JPH05228607A - チタンまたはチタン合金鋳造品の鋳造方法 - Google Patents

チタンまたはチタン合金鋳造品の鋳造方法

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JPH05228607A
JPH05228607A JP6948792A JP6948792A JPH05228607A JP H05228607 A JPH05228607 A JP H05228607A JP 6948792 A JP6948792 A JP 6948792A JP 6948792 A JP6948792 A JP 6948792A JP H05228607 A JPH05228607 A JP H05228607A
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molten metal
cavity
titanium
time
casting
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JP6948792A
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Hideaki Mizukami
秀昭 水上
Tatsuo Hoshida
達男 星田
Eiichiro Konishi
英一郎 小西
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Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄い肉厚部分を有するチタンまたはチタン合
金からなる複数個の精密鋳造品を、1回の鋳込みによ
り、高歩留りで効率よく且つ簡単な設備で低コストで鋳
造することができる方法を提供する。 【構成】 チタン材またはチタン合金材を、溶解炉内に
おいて0.01〜1torr の圧力の真空または不活性ガス雰囲
気で溶解し、得られたチタンまたはチタン合金の溶湯
を、センタースプルー8と、その下部から分岐する複数
個のランナー9と、その端部の上向きのゲート10を介し
て、複数個のキャビティ11内にその下部から注入し、そ
のときの、キャビティ11内への溶湯の充填を、、キャビ
ティ11内における最小肉厚部の溶湯の凝固時間より短い
時間で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、チタンまたはチタン
合金からなる複数個の精密鋳造品を1回の鋳込みにより
効率よく鋳造するための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】チタン、または、チタン−アルミニウム
合金のようなチタン合金は、軽量で且つ高強度である優
れた特性を有している。従って、チタンまたはチタン合
金からなる鋳造品は、航空機用部材、自動車用の耐熱機
械部品(例えば、ターボチャージャーのホットホイール
等)および各種機械部品等、広範囲の産業分野において
使用されている。
【0003】上述した用途に使用される鋳造品のうち、
形状が複雑で且つ薄い肉厚部分を有する精密鋳造品は、
ロストワックス法によって製作されたセラミックス製の
鋳型(シェルモールド)を使用し、以下に述べるように
して鋳造されている。
【0004】図6に示すように、溶解鋳造室2内には、
溶解炉1と、溶解炉1の下方に配置された複数の鋳込み
部を有するセラミックス製の鋳型4と、鋳型4の支持台
5とが設けられている。溶解鋳造室2の側壁の所定箇所
には、室2内を大気圧から真空まで任意に調整するため
の、図示しない真空排気装置に連結する排気孔6、およ
び、室2内に不活性ガスを供給するための、図示しない
不活性ガス供給源に連結するガス供給孔7が設けられて
いる。溶解炉としては、インダクションスカル溶解炉、
消耗電極式真空アーク溶解炉(VAR炉)、電子ビーム
溶解炉(EBR炉)、プラズマ炉等が使用される。
【0005】原料としてのチタン材またはチタン合金材
を、溶解炉1内に装入し、真空下または不活性ガス雰囲
気下で、高周波誘導加熱により溶解し、得られたチタン
またはチタン合金の溶湯3を、複数の鋳込み部を有する
セラミックス製の鋳型4に注入する。このようにして、
一度の鋳込みで複数個の製品が鋳造される。なお、鋳型
4は、製品の形状、肉厚、および、材質、凝固組織上の
点から、必要に応じ予熱される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の鋳造方
法には、次のような問題がある。チタンまたはチタン合
金の溶湯は活性であり、その保持が難しい。従って、鋳
造に際し、チタン材またはチタン合金材の溶解は、例え
ば、インダクションスカル法、VAR法、EBR法、プ
ラズマ法等によるスカル溶解によって行わざるを得な
い。そのために、溶湯の過熱度が低く、薄い肉厚部を有
する製品の鋳造には困難が伴う。
【0007】そこで、鋳型を予熱することが行われてい
るが、上述したように、チタンまたはチタン合金の溶湯
は活性であるために、鋳型の予熱温度に限界がある。即
ち、鋳型を高温に予熱すると、一般にジルコニア系の材
質からなる鋳型と溶湯とが反応して、鋳造品の表面に欠
陥が発生する。このような欠陥の発生を防止する手段と
して、鋳型の内面にタングステンなどの高融点金属をコ
ーティングする方法が知られているが、このような方法
は、コスト高となるために、低コストで製造することが
強く要求されている自動車部品等の製造法として適当で
ない。
【0008】上述したように、チタンまたはチタン合金
からなる溶湯の過熱度および鋳型の予熱温度には、それ
ぞれ限界がある。従って、従来の方法により、一度の鋳
込みで、薄い肉厚部分を有する複数個のチタンまたはチ
タン合金からなる製品を鋳造すると、鋳型内への溶湯の
充填不足(以下、「ミスラン」という)により、製品に
欠陥が発生する率が多い。従って、このような薄い肉厚
部分を有する複数個のチタンまたはチタン合金からなる
製品を、一度の鋳込みで精密鋳造することは困難であ
る。特に、肉厚1.2mm 以下の薄肉部分を有するチタンま
たはチタン合金の精密鋳造品を効率よく鋳造する方法
は、未だ確立されていない。
【0009】また、遠心鋳造法によって、チタンまたは
チタン合金からなる薄肉の精密鋳造品を鋳造することも
試みられているが、遠心鋳造法では、鋳型の固定のため
に多くの時間を要し、鋳型の予熱が必要な場合には、そ
の固定が一段と困難になって、生産性が低下する上、高
速回転の遠心鋳造設備に多額の費用を必要とする等の問
題がある。
【0010】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、薄い肉厚部分を有するチタンまたはチタン合
金からなる複数個の精密鋳造品を、1回の鋳込みによ
り、高歩留りで効率よく且つ簡単な設備で低コストで鋳
造することができる方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
問題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その結果、次の知
見を得た。 インダクションスカル溶解法または消耗電極式真空
アーク溶解法によって、0.01〜1torrの雰囲気圧でチタ
ン材またはチタン合金材の溶解を行えば、合金成分の蒸
発が起こらず、鋳型内への溶湯の進入が妨害されること
はない。
【0012】 鋳型への溶湯の鋳込みを、試験的に、
図7に示す静置下注法、図8に示す静置上注法および図
9に示す静置横注法によって行った。図7に示す静置下
注法は、溶湯を鋳型11内に導くための垂直に設けられた
センタースプルー8の下部に、センタースプルー8から
水平に分岐する複数個のランナー9を設け、ランナー9
の各々の端部上面に設けられた垂直上向きのゲート10を
介して、薄肉部を有する精密鋳造品の鋳造のための鋳型
を構成する複数個のキャビティ11を設け、溶湯3を、セ
ンタースプルー8、ランナー9およびゲート10を通し
て、キャビティ11内にその下部から注入する方法であ
る。
【0013】図8に示す静置上注法は、上述したセンタ
ースプルー8から水平に分岐する複数個のランナー9の
各々の端部下面に設けられた垂直下向きのゲート10を介
して、薄肉部を有する精密鋳造品の鋳造のための鋳型を
構成するキャビティ11を設け、溶湯3を、センタースプ
ルー8、ランナー9およびゲート10を通して、キャビテ
ィ11内にその上部から注入する方法である。
【0014】図9に示す静置横注法は、上述したセンタ
ースプルー8から水平に分岐する複数個のランナー9の
各々の端面に薄肉部を有する精密鋳造品の鋳造のための
鋳型を構成するキャビティ11を設け、溶湯3を、センタ
ースプルー8およびゲート9を通して、キャビティ11内
にその側部から注入する方法である。
【0015】上述した3つの方法により、1個の体積が
約40ccで、羽根先端部の厚さが0.7mm である、11枚羽根
の自動車用ターボチャージャー用ホイールの鋳込み試験
を行い、ミスランの発生率を調べた。その結果を図10に
示す。図10から明らかなように、静置下注法で行った場
合は、静置上注法および静置横注法で行った場合に比べ
て、明らかにミスランの発生率が少なかった。
【0016】その理由は、静置上注法および静置横注法
で鋳造した場合には、キャビティ11内への溶湯の進入が
均一に行われず、湯面が均一に上昇しないのに対し、静
置下注法で行った場合は、キャビティ11内に溶湯が均一
に進入し、湯面が均一に上昇するためであると考えられ
る。
【0017】 凝固を考慮しない条件でのキャビティ
11内への溶湯の充填時間を、キャビティ11内における最
小肉厚部の溶湯の凝固時間よりも短くすれば、キャビテ
ィ内に100%の充填率で溶湯を充填することができる。
【0018】この発明は、上記知見に基づいてなされた
ものであって、この発明は、チタン材またはチタン合金
材を、インダクションスカル溶解炉または消耗電極式真
空アーク溶解炉内において、0.01〜1torrの圧力の真空
または不活性ガス雰囲気下で溶解し、得られた、チタン
またはチタン合金の溶湯を、前記圧力の雰囲気下におい
て、垂直に設けられた1本のセンタースプルーと、前記
センタースプルーの下部から水平に分岐する複数個のラ
ンナーと、前記ランナーの各々の端部上面に設けられた
垂直上向きのゲートとを介して、薄肉部を有する鋳造品
の鋳造のための鋳型を構成する複数個のキャビティ内
に、その下部から注入し、そのときの、凝固を考慮しな
い条件での前記キャビティ内への溶湯の充填を、前記キ
ャビティ内における最小肉厚部の溶湯の凝固時間よりも
短い時間で行うことに特徴を有するものである。
【0019】
【作用】この発明においては、チタン材またはチタン合
金材の溶解を、インダクションスカル溶解法または消耗
電極式真空アーク溶解鋳造法により、0.01〜1torrの真
空または不活性ガス雰囲気の溶解鋳造室内において行
う。その理由は次の通りである。
【0020】チタン材またはチタン合金材の溶解を、例
えば、エレクトロンビーム溶解法によって行う方法で
は、溶解炉内を10-3以上の高真空にする必要があるの
で、合金成分、例えば、Ti−6Al−4V 合金中のAl、ま
たは、Ti- Al合金中のAlが蒸発する問題が生ずる。ま
た、チタン材またはチタン合金材の溶解を、例えば、プ
ラズマスカル溶解法によって行う方法では、鋳造室内
に、数10torr以上の圧力のプラズマガスが存在するため
に鋳型内にガスが残存し、特に肉厚の薄い鋳造品を精密
鋳造する際に、残存したガスが溶湯の進入を妨げる結
果、ミスランが発生する問題が生ずる。
【0021】これに対し、インダクションスカル溶解法
または消耗電極式真空アーク溶解鋳造法により、チタン
材またはチタン合金材の溶解を、0.01〜1torrの真空ま
たは不活性ガス雰囲気の溶解鋳造室内において行うと、
合金成分の蒸発が発生せず、そして、鋳型内への溶湯の
進入が妨げられることはない。溶解鋳造室内が0.01torr
未満では、合金成分、例えば、Ti−6Al−4V 合金中の
Al、または、Ti- Al合金中のAlが蒸発する問題が生ず
る。一方、溶解鋳造室内が1torrを超えると鋳型内への
溶湯の進入が妨害される問題が生ずる。
【0022】この発明においては、鋳型への溶湯の鋳込
みを、図1に示す静置下注法によって行う。即ち、溶湯
を、垂直に設けられた1本のセンタースプルー8と、セ
ンタースプルー8の下部から水平に分岐する複数個のラ
ンナー9と、ランナー9の各々の端部上面に設けられた
垂直上向きのゲート10とを介して、薄肉部を有する精密
鋳造品の鋳造のための鋳型を構成する複数個のキャビテ
ィ11内に、その下部から注入する。このようにすば、キ
ャビティ11内に溶湯が均一に進入し、湯面が均一に上昇
して、ミスランが発生することなく、キャビティ11内へ
の溶湯の供給を円滑に行うことができる。
【0023】上述した鋳型11内への溶湯の供給におい
て、センタースプルー8の直径(S1)、ゲート10の直径(S
2)および複数個のキャビティ11の個数(N) は、溶湯の供
給速度(q’)およびキャビティ1個の体積(q0 cm3)
に基づいて算出される、凝固を考慮しない条件での溶湯
のキャビティ内への充填時間(tf ) は、キャビティ内に
おける最小肉厚部の溶湯の凝固時間(ts ) よりも短くな
し、好ましくは、凝固時間(ts ) の70% 以下になるよう
に選ぶことが必要である。
【0024】上述したキャビティ内への溶湯の充填時間
(tf ) およびキャビティ内における最小肉厚部の、溶湯
の凝固時間(ts ) は、例えば、下記(1) 式によって求め
られる。
【0025】 但し、a :羽根の厚さ ρ :溶湯の密度 ΔH:溶湯の凝固潜熱 CP :比熱 h :凝固シェルと鋳型間の熱伝達係数 ΔT:注湯時の溶湯のスーパーヒート Tm :溶湯の凝固温度 TO :鋳型の予熱温度
【0026】凝固を考慮しない条件での溶湯のキャビテ
ィ内への充填時間(tf )は、次のようにして求められ
る。先ず、図1に示したセンタースプルー8における溶
湯3の湯面の高さ(h1) と、センタースプルー8の下部
から水平に分岐する複数個のランナー9の各々の端部上
面に、垂直上向きのゲート10とを介して設けられたキャ
ビティ11内における溶湯3の湯面の高さ(h2) との差
(h1−h2)に基づき、下記(2) 式によって、ゲート10か
らキャビティ11への溶湯の流速(V cm/s )を求める。
【0027】V=√(2g(h1−h2))───(2) 但し、g:重力加速度
【0028】次に、ゲート10の断面積(S2)を使用し、下
記(3) 式によって、溶湯のキャビティ内への供給速度
q’を求める。 q’=V×S2 (cc/s) ─── (3)
【0029】上記(3) 式に、更に微小な一定時間Δt(se
c)を乗じた下記(4) 式によって、一定時間Δt(sec)でキ
ャビティ内に流入する溶湯量q(cc)を算出する。 q =V×S2×Δt (cc) ── (4)
【0030】センタースプルー8における溶湯3の湯面
の高さ(h1) およびキャビティ11内における溶湯3の湯
面の高さ(h2) は、時々刻々変化するので、給湯条件に
より、注湯初期から前記h1およびh2を繰り返し計算し
て、一定時間Δt 毎のキャビティ内に流入する溶湯量q
の積算値Σqを算出する。このようにして得られた溶湯
量の積算値Σqがキャビティの体積qo よりも大きくな
った時点を、キャビティ内における溶湯の充填完了とな
し、これによって、キャビティ内への溶湯の充填時間(t
f ) が求められる。
【0031】上述した鋳型11内への溶湯の供給におい
て、センタースプルー8の直径(S1)、ゲート10の直径(S
2)、キャビティ11の個数(N) 、注湯速度( q’) 、キャ
ビティの体積 (q) 、キャビティの最小肉厚部の厚さ
(a) および鋳型の予熱温度等を変更し、溶湯のキャビテ
ィ内への充填時間(tf ) およびキャビティ内における最
小肉厚部の、溶湯の凝固時間(ts ) を変化させて、キャ
ビティ内への溶湯の充填率と、溶湯のキャビティ内への
充填時間(tf )との関係を調べた。その結果、算出され
た溶湯のキャビティ内への充填時間(tf )が、キャビテ
ィ内における溶湯の凝固時間(ts ) よりも小さい条件で
鋳造することにより、キャビティ内に高い充填率で溶湯
を充填し得ることが明らかになった。
【0032】上述した点から、この発明においては、前
述したように、凝固を考慮しない条件でのキャビティ内
への溶湯の充填時間を、キャビティ内における最小肉厚
部の溶湯の凝固時間よりも短くなすことに限定したので
ある。
【0033】
【実施例】次ぎに、この発明を、実施例により説明す
る。図2に示す形状の、下記表1に示す体積および最小
肉厚を有する3種類の、チタン−アルミニウム合金製の
ホイール12を鋳造した。
【0034】
【0035】出湯量約5Kgのインダクションスカル溶解
炉を使用し、0.1torr の炉内雰囲気圧によって、チタン
−アルミニウム合金材を溶解し、図1に示す静置下注法
により、下記に示す条件で上記3種類のホイールを鋳造
し、キャビティ内への溶湯の充填率とキャビティ内への
溶湯の充填時間との関係を調べた。なお、鋳型は、約80
0 ℃の温度に予熱した。
【0036】 チタン−アルミニウム合金の物性 溶湯の密度(ρ) : 3.9 g/m2 溶湯の凝固潜熱(ΔH):104 cal/g 比熱(CP ) : 0.12 cal/g℃ 溶湯のスーパーヒート(ΔT):70℃ 溶湯の凝固温度(Tm ):1470℃
【0037】 鋳型関係 凝固シェルと鋳型間の熱伝達係数(h) :0.08 cal/cm3 s
ec℃
【0038】 ゲーティング関係 キャビティの個数(N) : 1〜12個 センタースプルーの直径(S1):25〜60mm ゲートの直径(S2) : 7〜35mm 注湯速度( Q’) :約5Kg/sec
【0039】図3に、ホイールAを鋳造した場合におけ
る、溶湯のキャビティ内への充填時間(tf )と充填率と
の関係を示し、図4に、ホイールBを鋳造した場合にお
ける、溶湯のキャビティ内への充填時間(tf )と充填率
との関係を示し、そして、図5に、ホイールCを鋳造し
た場合における、溶湯のキャビティ内への充填時間
(tf )と充填率との関係を示す。図3〜5において、横
軸は溶湯のキャビティ内への充填時間(tf )を示し、縦
軸はキャビティ内への溶湯の充填率を示し、○の中の数
字はキャビティの個数を示す。
【0040】図3から明らかなように、ホイールAの鋳
造の場合には、溶湯のキャビティ内への充填時間(tf
が、キャビティ内における最小肉厚部の溶湯の凝固時間
(ts) 0.17秒よりも小さい0.12秒以下のときに、キャビ
ティ内に100%の充填率で溶湯を充填することができた。
図4から明らかなように、ホイールBの鋳造の場合に
は、溶湯のキャビティ内への充填時間(tf )が、キャビ
ティ内における最小薄肉部の溶湯の凝固時間(ts ) 0.22
秒よりも小さい0.16秒以下のときに、キャビティ内に10
0%の充填率で溶湯を充填することができた。そして、図
5から明らかなように、ホイールCの鋳造の場合には、
溶湯のキャビティ内への充填時間(tf )が、キャビティ
内における最小薄肉部の溶湯の凝固時間(ts )0.17 秒よ
りも小さい0.13秒以下のときに、キャビティ内に100%の
充填率で溶湯を充填することができた。
【0041】この発明において、キャビティ内における
最小肉厚部の溶湯の凝固時間(ts )の算出方法、およ
び、溶湯のキャビティ内への充填時間(tf ) の算出方法
は、前述した方法に限られるものではなく、他のどのよ
うな方法によって行ってもよい。また、チタン合金は、
チタン−アルミニウム合金に限られるものではなく、チ
タンと他の各種金属との合金であってもよいことは言う
までもない。
【0042】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
肉厚が薄い部分を有するチタンまたはチタン合金からな
る複数個の精密鋳造品を、1回の鋳込みにより、高歩留
りで効率よく且つ簡単な設備で低コストで鋳造すること
ができる、工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による、溶湯の鋳型内への鋳込み方法
を示す説明図である。
【図2】この発明の実施例により鋳造したホイールの概
略斜視図である。
【図3】この発明の実施例としてホイールAを鋳造した
場合の、溶湯のキャビティ内への充填時間と充填率との
関係を示すグラフである。
【図4】この発明の実施例としてホイールBを鋳造した
場合の、溶湯のキャビティ内への充填時間と充填率との
関係を示すグラフである。
【図5】この発明の実施例としてホイールCを鋳造した
場合の、溶湯のキャビティ内への充填時間と充填率との
関係を示すグラフである。
【図6】チタンまたはチタン合金からなる鋳造品を鋳造
するための溶解鋳造室の一例を示す説明図である。
【図7】静置下注法を示す説明図である。
【図8】静置上注法を示す説明図である。
【図9】静置横注法を示す説明図である。
【図10】静置下注法、静置上注法および静置横注法によ
り鋳造した場合の欠陥の発生率を示すグラフである。
【符号の説明】
1 インダクションスカル溶解炉、 2 溶解鋳造室、 3 溶湯、 4 鋳型、 5 支持台、 6 排気孔、 7 ガス供給孔、 8 センタースプルー、 9 ランナー、 10 ゲート、 11 キャビティ、 12 ホイール。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22B 9/20 9/22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン材またはチタン合金材を、インダ
    クションスカル溶解炉または消耗電極式真空アーク溶解
    炉内において、0.01〜1torrの圧力の真空または不活性
    ガス雰囲気下で溶解し、 得られた、チタンまたはチタン合金の溶湯を、前記圧力
    の雰囲気下において、垂直に設けられた1本のセンター
    スプルーと、前記センタースプルーの下部から水平に分
    岐する複数個のランナーと、前記ランナーの各々の端部
    上面に設けられた垂直上向きのゲートとを介して、薄肉
    部を有する鋳造品の鋳造のための鋳型を構成する複数個
    のキャビティ内に、その下部から注入し、 そのときの、凝固を考慮しない条件での前記キャビティ
    内への溶湯の充填を、前記キャビティ内における最小肉
    厚部の溶湯の凝固時間よりも短い時間で行うことを特徴
    とする、チタンまたはチタン合金鋳造品の鋳造方法。
  2. 【請求項2】 前記キャビティ1個の体積および前記鋳
    型への前記溶解炉からの溶湯の供給速度に基づいて算出
    される、凝固を考慮しない条件での溶湯の前記キャビテ
    ィ内への充填時間が、前記キャビティ内における最小肉
    厚部の溶湯の凝固時間よりも短くなるように、前記セン
    タースプルーの径、前記ゲートの径および前記複数個の
    キャビティの個数を定める、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記凝固を考慮しない条件での溶湯の前
    記キャビティ内への充填時間が、前記キャビティ内にお
    ける最小肉厚部の溶湯の凝固時間の70% 以下になるよう
    にする、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記鋳造品の最小肉厚が1.2mm 以下であ
    る、請求項1から3の何れか1つに記載の方法。
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