JPH0523908A - 高速度鋼製工具およびその熱処理方法 - Google Patents
高速度鋼製工具およびその熱処理方法Info
- Publication number
- JPH0523908A JPH0523908A JP17930591A JP17930591A JPH0523908A JP H0523908 A JPH0523908 A JP H0523908A JP 17930591 A JP17930591 A JP 17930591A JP 17930591 A JP17930591 A JP 17930591A JP H0523908 A JPH0523908 A JP H0523908A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heat treatment
- frequency heating
- hardness
- drills
- heating coil
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高速度鋼製工具の熱処理された刃部に対して
チャッキングおよび曲げ強度が最も適切な硬度を柄部に
与える。 【構成】 柄部の硬度がHV400〜500である。 【効果】 チャックの喰付きが確実で滑りがなくなり、
しかも切削抵抗に対する十分な曲げ強度が得られる。
チャッキングおよび曲げ強度が最も適切な硬度を柄部に
与える。 【構成】 柄部の硬度がHV400〜500である。 【効果】 チャックの喰付きが確実で滑りがなくなり、
しかも切削抵抗に対する十分な曲げ強度が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速度鋼製工具の改良
に関する。
に関する。
【0002】
【従来の技術・発明の解決課題】従来、高速度鋼で製造
されるドリルやエンドミル等の工具は、図5に示すよう
な塩浴焼き入れ法による熱処理が刃部にのみ施されてい
た。これは、柄部10を把持した状態で刃部11だけを
1200〜1250℃に熱せられた塩化バリウム浴12
の中に浸漬するという方法で熱処理が行われていたため
であり、したがって柄部10は熱処理が施されない所謂
「生」の状態で製品とされていた。
されるドリルやエンドミル等の工具は、図5に示すよう
な塩浴焼き入れ法による熱処理が刃部にのみ施されてい
た。これは、柄部10を把持した状態で刃部11だけを
1200〜1250℃に熱せられた塩化バリウム浴12
の中に浸漬するという方法で熱処理が行われていたため
であり、したがって柄部10は熱処理が施されない所謂
「生」の状態で製品とされていた。
【0003】上述のように熱処理された例えば、ストレ
ートドリルの場合には、図6に示すように、刃部の硬度
がHV800〜840程度であるにも拘わらず、柄部の
硬度はHV200〜300程度であり、刃部強度では許
容できる少し大きめの切削抵抗が作用すると、刃部の強
度が十分であっても柄部に曲がりを生じたり、チャック
で把持されている箇所の外周面が潰れて滑るといった問
題があった。なお、図6における横軸は測定点の柄端部
からの距離(mm)、縦軸はその測定点のビッカース硬さ
をそれぞれ示している。サンプルとしては、ドリル径が
6mm、溝切上部が柄端部から30mmの位置(図中、
一点鎖線で示す)のものを使用した。
ートドリルの場合には、図6に示すように、刃部の硬度
がHV800〜840程度であるにも拘わらず、柄部の
硬度はHV200〜300程度であり、刃部強度では許
容できる少し大きめの切削抵抗が作用すると、刃部の強
度が十分であっても柄部に曲がりを生じたり、チャック
で把持されている箇所の外周面が潰れて滑るといった問
題があった。なお、図6における横軸は測定点の柄端部
からの距離(mm)、縦軸はその測定点のビッカース硬さ
をそれぞれ示している。サンプルとしては、ドリル径が
6mm、溝切上部が柄端部から30mmの位置(図中、
一点鎖線で示す)のものを使用した。
【0004】また、柄部の硬度が高すぎるとチャックで
把持しても喰付きがほとんどなく、この場合も滑ってし
まうことになる。したがって、柄部に刃部と同様の熱処
理を施すことはこれも好ましくない。
把持しても喰付きがほとんどなく、この場合も滑ってし
まうことになる。したがって、柄部に刃部と同様の熱処
理を施すことはこれも好ましくない。
【0005】本発明は上述のごとき従来の技術的課題に
鑑み、これを有効に解決すべく創案されたものである。
したがって本発明の目的は、チャックで把持するに最も
適切な硬度を有する高速度鋼製工具およびその熱処理方
法を提供することにある。
鑑み、これを有効に解決すべく創案されたものである。
したがって本発明の目的は、チャックで把持するに最も
適切な硬度を有する高速度鋼製工具およびその熱処理方
法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る高速度鋼製
工具は、上述のごとき従来技術の課題を解決し、その目
的を達成するために以下のような構成を備えている。即
ち、柄部硬度がHV400〜500である。
工具は、上述のごとき従来技術の課題を解決し、その目
的を達成するために以下のような構成を備えている。即
ち、柄部硬度がHV400〜500である。
【0007】また、本発明に係る高速度鋼製工具の熱処
理方法は、刃部および柄部共に、硬度HV830〜89
0となるまで真空熱処理を施す第1工程と、上記第1工
程の後に、柄部のみを高周波加熱により700〜850
℃に加熱し、さらに徐冷を施す焼きなましを行う第2工
程とを有する。
理方法は、刃部および柄部共に、硬度HV830〜89
0となるまで真空熱処理を施す第1工程と、上記第1工
程の後に、柄部のみを高周波加熱により700〜850
℃に加熱し、さらに徐冷を施す焼きなましを行う第2工
程とを有する。
【0008】
【作用および発明の効果】本発明に係る高速度鋼製工具
では、柄部硬度がHV400〜500であればチャック
で把持する場合に適度な喰付き状態が得られ、且つ十分
な強度が得られる。
では、柄部硬度がHV400〜500であればチャック
で把持する場合に適度な喰付き状態が得られ、且つ十分
な強度が得られる。
【0009】
【実施例】以下に本発明の一実施例に係る高速度鋼製工
具およびその熱処理方法について、図1から図4を参照
して説明する。本実施例の高速度鋼製工具としては、最
も一般的な工具としてストレートドリルを用いた。ドリ
ル径は6mm、全長105mm、柄端部から溝切上部までの
距離は35mmであった。
具およびその熱処理方法について、図1から図4を参照
して説明する。本実施例の高速度鋼製工具としては、最
も一般的な工具としてストレートドリルを用いた。ドリ
ル径は6mm、全長105mm、柄端部から溝切上部までの
距離は35mmであった。
【0010】まず最初、サンプルのドリルに、炉内で通
常の真空焼き入れおよび真空焼き戻しを行って全体の硬
度を約HV850程度にする。これを一次熱処理ドリル
とする。
常の真空焼き入れおよび真空焼き戻しを行って全体の硬
度を約HV850程度にする。これを一次熱処理ドリル
とする。
【0011】多数の一次熱処理ドリルを、図1に示すよ
うな柄なまし装置の供給ボックス1内に、全ドリルを同
一方向に向けた状態で収納する。供給ボックス1は、そ
の底面からドリルを1本ずつ排出できるように構成され
ている。供給ボックス1の下から横へ延びてステンレス
製コンベア装置2が設けられており、供給ボックス1か
ら排出された一次熱処理ドリルが連続してコンベア2上
を搬送される。コンベア2によって搬送される一次熱処
理ドリルのちょうど柄部の上下に位置する箇所に、高周
波加熱コイル3が設けられている(図1には上方のコイ
ルのみ示されている)。この柄部は、供給ボックス1と
高周波加熱コイル3との間に設けられたドリル端揃え装
置4により、図2に示すようにコンベア2の側方へ押し
出され、高周波加熱コイル3とコンベア2との位置関係
は、互いに重なり合わず横方向へずれている。図1にお
いて5は高周波加熱コイル用の電源装置である。
うな柄なまし装置の供給ボックス1内に、全ドリルを同
一方向に向けた状態で収納する。供給ボックス1は、そ
の底面からドリルを1本ずつ排出できるように構成され
ている。供給ボックス1の下から横へ延びてステンレス
製コンベア装置2が設けられており、供給ボックス1か
ら排出された一次熱処理ドリルが連続してコンベア2上
を搬送される。コンベア2によって搬送される一次熱処
理ドリルのちょうど柄部の上下に位置する箇所に、高周
波加熱コイル3が設けられている(図1には上方のコイ
ルのみ示されている)。この柄部は、供給ボックス1と
高周波加熱コイル3との間に設けられたドリル端揃え装
置4により、図2に示すようにコンベア2の側方へ押し
出され、高周波加熱コイル3とコンベア2との位置関係
は、互いに重なり合わず横方向へずれている。図1にお
いて5は高周波加熱コイル用の電源装置である。
【0012】高周波加熱コイル3の全長は500mmであ
り、その距離を各一次熱処理ドリルは約6分で通過する
ようにコンベア2の送り速度が設定されている。すなわ
ち、毎分83.3mmの速度で運転される。本実施例で
は、高周波加熱コイル3内へ挿入する柄部の長さを柄端
部から30mm、コイル3の出力値を5.4KVとした。高
周波加熱コイル3の間を通過すると、スロープ6を下っ
て回収ボックス7に回収される。この高周波加熱コイル
3を通過すると常温空気中にて自然冷却による徐冷がな
され、二次熱処理としての焼き戻しが施されて図3に示
すような硬度が得られる。
り、その距離を各一次熱処理ドリルは約6分で通過する
ようにコンベア2の送り速度が設定されている。すなわ
ち、毎分83.3mmの速度で運転される。本実施例で
は、高周波加熱コイル3内へ挿入する柄部の長さを柄端
部から30mm、コイル3の出力値を5.4KVとした。高
周波加熱コイル3の間を通過すると、スロープ6を下っ
て回収ボックス7に回収される。この高周波加熱コイル
3を通過すると常温空気中にて自然冷却による徐冷がな
され、二次熱処理としての焼き戻しが施されて図3に示
すような硬度が得られる。
【0013】また、柄部の硬度がロックウェル硬さでH
RC48〜58に指定された場合に、図1の柄なまし装置
を用いて二次熱処理の焼き戻しを行った。一次熱処理は
上述の実施例と同様である。柄部の硬度指定長さは32
mmであり、高周波加熱コイル3内へ挿入する柄部の長さ
を柄端部から50mm、コイル3の出力値を6.8KVとし
た。また、コンベア2の送り速度を毎分390mmとして
約1分17秒でコイル3を通過するようにした。さら
に、上下のコイル3と柄部との間のギャップをそれぞれ
2mmとした。その結果、図4に示すように、指定された
範囲内の硬度が得られた。
RC48〜58に指定された場合に、図1の柄なまし装置
を用いて二次熱処理の焼き戻しを行った。一次熱処理は
上述の実施例と同様である。柄部の硬度指定長さは32
mmであり、高周波加熱コイル3内へ挿入する柄部の長さ
を柄端部から50mm、コイル3の出力値を6.8KVとし
た。また、コンベア2の送り速度を毎分390mmとして
約1分17秒でコイル3を通過するようにした。さら
に、上下のコイル3と柄部との間のギャップをそれぞれ
2mmとした。その結果、図4に示すように、指定された
範囲内の硬度が得られた。
【図1】 本発明の高速度鋼製工具の熱処理における柄
なまし工程を、自動的に行う柄なまし装置の概略構成を
示す斜視図である。
なまし工程を、自動的に行う柄なまし装置の概略構成を
示す斜視図である。
【図2】 図1の装置の高周波加熱コイルとコンベアと
の位置関係を示す図である。
の位置関係を示す図である。
【図3】 本発明の一実施例として得られたストレート
ドリルの柄部における硬度を示すグラフ図である。
ドリルの柄部における硬度を示すグラフ図である。
【図4】 本発明の他の一実施例として得られたストレ
ートドリルの柄部における硬度を示すグラフ図である。
ートドリルの柄部における硬度を示すグラフ図である。
【図5】 従来技術による工具刃部の熱処理方法を示す
説明図である。
説明図である。
【図6】 従来技術により熱処理された工具の刃部と柄
部との硬度を示すグラフ図である。
部との硬度を示すグラフ図である。
1 供給ボックス
2 コンベア装置
3 高周波加熱コイル
4 ドリル端揃え装置
5 高周波電源
6 スロープ
7 回収ボックス
Claims (2)
- 【請求項1】 刃部と柄部とからなる高速度鋼製工具に
おいて、柄部硬度がHV400〜500であることを特
徴とする高速度鋼製工具。 - 【請求項2】 刃部および柄部共に、硬度HV830〜
890となるまで真空熱処理を施す第1工程と、 上記第1工程の後に、柄部のみを高周波加熱により70
0〜850℃に加熱し、さらに徐冷を施す焼きなましを
行う第2工程とを有することを特徴とする高速度鋼製工
具の熱処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17930591A JPH0832381B2 (ja) | 1991-07-19 | 1991-07-19 | 高速度鋼製工具およびその熱処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17930591A JPH0832381B2 (ja) | 1991-07-19 | 1991-07-19 | 高速度鋼製工具およびその熱処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0523908A true JPH0523908A (ja) | 1993-02-02 |
JPH0832381B2 JPH0832381B2 (ja) | 1996-03-29 |
Family
ID=16063508
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17930591A Expired - Lifetime JPH0832381B2 (ja) | 1991-07-19 | 1991-07-19 | 高速度鋼製工具およびその熱処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0832381B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100902226B1 (ko) * | 2000-11-09 | 2009-06-11 | 아브델 유케이 리미티드 | 블라인드 나사 인서트 제조방법 |
-
1991
- 1991-07-19 JP JP17930591A patent/JPH0832381B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100902226B1 (ko) * | 2000-11-09 | 2009-06-11 | 아브델 유케이 리미티드 | 블라인드 나사 인서트 제조방법 |
JP2010042503A (ja) * | 2000-11-09 | 2010-02-25 | Avdel Uk Ltd | ねじ付きブラインドインサートの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0832381B2 (ja) | 1996-03-29 |
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