JPH0524338Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案は、アンプルに収納されている薬液を、リ
ンゲル液又はぶどう糖液の入つている輸液用点滴
瓶に吸引収集して混合する輸液用点滴瓶への薬液
混入装置に関する。

（従来の技術） リンゲル液又はぶどう糖液等の輸液は、抗生物
質や強心剤、血管拡張剤、ビタミン剤等の薬液を
混入せしめて患者に投与するケースが多く、一本
の輸液瓶に５〜10本のアンプル液を混注すること
は珍しいことではなくなつてきているが、アンプ
ルに収納されたこれら多種多数の薬液を混注する
作業は、注射器を用いて手作業で行われているの
が現状である。

すなわち、アンプル一本ずつ、その都度アンプ
ルの首部をカツトし、注射器で薬液を抜き取り、
次いで輸液瓶のゴム栓に注射器の針をさして輸液
瓶中に注入する作業を繰り返すのである。

このような作業では、輸液瓶は、密封されてい
るので注入によつて内圧がかかり、輸液瓶内の空
気を抜きつつ、注入作業を行わなければならな
い。

したがつて、多大の労力と熟練と時間を要する
という不都合があつた。

そこで、本考案者等は、吸引器に連結した吸引
チユーブの針を輸液用点滴瓶のゴム栓に差し込
み、アンプル内の薬液を減圧しながら点滴瓶中に
自動的に吸引注入する薬液収集装置を特願昭62−
78800号として提案した。

（考案が解決しようとする問題点） 以上のような薬液収集装置において、アンプル
中に混入している異物を、点滴瓶に入らないよう
に取り除くため、アンプルと点滴瓶を連結する通
路中にフイルターを介在させるのが一般的であ
る。

しかしながら、このようにアンプルと点滴瓶を
連結する通路中にフイルターを介在させると、こ
のフイルター内に薬液が残留し、したがつて点滴
瓶中への薬液に所望量のものが混入せず、混入率
を下げる結果となつていた。

このため、薬液の全量を収集するために、蒸留
水などで洗い流して収集する作業の必要性があつ
たが、点滴瓶中の内容液によつて蒸留水で薄めら
れるのが適さないものがある。

そこで、本案は以上のような従来の欠点を解消
し、点滴瓶への薬液の収集率を上げることのでき
る装置をうることを目的とするものである。

（問題を解決するための手段） 以上のような技術的課題を解決するための本案
の技術的手段は、アンプルの薬液を吸引注入する
流路が接続された点滴瓶内の空気を吸引通路から
減圧して、アンプル中の薬液を点滴瓶へ吸引注入
するものであつて、上記アンプルの薬液を吸引注
入する流路中にアンプル中の薬液に混入している
異物を取り除くためのフイルターを設けると共
に、点滴瓶内の薬液をアンプルからフイルターに
到る流路中に還元せしめる流路を設け、かつ、該
還元せしめる流路にはポンプを設け、更に、アン
プルからフイルターを通して薬液を点滴瓶に注入
する通常の流路から、点滴瓶内の薬液をフイルタ
ーを通じて再び点滴瓶に還元せしめる流路に切り
換える弁を設けたことを特徴とする輸液用点滴瓶
への薬液混入装置である。

（考案の効果） 本案の技術的手段によれば、点滴瓶内の空気を
減圧することにより、アンプル中の薬液をフイル
ターを通じて異物を取り除いて点滴瓶へ吸引注入
することができるものであり、切換弁による流路
の切換えとポンプの稼働により点滴瓶内の薬液を
フイルターを通じて再び点滴瓶に還元せしめるこ
とができるので、点滴瓶中の内容液が薄められる
ことなく、フイルター及びフイルター容器内に残
留する薬液を洗い流して収集することができる。

したがつて、薬液の収集率を上げることができ
る。

（実施例） 以下、図面に示す実施例について説明する。

第１図に示す１は輸液用点滴瓶であつて、これ
に底にとどく程の細管２がゴム栓３を介して挿入
されて、アンプル４から点滴瓶１に到る注入流路
５にフイルター６がある。

このフイルター６は、アンプル４中に混入して
いる異物が点滴瓶１に入らないように取り除くた
めのものである。

フイルター６から点滴瓶１に到る流路７の注入
針７ａはゴム栓３に差し込まれている。

又、注入流路５からフイルター６に到る流路中
から分岐した流路８が細管２に連結されている。

そして、流路７の途中にはチユーブポンプ等か
ら成るポンプＰが配設されている。

９は吸引流路で、図示しない電動式吸引器につ
ながり、始端部の針９ａがゴム栓３に差し込まれ
ている。

さて、吸引流路９を通じて瓶内の空気を吸引す
れば、瓶内が減圧されるので、アンプル４の薬液
は流路５、フイルター６、流路７を通じて瓶１内
に注入される。

この場合、弁１１を閉じ、弁１０を開放してお
く。

次に、弁１０を閉じ、弁１１を開放し、ポンプ
Ｐを稼動させる。

すると、矢印方向の流れで、細管２を介して瓶
１内から吸引された内容液が流路８を通つてフイ
ルター６に流れ、こうしてフイルター６部分の洗
い出しをすることができる。

洗い出しをした瓶内の内容液は、流路７を通じ
て再び瓶内に還元する。

以上の如く、洗い出しが終わると、ポンプＰを
停止するとともに再び弁１１を閉じ、弁１０を開
放するので、新しいアンプルから薬液を瓶に注入
することができる。

何れにしても、本案のものは薬液を収集希釈さ
れた液を再利用して収集率を上げることができる
もので、異物混入を除去する目的で用いたフイル
ターやフイルター容器内に残留する薬液を全量収
集することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案実施例の説明図である。 １……瓶、２……細管、３……ゴム栓、４……
アンプル、５，７，８……流路、６……フイルタ
ー、９……吸引流路、１０，１１……弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アンプルの薬液を吸引注入する流路が接続され
   た点滴瓶内の空気を吸引通路から減圧して、アン
   プル中の薬液を点滴瓶へ吸引注入するものであつ
   て、上記アンプルの薬液を吸引注入する流路中に
   アンプル中の薬液に混入している異物を取り除く
   ためのフイルターを設けると共に、点滴瓶内の薬
   液をアンプルからフイルターに到る流路中に還元
   せしめる流路を設け、かつ、該還元せしめる流路
   にはポンプを設け、更に、アンプルからフイルタ
   ーを通して薬液を点滴瓶に注入する通常の流路か
   ら、点滴瓶内の薬液をフイルターを通じて再び点
   滴瓶に還元せしめる流路に切り換える弁を設けた
   ことを特徴とする輸液用点滴瓶への薬液混入装
   置。