JPH05209221A - 耐摩耗性の優れた圧延フォークリフトマスト形鋼の製造法 - Google Patents

耐摩耗性の優れた圧延フォークリフトマスト形鋼の製造法

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JPH05209221A
JPH05209221A JP4703791A JP4703791A JPH05209221A JP H05209221 A JPH05209221 A JP H05209221A JP 4703791 A JP4703791 A JP 4703791A JP 4703791 A JP4703791 A JP 4703791A JP H05209221 A JPH05209221 A JP H05209221A
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JP
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rolled
wear resistance
forklift mast
steel
shape steel
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Withdrawn
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JP4703791A
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English (en)
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Shinichi Nishida
新一 西田
Chikayuki Urashima
親行 浦島
Yoshiaki Makino
由明 牧野
Kazuo Sugino
和男 杉野
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶接性を維持して耐摩耗性の優れた圧延フォ
ークリフトマスト形鋼の装造法を提供する。 【構成】 温度1050〜1280℃に均一加熱された
鋼片を、結晶粒微細化組織が得られるA1 変態点〜A3
変態点の仕上温度でフォークリフトマスト形鋼の圧延成
形し、続いて急速冷却を施して表面に歪を発生させ硬質
化させる耐摩耗性の優れた圧延フォークリフトマスト形
鋼の装造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶接性を損なうことな
く、耐摩耗性の優れた圧延フォークリフトマスト形鋼の
製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】運搬業分野においてフォークリフトは、
近年より大型化・高性能化を指向している。その中でマ
スト形鋼は、2本一対で伸縮自在な構造に組立てられて
フォークリフトの支柱として使用され、荷物上げ下ろし
の際の過大な荷重を支える重要な役割を果たしている。
【0003】マストは、多くの他の部材の溶接継手部と
なるため、フォークリフトの稼働中に繰り返し曲げや捩
じり応力が加えられて破断し、しかもコロ(ローラー)
に接触する表面では、摩擦や転がり損傷を発生する問題
があった。従って、マストには、一般的な機械的性質の
外に溶接性、耐疲労特性、耐摩耗性、耐転がり損傷性な
ど各種の特性が要求される。
【0004】中でも、特に重視されている特性は、静的
引張特性、溶接性および耐摩耗性であることから、炭素
含有量が0.33〜0.44%の高炭素鋼が使用されて
いる。ところが、溶接性と耐摩耗性(または静的引張特
性)とは相反する傾向にあり、溶接性を改善させようと
すると耐摩耗性が低下する。このようなことからマスト
形鋼は、一般に両特性のバランスを配慮して製造されて
いるため、特性に限界があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる各特
性間の問題を解決するものであって、溶接性を維持して
耐摩耗性の優れた圧延フォークリフトマスト形鋼の製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは種々検討を重ねた結果、圧延条件を制
御することによって該目的のフォークリフトマスト形鋼
が得られることを知見した。本発明はこの知見に基づい
て構成したもので、その要旨とするところは、1050
〜1280℃の温度に加熱された鋼片を、仕上温度がA
1 変態点〜A3変態点の熱間圧延でフォークリフトマス
ト形鋼に圧延成形し、続いて該形鋼のローラー接触部分
または全体を急速冷却する耐摩耗性の優れた圧延フォー
クリフトマスト形鋼の製造法である。
【0007】以下、本発明について詳細に説明をする。
【0008】転炉、電気炉などの溶解炉、あるいはさら
に精製炉などで溶製された溶鋼を連続鋳造法または造分
塊法で鋼片を製造し、該鋳片を温度1050〜1280
℃に加熱する。鋼片の成分組成については、特に限定す
るものではないがC:0.25〜0.55%、Si:
0.15〜0.95%、Mn:0.50〜1.60%、
P:0.040%以下、S:0.040%以下、V:
0.03〜0.08%、N:100ppm 以上、Al:
0.005〜0.025%を含み、あるいはさらにC
r:0.05〜1.00%、Nb:0.03〜0.08
%の1種または2種を含有して残部がFeおよび不可避
的不純物からなり、さらに要求する特性に対応して鋼成
分を調整し使用される。
【0009】鋼片の加熱温度は加工性ならびに製造され
たマスト形鋼製品の諸特性を考慮して決められた温度で
ある。すなわち前記組成の鋼片を溶体化するため105
0℃以上に加熱して合金元素などをオーステナイト結晶
粒内に溶解せしめ、その後の圧延・冷却工程で例えば微
細なV−N化合物を析出させることにより結晶を細粒化
して靭性を向上し、および析出強化作用で、強度向上を
図ることができる。一方、1280℃を超えて加熱する
と、オーステナイト結晶粒が粗大になり、かつ素材鋼表
面で脱炭が著しくなるので、これ以下にしなければなら
ない。従って、鋼片の加熱温度は、1050〜1280
℃の範囲に限定した。
【0010】このような高温度に加熱された鋼片は、熱
間圧延でフォークリフト形鋼に成形する。熱間圧延工程
では、少なくとも最終圧延をA1 変態点とA3 変態点の
間で行う。その理由は圧延によって被圧延材にひずみを
与え、それが変態する時に核となって、微細結晶粒に再
結晶を誘起せしめるためのものであって、この範囲から
逸脱する高い温度また低い温度ではそのような効果は消
失されるからである。さらに、圧延後は冷媒を使用し
て、マスト形鋼の全体またはローラーの接触部分を急速
冷却する。圧延終了後急速冷却させることにより、ひず
みを発生させ硬化させる、すなわち一種の引張矯正法な
どのごとく加工硬化と同様の効果を付与せしめる。さら
に、急速冷却された表層には冷却後圧縮の残留応力が生
ずる。表層の圧縮残留応力の耐摩耗性に及ぼす効果は、
必ずしも明らかにはなっていないが、少なくとも疲労強
度や曲げ強度を向上せしめる。従って、この場合の冷却
速度は速い方が望ましく、冷媒として、水や圧縮空気お
よび両者の混合が考えられる。しかし、冷却中に製品が
大きく変形する恐れがある場合は、変形をできるだけ抑
えるような冷却方法を講じなければならないことは言う
までもない。
【0011】このような本発明の加熱圧延および冷却条
件とにより、従来の通常の熱間圧延方法による物より
も、静的引張特性、溶接性、耐摩耗性、疲労特性等の優
れた低コストの熱間圧延形鋼を得ることができる。
【0012】
【実施例】表1に示す、同一化学成分の4鋼種の鋼片
(215mm×400mm角)を2等分して、温度1200
℃に加熱しそれぞれを熱間圧延し、仕上げ温度をA3
態点とA1 変態点の間である755℃で最終圧延をし、
20mmから12mmに圧下して厚さ100mmのユの字断面
形状のフォークリフトマスト形鋼に圧延成形した。その
後、水冷により強制冷却(本発明法)と自然放冷(比較
法)を行った。
【0013】表1に示す各鋼種について上記処理をした
材料より試験片を切出し、引張特性および硬さを測定し
た。それぞれの試験結果をまとめて表2に示す。表1と
表2の鋼種は、それぞれ対応する。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】表2を見て分かるように、本発明法の引張
特性は、いずれも比較法に比べ高くなっている。とくに
引張強さよりも降伏点の上昇の方が顕著である。次に、
硬さであるが母材については、それぞれの引張強さの数
値に対応しているが、本発明法が、比較法に比べ若干硬
さが高くなっていることが分かる。溶接部の硬さはHv
=300前後で、いずれもそれ程高くはなく、溶接性は
本発明法と比較法とでは変わらない。疲労試験は、シェ
ンク型捩り疲労試験機(容量;±20kgf-m ,1500
cpm)を用い、両振り平面曲げで行った。疲労限も、本
発明法が比較法に比べていずれも高くなっている。これ
は、引張特性が、本発明法が、比較法に比べて高くなっ
ていることに対応している。摩耗試験は、西原式摩耗試
験機を使用し、荷重50kgf 、すべり率5%で乾燥状態
で行い、105 回回転後の摩耗減量で比較した。従っ
て、試験片はφ30×8mmの円筒形である。摩耗試験結
果は、本発明法は比較法に比べ若干良好かまたは同等と
なっている。これは摩耗試験片が、小さな切出し試験片
(板厚中心)のために、たとえば圧縮の残留応力の効果
などが現われていないためと考えられる。しかし、実際
の場合には、本発明法の方が耐摩耗性が優れていると想
定できる。
【0017】
【発明の効果】本発明により、溶接性を低下させずに、
従来の通常の熱間圧延法による場合よりも、静的引張特
性、耐摩耗性、疲労特性などの優れた低コストのフォー
クリフトマスト形鋼を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉野 和男 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1050〜1280℃の温度に加熱され
    た鋼片を、仕上温度がA1 変態点〜A3 変態点の熱間圧
    延でフォークリフトマスト形鋼に圧延成形し、続いて該
    形鋼のローラー接触部分または全体を急速冷却すること
    を特徴とする耐摩耗性の優れた圧延フォークリフトマス
    ト形鋼の製造法。
JP4703791A 1991-03-12 1991-03-12 耐摩耗性の優れた圧延フォークリフトマスト形鋼の製造法 Withdrawn JPH05209221A (ja)

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