏光子26c,26dによってT
Eモードのみが取り出される。取り出された光は、その
大きさが外界の状況を反映しているので、図10に示す
光情報伝送装置と同様、偏光面分配器として機能する磁
気光学素子3c,3dにて伝送時の偏光面が決定された
後、主伝送経路である光ファイバ30に送出される。
【0030】以上説明したように、本実施例によれば、
同一構成をとる磁気光学素子にて複数の外界の状況を検
出し、また、それらと同一構成をとる他の磁気光学素子
にて、検出した結果を光信号として複数の偏光面に分割
して載せて光多重伝送することで、状況検出対象毎に個
別にセンサを用意する必要がなくなり、状況検出と伝送
とを光にて一貫して行なうことで機能素子の統合を図り
つつ、状況検出対象が増加しても同一の機能素子が使用
できるので、伝送経路の短縮化による容量及び重量増を
抑制し、さらにそれに伴う装置のコスト増を回避できる
という効果がある。また、光により状況検出と伝送とを
一貫して行なうことで、伝送路上等での信号に対する電
磁障害の防止を有効に行なうことができ、耐ノイズの高
い装置を提供することができるという効果がある。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
同一の機能素子を使用して状態量の検出とその伝送とを
光信号にて一貫して行なうようにすることで、コスト増
の回避や伝送効率の向上、及び状況検出素子の統合化を
実現できるという効果がある。また、光多重伝送によ
り、制御系の簡便化と高機能化を図ることができるとい
う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る光機能素子の物理的な構造を示
す図、
【図2】鉄ガーネット系の素子の温度変化に対する偏光
面の回転度合いを示す図、
【図3】温度による磁気光学素子の特性変化を説明する
ための図、
【図4】磁気光学素子の磁化容易軸方向を光の伝搬方向
に一致させ、磁化させた様子を示す図、
【図5】磁気光学素子に左右方向に圧力を加えるときの
磁化の様子を示す図、
【図6】磁場Hと磁化Mとの関係を示す図、
【図7】磁場Hとファラデー回転角との関係を示す図、
【図8】磁気光学素子の通過路部分の長さを変化させた
場合の出射光の偏光面の回転角変化を示す図、
【図9】磁気光学素子の光路長を変化させる他の例を示
す図、
【図10】実施例に係る光情報伝送装置全体のブロック
構成図、
【図11】実施例に係る他の光情報伝送装置全体のブロ
ック構成図である。
【符号の説明】
1 基板 2 光導波膜 3,3a,3b 磁気光学機能膜 4 導波路 25a,25b 電気光信号変換器 26a,26b 偏光子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の偏光面にて光情報を伝送する光情
    報伝達装置であって、 外界の変化に感応して、光を用いて所定の状態量を検出
    する状態量検出手段と、 前記状態量に対応させて複数の偏光面の分割を行なう偏
    光面分割手段と、 前記複数の偏光面上の光信号の切り替えを行なう光スイ
    ッチ手段とを備えることを特徴とする光情報伝達装置。
  2. 【請求項2】 前記状態量検出手段と前記偏光面分割手
    段と前記光スイッチ手段は、同一構造の光機能素子にて
    構成されることを特徴とする請求項1に記載の光情報伝
    達装置。
  3. 【請求項3】 前記光機能素子は、光導波部及びこれに
    直結する磁気光学素子にて構成されることを特徴とする
    請求項2に記載の光情報伝達装置。
  4. 【請求項4】 複数の偏光面にて光情報を伝送する光情
    報伝達装置であって、 外界の変化に感応して、所定の状態量を電気信号として
    出力する手段と、 前記電気信号を光信号に変換する手段と、 前記光信号を複数の偏光面に分割して伝送する偏光面分
    割手段と、 前記複数の偏光面上の光信号の切り替えを行なう光スイ
    ッチ手段とを備えることを特徴とする光情報伝達装置。
  5. 【請求項5】 前記偏光面分割手段と前記光スイッチ手
    段は、同一構造の光機能素子にて構成されることを特徴
    とする請求項4に記載の光情報伝達装置。
  6. 【請求項6】 前記光機能素子は、光導波部及びこれに
    直結する磁気光学素子にて構成されることを特徴とする
    請求項5に記載の光情報伝達装置。
JP4060322A 1992-03-17 1992-03-17 光情報伝達装置 Pending JPH05264940A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07128197A (ja) * 1993-11-08 1995-05-19 Furukawa Electric Co Ltd:The パンタグラフ集電状態監視装置
WO2004049039A1 (ja) * 2002-11-25 2004-06-10 Murata Manufacturing Co., Ltd. ファラデー回転子、及びこれを用いた磁気光学デバイス

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JPH07128197A (ja) * 1993-11-08 1995-05-19 Furukawa Electric Co Ltd:The パンタグラフ集電状態監視装置
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