JPH0525731Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、棒状の切断された噴水柱小片からな
る観賞用噴水を形成する装置に関する。

［従来の技術］ 第３図に示すような部分的に欠落した棒状の鑑
賞用噴水を得る方法として、従来は、噴水用ノズ
ルの正面に間歇的に衝突板を突出させ、ノズルか
らの噴水をこれに衝突させ遮断落下させることに
より欠落部を作ることが行われていた。

［考案が解決しようとする課題］ 従来の方法による装置は、水遮断用衝突板に噴
水流の水圧がかかるため衝突板およびその駆動機
構の機械的強度を高くする必要があり、必然的に
その重量が大きくなる欠点があつた。また、その
駆動に大きな力を要するため、駆動装置が大型化
し高価となるばかりでなく駆動装置の摩耗が激し
く１万回程度の動作回数毎に点検および部品交換
を要する等保守上の問題もあつた。

本考案は、これらの点を鑑み、噴水遮断装置の
可動部を少なくし軽量化することにより装置を小
型簡略化し、耐久性の良好な装置を安価に提供す
ることを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 以上の目的のため、本考案の噴水装置は衝突板
を排除し、これに対応して、主噴水ノズルに近接
して配置された副噴水ノズルと、この副噴水ノズ
ルへ供給する加圧水の水路を開閉する電磁弁と、
通過穴を持ち可動部のない遮水器とを備えてい
る。副噴水ノズルは、その副噴水が主噴水ノズル
からの主噴水に横方向から衝突するように配備さ
れる。

［作用］ この噴水装置は、電磁弁が閉じられている場
合、副噴水ノズルからは水が噴出しない。したが
つて、主噴水ノズルからの主噴水は、遮水器に設
けられた通過穴を通過し放物線に準じた経路を描
いて空中を高く飛行する。この期間、観客からは
噴水が見える。

一方、電磁弁が開かれた場合、高速の副噴水が
副噴水ノズルから噴出し、主噴水ノズルから噴出
する主噴水に横方向から衝突する。この結果、主
噴水はその飛行方向が偏向され、遮水器の通過穴
の外側に衝突し水面に落下する。この期間、観客
からは噴水が見えなくなる。

電磁弁を短時間で開閉すると、遮水器の通過穴
より出る主噴水には電磁弁が開いた期間に対応し
て欠落部が生じ、第３図に示す噴水形状を呈す
る。

［実施例］ 次に本考案を実施例を用いて詳細に説明する。

第１図は、本考案による噴水装置の構成図であ
る。水槽１の内部には清水２が貯えられており、
送水ポンプとして作用する主水中ポンプ３が支持
枠４を介して水槽１に固定されている。ポンプ３
からの0.4Kg／cm²の低圧力の送水は、45度の仰角
で設置された10mmのノズル口径を持つ主噴水ノズ
ル５から空中に噴出される。主噴水ノズルから噴
出する主噴水流は、落下点まで分散せず太さが一
様で透明な棒状となる。

第２図は、第１図に示した装置の主噴水ノズル
５の周辺部を詳細に示したものである。

主噴水ノズル５の近くに副噴水ノズル７が設置
され、各々からの噴水は空中で衝突するように調
整されている。

電磁弁８が閉じているとき副噴水ノズル７から
は水が噴出せず、主噴水は副噴水ノズル７からの
副噴水の作用を受けない。このため、主噴水ノズ
ル５からの主噴水は、遮水器９に設けられた内径
30mm、長さ20mmの円筒９Ａからなる通過穴の内側
を衝突することなく通過し、水槽１上を放物線に
準じた経路を描いて空中高く飛行する。観客に
は、噴水ノズル等を覆う防護カバー１０に設けら
れた小穴１０Ａから出る主噴水が、空中を飛行し
て水面に落下するのが見える。

水槽１内には主水中ポンプ３とは別に副水中ポ
ンプ６が設置されており、10ミリ秒の応答時間を
持つ1/2径直動形電磁弁８を介し、10mm×５mmの
楕円形の口径を持つ副噴水ノズル７に２Kg／cm²の
高い圧力を持つ加圧水が供給される。

制御装置１１の指令により電磁弁８が開いたと
き、副噴水ノズル７から高速の副噴水が噴出し、
主噴水ノズル５の先端から20mm隔たつた点で（第
２図参照）主噴水に直角に衝突する。主噴水は、
この衝突により噴出時の飛行方向とほぼ直角の力
を局部的に受けるため水玉状に分離し、飛行方向
が横方向に偏向される。この結果、主噴水ノズル
５からの主噴水は、約120mm隔たつた遮水器９の
通過筒９Ａの外側を通り遮水器９の板面に衝突し
て面に沿つて流れ、次第に運動エネルギーを失い
水面に落下する。このとき、観客には遮水器裏面
の主噴水が見えないため、カバー１０の小穴１０
Ａから出る噴水の後端が切断除去されたように見
える。

電磁弁８が閉じると、副噴水が停止するため主
噴水が再び小穴１０Ａから噴出し始める。

弁制御装置１１からの弁開閉信号の時間間隔を
150ミリ秒程度に短くすると、防護カバー１０の
小穴１０Ａからの主噴水は部分的に欠落した棒状
（第３図）を呈する。電気弁として用いた直動形
電磁弁８は、弁開閉時間が10ミリ秒程度と短いた
め主噴水を鋭く切断出来る。同様の目的でパイロ
ツト形電磁弁を利用することも出来るが、その場
合には開閉時間が長いため切断の鋭さが失われ切
断面も乱れがちになる。本例では送水ポンプとし
て送水圧の異なる２個の水中ポンプ３及び６を用
いているが、減圧装置等を付加して送水圧を個々
に調整すれば１個の水中ポンプをこれらに代用す
ることも出来る。

また、防護カバー１０に防音処理を施せば、遮
水器９としてこれを兼ねさせることも出来る。

［考案の効果］ 本考案の装置は、衝突板を排除し、機械的可動
部が電磁弁内の小さな弁体のみとなるように構成
されている。この結果、重量を大きくする衝突板
の駆動装置が省略され装置の小型軽量化が容易に
なる。また、弁開閉時間が10ミリ秒程度に短くな
るため、噴水に多数の欠落区間を設け区間の長さ
に変化を与えるなどの多様化が可能になる。さら
に、電磁弁は摩耗に強く10万回以上の開閉に耐え
る結果、装置の点検も不要となり保守が容易にな
る。以上の結果、装置が小型簡略化され、耐久性
の高い装置を安価に提供することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の噴水装置の構成を示す図、
第２図は、第１図の装置のノズル周辺部の詳細
図、第３図は、本考案の装置により得られる噴水
の姿態図である。 １……水槽、３……主送水ポンプ、５……主噴
水ノズル、６……副送水ポンプ、７……副噴水ノ
ズル、８……電磁弁、９……遮水器、１０……防
護カバー、１１……弁制御装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 圧力水を供給する送水ポンプと、該送水ポンプ
   からの圧送水を噴出する主噴水ノズルと、該主噴
   水ノズルから噴出する主噴水に衝突し飛行方向を
   偏向させるための副噴水を発生させる副噴水ノズ
   ルと、該副噴水ノズルへの送水路を開閉する電気
   式制御弁と、前記副噴水ノズルからの副噴水によ
   り偏向された主噴水を視界から隠すための遮水器
   を備えることを特徴とする噴水装置。