JPH05259945A - ディジタル加入者線伝送方式 - Google Patents

ディジタル加入者線伝送方式

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Publication number
JPH05259945A
JPH05259945A JP4053682A JP5368292A JPH05259945A JP H05259945 A JPH05259945 A JP H05259945A JP 4053682 A JP4053682 A JP 4053682A JP 5368292 A JP5368292 A JP 5368292A JP H05259945 A JPH05259945 A JP H05259945A
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JP
Japan
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transmission
frequency band
transmission frequency
δfm
subscriber line
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Application number
JP4053682A
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English (en)
Inventor
Setsu Fukuda
節 福田
Satoshi Nojima
聡 野島
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、全二重双方向のディジタル加入者
線伝送方式に関し、局舎方向へも1.5Mb/sに近い
高速ディジタル双方向伝送を実現し、且つ、伝送装置に
必要となるエコーキャンセラのハードウェア規模をも大
幅に削減できるようにすることを目的とする。 【構成】 全二重双方向のディジタル加入者線伝送方式
において、伝送路1が、マスタ装置としての局側送受信
装置2と、スレーブ装置としての加入者側送受信装置3
とで終端されて、マスタ側の送信周波数帯域Δfmと、
スレーブ側の送信周波数帯域Δfsとが一部重複するよ
うに、各送信周波数帯域Δfm,Δfsが設定されるよ
うに構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、伝送路として2線式メ
タリック・ケーブルを使用した全二重双方向のディジタ
ル加入者線伝送方式に関する。近年、既存メタリック・
ケーブルの徹底した利用と、そして、画像情報の加入者
宅内までの伝送の普及が望まれており、この実現のた
め、音声帯域用に設定された既存メタリック・ケーブル
の伝送帯域の有効利用と、加入者宅内に設置される本伝
送装置の経済化とを同時に実現するような、1.5Mb
/s程度の情報容量を持つ高速伝送方式が求められてい
る。
【0002】
【従来の技術】従来のベーシックISDN用ディジタル
加入者線伝送方式(DSL)は、2B+Dチャネルであ
る144Kb/sを含む160Kb/sの情報容量を持
つものである。そして、かかるディジタル加入者線伝送
方式としては、ピンポン伝送と呼ばれる時分割方向制御
伝送方式のものと、エコーキャンセラ方式のものとが実
用化されており、前者は日本で、後者は主に欧米で採用
されている。
【0003】また、現在、米国を中心として、高速伝送
用ディジタル加入者線伝送方式の研究が活発化してお
り、以下に示すような2つの方式による1.5Mb/s
程度の情報容量の高速伝送方式が、有力なものとなりつ
つある。まず、図6に示す第1の方式は、デュアル・デ
ュプレクス方式の伝送システムを示したものであり、こ
のシステムは、距離制限(12kft)のある1.5M
b/s双方向加入者線伝送をなすものである。
【0004】そして、このシステムは、この図6に示す
ように、伝送路51A,51Bを使用しており、終端に
は、局側送受信装置52と加入者側送受信装置53とが
設けられている。ここで、伝送路51A,51Bは、8
00Kb/sの2線式全二重伝送方式によるもので、二
組の2線式メタリック・ケーブルによって構成されたも
のである。
【0005】局側送受信装置52と加入者側送受信装置
53は、それぞれ、伝送路51A,51Bからの800
Kb/sの情報容量の2系等の情報を1つに結合して、
1.5Mb/sの情報容量として受信し、また、自局の
1.5Mb/sの情報を2本の伝送路51A,51B
に、2つに分割して送出するものである。このような構
成により、1.5Mb/sの情報は、各送受信装置5
2,53によって、2本の伝送路51A,51Bに80
0kb/sずつに分割されて送出され、また、各送受信
装置52,53では、2系統の伝送路51A,51Bよ
りの受信情報を統一して、1.5Mb/sの情報容量と
する。
【0006】また、図7の第2の方式は、2線式フル・
デュプレクス方式の伝送システムを示したものであり、
このシステムは、直交振幅変調方式(QAM)を用いた
帯域分割利用によるもので、距離を拡張(18kft)
した1.5Mb/sで下り方向の加入者線伝送を行なう
ものである。すなわち、下り方向のみ1.5Mb/sの
情報容量で、上り方向は、16kb/sの制御用情報容
量しかないものである。
【0007】このため、このシステムは、図7に示すよ
うに、一組の伝送路61を使用しており、その終端に
は、局側送受信装置62と加入者側送受信装置63とが
設けられている。また、加入者側送受信装置63は、加
入者端末として電話機64および画像端末(CPE)6
5をそなえている。ここで、伝送路61は、1.8Mb
/s(>1.5Mb/s)の2線式全二重伝送方式によ
るもので、2線式メタリック・ケーブルによって構成さ
れたものである。局側送受信装置62は、伝送路61を
介して送られて来る16kb/sの制御信号に従って、
その制御信号の指示する適切な1.5Mb/sの情報を
出力するものである。
【0008】加入者側送受信装置63は、画像端末65
等の加入者端末の制御情報を、伝送路61を介して、局
側送受信装置62へ送信し、また、局側送受信装置62
からの1.5Mb/sの情報を受信すると、これを受信
処理して画像端末65等の加入者端末へと出力するもの
である。上述の構成により、画像端末65等の加入者端
末からの制御信号を局側送受信装置62が受信すると、
この装置は、受信した制御信号の指示に従った、1.5
Mb/sの情報を伝送路61を介して、加入者側送受信
装置63へと出力する。そして、加入者側送受信装置6
3は、この情報の受信処理を行ない、画像端末65等の
加入者端末へ送られ、音声や画像等が出力されるのであ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のベーシックISDN用ディジタル加入者線伝
送方式では、ピンポン伝送方式による場合は、伝送路速
度が情報容量の二倍以上となるため、更なる高速化には
適さないという課題がある。また、エコーキャンセラ方
式による場合は、近端漏話雑音の影響により距離制限を
受けるとともに、高速化に対しては消去すべきエコーの
時間的なスパンが伸び、莫大なエコーキャンセラのハー
ドウェア量(タップ長の拡張)が必要となり、ハードウ
ェア構造が複雑化するとともに、コストの増加をも招く
という課題がある。
【0010】更に、高速伝送用ディジタル加入者線伝送
方式では、デュアル・デュプレクス方式の場合(図6参
照)、距離制限があり、更に1.5Mb/sの情報容量
を得るためには、2倍のハードウェア量が必要となり、
エコーキャンセラ方式の場合と同様に、ハードウェア構
造が複雑化し、コスト高を招くという課題がある。そし
てまた、2線式フル・デュプレクス方式の場合(図7参
照)、加入者方向(下り方向)にのみしか、情報容量と
して、1.5Mb/sが提供ができないという課題があ
る。
【0011】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、局舎方向(上り方向)へも1.5Mb/sに
近い高速ディジタル双方向伝送を実現し、且つ、伝送装
置に必要となるエコーキャンセラのハードウェア規模を
も大幅に削減できるようにした、ディジタル加入者線伝
送方式を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理ブロ
ック図で、この図1において、10は全二重双方向のデ
ィジタル加入者線伝送システムを示すもので、このディ
ジタル加入者線伝送システム10は、2線式メタリック
・ケーブルによって構成された伝送路1を使用してお
り、この伝送路1は、マスタ装置としての局側送受信装
置2と、スレーブ装置としての加入者側送受信装置3と
で終端されている。
【0013】そして、マスタ側の送信周波数帯域Δfm
と、スレーブ側の送信周波数帯域Δfsとが、一部重複
するように、各送信周波数帯域Δfm,Δfsが設定さ
れている(請求項1)。また、マスタ側の送信周波数帯
域Δfmおよびスレーブ側の送信周波数帯域Δfsにお
いて、直交振幅変調方式(QAM)を使用されるように
なっている(請求項2)。
【0014】更に、マスタ側の送信周波数帯域Δfmお
よびスレーブ側の送信周波数帯域幅Δfsをそれぞれ細
分割した複数のサブバンドとし、各サブバンド内におい
て直交振幅変調を施すマルチキャリア変調方式(MC
M)を使用することもできる(請求項3)。そしてま
た、マスタ側の送信周波数帯域Δfmおよびスレーブ側
の送信周波数帯域幅Δfsにおいて、パスバンド変調方
式を使用することも可能である(請求項4)。
【0015】そして、マスタ側の送信周波数帯域Δfm
は、スレーブ側の送信周波数帯域Δfsよりも、低域側
に設定されている(請求項5)。
【0016】
【作用】上述の本発明のディジタル加入者線伝送方式で
は、図1に示すように、マスタ側の送信周波数帯域Δf
mと、スレーブ側の送信周波数帯域Δfsとが一部重複
されて、送受信が行なわれる(請求項1)が、このとき
マスタ側の送信周波数帯域Δfmおよびスレーブ側の送
信周波数帯域Δfsにおいて、直交振幅変調方式により
直交振幅変調が行なわれる(請求項2)。
【0017】また、マスタ側の送信周波数帯域Δfmお
よびスレーブ側の送信周波数帯域幅Δfsが、それぞれ
細分割されて複数のサブバンドされ、マルチキャリア変
調方式によって、各サブバンド内において直交振幅変調
を施すようにすることもできる(請求項3)。更にま
た、マスタ側の送信周波数帯域Δfmおよびスレーブ側
の送信周波数帯域Δfsにおいて、パスバンド変調方式
によりパスバンド変調を行なうこともできる(請求項
4)。
【0018】そして、このときマスタ側の送信周波数帯
域Δfmが、スレーブ側の送信周波数帯域Δfsより
も、低域側に設定されて送受信が行なわれる(請求項
5)。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図2は本発明の一実施例を示すブロック図で、こ
の図2において、10は全二重双方向のディジタル加入
者線伝送システムを示しており、このディジタル加入者
線伝送システム10は、その周波数帯域において、直交
振幅変調(QAM)方式が使用されているものである。
【0020】また、この周波数帯域、即ちマスタ側の送
信周波数帯域Δfmと、スレーブ側の送信周波数帯域Δ
fsとは、ともに300kHzの帯域幅を持ち、それら
の一部が重複するように、各送信周波数帯域Δfm,Δ
fsが設定されている。さらに、このマスタ側の送信周
波数帯域Δfmは、スレーブ側の送信周波数帯域Δfs
よりも、低域側に設定されている。
【0021】そして、本実施例では、図3に示すよう
に、局(マスタ)側の送信キャリア周波数fmは、25
0kHz、また、加入者(スレーブ)側の送信キャリア
周波数fsは、450kHzとなっている。この結果、
局側の送信周波数帯域Δfmは、100kHz〜400
kHz(fmL 〜fmH )となり、また、加入者側の送
信周波数帯域Δfsは、300kHz〜600kHz
(fsL 〜fsH )となっている。
【0022】つまり、双方の重複利用帯域幅は、300
kHz〜400kHzで、伝送帯域の上限は600kH
zとなり、各送信周波数帯域幅の全ては、LSI化が可
能な速度領域に収まるのである。ところで、このディジ
タル加入者線伝送システム10では、2線式メタリック
・ケーブルによって構成された伝送路1を使用してお
り、この伝送路1は、マスタ装置としての局側送受信装
置2と、スレーブ装置としての加入者側送受信装置3と
で終端されている。
【0023】そして、局側送受信装置2は、図2に示す
ように、変調器4,復調器5,エコーキャンセラ6,判
定帰還型自動等化器7,送信フィルタ8,受信フィルタ
9,2線/4線変換ハイブリット回路11をそなえて構
成されており、また、加入者側送受信装置3は、変調器
4′,復調器5′,エコーキャンセラ6′,判定帰還型
自動等化器7′,送信フィルタ8′,受信フィルタ
9′,2線/4線変換ハイブリット回路11′をそなえ
て構成されている。
【0024】ここで、局側送受信装置2,加入者側送受
信装置3の各変調器4,4′はそれぞれ2値の送信デー
タのQAM変調を行なう回路である。そして、変調器
4,4′によれば、6ビット/Hzの変調効率を有する
64値QAM伝送の場合、300kHzの帯域幅を持
ち、約1.8Mb/sの伝送容量を実現することができ
る。
【0025】復調器5,5′は、QAM変調された受信
信号を、2値データに変換する機能を有するもので、判
定帰還型自動等化器7,7′は、伝送路1の損失特性に
起因する受信信号の波形歪みを形成する機能を有するも
のである。送信フィルタ8,8′と受信フィルタ9,
9′は、送信信号の受信回路への漏れ込み雑音であるエ
コーの帯域制限を行なうために、それぞれ、送信信号の
帯域外成分の除去、および受信信号の帯域外成分の除去
をするように、そのカットオフ周波数が設定されている
ものである。
【0026】エコーキャンセラ6,6′は、エコーキャ
ンセラ用適応フィルタをそなえており、これによってエ
コー成分を除去するもので、従来の高速ベースバンド伝
送方式(従来例における高速伝送用ディジタル加入者線
伝送方式のデュアル・デュプレクス方式)に使用される
適応フィルタのタップ長が百数十タップ程度であるのに
対し、タップ長を1桁以上少なくしたものである。
【0027】2線/4線変換ハイブリット回路11,1
1′は、伝送路1の2線よりの信号を局側送受信装置
2,加入者側送受信装置3の各受信フィルタ9,9′へ
と送出するとともに、且つ、送信フィルタ8,8′より
の出力を伝送路1へと送出するものである。上述の構成
により、交換局の信号は、受信先の局側送受信装置2の
各変調器4によって、キャリア周波数fmをもとにQA
M変調を施され、送信フィルタ8とエコーキャンセラ6
とへ送出される。送信フィルタ8へ出力された送信信号
は、ここで、帯域外成分を除去され、2線/4線変換ハ
イブリット回路11を介して、伝送路1へと送出され
る。
【0028】また、エコーキャンセラ6は、伝送路1よ
り2線/4線変換ハイブリット回路11を介して受信フ
ィルタ9へ送られ、帯域外成分を除去された受信信号
を、送られて来た変調器4よりの信号を基にして、その
エコー成分を除去する信号を出力する。このようにし
て、送信信号の受信回路への漏れ込み雑音であるエコー
は、送受信フィルタにより帯域制限されて、更にエコー
キャンセラ6によって、この帯域制限されたエコーが除
去される。
【0029】その結果、エコー成分を除去された受信信
号は、判定帰還型自動等化器7によって、その波形歪み
の形成が行なわれ、更に復調器5により、2値データに
変換される。そしてまた、加入者側送受信装置3におけ
る加入者からの信号の処理、および伝送路1よりの信号
の処理も、装置内の各回路によって、局側送受信装置2
の場合と同様の要領で行なわれていく。
【0030】ところで、上記の実施例では、マスタ側の
送信周波数帯域Δfmおよびスレーブ側の送信周波数帯
域Δfsにおいて、直交振幅変調方式(QAM)を使用
したが、これらの帯域をそれぞれ細分割した複数のサブ
バンドとし、各サブバンド内において直交振幅変調を施
すマルチキャリア変調(MCM)方式を使用することも
可能である。
【0031】この場合は、図4に示すように、マスタ側
の送信周波数帯域Δfmおよびスレーブ側の送信周波数
帯域Δfsにおいて、局側から加入者側の下り送信信号
は、b1〜bmまでのサブバンドを、また、加入者側か
ら局側への上り送信信号は、bm〜bnまでのものを利
用して送信するようになっており、双方の共通利用サブ
バンドにbmが使用されている。
【0032】即ち、サブバンドbmを双方で共通に利用
するために、局側の送信キャリア周波数fm(図4にお
ける各サブバンドb1〜bmの中心周波数)がfm1〜
fmmに設定され、加入者側の送信周波数fs(図3,
4における各サブバンドbm〜bnの中心周波数)は、
fsm〜fsnに設定されているのである。また、先の
図2における局側送受信装置2,加入者側送受信装置3
の変調器4,4′は、2値の送信データをMCM変調を
行なうものが使用され、復調器5,5′は、MCM変調
された受信信号を、2値データに変換するものが使用さ
れる。
【0033】なお、この場合、各送信周波数帯域におい
て、マルチキャリア変調方式が適用されることと、局側
送受信装置2,加入者側送受信装置3の変調器,復調器
の各装置がマルチキャリア変調方式用のものに代えられ
ることの他は、先の例におけるものと同様の構成であ
る。更にまた、このようなマルチキャリア変調方式と同
じ要領で、マスタ側の送信周波数帯域Δfmおよびスレ
ーブ側の送信周波数帯域Δfsにおいて、パスバンド変
調方式である振幅変調(AM)方式,位相変調(PS
K)方式,周波数変調(FSK)方式を使用することも
可能である。
【0034】このように、全二重双方向のディジタル加
入者線伝送方式において、伝送路1が局側送受信装置2
と加入者側送受信装置3とで終端されて、マスタ側,ス
レーブ側の各送信周波数帯域Δfm,Δfsが一部重複
するように設定されるとともに、マスタ側とスレーブ側
の各送信周波数帯域Δfm,Δfsにおいて、直交振幅
変調方式を使用することにより、限られた伝送路周波数
帯域(上限は伝送路容量、および半導体技術に基づくL
SI化が実現可能な処理速度により決まる)の有効利用
が可能になり、伝送容量の大幅な拡張ができる。
【0035】例えば6ビット/Hzの変調効率を有する
64値QAM伝送で、300kHzの帯域幅を持たせて
も、伝送帯域の上限は、600kHzであり、LSI化
が可能な速度領域に入ることとなり、約1.8Mb/s
の伝送容量を実現できるのである。また、これととも
に、図3に示すように、重複利用帯域がタイトな帯域制
限がなされるため、帯域の重複利用により必要となるエ
コーキャンセラの規模は、従来のベースバンド伝送に用
いられてきたエコーキャンセラに比較し、発生エコーの
すそ引きが極端に減じられる。
【0036】つまり、エコーキャンセラ用適応フィルタ
のタップ長を、従来の高速ベースバンド伝送よりも、1
桁以上少なくすることができるのである。この結果、エ
コーキャンセラのハードウェア規模を大幅に削減するこ
とが可能となる。さらに、局側の送信周波数帯域Δfm
を加入者側の送信周波数帯域Δfsよりも低域側にとる
ことにより、遠端漏話雑音やブリッジド・タップの影響
の緩和、更には伝送路帯域の有効利用をはかることがで
き、特に加入者受信回路の簡素化が可能となる。即ち、
遠端漏話雑音は、伝送周波数の減少に伴い抑圧すること
ができ、更にまた、図5に示すように、局側において各
加入者へのメタリック・ペア線が同一のケーブルに束ね
られているため、その軽減効果が一層高めることができ
るのである。
【0037】そしてまた、加入者側送受信装置3は、各
加入者に個別に設置されるため、小型化および経済化、
そして、局側からの給電を行なうときのために、低消費
電力化がより強く要求されるが、機能の重い受信回路を
低速度で動作させることが実現できるため、この要求を
満たすことが可能となる。更に、キャリア周波数fm,
fsと局側,加入者側の送信周波数帯域を変更するだけ
で、各帯域幅の比の調整が安易にできる。このため、従
来例における2線式フル・デュプレクス方式等に見られ
るような、上り方向と下り方向の伝送容量が非対象であ
るのが理想的なものの場合、簡単に上り方向の伝送容量
を低減し下り方向の伝送容量を増化することができ、こ
の結果、全体として高速動作回路の削減化ができる。
【0038】また、直交変調方式の代わりに、上記のよ
うにマスタ側とスレーブ側の各送信周波数帯域を細分割
した複数のサブバンドとし、各サブバンド内においてマ
ルチキャリア変調方式を使用しても、上記と同様の効果
が持てる。更にまた、マスタ側とスレーブ側の各送信周
波数帯域において、上記の直交変調方式およびマルチキ
ャリア変調方式の代わりに、上記のようにパスバンド変
調方式を使用することにより、伝送容量に若干の制限が
生じるものの直交変調方式,マルチキャリア変調方式と
同様の効果が持てる上に、これらの方式よりも一層大幅
なハードウェア規模の削減化が可能となり、経済性にお
いてより優れたものとなる。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のディジタ
ル加入者線伝送方式によれば、伝送路として2線式メタ
リック・ケーブルを使用した全二重双方向のディジタル
加入者線伝送方式において、伝送路が、マスタ装置とし
ての局側送受信装置と、スレーブ装置としての加入者側
送受信装置で終端されて、マスタ側の送信周波数帯域
と、スレーブ側の送信周波数帯域とが一部重複するよう
に、各送信周波数帯域が設定されているとともに、マス
タ側の送信周波数帯域が、スレーブ側の送信周波数帯域
よりも、低域側に設定し、マスタ側の送信周波数帯域お
よびスレーブ側の送信周波数帯域において、直交振幅変
調方式を、あるいは、マスタ側の送信周波数帯域および
スレーブ側の送信周波数帯域をそれぞれ細分割した複数
のサブバンドとし、各サブバンド内において直交振幅変
調を施すマルチキャリア変調方式を使用することによ
り、限られた伝送路周波数帯域を有効利用を図ることが
できるのであって、これにより1.5Mb/s程度の高
速伝送の実現が可能になるという利点がある。
【0040】また、帯域の重複利用により必要となるエ
コーキャンセラは、重複利用帯域がタイトな帯域制限が
なされるため、従来のベースバンド伝送に用いられてい
たエコーキャンセラに比較し、発生エコーのすそ引きを
極端に減じることができる。このため、極めて少ないハ
ードウェア量で装置の実現が可能となり、その結果、経
済面において優れつつも、加入者系サービスの多様化に
寄与するところが大きいという利点がある。
【0041】更にまた、マスタ側の送信周波数帯域およ
びスレーブ側の送信周波数帯域において、パスバンド変
調方式を使用することにより、上記の場合よりも僅かな
がら伝送容量が減少するものの、上記と同様の効果を持
ちつつ、更にハードウェアの規模に関しては、縮小する
ことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理ブロック図である。
【図2】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施例の作用を説明する図である。
【図4】本発明の一実施例における他の例の作用を説明
する図である。
【図5】本発明の一実施例における効果を説明するブロ
ック図である。
【図6】従来例を示すブロック図である。
【図7】従来例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,51A,51B,61 伝送路 2,52,62 局側送受信装置 3,53,63 加入者側送受信装置 4,4′ 変調器 5,5′ 復調器 6,6′ エコーキャンセラ 7,7′ 判定帰還型自動等化器 8,8′ 送信フィルタ 9,9′ 受信フィルタ 10 ディジタル加入者線伝送システム 11,11′ 2線/4線変換ハイブリット回路 64 電話機 65 画像端末
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04L 12/02 27/34

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝送路(1)として2線式メタリック・
    ケーブルを使用した全二重双方向のディジタル加入者線
    伝送方式において、 該伝送路(1)が、マスタ装置としての局側送受信装置
    (2)と、スレーブ装置としての加入者側送受信装置
    (3)とで終端されて、 マスタ側の送信周波数帯域(Δfm)と、スレーブ側の
    送信周波数帯域(Δfs)とが一部重複するように、各
    送信周波数帯域(Δfm,Δfs)が設定されているこ
    とを特徴とする、ディジタル加入者線伝送方式。
  2. 【請求項2】 該マスタ側の送信周波数帯域(Δfm)
    および該スレーブ側の送信周波数帯域(Δfs)におい
    て、直交振幅変調方式を使用することを特徴とする請求
    項1記載のディジタル加入者線伝送方式。
  3. 【請求項3】 該マスタ側の送信周波数帯域(Δfm)
    および該スレーブ側の送信周波数帯域(Δfs)をそれ
    ぞれ細分割した複数のサブバンドとし、各サブバンド内
    において直交振幅変調を施すマルチキャリア変調方式を
    使用することを特徴とする請求項1記載のディジタル加
    入者線伝送方式。
  4. 【請求項4】 該マスタ側の送信周波数帯域(Δfm)
    および該スレーブ側の送信周波数帯域(Δfs)におい
    て、パスバンド変調方式を使用することを特徴とする請
    求項1記載のディジタル加入者線伝送方式。
  5. 【請求項5】 該マスタ側の送信周波数帯域(Δfm)
    が、該スレーブ側の送信周波数帯域(Δfs)よりも、
    低域側に設定されていることを特徴とする請求項1記載
    のディジタル加入者線伝送方式。
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WO2019049524A1 (ja) * 2017-09-11 2019-03-14 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 データ受信装置及びデータ送受信装置

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