JPH052504Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は給紙装置における紙捌き部材に関し、
より具体的には摩擦体の交換を容易にしたこの種
紙捌き部材に関する。

［従来の技術］ 紙の送り方向上流側の滑り面を形成する滑面体
と、下流側の摩擦面を形成する摩擦体と、を含む
給紙装置における従来の紙捌き部材にあつては、
摩擦体は、紙捌き部材本体に接着剤等で貼付ける
か、紙捌き部材本体に形成した蟻溝内に嵌込むか
して固定していた。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記摩擦体は一般的にポリウレタン等の合成ゴ
ム材料からなり、経時的な使用により摩擦面が摩
耗する消耗品である為、摩耗の状況に応じて交換
が必要となる。上記従来の紙捌き部材にあつて
は、接着式の場合は交換作業が面倒であり、また
嵌込み式の場合は寸法精度が確りしていないと摩
擦体が撓んだりがたついたりして所望の紙捌き機
能が得られなくなるという問題が生じた。

本考案は斯かる観点に基づいてなされたもので
あり、摩擦体の交換が容易で、而も交換後に所望
の紙捌き機能が得易い紙捌き部材を提供すること
を目的とする。

［問題点を解決する為の手段］ 上記目的を達成する為本考案にあつては、紙捌
き部材本体に下流側衝合壁面を有する摩擦体装着
部を設ける一方、滑面体には摩擦体を装着部に係
止する下流方向張出し縁部を設けた。また滑面体
を紙捌き部材本体上で変位可能とすると共に、滑
面体と紙捌き部材本体との間に配設したスプリン
グにより滑面体を下流側に向けて付勢した。

［作用］ 上記構成により本考案に係る紙捌き部材にあつ
ては、滑面体の変位操作により摩擦体を紙捌き部
材本体に対して着脱することができる。

［実施例］ 図は本考案に係る給紙装置における紙捌き部材
を示す縦断側面図である。この図における給紙ロ
ーラ１０と紙捌き部材１２との対向位置関係は、
図中右方の給紙台上に別の補助給紙ローラが設け
られ、給紙台上の紙が先ずその補助給紙ローラの
作用により給紙ローラ１０と紙捌き部材１２との
間に設けられて来ることを前提としたものであ
る。紙捌き部材１２の本体１４は、中央下部を貫
通する一体的に固定されたシヤフト１６を介し
て、給紙装置のケーシングに無段階的に係止可能
に枢支され、必要に応じて給紙ローラ１０に対し
て角度を調整できるようになつている。

紙捌き部材１２の紙捌き面３２は矢標Ａで示さ
れる紙の送り方向上流側の滑り面３４と下流側の
摩擦面３６とからなる。滑り面３４は本体１４の
上流方向張出し部１８上に載置された滑面体３８
の上面からなり、また摩擦面３６は本体１４の下
流側の装着部２２に係止された摩擦体６２の上面
からなる。

滑面体３８はへの字形の滑り面３４を形成する
金属板４２とこれにスポツト溶接された金属製支
持体４４とからなる。支持体４４の下面には首部
４６が下方に向けて突設され、更に首部４６の下
端部にはフランジ４８が連設される。これに対し
て本体張出し部１８には首部４６と概ね同じ横幅
の長孔２４が紙の送り方向に沿つて形成され、上
記首部４６はこの長孔２４内に装着される。首部
４６の長さは、上記フランジ４８が本体張出し部
１８の下面に密着するようになつており、従つて
滑面体３８は長孔２４に沿つて即ち紙の送り方向
と概ね平行な方向において摺動式に本体１４上で
変位可能となつている。また滑面体３８の上流側
垂壁５２と本体１４との間には引張りコイル・ス
プリング５４が配設され、この作用により滑面体
３８は下流側に向けて付勢される。

摩擦体６２はポリウレタン等の合成ゴム材料の
板からなり、その上流側の端面６４に隣接してス
テツプ６６が形成される。端面６４は滑面体３８
の下流側端壁５６に衝合し、ステツプ６６は滑面
体３８の下流方向張出し縁部５８の端面に衝合す
る。また摩擦体６２の下流側の端面６８は下縁に
向つて張出すように傾斜する。これに対して本体
１４の装着部２２の対向する壁面２６も端面６８
と概ね同角度で傾斜する。

摩擦体６２はスプリング５４の勢力により滑面
体３８を介して下流側に向けて押しやられ、下流
側の端面６８が装着部２２の対向する壁面２６に
衝合した状態で所定位置に配置される。この状態
において滑面体３８の張出し縁部５８及び傾斜壁
面２６が上方に摩擦体６２が外れるのを防止し、
摩擦体６２を装着部に係止する。摩擦体６２の交
換に際しては、滑面体３８をスプリング５４の勢
力に抗して上流側に引張り、張出し縁部５８によ
る係止を解除すれば摩擦体６２を取外すことがで
き、また新たな摩擦体６２を装着することが可能
となる。

［考案の効果］ 本考案に係る紙捌き部材によれば、滑面体の変
位操作により摩擦体を紙捌き部材本体に対して着
脱することができる為に摩擦体の交換が容易で、
而も装着状態において摩擦体に無理な力が掛から
ない為に摩擦体が撓むようなこともなく、交換後
に所望の紙捌き機能が得易い。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係る給紙装置における紙捌き部材
を示す縦断側面図である。 １０……給紙ローラ、１２……紙捌き部材、１
４……紙捌き部材本体、３８……滑面体、５４…
…スプリング、６２……摩擦体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 紙の送り方向上流側の滑り面を形成する滑面
   体と、下流側の摩擦面を形成する摩擦体と、を
   含む給紙装置における紙捌き部材であつて、 紙捌き部材本体に下流側衝合壁面を有する摩
   擦体装着部を設ける一方、滑面体には摩擦体を
   装着部に係止する下流方向張出し縁部を設け、
   また滑面体を紙捌き部材本体上で変位可能とす
   ると共に、滑面体と紙捌き部材本体との間に配
   設したスプリングにより滑面体を下流側に向け
   て付勢したことを特徴とする紙捌き部材。 (2) 前記滑面体が紙の送り方向と概ね平行な方向
   において摺動式に紙捌き部材本体に対して変位
   可能である実用新案登録請求の範囲第(1)項に記
   載の紙捌き部材。 (3) 前記摩擦体の下流側端面が下縁に向つて張出
   すように傾斜し、これに対して前記摩擦体装着
   部の対向する壁面も上記端面と概ね同角度で同
   方向に傾斜する実用新案登録請求の範囲第(1)項
   に記載の紙捌き部材。