JPH05261401A - 深絞り性と耐型かじり性に優れた冷延鋼板 - Google Patents

深絞り性と耐型かじり性に優れた冷延鋼板

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JPH05261401A
JPH05261401A JP6428292A JP6428292A JPH05261401A JP H05261401 A JPH05261401 A JP H05261401A JP 6428292 A JP6428292 A JP 6428292A JP 6428292 A JP6428292 A JP 6428292A JP H05261401 A JPH05261401 A JP H05261401A
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JP
Japan
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steel sheet
rolled steel
mold
deep drawability
steel plate
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Withdrawn
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JP6428292A
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English (en)
Inventor
Yoshio Ishii
良男 石井
Kazuo Koyama
一夫 小山
Takaharu Kawamoto
隆治 川本
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は自動車、家具、家電などに用いられ
る深絞り部品をプレス成形にて行なうに際し、容易にか
つ安定して製造するための深絞り性と型かじり性に優れ
た冷延鋼板を提供する。 【構成】 鋼板表面に複数の凹部を設け、凹部の深さが
板厚の0.5〜10%とし、鋼板表面の1mm2 当りの
凹部の合計断面積が0.3mm2 以上とし、かつ凹部の
合計体積が0.8×106 μm3 以上として、さらに凹
部間距離を凹部の最大さし渡し長さの1.0以上とする
ことにより、容易にかつ安定した深絞り性と型かじり性
に優れた冷延鋼板ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、家具、家電な
どに用いられる深絞り部品をプレス成形する場合に、深
絞り性と耐型かじり性に優れた冷延鋼板に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から自動車用のオイルパン、家具用
の浴槽や流し台シンクおよび家電用の石油ストーブのカ
ートリッジタンクなどの深絞り部品の成形においては、
加工量の増大とともに、加工発熱により深絞り部品の温
度上昇はもとより、加工発熱の伝播によりプレス金型も
温度上昇することが知られている。この温度上昇を成形
性問題からみると、従来は油圧プレスが主体で機械式プ
レスを使用する場合でも比較的単位時間当りの成形枚数
が少なく、金型温度の上昇に伴う成形上の問題も注目さ
れることが少なかった。しかしながら、近年トランスフ
ァープレスが普及し、このような深絞り部品の成形にも
適用されるようになってきたため、金型温度の上昇によ
る影響が極めて大きくなり、深絞り性低下や型かじり発
生による成形性不良の問題が顕在化し始めた。このため
金型温度の上昇による深絞り性低下や型かじり発生によ
る成形性不良に対して、種々の対策がとられている。例
えば、水溶性冷却油を金型全体にかける方法は有効であ
るが、冷却油がプレス時に周辺に飛散して作業環境が悪
化する問題があること、また極圧添加剤入りの潤滑材の
使用は有効であるが、成形後の脱脂にかかる費用が増加
すること、さらに絞り工程数を増加して変形発熱を少な
くする方法では有効であるが、金型個数の増加により製
造コストが上昇するなどの問題があり、かならずしも満
足できる対策になっていないのが実情である。
【0003】また型かじり発生に対する対策としては、
鋼板の表面粗さを制御することが最も有効であることが
知られており、一般的には粗さを大きくすると型かじり
発生には有利である。しかし、粗さが大きいと塗装後の
表面品質が劣る欠点があり、型かじり発生に対して有効
でかつ深絞り性に優れている鋼板が要望されている。な
お、本発明と関連の従来技術として、特開昭62−16
8602号公報「塗装用鋼板及びその製造方法」があ
る。その内容は粗さを規則的に制御することにより、塗
装鮮映性に優れるものであり、本発明の深絞り性や耐型
かじり性に優れる冷延鋼板に関しては言及しておらず、
何ら示唆を与えるものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
冷延鋼板では深絞り部品を成形すると、加工発熱により
部品および金型の温度が上昇し、温度上昇による潤滑剤
の性能劣化が生じて、摩擦抵抗の増大による深絞り性低
下成形や焼付き発生による型かじりが生じることにより
成形不良が発生するという大きな問題がある。本発明
は、このような従来の問題点を解消し、油圧プレス、タ
ンデム型機械式プレスおよびトランスファープレスによ
る深絞り部品を安定して成形する深絞り性と耐型かじり
性に優れた冷延鋼板を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】鋼板表面の両面もしくは
片面に複数の凹部を設け、該凹部の最大さし渡し長さを
dとした時の断面積をS、凹部深さをh、鋼板板厚を
t、鋼板表面1mm2 当りの凹部個数をnとした時、凹
部深さhは鋼板板厚tの0.5〜10%とし、鋼板表面
1mm2 当り凹部体積の合計VをV=S×h×nで表わ
すVが0.8×106 μm3 以上を満足し、鋼板表面1
mm2 当りの凹部の合計断面積AをA=S×nで表わす
Aが0.2mm2 以上を満足し、圧延方向に隣接する凹
部間中心距離P1 が1.0d以上、圧延方向列の列間中
心距離P2 が1.0d以上としたことを特徴とする深絞
り性と耐型かじり性に優れた冷延鋼板にある。
【0006】
【作用】本発明の詳細を図面により説明する。図1は片
面に本発明を施した冷延鋼板の縦断面を模式的に示した
ものであり、また図2は図1の凹部1の配列について鋼
板表面の平面を模式的に示したものであるが、まず本発
明に至るまでの研究結果について述べる。鋼板をプレス
により深絞り成形する場合には、プレス金型と鋼板間に
大きな面圧が作用し、かつその面圧により鋼板表面の粗
さが潰されて、潤滑剤が介在するにも拘らずプレス金型
と鋼板間は境界潤滑状態が多くなり、摩擦抵抗が増大す
ることは知られており、その状態が増大すると深絞り性
の低下や焼付きによる型かじりが発生し、成形不良とな
る。また成形中には加工発熱により鋼板温度およびプレ
ス金型の温度も上昇し、潤滑剤の性能劣化から摩擦抵抗
が増大し、それが原因となって深絞り性の低下や焼付き
が生じ、型かじり発生となって成形不良になる。本発明
者らは、摩擦抵抗の増大が深絞り性の低下および型かじ
り発生の根本的問題であると考え、その摩擦抵抗の増大
を防止する対策として、潤滑剤の十分な確保ができれば
解消できると考え、以下のような実験的検討を行なっ
た。供試材は極低炭素チタン添加鋼の冷延鋼板を用い
た。この冷延鋼板は、現在使用している放電ダルおよび
レーザーダル加工によりダルパターンを種々施したスキ
ンパスロールにより圧延した。これらの冷延鋼板の詳細
を表1に示す。
【0007】表1の冷延鋼板を用いて、鋼板と工具間に
相対すべりを与えて、その時に生じる摩擦係数を求め
て、本発明の効果を検討した。その結果、相対すべりを
与える前後の鋼板表面の状況や、図3には求めた摩擦係
数を示すが、本発明の冷延鋼板の摩擦係数が小さく、摩
擦係数の増大に対して大きな効果があることが分かっ
た。本発明者らはこの実験的検討から、さらに研究を重
ねた結果、鋼板表面に潤滑剤を適正量確保することが重
要であることを見い出し、以下のように鋼板表面のプロ
ファイルを規制することにより、深絞り性と耐型かじり
性に優れた冷延鋼板が提供できることを見いだした。
【0008】
【表1】
【0009】次に本発明で鋼板表面のプロファイルを限
定した理由について述べる。まず凹部の深さを鋼板板厚
の0.5%以上としたのは、それ未満では成形中の面圧
により凹部が潰されて潤滑剤を確保できず、摩擦抵抗が
増大するためであり、10%以下としたのは、それを超
えるとその凹部が起点となって成形時に破断を招く危険
があるからである。次ぎに鋼板表面1mm2 当りの凹部
の体積を0.8×106 μm3 以上としたのは、潤滑剤
の確保が少なく、深絞り性および型かじりに対する効果
が小さいからである。また鋼板表面1mm2 当りの凹部
の合計断面積を0.2mm2 以上としたのは、それ未満
では金型と鋼板表面の接触範囲が広く、境界潤滑領域が
大きくなるために摩擦抵抗が増大するため、深絞り性お
よび型かじりに対する効果が小さいからである。
【0010】次いで圧延方向に隣接する凹部間中心距離
(P1 )を1.0d以上としたのは、それ未満では凹部
の重なりにより突起が生じ、プレス成形中に突起部が取
れ、鉄粉の発生が多くなり耐型かじり性を損ねるからで
あり、また圧延方向列の列間中心距離(P2 ) を1.0
d以上としたのは、それ未満では凹部の重なりにより突
起が生じ、プレス成形中に突起部が取れ、鉄粉の発生が
多くなり耐型かじり性を損ねるからである。尚、本発明
で成形できる材料の種類は、現在JISに定められてい
る冷延圧延による軟質鋼板および高強度鋼板のいずれで
も良く、また自動車、家具、家電を対象に考えた場合の
板厚は0.5〜2.0mmが適当である。さらに図2に
示す凹部の配列は特にこだわることなく、格子配列や千
鳥配列でも良い。
【0011】
【実施例】以下に本発明の実施例を比較例とともに説明
する。供試材は極低炭素チタン添加鋼を用いて、通常の
熱間圧延−冷間圧延−連続焼鈍を施した後、スキンパス
圧延(圧下率0.8%)により板厚0.8mmに仕上げ
た。スキンパス圧延では、鋼板表面のプロファイルを種
々かえるため、スキンパスロールにレーザーダル加工に
よるプロファイルの異なるダル目付けを行なったものを
使用した。得られた冷延鋼板の表面粗さRaは、JIS
に規定されている測定法により求め、また凹部のさい渡
し長さと凹部間の中心距離および列間中心距離は鋼板表
面の光学的顕微鏡写真より測定し、さらに凹部の深さは
3次元表面粗度計により求めた。深絞り性の評価は、ポ
ンチ径80mmでブランク径168mmとして高速連続
成形を100個まで行い、破断にいたるまでの成形個数
で評価し、また耐型かじり性は30個を成形した時点の
成形品を目視により、品質上問題がないものを○
(良)、問題ありとしたものを×(悪)で評価した。そ
の結果を表2に示す。本発明の冷延鋼板の実施例(供試
材1〜8 )はいずれも比較例(供試材9〜16)に比べ
て、深絞り性および耐型かじり性が優れている。
【0012】尚、比較例の供試材9および13は凹部深
さが小さいため、成形時の潰れにより潤滑剤の確保が少
なく、深絞り性およひ型かじりが満足できない。比較例
の供試材10および14は凹部間中心距離が小さいた
め、重なりによる突起が取れることから、型かじりが満
足しない。比較例の供試材11および15は凹部の合計
断面積が少ないとともに凹部体積も少ないため、接触面
積の増大から摩擦抵抗が増加し、深絞り性および型かじ
りが満足しない。比較例の供試材12および16は凹部
深さが大きいため破断が発生し、型かじりは満足してい
るが、深絞り性を満足しない。
【0013】
【表2】
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、自動車、家具、家電部
品を対象とした油圧式プレス、機械式プレスおよびトラ
ンスファープレスによる深絞り部品に対して、成形が容
易に確保でき、かつ型かじりを発生させずに良好な製品
を得ることができ、ことに今後趨勢となるトランスファ
ープレスに極めて有効となることから、自動車、家具、
家電部品に幅広く用途が拡大でき、工業的に実用価値が
大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による冷延鋼板の縦断面、
【図2】図1の凹部の配列の一例、
【図3】本発明の基礎となったレーザーダル加工条件と
摩擦係数の関係である。
【符号の説明】
1 本発明による冷延鋼板の凹部 t 冷延鋼板の板厚 h 冷延鋼板の凹部の深さ d 冷延鋼板の凹部の最大さし渡し長さ S 冷延鋼板の凹部の断面積 P1 冷延鋼板の圧延方向に隣接する凹部間中心距離 P2 冷延鋼板の圧延方向の列間中心距離である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板表面の両面もしくは片面に複数の凹
    部を設け、該凹部の最大さし渡し長さをdとした時の断
    面積をS、凹部深さをh、鋼板板厚をt、鋼板表面1m
    2 当りの凹部個数をnとした時、凹部深さhは鋼板板
    厚tの0.5〜10%とし、鋼板表面1mm2 当り凹部
    体積の合計VをV=S×h×nで表わすVが0.8×1
    6 μm3 以上を満足し、鋼板表面1mm2 当りの凹部
    の合計断面積AをA=S×nで表わすAが0.2mm2
    以上を満足し、圧延方向に隣接する凹部間中心距離P1
    が1.0d以上、圧延方向列の列間中心距離P2 が1.
    0d以上としたことを特徴とする深絞り性と耐型かじり
    性に優れた冷延鋼板。
JP6428292A 1992-03-21 1992-03-21 深絞り性と耐型かじり性に優れた冷延鋼板 Withdrawn JPH05261401A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008108044A1 (ja) 2007-03-01 2008-09-12 Jfe Steel Corporation 高張力冷延鋼板およびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990608