JPH05229592A - タンク内を上下動可能に設けられたバルーンの構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 内部にその頂部を上下動可能に設けたバルー
ンを配置した流体タンクにおいて、そのバルーンの収納
容量縮小の際の弛み部分の相互の接触を防止するための
構造の提供。 【構成】 タンク内面全体を覆う可撓性材によって形成
され、且つその頂部中央部分を円板によって形成し、同
平板中央部にバランス用錘に連結された索条を取付けた
ことによって、バルーン収容容量の縮小時にその頂部の
下降によってバルーン表面が弛んでも、バルーンの頂部
円板が弛んで垂下したバルーン材の間を隔離し、接触摩
耗を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば、ＬＰＧ，ガソ
リン等の各種の石油製品の貯蔵タンクに付属して設けら
れているベーパータンク，発電所のボイラー用純水の貯
蔵タンク等に設けられているバルーンに関する。

【０００２】

【従来の技術】ガソリンのような貯蔵タンクにおいて、
貯蔵中のガソリンから多量のベーパーが発生する。この
ベーパーを貯蔵するタンクをガソリン貯蔵タンクとは別
途に設け、これに大気温度の変動によるベーパー量の容
積変動の機能も持たせて、ベーパーの大気中への放出に
よる損失を防止している。このベーパータンクの体積変
化の吸収と、静電気対策としてベーパータンク内に可撓
性材料からなるバルーンが配置使用されている。また、
発電所のボイラー用純水の貯蔵タンクは、純水と空気と
の接触を完全に遮断してその純度の低下を防ぐものであ
る。

【０００３】このバルーンの典型を図３に示す。同図に
おいて、ゴム材のような可撓性材料によってタンク１の
容量ぎりぎりの大きさに調製され、その中央頂部２にタ
ンク外方に垂下したバランス用の重錘３へ滑車６，７を
介して、索条４を取付けたバルーン５が、そのバランス
用の重錘３の上下動によってバルーン５内に収納される
収納物の容積の増減に対応し、その重錘３の上下動によ
ってレベル検知を行い、収納物の容積を計測する構造に
なっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
バルーンは、タンク容量が数百リットル以上にもなると
相当の広さのものとなり、バルーンの設置場所を多く必
要とする。そこで、前記設置場所を削減するため、バル
ーンの内径Ｄより高さＨの大きい縦長構造とすれば、収
納物の容量が減少する場合、図４で点線で示すようにバ
ルーン表面が弛み、とくに、その中央部分において弛ん
だ部分１４が接触するため摩耗し、その耐用性が低下し
たり、弛んだ部分１４に重錘用の索条４が挟まれるため
索条４のたるみが発生し、そのため、収納物のレベル検
出が困難になるという問題があった。

【０００５】本発明の目的は、内部にその頂部を上下動
可能に設けたバルーンを配置した流体タンクにおいて、
そのバルーン内収納物の容量が減少した際の弛んだ部分
の相互の接触摩耗を防止し、また、バルーン内収納物の
計測を常時可能とし、更に従来と同一の収納容量のバル
ーンに比し、設置場所が少なくなる構造を提供すること
にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明は、上部が半球形、下部が円筒形の形状を
有したタンクで、該タンクの高さＨが内径Ｄより大き
く、該タンクの内部に内面を覆う可撓性材料によって形
成され、前記可撓性材料の端部周囲を容器内壁へ取り付
けると共に、該可撓性材料の頂部中央部にバランス用錘
に連結された索条を取り付け、タンク内を上下動可能に
設けられたバルーンにおいて、前記タンク内面を覆う可
撓性材料の端部周囲を前記タンクの高さＨの略中央部の
円筒部に取り付け、前記可撓性材料の頂部中央部分に非
可撓性材料からなる円板を取り付け、同円板中央部にバ
ランス用錘に連結された索条を取り付け、タンク内を上
下動可能に設けられたことを特徴とする。

【０００７】

【作用】バルーン内収納物の容量減少時、バルーン頂部
の下降によってそのバルーン表面が弛んでも、バルーン
の頂部円板が弛んで垂下したバルーン材の間を隔離し、
接触摩耗を防止する。また、収納物のレベル検知が常時
可能である。

【０００８】

【実施例】図１は、本発明を内径が８０００ｍｍ、高さ
が１４６００ｍｍ、頂部を断面円形に形成された縦長の
ベーパータンクに適用した例をタンク断面によって示
す。

【０００９】同図において、図３，図４に示す従来例と
同一部分を同一記号によって示す。

【００１０】１０は、バルーン５の頂部を形成する円板
状ウエイトによって作られた径が２５００ｍｍの円板を
示し、その円板１０の中央部１１に重錘３への索条４を
取り付け、そのバランス用の重錘３の上下動によって、
バルーン５内の収納容積を変動する。バルーン５はタン
ク１内の内部高さの略中央の固定部１２に固定されてい
る。

【００１１】図２は頂部円板１０とバルーン５との取り
付け態様を示し、円板１０の端部を曲げて取付け部１３
を形成し、そこにバルーン５の端部を止め、さらにその
基部を接着剤で固定している。

【００１２】また、本発明はとくに、内径と高さの比が
１：２以上の縦長のタンクに適用し、その高さの略中央
部の位置で、周囲をタンク内壁に固定した場合に、とく
にバルーンの設置場所を増大することなく、タンクの収
納容量増大に対応できる。

【００１３】

【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏する。

【００１４】（１）収納物の容量が減少する場合、バル
ーンの弛みあう部分の接触がないため摩耗がなく、耐用
性が増大する。

【００１５】（２）タンク内収納容量の増大に対して
は、円板状のバルーン頂部中央部分の径をタンク内径に
対して大きくとることにより、タンク高さとタンク内径
の比を大きくでき、その結果、設置エリアを小さくでき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施例をその断面構造によって示
す。

【図２】 バルーンと中央円板との取り付け態様を示
す。

【図３】 従来のバルーン構造を示す図である。

【図４】 従来のバルーン構造の問題点の説明図であ
る。

【符号の説明】

１ タンク ２ バルーン中央頂部 ３ 重錘 ４ 索条 ５ バルーン ６，７ 滑車 １０ 円板 １１ 円板中央部 １２ バルーンの固定部 １３ 円板の取付け部 １４ バルーンの緩み部分

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部が半球形、下部が円筒形の形状を有
   したタンクで、該タンクの高さＨが内径Ｄより大きく、
   該タンクの内部に内面を覆う可撓性材料によって形成さ
   れ、前記可撓性材料の端部周囲を容器内壁へ取り付ける
   と共に、該可撓性材料の頂部中央部にバランス用錘に連
   結された索条を取り付け、タンク内を上下動可能に設け
   られたバルーンにおいて、前記タンク内面を覆う可撓性
   材料の端部周囲を前記タンクの高さＨの略中央部の円筒
   部に取り付け、前記可撓性材料の頂部中央部分に非可撓
   性材料からなる円板を取り付け、同円板中央部にバラン
   ス用錘に連結された索条を取り付け、タンク内を上下動
   可能に設けられたバルーンの構造。