JPH0523523Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はスポーツウエア、特に子供用に適する
スポーツウエアに関する。

〔従来の技術〕

スポーツウエアは、防風性や保温性などが要求
されるところから、上下が一体に縫成されたもの
が好んで用いられている。しかし、かかる衣服で
はベルトなどを用いることによつて胴廻りを調整
することはできるが、身長に合わせて丈を調整す
ることは困難であるから、それぞれ多数のサイズ
のものを用意しておき、その中から体格に合わせ
て選択するようにしていた。

そして、成人用の場合には多くのサイズの中か
ら体格に適合したものを選択すれば、数シーズン
の間は胴回りの調整を行なう程度で続けて使用す
ることが可能である。しかし成長の早い子供の場
合、体格の差が成人よりもずつと大きいから、よ
り多数のサイズが必要となる。そしてまた、子供
用として体格に適合したサイズの衣服を選ぶと僅
かに１シーズンしか着用できないことにもなりか
ねないので、使用者は体格より大き目のサイズの
ものを選択し、だぶだぶであるのを我慢して着用
するなどしていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

上述のように、体格に適合しないサイズのスポ
ーツウエアを我慢して着用しなければならない不
便や、比較的需要の少い子供用分野に成人用より
も多くのサイズのスポーツウエアの品揃えをする
必要があるなどの不経済があつたので、本考案者
は先に両袖と両脚の前及び後とにトンネル布部を
設け、通し紐によつてそれぞれを任意の程度でサ
イズの縮小をすることができるスポーツウエアを
考案し、実用新案登録出願をしている（実開昭63
−149920号）。このスポーツウエアは着用者の体
格に合わせてサイズの調整をすることができるも
のの、幼い子供にとつては自分で調整することが
容易でなく、バランス良く調整するためには大人
が身をかがめ手伝うこと必要であり面倒であつ
た。

そこで本考案は、先の考案を更に改良して、ス
ポーツウエア全体のサイズをバランス良く縮小す
るとともに、大人が屈めることなくスタイル全体
を観察しながら容易にサイズの調整をすることが
できる子供用のスポーツウエアを提供しようとす
るものである。

〔課題を解決するための手段〕

このような本考案の目的は、両脚にそつてそれ
ぞれ少なくとも１か所とウエスト部の周囲とに互
いに連続するトンネル布部を設け、該トンネル布
部内を貫通して一方端が脚のトンネル布部の下端
に固定されまた他方端がウエスト部のトンネル布
部の端より外に引き出して固定できる通し紐を設
けるとともに、該脚のトンネル布部と該ウエスト
部のトンネル布部との連絡位置に該通し紐を滑動
させうる支点部材を設けたことを特徴とするスポ
ーツウエアによつて達成される。

本考案のスポーツウエアは、トンネル布部を両
脚の前部と後部との両方に設けることもできる。
また、必要に応じて袖部などにもトンネル布部を
設けて、同様な手段または異なつた手段を用いて
袖の長さを調整できるようにしてもよい。

〔作用〕

本考案のスポーツウエアは、紐を引き締めてト
ンネル布部を絞ることにより脚部の長さを短縮す
ることができると同時にウエスト部も必要に応じ
て絞ることができる。この際、互いにほぼ直角に
連続している脚のトンネル布部とウエスト部のト
ンネル布部との連絡位置に設けた支点部材とし
て、通し紐を摩擦少なく滑動させるような部材が
用いられているので、脚部が円滑に縮められて、
ウエスト部のみが優先的に絞られることがない。

〔実施例〕

本考案のスポーツウエアの例を図によつて説明
する。

第１図および第２図に上下一体型のスポーツウ
エアの例のそれぞれ前面および後面を示すが、１
は脚の前部の膝付近位置に設けられたトンネル布
部であり、２は脚の後部の同様な位置に設けられ
たトンネル布部である。また、３はウエスト部に
設けられたトンネル布部であり、４はこれらの脚
のトンネル布部１または２とウエスト部のトンネ
ル布部３との両方に貫通して設けられた通し紐で
ある。脚のトンネル布部１または２とウエスト部
のトンネル布部３との連絡位置には、たとえばナ
イロン製のローラなどの支点部材５が設けてあ
る。

このようなトンネル布部の構造は、第３図にそ
の展開図で、また第４図にその分解図で示すよう
に、脚のトンネル布部１または２とウエスト部の
トンネル布部３とがほぼ直角に連絡していて、こ
の中を貫通している通し紐４の一方端４′は脚の
トンネル布部１または２の下端に縫着して固定さ
れ、また他方端はウエスト部のトンネル布部３の
端の開口部３′から外に引き出されている。この
通し紐４を、第５図に示すようにトンネル布部３
より外から引き締めれば、通し紐４との摩擦が少
ない支点部材５が設けられているために脚のトン
ネル布部１または２を優先的に引き絞ることがで
きる。そして、通し紐４は、たとえばＤ環やフア
スナなどの適宜の結合具により固定することによ
つて脚部の長さを任意に調整できるものである。

〔考案の効果〕

本考案のスポーツウエアは、両脚にそつてそれ
ぞれ少なくとも１か所とウエスト部の周囲とに互
いに連続する特定構造の長さ調節部を設けたもの
であつて、通し紐をウエスト部で操作することに
よつて両脚とウエスト部とを同時にかつ均等に絞
り、任意にサイズの縮小をすることができる。従
つて着用者の体格よりも少し大き目のものを選定
しておいて、着用に際して体格に適合した長さに
調整することができるから、サイズの区分を大き
くしてサイズの数を減らすことにより経済性を高
めることができ、子供の成長に合わせてサイズの
調整をすることにより多シーズンにわたつて利用
することができる。

また長さ調節部において通し紐が外部に露出し
ないから外観が良く、またウエスト部から通し紐
を引き出しているから身を屈めることなく楽な姿
勢で容易にサイズの調整ができ、更に両脚とウエ
スト部とを均等に絞ることができるから全体にバ
ランスがとれて見栄えがよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のスポーツウエアの例の正面
図、第２図は同じくその背面図、第３図は同じく
そのトンネル布部の展開図、第４図は同じくその
トンネル布部の分解図、第５図は同じくそのトン
ネル布部の引き絞つたときの展開図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両脚にそつてそれぞれ少なくとも１か所とウエ
   スト部の周囲とに互いに連続するトンネル布部を
   設け、該トンネル布部内を貫通して一方端が脚の
   トンネル布部の下端に固定されまた他方端がウエ
   スト部のトンネル布部の端より外に引き出して固
   定できる通し紐を設けるとともに、該脚のトンネ
   ル布部と該ウエスト部のトンネル布部との連絡位
   置に該通し紐を滑動させうる支点部材を設けたこ
   とを特徴とする子供用スポーツウエア。