JPH05210751A - 軸固定パターン式走査方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 バーコードラベルとスキャナとの距離に拘わ
らず走査パターンの中心位置を一点に集中固定し、走査
パターンをバーコードラベル上に位置合せできる走査装
置の提供。 【構成】 バーコードラベル走査用スキャナの光学走査
ユニット２６であって、モータ駆動の中空駆動シャフト
６８の一方の端部に設けたレーザ光源４５からのレーザ
光をこの中空シャフトを通して投射する。シャフトの他
方の端部には、レーザ光を外側のリング状に形成した複
数のミラー７８に向けて偏向させるための第１の反射面
８６を含む偏向部材８４が装着される。駆動シャフト６
８の軸７２に平行な面内に配置されたリング状ミラー７
８で偏向された光は偏向部材８４の第２の反射面８８を
照射し駆動シャフト６８に平行な方向に偏向される。こ
れにより、偏向部材とバーコードラベル間の距離が変化
したときに交点位置が一定になるように形成された複数
の交差走査ラインからなる走査パターンを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は光学走査装置に関し、特
に走査部分全体にわたって同じ形状を保持する走査パタ
ーンを発生するポータブル走査装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】今日の市場でのＰＯＳ清算システムにお
いて、購買された商品に関するデータは、その商品に印
刷されたまたは添付されたバーコードラベル等のコード
化されたマークを読取って得られる。このようなバーコ
ードを読むための装置としては、レジ等の清算カウンタ
のキャビネット内に固定配置された光学走査装置やバー
コードラベル上を手で動かして単ラインあるいは多数ラ
インの走査パターンによりラベルを走査する手持ち式の
バーコードスキャナ等が用いられている。

【発明が解決しようとする課題】

【０００３】手持ち式のバーコードスキャナを用いる場
合には、レーザースキャナとバーコードラベルとの間の
距離が走査パターンをラベル上に位置合せする上で最も
重要な要素である。このスキャナとラベル間の距離が増
加すると、走査パターンは大きくなるが強度が減少し走
査パターンをバーコードラベル上に集光位置合せする上
で問題を生ずる。このような問題をなくすためには、走
査パターン中心の強度をスキャナからラベルまでの距離
に拘わらず一定に保つことが望ましい。これにより、走
査パターンをバーコードラベル上に正確に位置合せする
ことができ、清算処理中のラベル読み込み操作の信頼性
が増加する。

【０００４】従って、本発明の第１の目的は、スキャナ
とバーコードラベル間の距離が変化しても中心が変化し
ない走査パターンを発生する光学走査装置を提供するこ
とである。

【０００５】本発明の別の目的は、走査パターンが確定
した中心をもち、オペレータに走査パターンの中心を指
示する中央スポットを形成するコンパクトな光学走査装
置を提供することである。

【０００６】本発明のさらに別の目的は、適当な角度間
隔で分離した一連の走査ラインを形成してアスペクト比
の高いバーコードラベルを走査する全方向型の走査パタ
ーンが得られる光学走査装置を提供することである。

【０００７】本発明のさらに別の目的は、簡単な構成で
コストがかからない光学走査装置を提供することであ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、バーコードラベルを走査するための走
査パターン発生方法において、基準面上に焦点合せされ
た第１の光路に沿って走査光ビームを送出するステップ
と；該第１の光路内に第１の回転偏向面を形成するステ
ップと；走査光ビームを、前記第１の光路から外側の該
第１の光路に対しほぼ直角な第２の光路に沿った向きに
偏向させるステップと；該第２の光路内に第１の偏向面
を配置し、走査光ビームを前記第１の光路に対しほぼ直
角な第３の光路に沿った向きに偏向させるステップと；
前記第３の光路内に第２の回転偏向面を配置し、走査光
ビームを前記第１の光路に対し平行方向に偏向させ、バ
ーコードラベル走査用の複数の交差する走査ラインから
なる走査パターンを前記基準面内に形成し、前記第２の
回転偏向面とバーコードラベルとの間の距離が変化した
場合に、交差する走査ラインの中心を一定に保つステッ
プとからなることを特徴とする。

【０００９】さらに本発明では、回転軸を有し、該回転
軸に沿ってコード化されたマークを走査するための光ビ
ームを投射しかつ走査された前記マークからの反射光を
戻す走査装置における走査パターン発生手段において：
前記回転軸に沿って走査光を投射する手段と；前記回転
軸内に設けられ、該回転軸に沿って投射された光ビーム
を該回転軸に対しほぼ直角方向に偏向させるための第１
の反射面と前記光ビームを回転軸に対し平行方向に偏向
させるための第２の反射面とを有する偏向部材と；前記
偏向部材の周囲に設けられた複数の反射部材であって、
前記第１の反射面から反射された光ビームを前記第２の
反射面方向に向けて偏向させ、これにより前記第２の反
射面が走査光ビームを前記回転軸に沿った方向に偏向し
て、前記第２の反射面とバーコードラベルとの間の距離
が変化したときに中心が一定に保持される走査パターン
を形成するための反射部材とを具備している。

【００１０】

【作用】本発明に係る光学走査装置は、手持ち式スキャ
ナまたはその他の形式の光学スキャナに装着される。走
査ユニットは、中空駆動シャフトを３６０度回転させる
ためのモータを内蔵するハウジング部材を有する。この
駆動シャフトの一端に隣接してこのシャフトを通してレ
ーザ光ビームを投射するためのレーザ装置が設けられ
る。駆動シャフトの反対側の端部には、２つの偏向ミラ
ー面を有する偏向部材が装着される。一方の偏向ミラー
面は、外側の円筒形状のパターン形成ミラーアレーに向
けて光ビームを偏向させる。この円筒ミラーアレーは静
止している。

【００１１】走査ビームは、円筒ミラーアレーにより反
射されて回転軸に固定された偏向部材上の第２の偏向ミ
ラー面方向に戻る。この第２の偏向ミラー面は、前記駆
動シャフトの回転軸廻りに回転し第１の偏向ミラー面と
ともに移動するパターン形成ミラーからなる。パターン
ミラー面は走査ビームを回転軸方向に偏向させる。

【００１２】第２の偏向ミラー面が回転軸廻りに回転す
るため、複数の交差する走査ライン１０６（図４）が発
生する。各走査ラインは同じ中心１０８を有し、スキャ
ナとバーコード間の距離が増したときに同じ方向に広が
る（図４）。走査ラインは全て角度間隔を隔てて形成さ
れ、これによりバーコードラベルの配置方向に関係なく
ラベルを読取り可能な全方向性の効果が得られる。共通
の中心軸により位置合せのための目標ラインが形成さ
れ、走査パターンをバーコードラベル上に位置合せする
ための中心基準点にこの目標ラインを整合させる。

【００１３】集光手段は走査ユニットの前部に装着さ
れ、走査したバーコードラベルからの反射光を集光する
とともにこの反射光に応じた電気信号を発生する。

【００１４】

【実施例】図１は、本発明に係る走査ユニットを含む手
持ち式バーコードスキャナの部分縦断面図である。な
お、この実施例は手持ち式の光学スキャナに適用されて
いるが、本発明は、複数のパターン形成ミラーを用いて
走査パターンを発生する光学走査装置であればいかなる
形式の装置に対しても適用可能である。

【００１５】手持ち式バーコードスキャナ２０は、ハン
ドル部２２と本体部２４とからなる。本体部２４内には
走査ユニット２６が支持リング２８を介して装着され
る。この支持リング２８は、走査ユニット２６を支持す
るとともにカバー３０を支持する。このカバー３０の前
面には開口部３２が形成されこの開口部３２内に走査ユ
ニット２６の前面３４が位置する。カバー３０は、例え
ばアクリル等の透明材料からなり、弾性発泡材リング３
６を介して走査ユニット前面３４に対し緩衝的に装着さ
れる。

【００１６】走査ユニット２６の後端延長部３８には、
この走査ユニットを動作させるビデオ回路を有するプリ
ント板４２を支持するブラケット４０が摺動可能に装着
される。このブラケット４０は、例えばポリカーボネー
ト等の硬質プラスチック材料により構成する。

【００１７】走査ユニットの後端延長部３８（図１）の
端部には、レーザダイオード４５（図２）を駆動するた
めの駆動回路を有するプリント板４４が設けられる。こ
のプリント板４４は、走査ユニット２６の支持フレーム
４８（図２、図３）の後端延長部３８に固定される。本
体部２４の下縁に沿ってプリント板５０が取付けられ
る。このプリント板５０は、走査ユニット２６の走査結
果により発生したデジタル信号を処理するためのデジタ
ルインターフェイスロジック回路を含んでいる。

【００１８】プリント板５０には、走査ユニットの読取
りが正常に行われた場合に公知方法でこれを表示するた
めの発光ダイオード５２が備る。この発光ダイオード５
２は本体部２４の後面の透明部材５４を通して外部から
見ることができる。プリント板５０にはさらに回路板５
６が固定される。この回路板５６はスキャナのハンドル
部２２内に配置され走査ユニット２６への電力供給制御
を行う。

【００１９】ハンドル部２２の前側に設けたボタン５８
がプリント回路板５６に接続され、走査ユニットのオン
オフ操作を行う。ハンドル部２２の下端部にはプラグ６
０が凹所として形成される。プラグ６０はケーブル（図
示しない）を受けるためのものである。ケーブルは、ス
キャナに電力を供給するとともに、バーコードラベル読
取り結果を表すプリント板５０上に搭載したマイクロプ
ロセッサ（図示しない）からの電気出力信号を発信する
ためのものである。

【００２０】図２は走査ユニット２６の組立状態の縦断
面図であり、図３はその分解斜視図である。支持フレー
ム４８は、例えばポリカーボネート等の緩衝性プラスチ
ック材料によりモールド成形したものである。図示した
ように、この支持フレーム４８は、複数のラッチ６２を
有する。この支持フレーム４８内にはモータ６４が装着
される。中空駆動シャフト６８がベアリング６６（図
２）を介してモータ６４を貫通してジャーナル支持され
る。

【００２１】支持フレーム４８の後端延長部３８内に
は、レーザダイオード４５を支持するための真鍮製支持
部材４６およびコリメート／フォーカス用レンズ部材７
０が、駆動シャフト６８の回転軸７２に整合して配設さ
れる。ダイオード４５は発散する光ビームを出力し、こ
の発散ビームはレンズ部材７０によりコリメートされ走
査ユニット前方の基準面（図示しない）上にフォーカス
される。レンズ部材７０に隣接して円形の開口絞り７４
が設けられる。この開口絞り７４は、基準面上に投射さ
れるレーザビーム径を調整するためのものであり、レン
ズ部材７０よりも小さい開口断面積を有する。

【００２２】支持フレーム４８内には、ミラー支持モー
ルド成形体７６が摺動可能に装着される。このミラー支
持モールド成形体７６は、各種ポリカーボネート樹脂か
らなり、円筒状に形成したパターン形成用ミラーのアレ
ー７８を固定して保持する。この円筒ミラーアレー７８
は、約６の大きなアスペクト比を有する値札を走査する
ために７または９の奇数個のミラーを有している。支持
モールド成形体７６は、その後部に軸方向のキーリブ８
０を有する。このキーリブ８０は、支持フレーム４８内
に形成したキースロット８２内に嵌合して支持モールド
成形体７６を支持フレーム４８内にスナップ結合させ
る。

【００２３】駆動シャフト６８の前端部には、三角柱形
状の偏向部材８４（図３）が固定される。この偏向部材
８４は、後方に面した偏向ミラー面８６と前方に面した
パターン形成ミラー面８８とを有する。両ミラー面８
６，８８同士は９０度の角度で配置される（図２）。ミ
ラー面８８は偏向部材８４全体の幅を用い、ミラー面８
６は偏向部材８４の幅の内の一部のみを用いている。

【００２４】支持フレーム４８のリング部９０内にはガ
ラス面部材３４が装着される。このリング部９０内には
さらに一対の集光エレメント９２が設けられる。この集
光エレメント９２は、集光ファセット９４と光検知器９
６とからなり、この光検知器９６は集光ファセット９４
で集光した光を公知方法により電気信号に変えるための
ものである。

【００２５】レーザダイオード４５は、走査ユニット２
６の回転軸７２に沿って狭域のレーザ光ビームを出力す
る。このレーザ光ビームは駆動シャフト６８の孔９８を
通して回転する偏向ミラー面８６を照射する。レーザビ
ーム１００はミラー面８６により半径方向外側に偏向さ
れ円筒ミラーアレー７８を照射する。レーザビーム１０
０はこのミラーアレー７８によりさらに図の下向きに偏
向され偏向部材８４のパターン形成ミラー面８８を照射
する。このミラー面８８はレーザビームをほぼ水平方向
前方に偏向させ、アクリルの前面部材３４を通して多数
ライン走査パターン１０６（図４）を形成し、スキャナ
２０の前面に位置するバーコードラベル（図示しない）
を走査する。

【００２６】バーコードラベルを照射して反射された発
散光は、集光レンズ部材９４により検出され、検知器９
６に転送される。検知器９６は、受光ビームを公知方法
により電気信号に変える。

【００２７】図５は、従来技術による走査パターンの説
明図であり、スキャナとバーコードラベルとの間の距離
が離れるに従ってパターン幅が広がる様子を示してい
る。図示したように、従来の走査パターン１０４の中心
部分１０２は、最初距離が増すに従って小さくなり、さ
らに距離を増すと中心部分１０２の面積が大きくなり、
読み込み操作中にバーコードラベルをスキャナに近づけ
たり離したりするときに中心位置をラベル上に整合させ
ることが難しくなる。

【００２８】これに対し、図４に示す本発明に係る走査
パターン１０６は、バーコードラベルとスキャナとの間
の距離が増して走査パターンが大きくなった場合でも、
中心部分１０８は常に一点に集中している。このように
走査パターンの中心部分１０８が一点に集中して位置が
変らないため、バーコードラベル上に走査パターンを目
で見ながら容易に整合位置合せすることができる。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る走査
装置においては、簡単な構成でコストを増加させること
なく、バーコードラベルとスキャナとの距離に拘わらず
常に走査パターンの中心位置を一点に集中固定して保持
することができ、走査パターンをバーコードラベル上に
位置合せすることが容易にできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る走査ユニットを装着した手持ち
式バーコードスキャナの部分縦断面図であり、本体部の
一部を除去してスキャナの走査ユニットの構成を示す。

【図２】 図１の走査ユニットの縦断面図である。

【図３】 本発明に係る走査ユニットの分解斜視図であ
り、円筒形状のパターン形成用ミラーアレーおよび走査
したバーコードラベルからの反射ビームを受光する集光
エレメント等の光学系部品を示す。

【図４】 本発明に係る走査ユニットにより発生する走
査パターンの説明図であり、スキャナがバーコードラベ
ルから離れていく場合の走査パターンの大きさの変化を
示す。

【図５】 従来技術により発生する走査パターンの説明
図であり、スキャナがバーコードラベルから離れていく
場合の走査パターンの大きさと形状の変化を示す。

【符号の説明】

２０；バーコードスキャナ、２２；ハンドル部、２４；
本体部、２６；走査ユニット、４５；レーザダイオー
ド、４８；支持フレーム、６４；モータ、６８；中空駆
動シャフト、７０；レンズ部材、７２；回転軸、７６；
ミラー支持モールド成形体、７８；パターン形成ミラー
アレー、８４；偏向部材。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 バーコードラベルを走査するための走査
   パターン発生方法において、 基準面上に焦点合せされた第１の光路に沿って走査光ビ
   ームを送出するステップと；該第１の光路内に第１の回
   転偏向面を形成するステップと；走査光ビームを、前記
   第１の光路から該第１の光路に対しほぼ直角な第２の光
   路に沿った外側向きに偏向させるステップと；該第２の
   光路内に第１の偏向面を配置し、走査光ビームを前記第
   １の光路に対しほぼ直角な第３の光路に沿った向きに偏
   向させるステップと；前記第３の光路内に第２の回転偏
   向面を配置し、走査光ビームを前記第１の光路に対し平
   行方向に偏向させ、バーコードラベル走査用の複数の交
   差する走査ラインからなる走査パターンを前記基準面内
   に形成し、前記第２の回転偏向面とバーコードラベルと
   の間の距離が変化した場合に、交差する走査ラインの中
   心を一定に保つステップとからなることを特徴とする走
   査パターン発生方法。
2. 【請求項２】 回転軸を有し、該回転軸に沿ってコード
   化されたマークを走査するための光ビームを投射しかつ
   走査された前記マークからの反射光を戻す走査装置にお
   ける走査パターン発生手段において：前記回転軸に沿っ
   て走査光を投射する手段と；前記回転軸内に設けられ、
   該回転軸に沿って投射された光ビームを該回転軸に対し
   ほぼ直角方向に偏向させるための第１の反射面と前記光
   ビームを回転軸に対し平行方向に偏向させるための第２
   の反射面とを有する偏向部材と；前記偏向部材の周囲に
   設けられた複数の反射部材であって、前記第１の反射面
   から反射された光ビームを前記第２の反射面方向に向け
   て偏向させ、これにより前記第２の反射面が走査光ビー
   ムを前記回転軸に沿った方向に偏向して、前記第２の反
   射面とバーコードラベルとの間の距離が変化したときに
   中心が一定に保持される走査パターンを形成するための
   反射部材とを具備したことを特徴とする走査パターン発
   生装置。