JPH05206480A - 共鳴トンネルトランジスタおよびその応用装置 - Google Patents

共鳴トンネルトランジスタおよびその応用装置

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JPH05206480A
JPH05206480A JP4012877A JP1287792A JPH05206480A JP H05206480 A JPH05206480 A JP H05206480A JP 4012877 A JP4012877 A JP 4012877A JP 1287792 A JP1287792 A JP 1287792A JP H05206480 A JPH05206480 A JP H05206480A
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JP
Japan
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organic thin
resonance tunnel
tunnel transistor
poly
thin film
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JP4012877A
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Akira Tsumura
顯 津村
Yuji Hizuka
裕至 肥塚
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K10/00Organic devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching; Organic capacitors or resistors having potential barriers
    • H10K10/701Organic molecular electronic devices
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/10Organic polymers or oligomers
    • H10K85/111Organic polymers or oligomers comprising aromatic, heteroaromatic, or aryl chains, e.g. polyaniline, polyphenylene or polyphenylene vinylene
    • H10K85/113Heteroaromatic compounds comprising sulfur or selene, e.g. polythiophene
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/10Organic polymers or oligomers
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 共鳴トンネルトランジスタの作製の容易化と
構造の簡略化および高集積化を可能とする。 【構成】 ソース電極1とドレイン電極2間に少なくと
も2種の有機薄膜4,5からなる積層膜あるいは活性層
6を挾み込み、有機薄膜5にゲート電極3を設け、ゲー
ト電極3の印加電圧によって積層膜あるいは活性層6の
導電率を変えるようにしたものである。 【効果】 共鳴トンネルトランジスタの作製の容易化と
素子構造の簡単化および高集積化ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機薄膜の積層膜を用
いた共鳴トンネルトランジスタおよびその応用装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】量子井戸における量子効果を利用した従
来の共鳴トンネルトランジスタは、基板上に少なくとも
2種以上の有機半導体薄膜を数十〜数百原子層ずつ交互
に積層した積層膜を活性層として、作製する必要がある
ため、超高真空下の原子ビームまたは分子ビームによっ
て、無機半導体をエピタキシャル成長させる高度の真空
蒸着技術を必要とした。
【0003】また、回路の高集積化を図るためには、複
雑で多くの工程数を要するプレーナ技術によって、同一
半導体基板上に複数個のトランジスタを同時に作製する
必要があった。
【0004】さらに、従来の論理素子は無機半導体基板
上にプレーナ技術によって製造され、同一基板上にトラ
ンジスタや抵抗、コンデンサなどの電子部品を複数個配
置し、これらをアルミニウムなどの金属からなる配線に
よって接続して用いるため、論理機能を得るための素子
製造が複雑になったり、論理素子自体の面積をある程度
以上必要とするものであった。
【0005】たとえば、従来の論理素子のうち、最も簡
単な論理素子であるインバータ素子においても、すでに
実用に供されているインバータ素子は絶縁ゲート型電界
効果トランジスタ(以下、IGFETという)からなる
飽和IGFETと負荷IGFETを少なくとも1個ずつ
接続して構成されている。あるいはまた、飽和IGFE
Tと負荷抵抗を少なくとも1個ずつ接続して構成されて
いる。
【0006】これらのトランジスタや負荷抵抗は無機半
導体からなるトランジスタの製造技術の制限から、同一
基板上に設けられている。インバータ素子よりも複雑な
論理素子であるAND素子、OR素子、NAND素子お
よび排他的OR素子などの論理素子はインバータ素子よ
りもさらに複雑な構成となるため、より大きな面積を必
要とした。
【0007】さらに、従来のシフトレジスタも論理素子
の場合と同様に、同一基板上にトランジスタや抵抗、コ
ンデンサなどの電子部品を複数配置し、これらをアルミ
ニウムなどの金属からなる配線によって接続して用いる
ため、作製が困難であると同時に、シフトレジスタの機
能を得るための素子構造が複雑になったり、シフトレジ
スタ自体の面積をある程度必要とするものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
共鳴トンネルトランジスタや論理素子およびシフトレジ
スタは活性層が無機半導体の結晶によって構成されてい
るため、素子の作成が一般に困難であり、また、素子自
体の構造が複雑で、素子としての機能を得るために、比
較的大きな面積を必要とすることから、高集積化が困難
になる欠点があった。
【0009】請求項1の発明は上記のような課題を解消
するためになされたもので、集積度が向上し、安価にで
きる共鳴トンネルトランジスタを得ることを目的とす
る。
【0010】また、請求項2の発明は、AND型の論理
素子の高集積化が可能となり、かつ安価にできる論理素
子を得ることを目的とする。
【0011】さらに、請求項3の発明は、超高集積化が
可能となり、かつ安価にできるシフトレジスタを得るこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る共
鳴トンネルトランジスタは、ソース電極とドレイン電極
に挾まれ、少なくとも2種以上の異なる有機薄膜からな
る積層膜を設けたものである。
【0013】また、請求項2の発明に係る論理素子は、
ソース電極とドレイン電極間に挾まれた少なくとも2層
以上の異なる有機薄膜からなる積層膜の導電率をゲート
電極に印加した電圧によって制御する共鳴トンネルトラ
ンジスタを少なくとも一つ以上用いて、一つ以上の入力
信号に対して一定の論理的処理を行うように構成したも
のである。
【0014】さらに、請求項3の発明に係るシフトレジ
スタは、ソース電極とドレイン電極間に挾まれた少なく
とも2層以上の異なる有機薄膜からなる積層膜の導電率
をゲート電極に印加する電圧によって制御する共鳴トン
ネルトランジスタを少なくとも一つ以上用いて、一つ以
上の入力信号を一定時間以上保持し、入力信号とは別の
信号によって逐次これを出力するように構成したもので
ある。
【0015】
【作用】請求項1の発明においては、積層膜は異なるバ
ンド幅あるいは異なるイオン化電位と異なる電子親和力
を有する2種以上の異なる有機薄膜が層状に重なってい
るから、井戸型ポテンシャルが周期的に並んだ電子状態
になると考えられ、バンドギャップの小さな層の厚さが
十分に小さいと、量子効果によってバンド内に不連続の
電子準位が生じる。このとき、電子の波動関数はポテン
シャル井戸の中だけでなく、少し外のバリア内までしみ
出した形となり、ポテンシャル井戸の両側のバリヤの厚
みが非常に小さければ、隣合った量子井戸の中の波動関
数が重なり、干渉あるいは共鳴し合い、量子井戸内の電
子はバリアを突き抜けて進めなくなり、共鳴トンネル現
象を呈し、ゲート電極にバイアスを印加した場合、電子
の波動関数の重なりが消滅し、ポテンシャル井戸を越え
た電子の移動はなくなり、共鳴トンネルトランジスタと
して動作する。
【0016】また、請求項2の発明においては、複数個
接続した共鳴トンネルトランジスタを用いることによ
り、ゲート電極にバイアス電圧が印加されることによ
り、ソース電極とドレイン電極間に電流が流れ、したが
って、ゲート電極に入力信号を加えることにより、所定
の論理的処理を行うことができる。
【0017】さらに、請求項3の発明においては、隣接
したゲート電極に、異なるバイアスを印加している場
合、隣合ったポテンシャル井戸間の電子の移動はない
が、隣接したゲート電極の電位が等しくなった瞬間に電
子が移動し、ソース・ドレイン電極間にパルス状の入力
信号を加えて、最初のポテンシャル井戸に電子を注入し
た後、電子が注入された層と隣接した層のゲート電極の
電位を瞬間的に等しくすることによって、逐次電子を隣
のポテンシャル井戸に移し、シフトレジスタとして機能
する。
【0018】
【実施例】以下、本発明の共鳴トンネルトランジスタお
よびその応用装置の実施例について図面に基づき説明す
るが、勿論、この発明は図示の実施例に限定されるもの
ではない。図1はこの発明の共鳴トンネルトランジスタ
の一実施例の構成を示す断面図である。この図1の実施
例は少なくとも2種以上の異なる有機薄膜からなる積層
膜の電気抵抗が共鳴効果の有無によって変化することを
特徴とする共鳴トンネルトランジスタの場合を示してい
る。
【0019】この図1において、1はソース電極、2は
ドレイン電極、3はゲート電極、4,5はそれぞれ異な
る種類の有機薄膜であり、これらはソース電極1とドレ
イン電極2間に挾まれている。有機薄膜6は積層膜ある
いは活性層を表す。
【0020】この図1に示すように、一般的に、この発
明による有機共鳴トランジスタは活性層の上下と中間部
分の有機薄膜4に3個の電極を設けた構造からなるもの
である。
【0021】また、図2は本発明の共鳴トンネルトラン
ジスタを用いた論理素子の一例として、AND素子を構
成した断面図である。この図2においても、図1と同様
に、1はソース電極、2はドレイン電極、3a,3bは
ゲート電極である。
【0022】さらに、図3は図1の共鳴トンネルトラン
ジスタを縦に接続して、構成したシフトレジスタの構成
を示す断面図であり、この図3においても、図1および
図2と同一部分には、同一符号が付されており、図3に
おいても、1はソース電極、2はドレイン電極、3a〜
3nはゲート電極である。
【0023】これらの図1〜図3において、ソース電極
1とドレイン電極2およびゲート電極3,3a,3b,
3c〜3nは高い導電性を有しているものであれば、い
ずれの材料を用いることも可能である。例えば、金、
銀、銅、白金、クロム、アルミニウム、インジウム、タ
ングステン、錫などの金属やカーボン、インジウム錫酸
化物(ITO)、錫酸化物、高ドープシリコン、さらに
は各種導電性高分子などがあげられる。もちろん、これ
らの材料を組み合わせて用いてもよい。また、これらの
電極の作製法としては、真空蒸着法、スパッタ法、CV
D法、メッキ等の方法を用いることができるが、もちろ
んこれらに制限されるわけではない。
【0024】少なくとも2種以上の異なる有機薄膜4お
よび5のうち、電極と接する有機薄膜4は有機薄膜5よ
りも電気抵抗が小さいもの、あるいはよりバンドギャッ
プの小さなものが望ましく、なかでもπ−共役系導電性
高分子が望ましい。
【0025】このような有機薄膜4として、例えばポリ
アセチレン、ポリピロール、ポリ(N−置換ピロー
ル)、ポリ(3−置換ピロール)、ポリ(3,4−二置
換ピロール)、ポリチオフェン、ポリ(3−置換チオフ
ェン)、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、ポリベン
ゾチオフェン、ポリイソチアナフテン、ポリ(2,5−
チェニレンビニレン)、ポリ(2,5−チエニレンビニ
レン)誘導体、ポリ(2,5−フェニレンビニレン)、
ポリ(2,5−フェニレンビニレン)誘導体、ポリアニ
リン、ポリ(N−置換アニリン)、ポリ(2−置換アニ
リン)、ポリ(3−置換アニリン)、ポリ(2,3−二
置換アニリン)、ポリジアセチレン類、ポリアズレン、
ポリピレン、ポリカルバゾール、ポリ(N−置換カルバ
ゾール)、ポリセレノフェン、ポリフラン、ポリベンゾ
フラン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニ
レン、ポリインドール、ポリピリダジン、ポリアセンな
どのグラファイト状高分子等、あるいはこれら2種類以
上の共重合体及びそれらの両親媒性誘導体等のπ−共役
系高分子が使用できる。
【0026】ここでこれら高分子の繰り返し単位数には
制限がなく、繰り返し単位数3以上のオリゴマーも使用
できる。あるいはまた、フタロシアニンやメロシアニン
などの分子半導体、銅フタロシアニン、ニッケルフタロ
シアニン、リチウムフタロシアニン、などの金属フタロ
シアニンなども使用できる。
【0027】これら有機薄膜の作製法としては、真空蒸
着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスター
ビーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレー
ティング法、CVD法、スパッタリング法、プラズマ重
合法、電解重合法、化学重合法、スピンコート法、キャ
スト法、ディッピング法、ロールコート法、バーコート
法、LB法等が挙げられ、材料に応じて使用できる。
【0028】これら有機薄膜の膜厚としては、特に制限
はない。しかし、得られたトランジスタの特性は有機薄
膜からなる活性層の膜厚に大きく左右される場合が多
く、その膜厚は有機薄膜の種類により異なるが、一般に
3000オングストローム以下が好ましい。また、有機
薄膜は、しばしばドーピング処理によりその導電率が制
御される。このドーピングの方法には化学的方法と物理
的方法があり(工業材料、34巻、第4号、55頁、1
986年参照)、前者には(1)気相からのドーピン
グ、(2)液相からのドーピング、(3)電気化学的ド
ーピング、(4)光開始ドーピング等の方法があり、ま
た後者ではイオン注入法があり、何れも使用可能であ
る。
【0029】一方、電極と接しない有機薄膜5は有機薄
膜4よりも電気抵抗が高いもの、あるいはより大きなバ
ンドギャップを有しているものが望ましい。例えば、ポ
リイミドやポリエステル、ポリパラキシレン、ポリエチ
レン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート
などの有機絶縁体が用いられる。あるいは、有機薄膜4
で使用されるπ−共役系高分子を完全に脱ドープして絶
縁体として用いることも可能である。これらの有機薄膜
の作製法も有機薄膜4と同様である。
【0030】本発明にかかわる共鳴トンネルトランジス
タの動作の一例を図1を用いて説明する。図1に示した
構造の共鳴トンネルトランジスタにおいては、ゲート電
極3にバイアス電圧をかけた場合はドレイン電圧によっ
てソース電極1とドレイン電極2の間に電流が流れず、
バイアスをかけない場合には電流が流れる。
【0031】本発明の共鳴トンネルトランジスタの動作
原理は未だ明らかではないが、量子理論に従うと次のよ
うに考えられる。異なるバンド幅(あるいは異なるイオ
ン化電位と異なる電子親和力)を有する有機薄膜が層状
に重なっていた場合、図4(a)に示すように井戸型ポ
テンシャルが周期的に並んだ電子状態になると考えられ
る。
【0032】このとき、バンドギャップの小さな層の厚
さが十分に小さければ、量子効果によって、バンド内に
不連続の電子準位が生じる。このとき、電子の波動関数
はポテンシャル井戸の中だけでなく、少し外のバリヤ内
までしみ出した形となっているはずである。したがっ
て、ポテンシャル井戸の両側のバリヤの厚みが非常に小
さければ、隣合った量子井戸の中の波動関数が重なり、
干渉あるいは共鳴し合うはずである。その結果、量子井
戸内の電子のバリヤを突き抜けて、量子井戸間を移動で
きることになる。これがいわゆる共鳴トンネル現象であ
る。
【0033】ここで、図4(b)に示すように、ポテン
シャル井戸の一つに摂動を加えた場合、すなわち、ゲー
ト電極にバイアスを印加した場合に、電子の波動関数の
重なりは消滅し、ポテンシャル井戸を越えた電子の移動
はなくなる。このような現象によって、本発明の共鳴ト
ンネルトランジスタは動作すると考えられている。
【0034】次に、本発明の第2の発明である論理素子
の一例としてAND素子の動作とその原理を図2を用い
て説明する。勿論、本発明の第2の発明である論理素子
はAND素子に限定されるわけではなく、インバータ素
子やOR素子、NAND素子、排他的OR素子などがあ
るが、ここでは、一例として、AND素子を取り上げて
説明を進めることにする。
【0035】この図2からも明らかなように、AND素
子においては、ゲート電極3a,3bの2個が形成され
ており、どちらのゲート電極3a,3bにバイアスが加
えられた場合にのみ、ソース電極1とドレイン電極2間
に電流が流れる。したがって、ゲート電極2個に同じ電
気信号が印加された場合だけ、電流が流れることから、
AND素子として機能する。次の表1はこのAND素子
の論理値表である。
【0036】
【表1】
【0037】次に、本発明の第3の発明であるシフトレ
ジスタについて、図3により説明する。この図3に示す
本発明のシフトレジスタにおいて、隣接したゲート電極
に異なるバイアスを印加している場合、隣合ったポテン
シャル井戸間の電子移動はない。しかし、隣接したゲー
ト電極の電位が等しくなった瞬間に電子が移動する。
【0038】したがって、ソース電極1とドレイン電極
2間にパルス状の入力信号を加えて、最初のポテンシャ
ル井戸に電子を注入した後、電子が注入された層と隣接
した層のゲート電極の電位を瞬間的に等しくすることに
よって、逐次電子を隣のポテンシャル井戸に移すことが
可能である。この結果、次の表2に示すように、シフト
レジスタとして機能する。
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、ソース電極とドレイン電極間に少なくとも2種以上
の異なる有機薄膜からなる積層膜を挾み、この積層膜の
導電率をゲート電極に印加して制御するようにしたの
で、素子製作が容易になるとともに、素子構造を簡単に
でき、かつ素子の占める面積を小さくして高集積化を可
能とする。
【0041】また、請求項2の発明によれば、共鳴トン
ネルトランジスタを複数個接続して論理素子を得るよう
にしたので、論理素子の作製を容易にするとともに、論
理素子の構造を簡単にすることができ、かつ論理素子の
占める面積を小さくして、高集積化が可能となる。
【0042】さらに、請求項3の発明によれば、共鳴ト
ンネルトランジスタを複数個接続して用いてシフトレジ
スタを構成するようにしたので、シフトレジスタの作製
が容易になるとともに、シフトレジスタの構造を簡単に
することができ、かつシフトレジスタの占める面積小さ
くして、高集積化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による共鳴トンネルトランジ
スタの模式的断面図である。
【図2】同上共鳴トンネルトランジスタを使用した本発
明の論理素子の模式的断面図である。
【図3】同上共鳴トランジスタを使用した本発明のシフ
トレジスタの模式的断面図である。
【図4】図1の共鳴トンネルトランジスタにおける有機
薄膜の積層膜の井戸型ポテンシャルの説明図である。
【符号の説明】
1 ソース電極 2 ドレイン電極 3 ゲート電極 3a ゲート電極 3b ゲート電極 3n ゲート電極 4 有機薄膜 5 有機薄膜 6 有機薄膜の積層膜あるいは活性層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】量子井戸における量子効果を利用した従
来の共鳴トンネルトランジスタは、基板上に少なくとも
2種以上の機半導体薄膜を数十〜数百原子層ずつ交互
に積層した積層膜を活性層として、作製する必要がある
ため、超高真空下の原子ビームまたは分子ビームによっ
て、無機半導体をエピタキシャル成長させる高度の真空
蒸着技術を必要とした。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】
【作用】請求項1の発明においては、積層膜は異なるバ
ンド幅あるいは異なるイオン化電位と異なる電子親和力
を有する2種以上の異なる有機薄膜が層状に重なってい
るから、井戸型ポテンシャルが周期的に並んだ電子状態
になると考えられ、バンドギャップの小さな層の厚さが
十分に小さいと、量子効果によってバンド内に不連続の
電子準位が生じる。このとき、電子の波動関数はポテン
シャル井戸の中だけでなく、少し外のバリア内までしみ
出した形となり、ポテンシャル井戸の両側のバリヤの厚
みが非常に小さければ、隣合った量子井戸の中の波動関
数が重なり、干渉あるいは共鳴し合い、量子井戸内の電
子はバリアを突き抜けて進めるようになり、共鳴トンネ
ル現象を呈し、ゲート電極にバイアスを印加した場合、
電子の波動関数の重なりが消滅し、バリヤを越えた電子
の移動はなくなり、共鳴トンネルトランジスタとして動
作する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】少なくとも2種以上の異なる有機薄膜4お
よび5のうち、有機薄膜4は有機薄膜5よりも電気抵抗
が小さいもの、あるいはよりバンドギャップの小さなも
のが望ましく、なかでもπ−共役系導電性高分子が望ま
しい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】このような有機薄膜4として、例えばポリ
アセチレン、ポリピロール、ポリ(N−置換ピロー
ル)、ポリ(3−置換ピロール)、ポリ(3,4−二置
換ピロール)、ポリチオフェン、ポリ(3−置換チオフ
ェン)、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、ポリベン
ゾチオフェン、ポリイソチアナフテン、ポリ(2,5−
ェニレンビニレン)、ポリ(P−フェニレンビニレ
ン)誘導体、ポリ(2,5−フェニレンビニレン)、ポ
リ(−フェニレンビニレン)誘導体、ポリアニリン、
ポリ(N−置換アニリン)、ポリ(2−置換アニリ
ン)、ポリ(3−置換アニリン)、ポリ(2,3−二置
換アニリン)、ポリジアセチレン類、ポリアズレン、ポ
リピレン、ポリカルバゾール、ポリ(N−置換カルバゾ
ール)、ポリセレノフェン、ポリフラン、ポリベンゾフ
ラン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレ
ン、ポリインドール、ポリピリダジン、ポリアセンなど
のグラファイト状高分子等、あるいはこれら2種類以上
の共重合体及びそれらの両親媒性誘導体等のπ−共役系
高分子が使用できる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】一方、有機薄膜5は有機薄膜4よりも電気
抵抗が高いもの、あるいはより大きなバンドギャップを
有しているものが望ましい。例えば、ポリイミドやポリ
エステル、ポリパラキシレン、ポリエチレン、ポリフェ
ニレンサルファイド、ポリカーボネートなどの有機絶縁
体が用いられる。あるいは、有機薄膜4で使用されるπ
−共役系高分子を完全に脱ドープして絶縁体として用い
ることも可能である。これらの有機薄膜の作製法も有機
薄膜4と同様である。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】このとき、バンドギャップの小さな層の厚
さが十分に小さければ、量子効果によって、バンド内に
不連続の電子準位が生じる。このとき、電子の波動関数
はポテンシャル井戸の中だけでなく、少し外のバリヤ内
までしみ出した形となっているはずである。したがっ
て、ポテンシャル井戸の両側のバリヤの厚みが非常に小
さければ、隣合った量子井戸の中の波動関数が重なり、
干渉あるいは共鳴し合うはずである。その結果、量子井
間のバリヤを突き抜けて、電子が量子井戸間を移動で
きることになる。これがいわゆる共鳴トンネル現象であ
る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】ここで、図4(b)に示すように、ポテン
シャル井戸の一つに摂動を加えた場合、すなわち、ゲー
ト電極にバイアスを印加した場合に、電子の波動関数の
重なりは消滅し、バリヤを越えた電子の移動はなくな
る。このような現象によって、本発明の共鳴トンネルト
ランジスタは動作すると考えられている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】この図2からも明らかなように、AND素
子においては、ゲート電極3a,3bの2個が形成され
ており、両方のゲート電極3a,3bに同じバイアスが
加えられた場合にのみ、ソース電極1とドレイン電極2
間に電流が流れる。したがって、ゲート電極2個に同じ
電気信号が印加された場合だけ、電流が流れることか
ら、AND素子として機能する。次の表1はこのAND
素子の論理値表である。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、ソース電極とドレイン電極間に少なくとも2種以上
の異なる有機薄膜からなる積層膜を挾み、この積層膜の
導電率をゲート電極にバイアスを印加して制御するよう
にしたので、素子作製が容易になるとともに、素子構造
を簡単にでき、かつ素子の占める面積を小さくして高集
積化を可能とする。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】さらに、請求項3の発明によれば、共鳴ト
ンネルトランジスタを複数個接続して用いてシフトレジ
スタを構成するようにしたので、シフトレジスタの作製
が容易になるとともに、シフトレジスタの構造を簡単に
することができ、かつシフトレジスタの占める面積
さくして、高集積化が可能となる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソース電極とドレイン電極の間に挾まれ
    少なくとも2種以上の異なる有機薄膜からなる積層膜
    と、この積層膜に設けられ印加電圧によって上記積層膜
    の導電率を変えるゲート電極とを備えた共鳴トンネルト
    ランジスタ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の共鳴トンネルトランジ
    スタを少なくとも一つ以上用いて少なくとも一つ以上の
    入力信号に対して一定の論理的処理を行うことを特徴と
    する論理素子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の共鳴トンネルトランジ
    スタを少なくとも一つ以上用いて少なくとも一つ以上の
    入力信号を一定時間以上保持し、入力信号とは別の信号
    によって逐次これを出力することを特徴とするシフトレ
    ジスタ。
JP4012877A 1992-01-28 1992-01-28 共鳴トンネルトランジスタおよびその応用装置 Pending JPH05206480A (ja)

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