JPH0524945A - エンジン部品用セラミツクス−金属接合体 - Google Patents
エンジン部品用セラミツクス−金属接合体Info
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- JPH0524945A JPH0524945A JP768791A JP768791A JPH0524945A JP H0524945 A JPH0524945 A JP H0524945A JP 768791 A JP768791 A JP 768791A JP 768791 A JP768791 A JP 768791A JP H0524945 A JPH0524945 A JP H0524945A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 セラミックス部材１１と金属部材１２とを接
合する際に、接合面に接着剤Ｅが適当量侵入可能な加工
を施し、接着剤Ｅをクッション層として作用させるよう
両方の部材を配置して接合する。 【効果】 高温条件下でも金属材料と良好な接合強度を
維持することができ、セラミックス部材の優れた特性を
安定に実現することが可能なエンジン部品用セラミック
ス−金属接合体を得ることができる。
合する際に、接合面に接着剤Ｅが適当量侵入可能な加工
を施し、接着剤Ｅをクッション層として作用させるよう
両方の部材を配置して接合する。 【効果】 高温条件下でも金属材料と良好な接合強度を
維持することができ、セラミックス部材の優れた特性を
安定に実現することが可能なエンジン部品用セラミック
ス−金属接合体を得ることができる。
Description
【０００１】［発明の目的］
【０００２】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン部品として用
いるのに好適なエンジン部品用セラミックス−金属接合
体に関する。
いるのに好適なエンジン部品用セラミックス−金属接合
体に関する。
【０００３】
【従来の技術】エンジニアリングセラミックスは、耐摩
耗性、耐熱性、耐食性などの優れた特性を有するため、
メカニカルシ―ル、切削工具、ポンプ部品など、広い分
野で使用されている。そして、より苛酷な条件下での利
用を可能とするため種々の研究が行なわれている。たと
えば自動車部品であるガスタ―ビンエンジンとして、炭
化ケイ素、窒化ケイ素などがその特性に応じて使用され
ている。
耗性、耐熱性、耐食性などの優れた特性を有するため、
メカニカルシ―ル、切削工具、ポンプ部品など、広い分
野で使用されている。そして、より苛酷な条件下での利
用を可能とするため種々の研究が行なわれている。たと
えば自動車部品であるガスタ―ビンエンジンとして、炭
化ケイ素、窒化ケイ素などがその特性に応じて使用され
ている。
【０００４】特に、窒化ケイ素セラミックスは、優れた
耐熱性、耐食性、耐摩耗性を有するため、苛酷な条件下
で使用される産業用機械部品に用いる材料として期待さ
れており、ベアリングの転動体であるボ―ルやロ―ラと
して、またはディ―ゼルエンジンのリンクとして窒化ケ
イ素セラミックスの適用が試みられている。
耐熱性、耐食性、耐摩耗性を有するため、苛酷な条件下
で使用される産業用機械部品に用いる材料として期待さ
れており、ベアリングの転動体であるボ―ルやロ―ラと
して、またはディ―ゼルエンジンのリンクとして窒化ケ
イ素セラミックスの適用が試みられている。
【０００５】このような、自動車部品などの構造用部材
としてセラミックスを用いる場合、形状自由性などから
常圧焼結体が多く用いられている。常圧焼結によるもの
では、セラミックス内部に発生する空孔、いわゆるポア
のサイズが大きく耐圧強度が低下するため、比較的ポア
の発生しにくいホットプレス法、あるいは雰囲気加圧焼
結にＨＩＰ（熱間静水圧プレス）処理を組合せる方法に
よって、窒化ケイ素セラミックスの成形を行う場合もあ
る。また、セラミックス部材と金属部材とを、セラミッ
クス部材にメタライズ処理を施した後にろう接したり、
またTiやZrなどの活性金属を添加して濡れ性を改善した
ろう材などにより加熱接合し、複合部材として利用する
ということも行われている。
としてセラミックスを用いる場合、形状自由性などから
常圧焼結体が多く用いられている。常圧焼結によるもの
では、セラミックス内部に発生する空孔、いわゆるポア
のサイズが大きく耐圧強度が低下するため、比較的ポア
の発生しにくいホットプレス法、あるいは雰囲気加圧焼
結にＨＩＰ（熱間静水圧プレス）処理を組合せる方法に
よって、窒化ケイ素セラミックスの成形を行う場合もあ
る。また、セラミックス部材と金属部材とを、セラミッ
クス部材にメタライズ処理を施した後にろう接したり、
またTiやZrなどの活性金属を添加して濡れ性を改善した
ろう材などにより加熱接合し、複合部材として利用する
ということも行われている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】このように、セラミッ
クス部材をエンジン部品として適用する場合、セラミッ
クスは耐摩耗性や耐熱性などの特性が必要な部位に配さ
れるため、ほとんどの場合、金属材料などの従来材と接
合されて用いられている。エンジン部品としてのセラミ
ックス接合法には、焼きばめ、嵌合などの機械的接合
法、固相接合法、ろう付け法を含めた活性金属法、接着
法などが実際に使用されているが、機械的接合法は精密
前仕上げが必要、使用温度範囲が限定されるなどの欠点
があり、活性金属法には量産性に欠ける、ややコストが
高いなどの欠点がある。そのため、使用部位が 150℃以
下の低温、低負荷応力という環境であれば、有機接着剤
がコストおよび作業性の観点からも非常に有用であり、
見直され始めている。しかし、有機接着剤の持つ特性か
ら、エンジンなどのような潤滑油を多用する環境や、高
い信頼性が要求される部位においては、接着面の構造等
を改良して、接着強度や信頼性を向上させる必要があっ
た。
クス部材をエンジン部品として適用する場合、セラミッ
クスは耐摩耗性や耐熱性などの特性が必要な部位に配さ
れるため、ほとんどの場合、金属材料などの従来材と接
合されて用いられている。エンジン部品としてのセラミ
ックス接合法には、焼きばめ、嵌合などの機械的接合
法、固相接合法、ろう付け法を含めた活性金属法、接着
法などが実際に使用されているが、機械的接合法は精密
前仕上げが必要、使用温度範囲が限定されるなどの欠点
があり、活性金属法には量産性に欠ける、ややコストが
高いなどの欠点がある。そのため、使用部位が 150℃以
下の低温、低負荷応力という環境であれば、有機接着剤
がコストおよび作業性の観点からも非常に有用であり、
見直され始めている。しかし、有機接着剤の持つ特性か
ら、エンジンなどのような潤滑油を多用する環境や、高
い信頼性が要求される部位においては、接着面の構造等
を改良して、接着強度や信頼性を向上させる必要があっ
た。
【０００７】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもので、高温潤滑油などの苛酷な条件下でも
金属材料と良好な接合強度を維持することができ、高い
信頼性を実現することができるエンジン部品用のセラミ
ックス−金属接合体を提供することを目的としている。
になされたもので、高温潤滑油などの苛酷な条件下でも
金属材料と良好な接合強度を維持することができ、高い
信頼性を実現することができるエンジン部品用のセラミ
ックス−金属接合体を提供することを目的としている。
【０００８】［発明の構成］
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明のエンジン部品用
セラミックス−金属接合体は、セラミックス部材と金属
部材とが接合されるべき接合面の少なくとも一方の面
に、前記接合面の中心で交差する直線放射状の溝を有
し、接着剤を介して前記セラミックス部材と前記金属部
材とが接合されたことを特徴としている。上記直線放射
状の溝が交差する角度としては、10°〜90°の範囲が好
ましく、さらに好ましくは30°〜90°の範囲である。
セラミックス−金属接合体は、セラミックス部材と金属
部材とが接合されるべき接合面の少なくとも一方の面
に、前記接合面の中心で交差する直線放射状の溝を有
し、接着剤を介して前記セラミックス部材と前記金属部
材とが接合されたことを特徴としている。上記直線放射
状の溝が交差する角度としては、10°〜90°の範囲が好
ましく、さらに好ましくは30°〜90°の範囲である。
【００１０】本発明の第２の発明のエンジン部品用セラ
ミックス−金属接合体は、セラミックス部材と金属部材
とが接合されるべき接合面の両側の面に、複数の平行な
直線状の溝を有し、この溝が互いにπ/6〜π/2の角度で
交差するよう前記セラミックス部材と前記金属部材とを
配置し、接着剤を介して接合されたことを特徴としてい
る。
ミックス−金属接合体は、セラミックス部材と金属部材
とが接合されるべき接合面の両側の面に、複数の平行な
直線状の溝を有し、この溝が互いにπ/6〜π/2の角度で
交差するよう前記セラミックス部材と前記金属部材とを
配置し、接着剤を介して接合されたことを特徴としてい
る。
【００１１】本発明の第３の発明のエンジン部品用セラ
ミックス−金属接合体は、セラミックス部材と金属部材
とが接合されるべき接合面の前記セラミックス部材側の
接合面に凹状の穴を有し、前記金属部材の接合面に凸状
の突起部を３か所以上有し、前記凹状の穴と前記凸状の
突起部とが嵌合するよう前記セラミックス部材と前記金
属部材とを配置し、接着剤を介して接合されたことを特
徴としている。ここで上記凹状の穴および凸状の突起部
は、両者の嵌合する面（直接接触する面）が平面または
曲面のどちらでもよく、これらの縦断面は半円形状、三
角形状、四角形状などが例示される。
ミックス−金属接合体は、セラミックス部材と金属部材
とが接合されるべき接合面の前記セラミックス部材側の
接合面に凹状の穴を有し、前記金属部材の接合面に凸状
の突起部を３か所以上有し、前記凹状の穴と前記凸状の
突起部とが嵌合するよう前記セラミックス部材と前記金
属部材とを配置し、接着剤を介して接合されたことを特
徴としている。ここで上記凹状の穴および凸状の突起部
は、両者の嵌合する面（直接接触する面）が平面または
曲面のどちらでもよく、これらの縦断面は半円形状、三
角形状、四角形状などが例示される。
【００１２】本発明の第４の発明のエンジン部品用セラ
ミックス−金属接合体は、セラミックス部材と金属部材
とが接合されるべき接合面の一方の面に複数の平行な直
線状の溝を有し、接着剤を介して接合されたことを特徴
としている。ここでの溝は断面形状が半円形状であるこ
とが好ましく、上記溝の深さをｄ、円の半径をｒとする
と、ｒ/3＜ｄ＜ｒを満たすような範囲で溝を形成するこ
とが好ましい。また溝を形成するピッチをＰとすると、
3ｒ≦Ｐ≦10ｒを満たすような範囲で溝を形成すること
が好ましい。このような範囲において、セラミックス部
材と金属部材との優れた接合強度が得られる。
ミックス−金属接合体は、セラミックス部材と金属部材
とが接合されるべき接合面の一方の面に複数の平行な直
線状の溝を有し、接着剤を介して接合されたことを特徴
としている。ここでの溝は断面形状が半円形状であるこ
とが好ましく、上記溝の深さをｄ、円の半径をｒとする
と、ｒ/3＜ｄ＜ｒを満たすような範囲で溝を形成するこ
とが好ましい。また溝を形成するピッチをＰとすると、
3ｒ≦Ｐ≦10ｒを満たすような範囲で溝を形成すること
が好ましい。このような範囲において、セラミックス部
材と金属部材との優れた接合強度が得られる。
【００１３】さらに、本発明においてセラミックス部材
と金属部材とを接合する接着剤としてはエポキシ系接着
剤が挙げられ、用いるセラミックスとしては、窒化ケイ
素、炭化ケイ素、酸化ジルコニウム、窒化アルミニウ
ム、サイアロンなどが挙げられる。
と金属部材とを接合する接着剤としてはエポキシ系接着
剤が挙げられ、用いるセラミックスとしては、窒化ケイ
素、炭化ケイ素、酸化ジルコニウム、窒化アルミニウ
ム、サイアロンなどが挙げられる。
【００１４】
【作用】本発明では、セラミックス部材と金属部材との
接合面を特別な形状に加工しているため、アンカー効果
によって両者の接合強度が向上する。また、接合面の加
工によって接着剤層中に微細な空隙（空泡）が生じるた
め、これが圧力に対するクッションとして作用し、接合
部における柔軟性が付与される。これにより、接合体外
部から加えられる応力が緩和され、耐久性の向上を図る
ことができる。
接合面を特別な形状に加工しているため、アンカー効果
によって両者の接合強度が向上する。また、接合面の加
工によって接着剤層中に微細な空隙（空泡）が生じるた
め、これが圧力に対するクッションとして作用し、接合
部における柔軟性が付与される。これにより、接合体外
部から加えられる応力が緩和され、耐久性の向上を図る
ことができる。
【００１５】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。 実施例１ 図１は本発明の一実施例のエンジン部品であるタペット
を示す図で、（ａ）は斜視図、（ｂ）は縦断面図、
（ｃ）は接合面の状態を示している。同図において、タ
ペットは円盤形状の窒化ケイ素セラミックス１１と、こ
れを支持する鋳鉄１２との接合体として作製され、両方
の部材の接合面には、同図（ｃ）に示すように、窒化ケ
イ素セラミックス１１の被着面である円形の中心で交わ
る直線放射状の溝１３が形成されている。溝１３の深さ
は0.5mm 、断面形状はＶ字形であり、隣接する溝１３同
士の角度θは30°である。また、窒化ケイ素セラミック
ス１１と鋳鉄１２とは、エポキシ樹脂の接着剤Ｅで接合
され、接着剤ＥとしてはストラクトボンドE413（商品
名：三井東圧化学社製）を用いた。
説明する。 実施例１ 図１は本発明の一実施例のエンジン部品であるタペット
を示す図で、（ａ）は斜視図、（ｂ）は縦断面図、
（ｃ）は接合面の状態を示している。同図において、タ
ペットは円盤形状の窒化ケイ素セラミックス１１と、こ
れを支持する鋳鉄１２との接合体として作製され、両方
の部材の接合面には、同図（ｃ）に示すように、窒化ケ
イ素セラミックス１１の被着面である円形の中心で交わ
る直線放射状の溝１３が形成されている。溝１３の深さ
は0.5mm 、断面形状はＶ字形であり、隣接する溝１３同
士の角度θは30°である。また、窒化ケイ素セラミック
ス１１と鋳鉄１２とは、エポキシ樹脂の接着剤Ｅで接合
され、接着剤ＥとしてはストラクトボンドE413（商品
名：三井東圧化学社製）を用いた。
【００１６】エンジン部品では、（ｃ）図中に示した矢
印Ａのように円周に沿った応力がかかることがあり、こ
の実施例の放射状の溝はこの応力に対して接着剤の滑り
を防止し、接合強度を維持するのに有効である。また、
接着剤Ｅが溝１３の内部に充填される際、微細な空隙が
生じて柔軟性が付与され、押圧力に対するクッションと
しての役割を果たす。
印Ａのように円周に沿った応力がかかることがあり、こ
の実施例の放射状の溝はこの応力に対して接着剤の滑り
を防止し、接合強度を維持するのに有効である。また、
接着剤Ｅが溝１３の内部に充填される際、微細な空隙が
生じて柔軟性が付与され、押圧力に対するクッションと
しての役割を果たす。
【００１７】このタペットをディーゼルエンジンに搭載
して実走行試験を行ったところ、 5万mile走行後におい
ても窒化ケイ素セラミックス１１と鋳鉄１２との接着面
が破損せず、優れた耐久性を有していた。これに対して
従来の鋳鉄製タペットは 1万mile走行で激しい摩耗が見
られ、部品の交換が必要となった。
して実走行試験を行ったところ、 5万mile走行後におい
ても窒化ケイ素セラミックス１１と鋳鉄１２との接着面
が破損せず、優れた耐久性を有していた。これに対して
従来の鋳鉄製タペットは 1万mile走行で激しい摩耗が見
られ、部品の交換が必要となった。
【００１８】実施例２
図２は、本発明の他の実施例のエンジン部品であるクロ
スヘッドを示す図である。同図において、窒化ケイ素セ
ラミックス２１は鋳鉄製のＴ字部材２２とエポキシ樹脂
接着剤ストラクトボンドE413（商品名：三井東圧化学社
製）により接合されている。両方の部材の接合面には、
図２（ｂ）に示すように、窒化ケイ素セラミックス２１
の接合面およびＴ字部材２２の接合面に斜線の溝２３が
形成されている。そして、これらの斜線溝２３は接合時
に互いに交差するよう図２（ｂ）のように配置される。
この実施例において、交差する溝２３の角度θは60°、
溝の深さは0.5mm 、個々の溝は断面がＶ字形状、溝のピ
ッチは 2mmである。このクロスヘッドをディーゼルエン
ジンに搭載して実走行試験を行ったところ、実施例１と
同様に優れた耐久性を実現することができた。
スヘッドを示す図である。同図において、窒化ケイ素セ
ラミックス２１は鋳鉄製のＴ字部材２２とエポキシ樹脂
接着剤ストラクトボンドE413（商品名：三井東圧化学社
製）により接合されている。両方の部材の接合面には、
図２（ｂ）に示すように、窒化ケイ素セラミックス２１
の接合面およびＴ字部材２２の接合面に斜線の溝２３が
形成されている。そして、これらの斜線溝２３は接合時
に互いに交差するよう図２（ｂ）のように配置される。
この実施例において、交差する溝２３の角度θは60°、
溝の深さは0.5mm 、個々の溝は断面がＶ字形状、溝のピ
ッチは 2mmである。このクロスヘッドをディーゼルエン
ジンに搭載して実走行試験を行ったところ、実施例１と
同様に優れた耐久性を実現することができた。
【００１９】実施例３
図３は、本発明の一実施例のエンジン部品であるタペッ
トを示す図で、（ａ）は横断面図、（ｂ）は縦断面図を
示している。同図において、タペットは円盤形状の窒化
ケイ素セラミックス３１と、これを支持する鋳鉄３２と
の接合体として作製され、両方の部材の接合面には、窒
化ケイ素セラミックス３１の接合面に開口部の直径が5m
m の凹部３３が 3か所形成され、鋳鉄３２側には凸状の
突起部３４が 3か所形成されている。これら穴部３３と
突起部３４とは互いに嵌合して接合される。接着剤は上
記実施例と同様のエポキシ樹脂系接着剤Ｅを使用した。
また、上述した他の実施例と同様にこのタペットをディ
ーゼルエンジンに搭載して実走行試験を行ったところ、
良好な耐久性を実現することができた。
トを示す図で、（ａ）は横断面図、（ｂ）は縦断面図を
示している。同図において、タペットは円盤形状の窒化
ケイ素セラミックス３１と、これを支持する鋳鉄３２と
の接合体として作製され、両方の部材の接合面には、窒
化ケイ素セラミックス３１の接合面に開口部の直径が5m
m の凹部３３が 3か所形成され、鋳鉄３２側には凸状の
突起部３４が 3か所形成されている。これら穴部３３と
突起部３４とは互いに嵌合して接合される。接着剤は上
記実施例と同様のエポキシ樹脂系接着剤Ｅを使用した。
また、上述した他の実施例と同様にこのタペットをディ
ーゼルエンジンに搭載して実走行試験を行ったところ、
良好な耐久性を実現することができた。
【００２０】実施例４
図４は、本発明の一実施例のエンジン部品であるタペッ
トを示す図で、（ａ）は斜視図、（ｂ）は接合面の拡大
図を示している。同図において、タペットは円盤形状の
窒化ケイ素セラミックス４１と、これを支持する鋳鉄４
２との接合体として作製され、窒化ケイ素セラミックス
４１の接合面には断面形状が半円形状の溝４３がストラ
イプ状に複数本形成されている。
トを示す図で、（ａ）は斜視図、（ｂ）は接合面の拡大
図を示している。同図において、タペットは円盤形状の
窒化ケイ素セラミックス４１と、これを支持する鋳鉄４
２との接合体として作製され、窒化ケイ素セラミックス
４１の接合面には断面形状が半円形状の溝４３がストラ
イプ状に複数本形成されている。
【００２１】溝４３は断面形状が半円形状であり、半円
の内面は加工を施さない焼結上がりのままの面である。
溝４３の深さｄは円の半径であるｒと同じ0.5 mmであ
り、溝４３を形成するピッチＰは 4ｒ、すなわち 2mmと
されている。このセラミックス４１は直径32mmの円盤形
状であり、これを直径35mmのスライディングバブルタペ
ットである鋳鉄４２のタペットパッド部にエポキシ系接
着剤Ｅを用いて接合し、10時間放置した後、剪断強度τ
を測定した。その結果、τ≧ 3kgf/mm2 〜5kgf/mm2 と
いう良好な値が得られた。
の内面は加工を施さない焼結上がりのままの面である。
溝４３の深さｄは円の半径であるｒと同じ0.5 mmであ
り、溝４３を形成するピッチＰは 4ｒ、すなわち 2mmと
されている。このセラミックス４１は直径32mmの円盤形
状であり、これを直径35mmのスライディングバブルタペ
ットである鋳鉄４２のタペットパッド部にエポキシ系接
着剤Ｅを用いて接合し、10時間放置した後、剪断強度τ
を測定した。その結果、τ≧ 3kgf/mm2 〜5kgf/mm2 と
いう良好な値が得られた。
【００２２】次いで、この実施例のスライディングダブ
ルタペットをディーゼルエンジン中に備え付けエンジン
テストを行ったところ、従来の鋳物製品に比べ、パット
部の摩耗が1/10以下に低減された。
ルタペットをディーゼルエンジン中に備え付けエンジン
テストを行ったところ、従来の鋳物製品に比べ、パット
部の摩耗が1/10以下に低減された。
【００２３】ここで、溝４３の寸法と接着力との関係を
調べた結果を図５に示す。接着力は窒化ケイ素セラミッ
クス４１と鋳鉄４２との間の剪断強度τ（kgf/mm2 ）で
表している。図５（ａ）は溝ピッチＰを一定にしたとき
の溝の深さｄと剪断強度τとの関係を示したもので、縦
軸は剪断強度τ、横軸は溝深さｄの値を示す。同図
（ｂ）は溝の深さｄを一定にしたときの溝ピッチＰと剪
断強度τとの関係を示したもので、縦軸は剪断強度τ、
横軸は溝ピッチＰの値を示す。
調べた結果を図５に示す。接着力は窒化ケイ素セラミッ
クス４１と鋳鉄４２との間の剪断強度τ（kgf/mm2 ）で
表している。図５（ａ）は溝ピッチＰを一定にしたとき
の溝の深さｄと剪断強度τとの関係を示したもので、縦
軸は剪断強度τ、横軸は溝深さｄの値を示す。同図
（ｂ）は溝の深さｄを一定にしたときの溝ピッチＰと剪
断強度τとの関係を示したもので、縦軸は剪断強度τ、
横軸は溝ピッチＰの値を示す。
【００２４】これらの図から、溝の深さが、ｒ/3≦ｄ≦
ｒの範囲において良好な剪断強度が得られ、また溝のピ
ッチが 3ｒ≦Ｐ≦10ｒの範囲において良好な剪断強度が
得られることがわかる。このように、上述した実施例の
エンジン部品用セラミックス−金属接合体を用いること
によって、エンジン部品の耐久性を向上させることがで
き、信頼性を大きく向上させることができた。
ｒの範囲において良好な剪断強度が得られ、また溝のピ
ッチが 3ｒ≦Ｐ≦10ｒの範囲において良好な剪断強度が
得られることがわかる。このように、上述した実施例の
エンジン部品用セラミックス−金属接合体を用いること
によって、エンジン部品の耐久性を向上させることがで
き、信頼性を大きく向上させることができた。
【００２５】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のエンジン
部品用セラミックス−金属接合体は、高温条件下でも金
属材料と良好な接合強度を維持することができ、セラミ
ックス部材の優れた特性を安定に実現することができ
る。このため、セラミックス部材を用いたエンジン部品
の信頼性向上を図ることができる。
部品用セラミックス−金属接合体は、高温条件下でも金
属材料と良好な接合強度を維持することができ、セラミ
ックス部材の優れた特性を安定に実現することができ
る。このため、セラミックス部材を用いたエンジン部品
の信頼性向上を図ることができる。
【図１】本発明の一実施例のエンジン部品用セラミック
ス−金属接合体の構成を示す図である。
ス−金属接合体の構成を示す図である。
【図２】本発明の他の実施例のエンジン部品であるクロ
スヘッドを示す図である。
スヘッドを示す図である。
【図３】本発明の他の実施例のエンジン部品であるタペ
ットを示す図である。
ットを示す図である。
【図４】本発明の他の実施例のエンジン部品であるタペ
ットを示す図である。
ットを示す図である。
【図５】溝の寸法またはピッチと接着力との関係を調べ
た結果を示す図である。
た結果を示す図である。
１１、２１、３１、４１…窒化ケイ素セラミックス
１２、２２、２３、４２…鋳鉄
１３、２３、４３…溝
３３…凹部、３４…突起部、
Ｅ…接着剤。
Claims (4)
- 【請求項１】 セラミックス部材と金属部材とが接合さ
れるべき接合面の少なくとも一方の面に、前記接合面の
中心で交差する直線放射状の溝を有し、接着剤を介して
前記セラミックス部材と前記金属部材とが接合されたこ
とを特徴とするエンジン部品用セラミックス−金属接合
体。 - 【請求項２】 セラミックス部材と金属部材とが接合さ
れるべき接合面の両側の面に、複数の平行な直線状の溝
を有し、この溝が互いにπ/6〜π/2の角度で交差するよ
う前記セラミックス部材と前記金属部材とを配置し、接
着剤を介して接合されたことを特徴とするエンジン部品
用セラミックス−金属接合体。 - 【請求項３】 セラミックス部材と金属部材とが接合さ
れるべき接合面の前記セラミックス部材側の接合面に凹
状の穴を有し、前記金属部材の接合面に凸状の突起部を
３か所以上有し、前記凹状の穴と前記凸状の突起部とが
嵌合するよう前記セラミックス部材と前記金属部材とを
配置し、接着剤を介して接合されたことを特徴とするエ
ンジン部品用セラミックス−金属接合体。 - 【請求項４】 セラミックス部材と金属部材とが接合さ
れるべき接合面の一方の面に複数の平行な直線状の溝を
有し、接着剤を介して接合されたことを特徴とするエン
ジン部品用セラミックス−金属接合体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP768791A JPH0524945A (ja) | 1991-01-25 | 1991-01-25 | エンジン部品用セラミツクス−金属接合体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP768791A JPH0524945A (ja) | 1991-01-25 | 1991-01-25 | エンジン部品用セラミツクス−金属接合体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0524945A true JPH0524945A (ja) | 1993-02-02 |
Family
ID=11672700
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP768791A Withdrawn JPH0524945A (ja) | 1991-01-25 | 1991-01-25 | エンジン部品用セラミツクス−金属接合体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0524945A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH07189989A (ja) * | 1993-10-01 | 1995-07-28 | Yokota Seisakusho:Kk | 複合材組合せ羽根車 |
| JPH08121442A (ja) * | 1994-10-26 | 1996-05-14 | Mitsubishi Electric Corp | 接着接合体及びその接合方法並びにリベット |
| JP2020111507A (ja) * | 2018-09-28 | 2020-07-27 | ダイセルポリマー株式会社 | 複合成形体 |
-
1991
- 1991-01-25 JP JP768791A patent/JPH0524945A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH07189989A (ja) * | 1993-10-01 | 1995-07-28 | Yokota Seisakusho:Kk | 複合材組合せ羽根車 |
| JPH08121442A (ja) * | 1994-10-26 | 1996-05-14 | Mitsubishi Electric Corp | 接着接合体及びその接合方法並びにリベット |
| JP2020111507A (ja) * | 2018-09-28 | 2020-07-27 | ダイセルポリマー株式会社 | 複合成形体 |
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| Date | Code | Title | Description |
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| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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