JPH05209807A - 高温風洞試験装置用ノズル - Google Patents

高温風洞試験装置用ノズル

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JPH05209807A
JPH05209807A JP1470792A JP1470792A JPH05209807A JP H05209807 A JPH05209807 A JP H05209807A JP 1470792 A JP1470792 A JP 1470792A JP 1470792 A JP1470792 A JP 1470792A JP H05209807 A JPH05209807 A JP H05209807A
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JP
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nozzle
tbc
wind tunnel
layer
temperature wind
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JP1470792A
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English (en)
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Yukiko Fukaya
友紀子 深谷
Yoshiyuki Kojima
慶享 児島
Hideyuki Arikawa
秀行 有川
Yukihiko Wada
靭彦 和田
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】地上で航空機用エンジンの性能を評価する高温
風洞試験装置の性能を向上させるためのノズル内壁への
遮熱コーティングの開発。 【構成】ノズル3の内壁への遮熱コーティング13の厚
さが、その場所にかかる熱負荷の程度により連続的に変
化している高温風洞試験装置用ノズル。 【効果】場所によってかかる熱負荷の程度が違っても、
遮熱コーティングの厚さが連続的に変化しているため信
頼性に優れた遮熱コーティングが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、極めて高い性能(目標
とするノズルマッハ数:10〜、現状のノズルマッハ
数:〜6)を付与することを目的に、内壁に厚さが連続
的に変化した遮熱コーティング層を有する高温風洞試験
装置用ノズルの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、宇宙開発は通信・放送・観測・探
査等の分野では実用期を迎えているが、今後さらに活発
な宇宙活動への展開が予想されている。これらの宇宙開
発を行なっていくうえでの交通手段としては、現在のと
ころスペースシャトルが唯一の手段である。しかし、ス
ペースシャトルは安全性・信頼性・経済性・自在性等の
点で問題を抱えている。そのため各国でスペースプレー
ンの研究・開発が盛んに行なわれている。スペースプレ
ーンは水平離着陸方式の再使用型有人宇宙往環機であ
り、航空機,宇宙輸送機及び軌道上宇宙機の機能を基本
的に併せもったものである。そのため加速上昇時の空気
力の利用,空気の推進剤としての積極的な利用・構造重
量・空気抵抗の大幅な軽減等による飛行限界・性能限界
の飛躍的な拡大が必須となる。これらの点を考慮する
と、スペースプレーンのエンジンとして空気吸込み式エ
ンジンの開発を行うことが、重要な要素を占めてくる。
しかし現在のところ、国内には本格的なエンジン燃焼試
験を行うことができる高温風洞試験装置が開発されてい
ない。図1に、本発明で対象とする高温風洞試験装置の
概略図を示す。このような高温風洞試験装置では、高温
・高圧の空気源を作る方法として、アーク放電,蓄
熱器,希薄燃焼器の3種類の方法が提案されている。
図2に、高温風洞試験装置用ノズルの断面模式図を示
す。高温風洞試験装置用ノズル内に前述した,,
のいずれの方法で高温ガスを流した場合でも、高温ガス
によるノズルの内壁面の加熱はノズルのスロート部分で
最大になる。このため、従来技術ではノズルのスロート
部分の耐熱強度の確保と熱による変形を防止するため
に、ノズルのスロート部分に冷却を行っていた。しか
し、このようにノズルのスロート部分を冷却すると、ノ
ズル出口部分の気流の総温が低下するので、ノズルの性
能が劣ってしまう。そこで、熱応力緩和型の遮熱コーテ
ィングをノズルの内壁へ施す技術が検討されてきた。従
来技術では、この遮熱コーティングはZrO2 系セラミ
ックス単層を、一様な厚さでコーティングしたものであ
った。しかし、本発明で対象としている高温風洞試験装
置用ノズルは、図2に示したように、燃料ガスをスロー
ト部で絞り込む構造となっており、その各場所によって
ノズルにかかる熱負荷の度合いは異なる。つまり、場所
によって必要となる遮熱コーティング(以下TBC)の膜
厚は異なることになる。そこで、従来技術のように一様
な厚さをもった遮熱コーティングでは信頼性の点で問題
が生じてしまう。また、ZrO2 系セラミックス単層の
コーティングでは、さらに実機に近いより厳しい熱負荷
条件で試験を行なうと、さらに大きな熱応力が発生して
しまい、TBCに損傷が生じてしまう可能性がある。そ
こで、特開昭62−156938号公報に提案されているよう
に、TBCの組成を基材成分から遮熱のためのセラミッ
クス成分へと連続的に変化させ、熱応力を緩和させる傾
斜被覆層(以下FGM)を設ける必要がある。本発明で
は、FGM層の上に遮熱のためのZrO2 系セラミック
スを設けた2層コーティングを考案した。以上の点か
ら、ノズルの内壁に施すTBCの厚さが連続的に変化し
ており、TBC内のFGM層の組成が任意に変化してい
るようなコーティング技術が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】高温風洞試験装置のノ
ズルの内壁にTBCを行なうことは装置の性能を向上さ
せるためには必須条件である。しかし、このような円筒
複雑形状の内壁に厚さを軸方向に連続的に変化させ、コ
ーティング層内の混合層の組成の変化を任意に行なうこ
とは従来技術では困難であった。
【0004】本発明の目的は、ノズルの各場所ごとに最
適な厚さとなるように、内壁に施すTBCの厚さを軸方
向に連続的に変化させ、さらにノズル内に発生する熱応
力を最小にすることができるようにTBCの組成を任意
に変化させた、高温風洞試験装置用ノズルを提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、高温風洞試験
装置用ノズルの内壁へ遮熱コーティングを行なう際に、
ダイナミックミキシング法とプラズマ溶射法の両方法を
用いることによりコーティング層の厚さを10〜150
μmの間で適宜連続的に変化させ、さらにコーティング
層内の組成が任意に変化していることを特徴とする。
【0006】高温風洞試験装置用ノズルでは、その場所
によってノズル基材にかかる熱負荷の程度が異なる。そ
のためTBCの厚さも場所によって変える必要がある。
熱負荷の厳しい、例えば、スロート部分のコーティング
は、PVD法の1種であるダイナミックミキシング法で
行なうことが望ましい。熱負荷の厳しい部分では10〜
30μmのTBCが必要となり、この範囲の膜厚での組
成の制御が可能で、さらにイオン注入の効果により密着
性に優れたTBCが得られるからである。なぜならば、
イオン注入を行なうことにより、基材及び各層間の界面
では、隣接する各層間の成分が相互に侵入しているた
め、密着力が向上するからである。その他の比較的熱負
荷の厳しくない部分では100μm程度のTBCが必要
なので、プラズマ溶射法を用いることが望ましい。そし
て、この両方法を組み合わせて使用することによって、
軸方向に連続的に厚さが変化したTBCをもつノズルを
作製することができる。
【0007】セラミックス被覆層は、耐熱性の点からY
23・CaO・MgOなどの酸化物の部分あるいは完全
安定化されたZrO2 系セラミックスを用いることが望
ましい。この層を最表面に設けることによって、遮熱の
効果を高める。
【0008】高温風洞試験装置用ノズルの材料として、
Cu又はCu合金、あるいは、Ni基超合金が有力であ
るため、FGM層のメタル成分は、(6〜20)wt%
のAlを含有するCu,Co,Ni,Feの少なくとも
一つを主成分とする合金あるいは、Ni−(15〜2
5)wt%Cr合金を、セラミックス成分には最表面に
設けたのと同じジルコニア系セラミックスを用い、熱応
力を緩和させるためにその両成分の組成を連続的に変化
させるとよい。
【0009】
【作用】本発明において、ダイナミックミキシング法と
プラズマ溶射法を組み合わせてTBCを作製することに
より、高温風洞試験装置用ノズル内で熱負荷の程度が違
っても対応できる作用を有する。ダイナミックミキシン
グ法のみでは厚さ数百μmレベルのTBCの作製は困難
であり、プラズマ溶射法のみでは厚さ数十μmレベルの
TBCの組成の制御が困難である。すなわち、ダイナミ
ックミキシング法では熱負荷の厳しい部分の厚さ数十μ
mレベルのTBCを作製し、プラズマ溶射法では比較的
熱負荷の厳しくない部分の厚さ数百μmレベルのTBC
を作製する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の詳細について実施例を用いて
説明する。
【0011】図2に高温風洞試験装置用ノズルの断面図
を示す。そして、図3には、ノズル壁面に設けたTBC
の断面図を示す。図3で、9は基材、11はFGM層、
12はセラミックス被覆層を示す。基材9には、本実施
例では無酸素銅を用いた。FGM層11はセラミックス
とメタルの混合層で、基材9に接している部分はメタル
成分100%となり、セラミックス被覆層12に接して
いる部分はセラミックス成分100%となるように、両
成分の組成を連続的に変化させたFGM層とした。ここ
で、FGM層の組成変化は、熱応力計算を行なって、発
生する熱応力が最小となるようにした。メタル成分には
基材のCuと熱伝導率が近く、耐酸化性に優れたCu−
8wt%Al合金を用い、セラミックス成分には、最表
面層と同じZrO2−5.4wt%Y23を用いた。セラ
ミックス被覆層12は遮熱性に優れたZrO2を主成分
とし、Y23を5.4wt%添加した部分安定化ジルコ
ニアを用いた。また、セラミックス被覆層12の厚さ
は、次式により決定した。
【0012】 Q=λ/t・ΔT …(数1) Q:熱流束 λ:セラミックス被覆層12の熱伝導率 t:セラミックス被覆層12の厚さ ΔT:セラミックス被覆層12の表面と背面の温度差 ここで、セラミックス被覆層12の表面と背面の温度差
は700℃で一定とし、セラミックス成分の熱伝導率も
既知であるので、各場所での熱流束に対応するセラミッ
クス被覆層12の厚さを計算できる。そして、セラミッ
クス被覆層12内に発生する熱応力を緩和するような最
適な厚さや組成変化をもったFGM層11を作製する。
図4にはノズル内の熱流束の分布とその時の最適なTB
C(ただし、ここでのTBCの厚さはセラミックス被覆
層12とFGM層11の厚さを併せたものとした。)の
膜厚の一例を示した。
【0013】(実施例1)脱脂・洗浄済みの200×2
00mmの平板の無酸素銅板上に、ダイナミックミキシ
ング法とプラズマ溶射法により、厚さが15〜130μ
mの範囲で連続的に変化するTBCを作製した。図5に
試験片の断面模式図を示す。まず、試料半分にマスクを
しておき、熱流束の大きい部分に相当する13の部分を
作製した。試料の作製にはダイナミックミキシング装置
を用いた。試料作製中の真空度は2×10-4Torr以
下で、最大16kwの電子銃によるEB蒸着を行ないつ
つ、エネルギ10keVで加速した酸素イオンを1cm2
あたり毎秒1×1016個の割合で注入しながら作製し
た。イオン源としてバケット型のイオン源を用い、原料
ガスとして99.9%O2 を使用した。EB蒸着では、
ZrO2 −5.4wt%Y23とCu−8wt%Al合
金を各々0〜45Å/sの間で蒸着速度を変化させて蒸
着した。その時、基材である無酸素銅側が100%合金
層、表面層側でセラミックス100%となるような直線
的な組成変化を示すFGM層を作製し、最表面のセラミ
ックス層もダイナミックミキシング法で作製した。各層
の厚さはFGM層が10μm,セラミック層が5μm,
合計で15μm厚さのTBCを得た。
【0014】以上の様な方法で図5の13の部分を作製
後、マスクをはがし、次に13の部分にカバーをかけプ
ラズマ溶射法で14の部分を作製した。プラズマ溶射法
でもダイナミックミキシング法と同様なTBCの構成と
した。ここで、FGM層は減圧溶射法により作製した。
その時、2台の粉末供給用ホッパを用い、これにメタ
ル:セラミックスの混合率が、75:25,50:
50,25:75,5:95の4種類の混合粉末
を、2台のホッパを順次切り替えることによって、プラ
ズマガンに供給される原料粉末の混合率を変化させた。
そして、FGM層の上に大気溶射法によりセラミックス
層を作製した。FGM層の厚さは50μm,セラミック
ス層の厚さは50〜80μm、合計で100〜130μ
m厚さのTBCを得た。作製した試験片の断面を光学顕微
鏡で観察してみたところ、図6の模式図と同様に、連続
的に厚さが変化するTBCが作製されていることがわか
った。作製した試験片について、評価試験を試みたとこ
ろ本試験片は平板上であるため同時に異なる熱負荷をか
けるような試験を行なえない。そこで、熱流束が5MW
/m2前後と、90MW/m2前後の評価試験を行ない、
試験後の試験片の損傷の有・無を調べた。その結果を以
下の表にまとめた。
【0015】
【表1】
【0016】以上の結果から、それぞれ異なる膜厚の部
分で必要な耐熱性をもったTBCであることがわかっ
た。
【0017】(実施例2)実施例1から得られた基礎デ
ータをもとに、実機高温風洞試験装置用ノズル内壁への
コーティングを行なった。図2に今回作製を試みた高温
風洞試験装置用ノズルの断面模式図を示す。今回基材に
は無酸素銅を用いたため、FGM層のメタル成分にはC
uに比べて耐酸化性に優れたCu−8wt%Al合金を
用い、また冷却のための水を通す溝を基材内に設けた。
図2に示したように、高温風洞試験装置用ノズルは複雑
な形状をしているのでこのまま内壁にコーティングする
ことは難しい。そこで、以下に述べるような方法でコー
ティングを行なった。ノズル内部の空間部分と同じ形状
のAlの中子の上へTBCを作製した。TBC作製手順
を図6に示す。まず、Alの中子の上へセラミックス被
覆層12をコーティングした。(b)その上にFGM層
11をセラミックスからメタルへと成分を連続的に変化
させてコーティングした。(c)そして、基材9を電着
により作製した。(d)次に、冷却用の水を通す溝をつ
けた。(e)溝の部分を樹脂で埋めた。(f)更に、C
u電着を行なった。(g)最後に、アルカリ性の溶液
(例えば、NaOH等)によりAl製の中子を溶出し
た。(h)本実施例では、ダイナミックミキシング法と
プラズマ溶射法の両方法でのTBCの作製が終わった時
点で、基材9のCu電着を行なった。またTBCの作製
は、実施例1のコーティングを逆の順番で行なった。ま
ず、プラズマ溶射法で作製する部分にはマスクをしてお
き、ダイナミックミキシング法により25μmのTBC
を作製した。次にマスクをはがした後、実施例1と同様
に先に作製したTBCの部分にカバーをかけ、図4に示
した膜厚分布図のように膜厚を連続的に変化させて、プ
ラズマ溶射法によりその他の部分のTBCを作製した。
このときのFGM層の組成の変化は、セラミックス層内
に発生する熱応力を最小にするようにセラミックスから
メタルへと連続的に変化させた。
【0018】以上のようにして作製した高温風洞試験装
置用ノズルを評価するために、ノズル中に液体酸素と液
体水素からなる燃焼ガスを通過させる燃焼試験を行なっ
た。その結果、本方法で内壁にTBCを行なった高温風
洞試験装置用ノズルでは試験後に何ら損傷はみられず、
本発明が有効であることがわかった。
【0019】(実施例3)ノズル内部の空間部分と同じ
形状のAlの中子の上へ、酸素イオン注入とZrO2−5.
4wt% Y23の蒸着を併用して行なうダイナミック
ミキシング法により2μm程度のZrO2 層を設けた。
そして、プラズマ溶射法により作製する部分にカバーを
かけダイナミックミキシング法によりTBCを作製し
た。そしてその後、ダイナミックミキシング法により作
製した部分にカバーをかけ、プラズマ溶射法により、T
BCを作製した。この時のTBCの作製方法も図6に示
したようにしておこなった。このようにして、Al基材
の上にダイナミックミキシング法による2μm程度のZ
rO2 層を設けることによって、Al中子とTBCとの
密着性を向上することができる。なぜならば、イオン注
入の効果により、基材と皮膜の成分が、界面付近では相
互に侵入するためである。このようにAlの中子とTB
Cの密着力をある程度向上させると、電着によりCuメ
ッキを行なう際に、TBCに剥離が起こりにくくなる。
しかし、あまりAlの中子とTBCの密着力を向上させ
ると、アルカリ性の溶液でAlの中子を溶出させる際に
TBCに損傷が生じてしまう可能性がある。
【0020】以上のようにして作製した高温風洞試験装
置用ノズルを評価するために、ノズル中に液体酸素と液
体水素からなる燃焼ガスを通過させる燃焼試験を行なっ
た。その結果、本方法で内壁にTBCを行なった高温風
洞試験装置用ノズルでは試験後に何ら損傷はみられず、
実施例2と同様良好な結果が得られた。
【0021】(実施例4)実施例2で示した方法によ
り、実機高温風洞試験装置用ノズル内壁にTBCを施す
際、ダイナミックミキシング法によって作製する場合
も、プラズマ溶射法によって作製する場合もFGM層1
1を作製するとき最表面はメタル成分が100%となる
が、延長層として、FGM層内のメタル成分と同じもの
をダイナミックミキシング法により3μm程度、続けて
コーティングした。このようにAlの中子へTBCを作
製する際、FGM層11の上へメタル層を設けると、電
着によりCuめっきを行なう際に、緻密なめっき層が得
られる。
【0022】以上のようにして作製した高温風洞試験装
置用ノズルを評価するために、ノズル中に液体酸素と液
体水素からなる燃焼ガスを通過させる燃焼試験を行なっ
た。その結果、本方法で内壁にTBCを行なった高温風
洞試験装置用ノズルでは試験後に何ら損傷はみられず、
実施例2,3と同様良好な結果が得られた。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので以下に記載されているような効果を奏する。
【0024】高温風洞試験装置の耐熱性を向上させるた
めにノズルの内壁面へ遮熱コーティングを設けるが、そ
の遮熱コーティングの厚さを連続的に変化させることに
より、場所によってかかる熱負荷の度合いが違っていて
も対処できる。
【0025】また、遮熱コーティング層として遮熱性に
優れたセラミックス層を設け、さらに、基材と最表面の
セラミックスの両成分の組成を連続的に変化させた傾斜
被覆層を設けることにより、基材とセラミックス層の熱
膨張率の違いから生じる熱応力の発生を防ぐことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】高温風洞試験装置の断面図。
【図2】本発明の遮熱コーティングを有する高温風洞試
験装置用ノズルの縦・横断面図。
【図3】ノズル内壁面に設けた遮熱コーティングの断面
図。
【図4】高温風洞試験装置用ノズル内の熱流束及び最適
膜厚分布図。
【図5】本発明の遮熱コーティングを施した試験片の断
面図。
【図6】高温風洞試験装置用ノズルの製造プロセスの説
明図。
【符号の説明】
9…基材、13…ダイナミックミキシング法により作製
した遮熱コーティング、14…プラズマ溶射法により作
製した遮熱コーティング。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 靭彦 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地上での評価機器である高温風洞試験装置
    において、円筒形状の一部分を絞り込み、高温ガス又は
    燃焼ガスにより高温・高速流体を発生させるノズル部分
    の内壁面に、10〜150μmの遮熱コーティングをも
    ち、前記遮熱コーティングの厚さは熱負荷が高い方が熱
    負荷の低い場合に比較して薄くなるように軸方向に連続
    的に変化していることを特徴とする高温風洞試験装置用
    ノズル。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記遮熱コーティング
    が、金属とセラミックスの混合層であり、しかもその組
    成が膜厚方向に連続的に変化する内層側の傾斜被覆層と
    外層側のセラミックス層からなる高温風洞試験装置用ノ
    ズル。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記遮熱コーティング
    内のセラミックス層が完全安定化又は部分安定化ジルコ
    ニア系セラミックスよりなる高温風洞試験装置用ノズ
    ル。
  4. 【請求項4】請求項1において、前記遮熱コーティング
    内の傾斜被覆層は、セラミックス成分が完全安定化又は
    部分安定化ジルコニア系セラミックス,メタル成分がN
    i,Co,Fe,Cuの少なくとも一つを主成分とし、
    (6〜20)wt%Alを含む合金もしくはNi−(1
    5〜25)wt%Cr合金からなる高温風洞試験装置用
    ノズル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010237046A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 試験片製造方法及びコーティング層の物性値測定方法
CN105181290A (zh) * 2015-10-13 2015-12-23 北京航天长征飞行器研究所 一种用于燃气流风洞的高温喷管

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