JPH0523928Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、石炭部分燃焼炉の投入ノズルの改良
に関する。

〔従来の技術〕

石炭部分燃焼炉は、一般産業用油焚きボイラの
燃料転換（重油→石炭）を目的に開発が進められ
ているもので、第３図に示す如く円筒状の炉１
に、接線方向のダクト２から燃焼用空気と微粉炭
を投入し、高速旋回させ乍ら、一端中央の予熱バ
ーナ３により事前に予熱された円筒状の炉１にお
いて空気不足状態で部分燃焼させ、投入した微粉
炭の灰の殆んどを炉底の排出口４より排出し、灰
の少ないガスを他端の噴出口よりボイラ燃焼室５
内に噴出させ、２段燃焼用の空気により燃焼させ
ようとするものである。（先行技術文献として、
第８回石炭利用技術研究発表会講演集がある。） かかる石炭部分燃焼炉の燃焼効率を向上させる
為に、従来種々のノズルが開発され、テストされ
てきたが、ダクト２に於いて第４図に示す如く隔
壁６を設けてスリツト状のノズル７ａ〜７ｄを区
画し、このノズル７ａ〜７ｄから２次空気、１次
空気と微粉炭を交互に、高速で吹込むものが最も
良く燃焼した。（先行技術として実願昭62−
149745号がある。） 〔考案が解決しようとする課題〕 ところで、上記のスリツト状のノズル７ａ〜７
ｄでは、低負荷時に燃焼効率、脱灰率が極端に低
下するという問題点がある。これは微粉炭を搬送
する１次空気量は逆火防止という安全上の観点か
ら負荷の変化に関係なく一定量の空気を送らなけ
ればならず、その為負荷が低下した場合、２次空
気量が激減し、２次空気の流速が大幅に低下する
結果、燃焼が悪くなり、燃焼効率及び脱灰率が低
下するのである。

〔考案の目的〕

本考案は上記課題を解決すべくなされたもの
で、負荷の変化に関係なく２次空気の流速を最適
にできる石炭部分燃焼炉の投入ノズルを提供する
ことを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記課題を解決するための本考案の石炭部分燃
焼炉の投入ノズルは、１次空気と微粉炭の投入ノ
ズルを固定ノズルとなし、この固定ノズルの外側
に隔壁を介して２次空気投入ノズルを一体に設
け、２次空気投入ノズルの先端部に断面積を可変
にするスロートを摺動可能に設けたことを特徴と
するものである。

〔作用〕

本考案の石炭部分燃焼炉の投入ノズルは上述の
如く構成されているので、石炭部分燃焼炉の運転
に於いて、低負荷時、１次空気と微粉炭は、その
比率を変化させて、即ち１次空気量を増加させて
石炭部分燃焼炉への投入スピードを一定にし、２
次空気は、２次空気投入ノズルの先端部のスロー
トを摺動させ、断面積を小さくして低下した流速
を上昇させ、最適な流速で石炭部分燃焼炉へ投入
することができる。

〔実施例〕

本考案の石炭部分燃焼炉の投入ノズルの一実施
例を第１図によつて説明すると、１は円筒状の
炉、２は接線方向のダクトで、このダクト２は断
面矩形で、上下方向に隔壁６′を設けてスリツト
状の２次空気投入ノズル７′ａ、１次空気と微粉
炭の投入ノズル７′ｂ、２次空気投入ノズル７′
ｃ、１次空気と微粉炭の投入ノズル７′ｄを区画
形成の上、一体化、している。１次空気と微粉炭
の投入ノズル７′ｂ，７′ｄは固定ノズルとなし、
先端部を一定の薄い開口となし、基端部は斜め上
方に拡開して合流し、ダクト２の軸方向の供給管
８に接続している。２次空気投入ノズル７′ａ，
７′ｃは先端部の上下に耐火物９を介して傾斜板
１０ａ，１０ｂを対称に取り付けて絞り込み、基
端部はダクト２の側面に設けた供給ダクト１１に
接続している。そして２次空気投入ノズル７′ａ，
７′ｃの先端部内に側断面扁平菱形のスロート１
２を設けて、２次空気投入ノズル７′ａ，７′ｃの
軸方向に摺動可能にダクト２の左右両側壁に支持
している。このスロート１２はその後端に途中に
カツプリング１３を有するロツド１４を接続して
おり、ロツド１４はダクト２の後端面を気密に貫
通して手動ハンドル１５付ねじ棒１６に接続して
いる。

第２図に示す他の実施例は、２次空気投入ノズ
ル７′ａの先端部を上向きに開口したもので、先
端部下側にのみ耐火物９を介して傾斜板１０ｂを
取付けて絞り込み、その傾斜板１０ｂ上に舌状の
スロート１２′を摺動可能に取付けている。また
２次空気投入ノズル７′ｃの先端部のレベルをや
や上昇させている。その他は第１図の実施例と同
一である。

上述の如く構成された投入ノズルは、石炭部分
燃焼炉の運転に於いて、１次空気と微粉炭は、供
給管８よりダクト２内の投入ノズル７′ｂ，７′ｄ
に供給され、先端より高速で吹込まれ、２次空気
は供給ダクト１１よりダクト２内の投入ノズル
７′ａ，７′ｃに供給され、先端より高速で吹込ま
れ、円筒状の炉１内で高速旋回しながら部分燃焼
せしめられる。負荷が低下した際、１次空気と微
粉炭は、その比率を変化させて、即ち１次空気を
増加させて投入ノズル７′ｂ，７′ｄからの炉１へ
の吹込みスピードを一定に制御する。一方、２次
空気は、投入ノズル７′ａ，７′ｃの先端部のスロ
ート１２，１２′を手動ハンドル１５の回転によ
りねじ棒１６、ロツド１４を介して二点鎖線の位
置から実線の位置まで摺動させ、断面積を小さく
して、低下した流速を上昇させ、最適な流速に調
節する。かくして低負荷時の燃焼効率が良くな
り、スラグ中の未燃分を低く保てるようになつ
た。また低負荷時に於いてもガスの旋回力を確保
できる為、スラグの脱灰率を高く保つことができ
るようになつた。

尚、上記実施例はテスト用のものである為スロ
ート１２，１２′を前後に摺動させる手段には手
動ハンドル１５を採用したが、実機では必要に応
じ油圧又は空気圧若しくは電動等の自動制御によ
り摺動させるものである。

〔考案の効果〕

以上の説明で判るように本考案の石炭部分燃焼
炉の投入ノズルは、１次空気と微粉炭の投入ノズ
ルを固定ノズルとなし、この固定ノズルの外側に
隔壁を介して２次空気投入ノズルを一体に設け、
２次空気投入ノズルの先端部に断面積を可変にす
るスロートを摺動可能に設けているので、低負荷
時１次空気量を増加させて１次空気と微粉炭の石
炭部分燃焼炉への投入スピードを一定にし、２次
空気は２次空気投入ノズルの先端部のスロートを
摺動させて断面積を小さくして流速を上昇させ、
最適な流速で石炭部分燃焼炉へ投入することによ
り、燃焼効率が良くなり、スラグ中の未燃分を低
く保つことができ、またガラスの旋回力を確保で
き、スラグの脱灰率を高く保つことができるとい
う優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ，ｂは本考案の石炭部分燃焼炉の投入
ノズルの一実施例を示すもので、ａは縦断面図、
ｂはａ図のＡ−Ａ線横断平面図、第２図は他の実
施例を示す縦断面図、第３図は石炭部分燃焼炉の
破断斜視図、第４図は従来の石炭部分燃焼炉の投
入ノズルの縦断面図である。 １……炉、２……ダクト、６′……隔壁、７′
ａ，７′ｃ……２次空気投入ノズル、７′ｂ，７′
ｄ……１次空気と微粉炭の投入ノズル、８……供
給管、９……耐火物、１０ａ，１０ｂ……傾斜
板、１１……２次空気供給ダクト、１２，１２′
……スロート、１３……カツプリング、１４……
ロツド、１５……手動ハンドル、１６……ねじ
棒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒状の炉に、接線方向のダクトから燃焼用空
   気と微粉炭を投入し、高速旋回させ乍ら、一端中
   央の予熱バーナにより事前に予熱された円筒状の
   炉において空気不足状態で部分燃焼させ、投入し
   た微粉炭の灰の殆んどを炉底の排出口より排出
   し、灰の少ないガスを他端の噴出口よりボイラ燃
   焼室内に噴出させるようにした石炭部分燃焼炉
   の、前記ダクト内に設けられた投入ノズルに於い
   て、１次空気と微粉炭の投入ノズルを固定ノズル
   となし、この固定ノズルの外側に隔壁を介して２
   次空気投入ノズルを一体に設け、２次空気投入ノ
   ズルの先端部に断面積を可変にするスロートを摺
   動可能に設けたことを特徴とする石炭部分燃焼炉
   の投入ノズル。