JPH05251473A - 電界効果トランジスタ - Google Patents

電界効果トランジスタ

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JPH05251473A
JPH05251473A JP4851492A JP4851492A JPH05251473A JP H05251473 A JPH05251473 A JP H05251473A JP 4851492 A JP4851492 A JP 4851492A JP 4851492 A JP4851492 A JP 4851492A JP H05251473 A JPH05251473 A JP H05251473A
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JP
Japan
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layer
undoped
effect transistor
inalas
field effect
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Withdrawn
Application number
JP4851492A
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English (en)
Inventor
Masaaki Kuzuhara
正明 葛原
Kazuhiko Onda
和彦 恩田
Yuji Ando
裕二 安藤
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NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
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Publication date
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Publication of JPH05251473A publication Critical patent/JPH05251473A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低電界動作領域および高電界動作領域のいず
れにおいても優れた電子輸送特性が期待できるヘテロ接
合電界効果トランジスタを提供する。 【構成】 アンドープInAlAs層32とアンドープ
InP層33とアンドープInGaAs層34とn型不
純物を含むInAlAs層35がこの順で積層され、前
記アンドープInGaAs層34および前記アンドープ
InP層33に蓄積した電子が電流路を形成する電界効
果トランジスタであって、前記n型不純物を含むInA
lAs層35上に配設されたゲート電極とを有してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電界効果トランジスタ、
詳しくは2次元電子ガスを用いたヘテロ接合電界効果ト
ランジスタ構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】選択ドープヘテロ接合界面に生じる2次
元電子ガスの優れた輸送特性を利用したヘテロ接合電界
効果トランジスタが、超高周波帯における低雑音素子や
高電力素子および超高速ディジタル集積回路の基本素子
として期待されている。
【0003】従来から知られている最も一般的なヘテロ
接合電界効果トランジスタの断面構造図を図9に示す。
この第1のトランジスタ構造の従来例は、例えば、常信
(Joshin)らによって1983 IEEE MT
T−S 国際マイクロウェーブ・シンポジウム・ダイジ
ェスト(IEEE、MTT−S、Internatio
nal Microwave Symposium D
igest)563頁、1983年に報告されているも
のである。図において、1はアンドープGaAsチャネ
ル層、2はアンドープAlGaAsスペーサ層、3はn
型AlGaAsドナー層、4はn型GaAsコンタクト
層、5はゲート電極、6はソース電極、7はドレイン電
極である。アンドープGaAsチャネル層1に蓄積した
電子はゲート電極5に印加されたゲート電圧によってそ
の濃度が制御され、ソース電極6とドレイン電極7の間
に印加されたドレイン電界によって加速される。この従
来構造をもつ電界効果トランジスタの基本特性は、アン
ドープGaAsチャネル層1の電子輸送特性によって決
定される。
【0004】図10はヘテロ接合電界効果トランジスタ
の断面構造を示す別の従来例を示したものである。この
トランジスタ構造は、榎木らによって第52回応用物理
学会学術講演会講演予稿集、1194頁、1991年に
報告されているものである。図において、11はアンド
ープInAlAs層バッファ層、12はn型InPドナ
ー層、13はアンドープInGaAsチャネル層、14
はn型InAlAsドナー層、15はn型InGaAs
コンタクト層である。アンドープInGaAsチャネル
層13およびn型InP層ドナー層12に蓄積した電子
はゲート電極5に印加されたゲート電圧によってその濃
度が制御され、ソース電極6とドレイン電極7の間に印
加されたドレイン電界によって加速される。この従来構
造をもつ電界効果トランジスタの基本特性は、アンドー
プInGaAsチャネル層13およびn型InPドナー
層12の両方の電子輸送特性によって決定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図9に示した従来構造
のチャネル層であるアンドープGaAsのドリフト速度
−電界特性を図11に示す。電界強度が4kV/cm付
近で電子速度は最大値約2×107 cm/秒を示すが、
それ以上の高電界領域では電子速度は逆に低下する。図
11にはIn組成比が0.53のInGaAsのドリフ
ト速度−電界特性も同時に示してある。得られる最大電
子速度はGaAsに比べて向上するものの、電界強度4
〜5kV/cm以上の高電界領域ではGaAsの場合と
同様にInGaAsの場合においても電子速度は低下す
る。すなわち、チャネル層としてIn組成比0.53の
InGaAsを用いた場合、低電界領域では優れた電子
輸送特性が期待できるが、高電界領域では必ずしも優れ
た特性が期待できないという問題点があった。
【0006】この高電界領域での問題点を改善するため
のひとつの方法として、図10の従来例に示した方法が
知られている。この方法では、In組成比0.53のI
nGaAsチャネル層に隣接してn型不純物を含むIn
P層が導入されている。このn型不純物を含むInP層
の役割は、次のように説明することができる。すなわ
ち、ドレイン電界によって加速されて熱くなった電子の
一部は、InGaAsチャネル層から前記n型不純物を
含むInP層に実空間遷移を起こし、このInP層内を
走行する。一方、InP材料のドリフト速度−電界特性
は、図11に示すように10kV/cm付近でピークを
もつことが知られている。したがって、前記In組成比
0.53のInGaAsチャネル層で加速され熱くなっ
た電子にとっては、そのまま、InGaAsチャネル層
内を走行するより隣接するInP層に実空間遷移してI
nP層内を走行した方が全体としては優れた電子輸送特
性が期待できることになる。
【0007】しかし、この場合、InP層がn型にドー
プされているため、このn型InP層内を走行する電子
はイオン化不純物散乱の影響を受けて、電子のドリフト
速度が期待されるほど大きくならないという問題点があ
った。
【0008】本発明の目的は低電界、高電界動作領域の
いずれかにおいても優れた電子輸送特性をもつヘテロ接
合電界効果トランジスタを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明の電界効果トラ
ンジスタは、半導体基板上にアンドープInAlAs層
とアンドープInP層とアンドープInGaAs層とn
型不純物を含むInAlAs層がこの順で積層され、前
記アンドープInGaAs層および前記アンドープIn
P層に蓄積した電子が電流路を形成する電界効果トラン
ジスタであって、前記n型不純物を含むInAlAs層
上にゲート電極を配設してなることを特徴とする。
【0010】または、半導体基板上にn型不純物を含む
第1のInAlAs層とアンドープInP層とアンドー
プInGaAs層とn型不純物を含む第2のInAlA
s層がこの順で積層され、前記アンドープInGaAs
層および前記アンドープInP層に蓄積した電子が電流
路を形成する電界効果トランジスタであって、前記n型
不純物を含む第2のInAlAs層上にゲート電極を配
設してなることを特徴とする。
【0011】あるいは、半導体基板上にアンドープIn
AlAs層とアンドープInGaAsP層とアンドープ
InGaAs層とn型不純物を含むInAlAs層がこ
の順で積層され、前記アンドープInGaAs層および
前記アンドープInGaAsP層に蓄積した電子が電流
路を形成する電界効果トランジスタであって、前記n型
不純物を含むInAlAs層上にゲート電極を配設して
なることを特徴とする。
【0012】または、半導体基板上にn型不純物を含む
第1のInAlAs層とアンドープInGaAsP層と
アンドープInGaAs層とn型不純物を含む第2のI
nAlAs層がこの順で積層され、前記アンドープIn
GaAs層および前記アンドープInGaAsP層に蓄
積した電子が電流路を形成する電界効果トランジスタで
あって、前記n型不純物を含む第2のInAlAs層上
にゲート電極を配設してなることを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明によれば、アンドープInGaAs、お
よびアンドープInPまたはInGaAsPの2つのチ
ャネル層をもち、エネルギーの低い電子は主としてアン
ドープInGaAsチャネル層中を走行するが、電子エ
ネルギーが高くなるにつれてその熱い電子の一部がアン
ドープのInPまたはInGaAsPチャネル層中を走
行するヘテロ接合電界効果トランジスタが得られる。こ
の際、熱い電子が主として走行するInPやInGaA
sPのドリフト速度−電界特性は、図11に示すように
InGaAsのドリフト速度−電界特性に比べて高電界
側にピークをもつため、熱い電子のチャネル層としては
望ましい特性を有している。
【0014】さらに、熱い電子のチャネル層となるIn
PまたはInGaAsPには不純物が含まれていないた
め、InPまたはInGaAsPチャネル層についても
イオン化不純物散乱の影響のない良好な電子輸送特性を
得ることができる。
【0015】また、チャネル層の1つにInGaAsP
層を用いた場合は、アンドープInGaAsP層のGa
組成比とAs組成比を選択することによって、ドリフト
速度が最大となる電界値やアンドープInGaAs層と
アンドープInGaAsP層の界面に存在するポテンシ
ャル障壁の高さを変化させることができる利点がある。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を詳
細に説明する。
【0017】図1は、本発明の電界効果トランジスタの
第1の実施例の断面構造を示す模式図である。図におい
て、31は半絶縁性InP基板、32はアンドープIn
AlAs層、33は、アンドープInP層、34はアン
ドープInGaAs層、35はn型不純物を含むInA
lAs層、36はn型InGaAs層コンタクト層であ
る。アンドープInGaAs層34のIn組成比xは半
絶縁性InP基板31に格子整合する0.53に選ぶこ
とができるが、この値に制限されるものではなく、0.
4≦x≦0.9の範囲で変化させることが可能である。
同様に、アンドープInAlAs層32およびn型不純
物を含むInAlAs層35の各In組成比についても
半絶縁性InP基板31に格子整合する0.52に選ぶ
ことができるが、この値に制限されるものではない。ま
た、n型不純物を含むInAlAs層35の内部での不
純物分布は一様分布とすることができるが、これに限ら
れるものではなく、不純物分布を深さ方向に傾斜状やス
テップ状に変化させたり、不純物が存在する位置を局在
化させたり(例えば、プレーナ・ドーピングなど)する
ことが可能である。
【0018】図2は本実施例のトランジスタ構造のゲー
ト直下でのエネルギーバンド図(図の実線)と熱平衡時
の電子濃度分布図(図の破線)を示したものである。電
子は、アンドープInGaAs層34の内部ばかりでな
く、その一部がアンドープInP層33にも及んで分布
する。
【0019】このような電界効果トランジスタは以下の
ようにして作製することができる。まず、半絶縁性In
P基板31上に有機金属気相成長法(MOCVD)によ
り、アンドープIn0 . 5 2 Al0 . 4 8 Asバッファ
層32を厚さ800nm、アンドープInPサブチャネ
ル層33を10nm、アンドープIn0 . 5 3 Ga
0. 4 7 Asチャネル層34を20nm、アンドープI
0 . 5 2 Al0 . 4 8 Asスペーサ層(図示してはい
ない)を2nm、Siを4×101 8 cm- 3 程度ドー
プしたn型In0 . 5 2 Al0 . 4 8 As層35を15
nm、アンドープIn0 . 5 2 Al0 . 4 8 Asショッ
トキー層(図示してはいない)を20nm、Siを5×
101 8 cm- 3 程度ドープしたn型In0 . 5 3 Ga
0 . 4 7 Asコンタクト層36を40nm、この順序で
エピタキシャル成長する。n型In0. 5 3 Ga
0 . 4 7 Asコンタクト層上に金ゲルマニウム/ニッケ
ル(AuGe/Ni)金属からなるソース電極6とドレ
イン電極7を形成した後、温度420℃程度の熱処理に
よってオーム性接触を形成する。次に、n型In
0 . 5 3 Ga0 . 4 7 Asコンタクト層をエッチング除
去したリセス部にアルミニウム(Al)からなるゲート
電極5を形成する。
【0020】このようにして作製された電界効果トラン
ジスタのゲート直下では、電子がアンドープIn
0 . 5 3 Ga0 . 4 7 Asチャネル層34とアンドープ
InPサブチャネル層33の両方に分布して存在する。
さらに、ソース・ドレイン間に印加するバイアス電圧を
増加させると、チャネルを走行する電子のエネルギーが
増加し、実空間遷移によってアンドープInPサブチャ
ネル層に存在する電子の割合が増加する。したがって、
ソース・ドレイン間バイアス電圧が低い動作領域ではI
nGaAs材料の低電界動作領域での良好な電子輸送特
性が利用でき、ソース・ドレイン間バイアス電圧が高く
なった高電界動作領域ではInP材料の高電界特性を反
映した良好な電子輸送特性が利用できる。
【0021】この第1の実施例に示す電界効果トランジ
スタはマイクロ波やミリ波領域で高い電力利得を示す。
したがって、低雑音増幅器、広帯域増幅器、中出力用増
幅器などのアナログ応用からデジタル応用に至る広い用
途に利用することができる。
【0022】図3は本発明の電界効果トランジスタの第
2の実施例の断面構造を示す模式図である。図におい
て、132はn型不純物を含む第1のInAlAs層、
135はn型不純物を含む第2のInAlAs層であ
る。
【0023】第1の実施例と同様に、InGaAs層3
4やInAlAs層132、135の組成やInAlA
s層の不純物濃度、分布形状はデバイスの目的に応じて
設定すればよい。
【0024】図4は本実施例のトランジスタ構造のゲー
ト直下でのエネルギーバンド図(実線)と熱平衡時の電
子濃度分布図(破線)を示したものである。電子は、ア
ンドープInGaAs層34の内部ばかりでなく、その
一部がアンドープInP層33にも及んで分布する。
【0025】このような電界効果トランジスタは以下の
ようにして作製することができる。まず。半絶縁性In
P基板31上に有機金属気相成長法(MOCVD)によ
り、アンドープIn0 . 5 2 Al0 . 4 8 Asバッファ
層32を厚さ800nm、Siを5×101 7 cm- 3
程度ドープしたn型In0 . 5 2 Al0 . 4 8 As層1
32を10nm、アンドープInPサブチャネル層33
を10nm、アンドープIn0 . 5 3 Ga0 . 4 7 As
チャネル層34を20nm、アンドープIn0. 5 2
0 . 4 8 Asスペーサ層(図示してはいない)2n
m、Siを2×101 8 cm- 3 程度ドープしたn型I
. 5 2 Al0 . 4 8 As層135を15nm、アンド
ープIn0 . 5 2 Al0 . 4 8 Asショットキー層(図
示してはいない)を20nm、Siを5×101 8 cm
- 3 程度ドープしたn型In0 . 53 Ga0 . 4 7 As
コンタクト層36を40nm、この順序でエピタキシャ
ル成長する。n型In0 . 5 3 Ga0 . 4 7 Asコンタ
クト層上にAuGe/Ni金属からなるソース電極6と
ドレイン電極7を形成した後、温度420℃程度の熱処
理によってオーム性接触を形成する。次に、n型In
0 . 5 3 Ga0 . 4 7 Asコンタクト層をエッチング除
去したリセス部にアルミニウム(Al)からなるゲート
電極5を形成する。
【0026】このようにして作製された電界効果トラン
ジスタのゲート直下では、電子がアンドープIn
0 . 5 3 Ga0 . 4 7 Asチャネル層34とアンドープ
InPサブチャネル層33の両方に分布して存在する。
さらに、ソース・ドレイン間に印加するバイアス電圧を
増加させると、チャネルを走行する電子のエネルギーが
増加し、実空間遷移によってアンドープInPサブチャ
ネル層に存在する電子の割合が増加する。したがって、
ソース・ドレイン間バイアス電圧が低い動作領域ではI
nGaAs材料の低電界動作領域での良好な電子輸送特
性が利用でき、ソース・ドレイン間バイアス電圧が高く
なった高電界動作領域ではInP材料の高電界特性を反
映した良好な電子輸送特性が利用できる。
【0027】この第2の実施例に示す電界効果トランジ
スタの特徴はアンドープInGaAsチャネル層とアン
ドープInPサブチャネル層の2層を挟んで、上下に2
層のn型InAlAs層が存在することである。したが
って、第1の実施例に示した構造に比べてこの第2の電
界効果トランジスタにおいては、ゲート電極側にある上
層のn型InAlAs層のドナー濃度を低く設定して
も、下層のn型InAlAs層のドナー濃度を適切に設
定することにより、所望のしきい値電圧を得ることが可
能となる。ゲート電極側のn型InAlAs層のドナー
濃度はゲート・ドレイン間耐圧の決定に大きな影響を及
ぼし、通常このドナー濃度を低く設定することによって
大きなゲート・ドレイン間耐圧が得られる。すなわち、
この第2の実施例に示す電界効果トランジスタは、マイ
クロ波やミリ波領域での高出力増幅器や発振器などの大
振幅動作を伴うアナログ応用やデジタル応用により広く
利用することができる。
【0028】図5は、本発明の電界効果トランジスタの
第3の実施例の断面構造を示す模式図である。図におい
て、31は半絶縁性InP基板、32はアンドープIn
AlAs層、133は、アンドープInGaAsP層、
34はアンドープInGaAs層、35はn型不純物を
含むInAlAs層、36はn型InGaAsコンタク
ト層である。アンドープInGaAs層34のIn組成
比xは半絶縁性InP基板31に格子整合する0.53
に選ぶことができるが、この値に制限されるものではな
く、0.4≦x≦0.9の範囲で変化させることが可能
である。また、アンドープInGaAsP層33のGa
組成比およびAs組成比についても半絶縁性InP基板
31に格子整合するようにそれぞれ選ぶことができる
が、この条件に必ずしも制限されるものではない。さら
に、アンドープInAlAs層32およびn型不純物を
含むInAlAs層35の各In組成比についても半絶
縁性InP基板31に格子整合する0.52に選ぶこと
ができるが、この値に制限されるものではない。また、
n型不純物を含むInAlAs層35の内部での不純物
分布は一様分布とすることができるが、これに限られる
ものではなく、不純物分布を深さ方向に傾斜状やステッ
プ状に変化させたり、不純物が存在する位置を局在化さ
せたり(例えば、プレーナ・ドーピングなど)すること
が可能である。
【0029】図6は本実施例のトランジスタ構造のゲー
ト直下でのエネルギーバンド図(図の実線)と熱平衡時
の電子濃度分布図(図の破線)を示したものである。電
子は、アンドープInGaAs層34の内部ばかりでな
く、その一部がアンドープInGaAsP層33にも及
んで分布する。
【0030】このような電界効果トランジスタは以下の
ようにして作製することができる。まず、半絶縁性In
P基板31上に有機金属気相成長法(MOCVD)によ
り、アンドープIn0 . 5 2 Al0 . 4 8 Asバッファ
層32を厚さ800nm、アンドープIn0 . 7 8 Ga
0 . 2 2 As0 . 4 9 0 . 5 1 サブチャネル層133
を10nm、アンドープIn0 . 5 3 Ga0 . 4 7 As
チャネル層34を20nm、アンドープIn0 . 5 2
0 . 4 8 Asスペーサ層(図には示していない)を2
nm、Siを4×101 8 cm- 3 程度ドープしたn型
In0 . 5 2 Al0 . 4 8 As層35を15nm、アン
ドープIn0 . 5 2 Al0 . 4 8 Asショットキー層
(図には示していない)を20nm、Siを5×10
1 8 cm- 3程度ドープしたn型In0 . 5 3 Ga
0 . 4 7 As層コンタクト層36を40nm、この順序
でエピタキシャル成長する。n型In0 . 5 3 Ga
0 . 4 7 Asコンタクト層36上にAuGe/Ni金属
からなるソース電極6とドレイン電極7を形成した後、
温度420℃程度の熱処理によってオーム性接触を形成
する。次に、n型In0 . 5 3 Ga0 . 4 7 Asコンタ
クト層をエッチング除去したりセス部にアルミニウム
(Al)からなるゲート電極5を形成する。
【0031】このようにして作製された電界効果トラン
ジスタのゲート直下では、電子がアンドープIn
0 . 5 3 Ga0 . 4 7 Asチャネル層34とアンドープ
In0 . 78 Ga0 . 2 2 As0 . 4 9 0 . 5 1 サブ
チャネル層133の両方に分布して存在する。さらに、
ソース・ドレイン間に印加するバイアス電圧を増加させ
ると、チャネルを走行する電子のエネルギーが増加し、
実空間遷移によってアンドープIn0 . 7 8 Ga
0 . 2 2 As0 . 4 9 0 . 5 1 サブチャネル層に存在
する電子の割合が増加する。したがって、ソース・ドレ
イン間バイアス電圧が低い動作領域ではInGaAs材
料の低電界動作領域での良好な電子輸送特性が利用で
き、ソース・ドレイン間バイアス電圧が高くなった高電
界動作領域ではInGaAsP材料の高電界特性を反映
した良好な電子輸送特性が利用できる。
【0032】この第3の実施例に示す電界効果トランジ
スタはマイクロ波やミリ波領域で高い電力利得を示す。
したがって、低雑音増幅器、広帯域増幅器、中出力用増
幅器などのアナログ応用からデジタル応用に至る広い用
途に利用することができる。
【0033】図7は、本発明の電界効果トランジスタの
第4の実施例の断面構造を示す模式図である。図におい
て、132はn型不純物を含む第1のInAlAs層、
135はn型不純物を含む第2のInAlAs層であ
る。前述の実施例と同様に、InGaAs層34やIn
AlAs層132、135の組成や不純物濃度分布はデ
バイスの目的に応じて設定すればよい。
【0034】図8は本実施例のトランジスタ構造のゲー
ト直下でのエネルギーバンド図(実線)と熱平衡時の電
子濃度分布図(破線)を示したものである。電子は、ア
ンドープInGaAs層34の内部ばかりでなく、その
一部がアンドープInGaAsP層133にも及んで分
布する。
【0035】このような電界効果トランジスタは以下の
ようにして作製することができる。まず、半絶縁性In
P基板31上に有機金属気相成長法(MOCVD)によ
り、アンドープIn0 . 5 2 Al0 . 4 8 Asバッファ
層32を800nm、Siを5×101 7 cm- 3 程度
ドープしたn型In0 . 5 2 Al0 . 4 8 As層132
を10nm、アンドープIn0 . 7 8 Ga0 . 2 2 As
0 . 4 9 0 . 5 1 サブチャネル層133を10nm、
アンドープIn0 . 5 3 G0 . 4 7 Asチャネル層3
4を20nm、アンドープIn0 . 5 2 Al0 . 4 8
sスペーサ層(図示していない)を例えば2nm、Si
を2×101 8 cm- 3 程度ドープしたn型In
0 . 5 2 Al0 . 4 8 As層135を15nm、アンド
ープIn0 . 52 Al0 . 4 8 Asショットキー層(図
示していない)を20nm、Siを5×101 8 cm
- 3 程度ドープしたn型In0 . 5 3 Ga0 . 4 7 As
コンタクト層36を40nm、この順序でエピタキシャ
ル成長する。n型In0 . 5 3 Ga0 . 4 7 Asコンタ
クト層上にAuGe/Ni金属からなるソース電極6と
ドレイン電極7を形成した後、温度420℃程度の熱処
理によってオーム性接触を形成する。次に、n型In
0 . 5 3 Ga0 . 4 7 Asコンタクト層をエッチング除
去したリセス部にアルミニウム(Al)からなるゲート
電極5を形成する。
【0036】このようにして作製された電界効果トラン
ジスタのゲート直下では、電子がアンドープIn
0 . 5 3 Ga0 . 4 7 Asチャネル層34とアンドープ
In0 . 78 Ga0 . 2 2 As0 . 4 9 0 . 5 1 サブ
チャネル層133の両方に分布して存在する。さらに、
ソース・ドレイン間に印加するバイアス電圧を増加させ
ると、チャネルを走行する電子のエネルギーが増加し、
実空間遷移によってアンドープIn0 . 7 8 Ga
0 . 2 2 As0 . 4 9 0 . 5 1 サブチャネル層に存在
する電子の割合が増加する。したがって、ソース・ドレ
イン間バイアス電圧が低い動作領域ではInGaAs材
料の低電界動作領域での良好な電子輸送特性が利用で
き、ソース・ドレイン間バイアス電圧が高くなった高電
界動作領域ではInGaAsP材料の高電界特性を反映
した良好な電子輸送特性が利用できる。
【0037】この第4の実施例に示す電界効果トランジ
スタの特徴は、アンドープInGaAsチャネル層とア
ンドープInGaAsPサブチャネル層の2層を挟ん
で、上下に2層のn型InAlAs層が存在することで
ある。したがって、第3の実施例に示した構造に比べて
この第4の電界効果トランジスタにおいては、ゲート電
極側にある上層のn型InAlAs層のドナー濃度を低
く設定しても、下層のn型InAlAs層のドナー濃度
を適切な値に設定することにより、所望のしきい値電圧
を得ることが可能となる。ゲート電極側のn型InAl
As層のドナー濃度はゲート・ドレイン間耐圧の決定に
大きな影響を及ぼし、通常このドナー濃度を低く設定す
ることによって大きなゲート・ドレイン間耐圧が得られ
る。すなわち、この第4の実施例に示す電界効果トラン
ジスタは、マイクロ波やミリ波領域での高出力増幅器や
発振器などの大振幅動作を伴うアナログ応用やデジタル
応用により広く利用することができる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
低電界動作領域で優れた電子輸送特性を示すInGaA
s材料と、高電界動作領域で優れた電子輸送特性を示す
InPまたはInGaAsP材料の両方の長所を活用で
きる電界効果トランジスタが実現できる。さらに、本発
明の電界効果トランジスタにおいては、サブチャネル層
を形成するInP層またはInGaAsP層をアンドー
プとして用いることができるため、イオン化不純物散乱
に起因する電子移動度やドリフト速度の低下はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電界効果トランジスタの第1の実施例
の断面構造を示す模式図である。
【図2】本発明の第1の実施例に示す電界効果トランジ
スタのゲート直下でのエネルギーバンド図と熱平衡時の
電子濃度分布図である。
【図3】本発明の電界効果トランジスタの第2の実施例
の断面構造を示す模式図である。
【図4】本発明の第2の実施例に示す電界効果トランジ
スタのゲート直下でのエネルギーバンド図と熱平衡時の
電子濃度分布図である。
【図5】本発明の電界効果トランジスタの第3の実施例
の断面構造を示す模式図である。
【図6】本発明の第3の実施例を示す電界効果トランジ
スタのゲート直下でのエネルギーバンド図と熱平衡時の
電子濃度分布図である。
【図7】本発明の電界効果トランジスタの第4の実施例
の断面構造を示す模式図である。
【図8】本発明の第4の実施例に示す電界効果トランジ
スタのゲート直下でのエネルギーバンド図と熱平衡時の
電子濃度分布図である。
【図9】従来技術による電界効果トランジスタの断面構
造図である。
【図10】別の従来技術による電界効果トランジスタの
断面構造図である。
【図11】GaAs、In0 . 5 3 Ga0 . 4 7 As、
In0 . 7 8 Ga0 . 2 2 As0. 4 9 0 . 5 1 、お
よびInPの各ドリフト速度−電界特性を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 アンドープGaAsチャネル層。 2 アンドープAlGaAsスペーサ層 3 n型AlGaAsドナー層 4 n型GaAsコンタクト層 5 ゲート電極 6 ソース電極 7 ドレイン電極 11 アンドープInAlAs層バッファ層 12 n型InP層ドナー層 13 アンドープInGaAsチャネル層 14 n型InAlAs層ドナー層 15 n型InGaAsコンタクト層 31 半絶縁性InP層基板 32 アンドープInAlAs層 33 アンドープInP層 34 アンドープInGaAs層 35 n型不純物を含む第1のInAlAs層 36 n型InGaAsコンタクト層 132 n型不純物を含む第1のInAlAs層 133 アンドープInGaAsP層 135 n型不純物を含む第2のInAlAs層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上にアンドープInAlAs
    層とアンドープInP層とn型不純物を含むInAlA
    s層がこの順で積層され、前記アンドープInGaAs
    層および前記アンドープInP層に蓄積した電子が電流
    路を形成する電界効果トランジスタであって、前記n型
    不純物を含むInAlAs層上にゲート電極を配設して
    なることを特徴とする電界効果トランジスタ。
  2. 【請求項2】 半導体基板上にn型不純物を含む第1の
    InAlAs層とアンドープInP層とアンドープIn
    GaAs層とn型不純物を含む第2のInAlAs層が
    この順で積層され、前記アンドープInGaAs層およ
    び前記アンドープInP層に蓄積した電子が電流路を形
    成する電界効果トランジスタであって、前記n型不純物
    を含む第2のInAlAs層上にゲート電極を配設して
    なることを特徴とする電界効果トランジスタ。
  3. 【請求項3】 半導体基板上にアンドープInAlAs
    層とアンドープInGaAsP層とアンドープInGa
    As層とn型不純物を含むInAlAs層がこの順で積
    層され、前記アンドープInGaAs層および前記アン
    ドープInGaAsP層に蓄積した電子が電流路を形成
    する電界効果トランジスタであって、前記n型不純物を
    含むInAlAs層上にゲート電極を配設してなること
    を特徴とする電界効果トランジスタ。
  4. 【請求項4】 半導体基板上にn型不純物を含む第1の
    InAlAs層とアンドープInGaAsP層とアンド
    ープInGaAs層とn型不純物を含む第2のInAl
    As層がこの順で積層され、前記アンドープInGaA
    s層および前記アンドープInGaAsP層に蓄積した
    電子が電流路を形成する電界効果トランジスタであっ
    て、前記n型不純物を含む第2のInAlAs層上にゲ
    ート電極を配設してなることを特徴とする電界効果トラ
    ンジスタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016219726A (ja) * 2015-05-26 2016-12-22 日本電信電話株式会社 電界効果トランジスタ

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JP2016219726A (ja) * 2015-05-26 2016-12-22 日本電信電話株式会社 電界効果トランジスタ

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