JPH0524049U - 点滴用シリンジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 薬液を吸入してそのまま点滴注射に使用する
ことのできる点滴用シリンジを提供する。 【構成】 閉鎖端７側にチップ２を有するバレル１と、
このバレル１内を摺動するガスケット６をその先端に備
えたプランジャ５とからなるシリンジＳであって、バレ
ル１の閉鎖端７には逆流防止弁３付きのエアーフィルタ
ー４が設けられている。プランジャ５を引いてバレル１
内に薬液を吸入した後、チップ２に輸液チューブ等を接
続すれば、点滴容器として使用できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、薬液を吸入したのち、その先端のチップに輸液セットなどを接続し てそのまま点滴注射に使用することのできる点滴用シリンジに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、点滴注射のための容器は、250ml あるいは500ml の容量があり、これよ り少量の薬液を点滴注射する場合には、余分の薬液を別の注射器に採取して廃棄 している。 また、ビタミン剤などを追加配合する場合には、アンプルに収容されている薬 液を別の注射器に採取し、点滴用薬液に加えている。 さらに、100ml 以下の注射を行う場合には、点滴注射によらないで医師または 看護婦がかなりの時間をかけて注射を行わなければならなかった。

【０００３】

【考案の解決しようとする課題】

しかしながら、上記のような従来技術は、例えば余分の薬液を別の注射器に採 取して廃棄するのは、薬液や注射器の無駄遣いであり、また、追加配合すべき薬 液を別の注射器に採取して点滴用薬液に加えるのは、手間がかかり注射器を余分 に使うだけでなく、細菌などによる汚染の危険を伴うものであり、さらに、点滴 注射によらない注射は手間がかかり診療上の負担となっていた。 本考案は如上の事情に鑑みてなされたもので、薬液を吸入してそのまま点滴注 射に使用することのできる点滴用シリンジを提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記の課題を解決するために、開放端と閉鎖端を有し閉鎖端に輸液チ ューブを接続するためのチップが突設されてなる筒状のバレルと、その先端に該 バレルの内壁を摺動するガスケットを備えたプランジャ、とからなるシリンジに おいて、バレルの閉鎖端に逆流防止弁付きのエアーフィルターを設けたことを特 徴とする構成を採用している。

【０００５】

【作用】

上記の構成によれば、エアーフィルターの開口を閉じた状態でプランジャを引 いてシリンジ内に必要量の薬液を吸入した後、エアーフィルターの開口が開いた 状態で、チップに輸液チューブ、例えば輸液セットなどを接続すれば、シリンジ 内にエアーフィルターから空気が導入されるので、シリンジ内の薬液は輸液セッ トを通ってスムーズに流出する。一方、シリンジ内の薬液は、逆流防止弁によっ てエアーフィルター方向への流入が阻止されるので、エアーフィルターを通って リークすることがない。

【０００６】

【実施例】

次に本考案の実施例について図面に基づいて説明する。 図１は本考案の一実施例を示す断面図であり、図２は図１の点滴用シリンジの 使用状況を示す説明図である。 本考案のシリンジは、通常のシリンジと同様、開放端８と閉鎖端７を有し閉鎖 端７にチップ２が突設されてなる筒状のバレル１と、その先端に該バレル１の内 壁を摺動するガスケット６を備えたプランジャ５、とからなっており、図１に示 すように、バレル１の閉鎖端７に逆流防止弁３付きのエアーフィルター４を設け たことを特徴としている。尚、図中５はプランジャ、６はガスケットであり、１ ２はエアーフィルター４のキャップである。

【０００７】 チップ２は薬液の流出口であるとともに輸液セットなどの輸液チューブ（図２ のＴ）を接続する部分であり、輸液チューブＴと嵌合できるようにしても良いが 、好ましくはチップ２から輸液チューブＴが容易に離脱しないように螺合あるい はルアー結合ができるようにしている。そして螺合やルアー結合の場合にはチッ プ２の外側に同心状の筒体９が形成され、筒体９の内側にネジ溝１０が形成され た所謂雌型コネクター１１が設けられている。尚、チップ２には輸液チューブＴ だけではなく注射針（図示していない）も接続できるようになっている。

【０００８】 エアーフィルター４はバレル１内に外気を導入して内部の薬液をチップ２から 流出させるためのもので、図に示されるように閉鎖端７の外側に突出して設けら れており、薬液吸入時にエアーフィルター４の開口部分を指などで塞いで使用し てもよいが、通常、薬液吸入時に空気が入るのを防ぐためのキャップ１２が被せ られている。そしてエアーフィルター４の内側には、バレル１内からエアーフィ ルター４方向に薬液が流れるのを阻止するための逆流防止弁３が設けられており 、薬液がエアーフィルタ４を通して外部に漏れるのを防いでいる。エアーフィル ター４は空気を透過し外気の細菌や塵埃などを瀘過するものであればどのような ものでも構わないが、通常ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエステルなどの 疎水性樹脂で作られたメンブレンフィルターが使用される。

【０００９】 本考案の点滴用シリンジの使用に際しては、エアーフィルター４のキャップ１ ２をそのままにした状態で、点滴注射すべき薬液を所要量だけ順次点滴用シリン ジＳ内に吸入採取したのち、薬液の吸入に使用した注射針を外して輸液チューブ Ｔをチップ２に接続し（図２参照）、キャップ１２をエアーフィルター４から外 して、通常の点滴容器と同様に懸架具に吊り下げて使用する。

【００１０】

【考案の効果】

以上説明してきたことから明らかなように、本考案の点滴用シリンジを使用す ることにより、点滴用薬液の吸入配合を簡便に行うことができ、しかもそれに伴 う細菌などによる汚染を排除できる。 また、薬液を吸入採取した点滴用シリンジをそのまま点滴容器として使用でき るため、緊急時に有効な補助手段となり得る。 さらに、点滴用薬液の調製時に使用されていた余分な注射器を省略できるため、 経済的であり、また産業廃棄物の削減という点からも好ましい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す断面図である。

【図２】図１の点滴用シリンジの使用状況を示す説明図
である。

【符号の説明】 Ｓ：点滴用シリンジ Ｔ：輸液チューブ １ バレル ２ チップ ３ 逆流防止弁 ４ エアーフィルター ５ プランジャ ６ ガスケット ７ 閉鎖端 １１ 雌型コネクター １２ キャップ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 開放端と閉鎖端を有し閉鎖端に輸液チュ
   ーブを接続するためのチップが突設されてなる筒状のバ
   レルと、その先端に該バレルの内壁を摺動するガスケッ
   トを備えたプランジャ、とからなるシリンジにおいて、
   バレルの閉鎖端に逆流防止弁付きのエアーフィルターを
   設けたことを特徴とする点滴用シリンジ。