JPH05197399A - ベクトル量子化方式 - Google Patents

ベクトル量子化方式

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JPH05197399A
JPH05197399A JP4197287A JP19728792A JPH05197399A JP H05197399 A JPH05197399 A JP H05197399A JP 4197287 A JP4197287 A JP 4197287A JP 19728792 A JP19728792 A JP 19728792A JP H05197399 A JPH05197399 A JP H05197399A
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裕二 奥田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 探索のための演算処理を、固定小数点形のD
SPを使用して高精度にしかも少ない演算量で行なえる
ようにし、これにより演算回路の小形化および低価格化
を可能とし、かつ高精度の演算を高速度に行なえるよう
にする。 【構成】 ピッチ周期の探索ループおよびコードブック
の探索ループにおいて、相関算出部51,55の前段に
各々正規化部53,57を配置し、入力音声ベクトルの
各要素を、これらの正規化部53,57でその絶対値の
最大値を超える最小の2のべき乗により正規化したの
ち、相関算出部51,55に供給してここで音声合成ベ
クトルとの相関を求め、この相関値および2乗和算出部
52,56で算出された上記音声合成ベクトルの2乗和
の値を基に、2乗誤差計算部41,49により2乗誤差
を計算するようにしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音声信号や映像信号等
の信号系列を符号化するために用いられるベクトル量子
化方式に関する。
【0002】
【従来の技術】ベクトル量子化は、音声信号や画像信号
の符号化を効率的に行なう手法として現在最も注目され
ている技術の一つである。特に、音声信号の符号化の分
野においては、CELP(Code Excited Linear Predic
tion)方式またはVXC(Vector Excited Coding )方
式が、ベクトル量子化を適用した優れた方式として知ら
れている。CELP方式の詳細な点については、M.R.Sc
hroeder 氏とB.S.Atal氏の“Code-Excited Linear Pred
iction(CELP):High-Quality Speech At Very LowBit Ra
tes”in Proc.ICASSP,1985.pp.937-939に述べられてい
る。
【0003】以下、図面を参照して簡単にCELP方式
について説明する。図15はCELP方式を適用した音
声符号化回路の原理的な構成を示すブロック図である。
同図において、音声信号の信号系列は入力端子11を経
てブロック切出し部12に導かれ、このブロック切出し
部12おいてL個のサンプル値を1つのフレームとして
長さLの入力音声信号ベクトルに分割される。そしてこ
の音声信号ベクトルはLPC分析部13に導入される。
このLPC分析部13では、自己相関法等により音声信
号のLPC分析が行なわれ、これによりLPC予測パラ
メータ{ai }(i=1,…,P)が抽出される。この
LPC予測パラメータはLPC合成フィルタ19に供給
にされる。尚、Pは予測次数である。
【0004】また、上記LPC分析部13からはLPC
予測残差信号ベクトルが出力され、このLPC予測残差
信号ベクトルはピッチ分析部14に入力される。ピッチ
分析部14では、上記LPC予測残差信号ベクトルを用
いて音声の長期的予測であるピッチ分析が行なわれ、ピ
ッチ周期Tp と、ゲインパラメータbとが抽出される。
この抽出されたピッチ周期Tp およびゲインパラメータ
は、ともにピッチ合成フィルタ18に供給される。
【0005】次に合成音声生成の過程について説明す
る。コードブック15には、次元数(ベクトルの要素
数)kのn個の白色雑音ベクトルが予め記憶されてい
る。ここで、kは一般にL/kが整数になるように選ば
れる。上記各白色雑音ベクトルはコードブック15から
一つずつ読み出され、乗算器16で先ずゲインパラメー
タ発生部17から発生されたゲインパラメータと乗算さ
れる。そして、上記ピッチ合成フィルタ18およびLP
C合成フィルタ19によりそれぞれフィルタ演算が行な
われて、合成音声ベクトルが生成される。この時のピッ
チ合成フィルタ18の伝達関数P(Z)とLPC合成フ
ィルタ19の伝達関数A(Z)は次の通りである。
【0006】
【数1】
【0007】
【数2】
【0008】そうして生成された合成音声ベクトルは、
比較器20で目標ベクトルである入力音声ベクトルと比
較される。そして、その比較出力は重み付けフィルタ2
1を経たのち2乗誤差計算部22に導入され、ここで2
乗距離歪Ej が求められる。さらにこの2乗距離歪Ej
の値は最小歪探索部23i導入され、ここでその最小値
が検出される。
【0009】以上の合成音声生成過程は、n個の白色雑
音ベクトル全てについて行なわれ、これにより2乗距離
歪Ej の最小値を与える白色雑音ベクトルの番号jが選
ばれる。つまり、CELP方式は音声合成の過程におけ
る合成フィルタの駆動信号にコードブックを用いること
によってベクトル量子化を行なっているところに特徴が
ある。尚、入力音声ベクトルは長さLであるため、この
過程はL/k回繰り返されることになる。また、図中の
重み付けフィルタ5は誤差信号のスペクトルを整形し
て、人間の耳によって知覚されるであろう歪を低減する
ために用いられており、その伝達関数は次式で与えられ
る。
【0010】
【数3】
【0011】
【数4】
【0012】尚、実際にCELP方式を用いて入力信号
を符号化し伝送する場合には、LPC予測パラメータ、
ピッチ周期、ピッチのゲインパラメータ、コードブック
番号およびコードブックゲインがそれぞれ符号化されて
伝送される。
【0013】一方、図16はCELP方式を適用した音
声符号化回路の他の原理的な構成例を示すブロック図で
ある。尚、同図において前記図15と同一部分には同一
符号を付してある。
【0014】図16において、重み付けフィルタ21
は、コードブック15の探索ループ内からループ外に移
動させられている。これは、ピッチ合成フィルタ18の
P(Z)をP(Z/γ)、LPC合成フィルタ19のA
(Z)をA(Z/γ)とすることにより、同じ機能をも
たせたまま計算量を少なくすることを可能とする。
【0015】また、ピッチ合成フィルタ18とLPC合
成フィルタ19のフィルタ演算における初期メモリが、
コードブック15の探索に影響を与えないようにしてい
る。すなわち、初期メモリを持ったピッチ合成フィルタ
24とLPC合成フィルタ25とが新たに設けられてい
る。このLPC合成フィルタ25からは零入力ベクトル
が出力され、減算器26に供給される。この減算器26
では、重み付けフィルタ21から出力された重み付き入
力音声ベクトルから、上記零入力ベクトルが差し引かれ
る。比較器20では、上記減算器26から出力される初
期化された重み付け入力音声ベクトルと、LPC合成フ
ィルタ19の出力ベクトルとの比較が行なわれる。すな
わち、上記重み付けフィルタ21の出力ベクトルから上
記LPC合成フィルタ25を予め差し引いた重み付き入
力音声ベクトルが目標ベクトルとなり、これによりピッ
チ合成フィルタ18とLPC合成フィルタ19の初期メ
モリが零に設定される。
【0016】また、同時にこの回路であれば、図15で
は合成フィルタで行なわれていたフィルタ演算を、コー
ドベクトルと次のk×kの下方の三角行列との積で表わ
すことが可能になる。
【0017】
【数5】
【0018】ここで、kはコードブック15のコードベ
クトルの次元数(要素数)であり、h(i) (i=1,
…,k)は、H(Z/γ)の初期メモリが零の時の長さ
kのインパルス応答である。
【0019】上記比較器20から出力された音声合成ベ
クトルは、2乗誤差計算部22で次式の2乗距離歪Ej
が求められ、最小歪探索部23によりその最小値が求め
られる。
【0020】
【数6】 ここで、Xt は目標とする入力ベクトル、Cj はj番目
のコードベクトルγjはj番目のコードベクトルに対す
る最適なゲインパラメータである。上記Ej を求めて、
その最小値を与えるベクトル番号jを求めるためのフロ
ーチャートを図17に示す。
【0021】一方、CELP方式の音質を改善する方式
として、ピッチ予測の閉ループ化あるいは適応コードブ
ックと呼ばれる方式が知られている。この方式の詳細な
点については、W.B.Kleijin,D.J.Krasinski,and RH.Ket
chum, “Improved Speech Quality and Efficient Vect
or Quantization in CELP ”in Proc ICASSP,1988.pp.1
55-158に述べられている。
【0022】以下、簡単にピッチ予測の閉ループ化ある
いは適応コードブックと呼ばれる方法を用いたCELP
方式について説明する。前記図15に示したCELP方
式と、ピッチ予測の閉ループ化あるいは適応コードブッ
クと呼ばれる方法を用いたCELP方式との違いは、ピ
ッチ分析の方式にある。前者では、LPC分析部13か
ら出力されたLPC予測残差信号ベクトルによりピッチ
分析が行なわれている。一方後者では、ピッチ分析がコ
ードブックの探索同様に閉ループ化されているところに
特徴がある。
【0023】ピッチ予測の閉ループ化あるいは適応コー
ドブックと呼ばれる方法を用いたCELP方式において
は、LPC合成フィルタの駆動信号を、ピッチの探索範
囲a〜bに渡って可変される遅延器で遅延することによ
りピッチ周期jに対する駆動信号ベクトルを作る。そし
て、この駆動信号ベクトルに所定のゲインパラメータを
乗算したのち、LPC合成フィルタでフィルタ演算し、
その演算出力を目標ベクトルである前のフレームの影響
を除いた重み付き入力ベクトルと比較する。そして、そ
の比較結果を基に次式の2乗距離歪Ej を求め、この2
乗距離歪Ej が最小となるときの上記駆動信号ベクトル
を探す。
【0024】
【数7】
【0025】ただし、jはa≦j≦bであり、Xt は目
標ベクトル、Bj はピッチ周期jの時の駆動信号ベクト
ル、γj はピッチ周期jに対する最適な利得因数、Hは
前記第(5) 式で与えられるk×kの下方三角行列、h
(i) (i=1,…,k)はA(Z/γ)の初期メモリが
零の時の長さkのインパルス応答である。上記2乗距離
歪Ej を求めて、その最小値を与えるピッチ周期jを求
めるフローチャートを図18に示す。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近この種
のCELP方式を採用した音声コーデックには、DSP
(Digital signal processor)が使用されるようになっ
ている。この場合DSPとしては、CELP方式の演算
処理においてaj およびbj を算出するには、入力音声
レベルの変動を考慮して広いダイナミックレンジが必要
なため、一般に浮動小数点形のDSPが使用される。し
かし、浮動小数点形のDSPは回路規模が大きく非常に
高価である。
【0027】そこで、比較的小形で安価な固定小数点形
のDSPの使用が試みられている。しかし、この固定小
数点形のDSPをそのまま用いたのでは、演算精度が低
下するため、音声品質の劣化を招き非常に好ましくな
い。例えば、16ビット程度の比較的短い語長の固定小
数点DSPを用いてコードブックの探索を行なう場合に
は、入力信号ベクトルXt が入力信号レベルにより変動
するため、bj を算出するには広いダイナミックレンジ
が必要となり、この結果2乗距離歪Ej の最小値を正確
に求めることが困難である。また、同様の固定小数点D
SPを使用して閉ループあるいは適応コードブックと呼
ばれるピッチ周期の探索を行なう場合にも、入力信号ベ
クトルXt が入力信号レベルによって変動し、これによ
りbj またはBj が時間的に変動するため、aj を求め
るためには広いダイナミックレンジが必要となり、結果
的に2乗距離歪Ej の最小値を正確に求めることは困難
である。
【0028】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その第1の目的は、コードブックの探索を行なうた
めの演算処理を、固定小数点形の演算回路を使用して高
精度にしかも少ない演算量で行なえるようにし、これに
より演算回路の小形化および低価格化を可能とし、しか
も高精度の演算を高速度に行ない得るベクトル量子化方
式を提供することである。
【0029】また本発明の第2の目的は、ピッチ周期の
探索を行なうための演算処理を、固定小数点形の演算回
路を使用して高精度にしかも少ない演算量で行なえるよ
うにし、これにより演算回路の小形化および低価格化を
可能とし、しかも高精度の演算を高速度に行ない得るベ
クトル量子化方式を提供することである。
【0030】さらに本発明の第3の目的は、入力信号の
レベル変動ばかりでなく駆動信号のレベル変動をも考慮
することにより、固定小数点形の演算回路を使用したベ
クトルピッチ周期の探索演算処理をさらに高精度に行な
うことができるベクトル量子化方式を提供することであ
る。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために本発明は、コードブックに予め蓄えられた複数
のコードベクトルに対しそれぞれ所定のフィルタ演算を
行ない、これにより得られた演算ベクトルと入力信号ベ
クトルとの2乗誤差を算出してこの2乗誤差が最小とな
るコードベクトルを上記コードブック中から探索する演
算を、固定小数点形の演算回路を用いて実行するベクト
ル量子化方式において、上記2乗誤差の算出に供する前
の入力信号ベクトルの各要素を、これらの各要素の絶対
値の最大値を超える最小の2のべき乗により正規化し、
この正規化された入力信号ベクトルを上記演算ベクトル
とともに2乗誤差の算出に供するようにしたものであ
る。
【0032】また上記第2の目的を達成するために他の
本発明は、ピッチ周期に応じて作成された複数の駆動信
号ベクトルに対しそれぞれ所定のフィルタ演算を行な
い、これにより得られた演算ベクトルと入力信号ベクト
ルとの2乗誤差を算出してこの2乗誤差が最小となる駆
動信号ベクトルを前記複数の駆動信号ベクトル中から探
索する演算を、固定小数点形の演算回路を用いて実行す
るベクトル量子化方式において、上記2乗誤差の算出に
供する前の入力信号ベクトルの各要素を、これらの各要
素の絶対値の最大値を超える最小の2のべき乗により正
規化し、この正規化された入力信号ベクトルを上記演算
ベクトルとともに2乗誤差の算出に供するようにしたも
のである。
【0033】さらに上記第3の目的を達成するために別
の本発明は、ピッチ周期に応じて作成された複数の駆動
信号ベクトルを適応コードブックに蓄積し、この適応コ
ードブックに蓄積された各駆動信号ベクトルに対しそれ
ぞれ所定のフィルタ演算を行ない、これにより得られた
演算ベクトルと入力信号ベクトルとの2乗誤差を算出し
てこの2乗誤差が最小となる駆動信号ベクトルを上記複
数の駆動信号ベクトル中から探索する演算を、固定小数
点形の演算回路を用いて実行するベクトル量子化方式に
おいて、上記2乗誤差の算出に供する前の入力信号ベク
トルの各要素を、これらの要素の絶対値の最大値を超え
る最小の2のべき乗により正規化するとともに、上記2
乗誤差の算出に供する前の駆動信号ベクトルの各要素
を、すべての駆動信号ベクトルの要素中の絶対値の最大
値を超える最小の2のべき乗により正規化し、これらの
正規化された入力信号ベクトルおよび正規化された演算
ベクトルを2乗誤差の算出に供するようにしたものであ
る。
【0034】また、この発明において第2の正規化手段
は、適応コードブックから読み出された駆動信号ベクト
ルの各要素を、すべての駆動信号ベクトルの要素中の絶
対値の最大値を超える最小の2のべき乗により正規化す
るように構成してもよく、また適応コードブックに蓄積
する前の駆動信号の各要素を、これらの要素の絶対値の
最大値を超える最小の2のべき乗により正規化するよう
に構成してもよい。
【0035】
【作用】この結果本発明および他の本発明によれば、コ
ードブックを探索する場合にも、またピッチを探索する
場合にも、入力信号ベクトルの各要素が、その絶対値の
最大値を超える最小の2のべき乗により正規化されたの
ち、演算ベクトルとともに2乗誤差を算出するための演
算に供される。このため、入力信号のレベル変動が生じ
ても、上記正規化によりその変動が情報を損失すること
なく抑圧されたのち2乗誤差の算出が行なわれることに
なる。したがって、例えば広いダイナミックレンジを持
たない固定小数点形のDSPを使用する場合でも、2乗
誤差の比較演算を精度良く行なうことが可能となる。ま
た、正規化は入力信号ベクトルに対してのみ行なわれる
ので、演算量の大幅な増加を生じずに実現できる。
【0036】また別の本発明によれば、ピッチを探索す
る場合に、入力信号ベクトルの各要素がこれらの要素の
絶対値の最大値を超える最小の2のべき乗により正規化
され、かつ駆動信号ベクトルの各要素がすべての駆動信
号ベクトルの要素中の絶対値の最大値を超える最小の2
のべき乗により正規化されたのち、それぞれ2乗誤差を
算出するための演算に供される。このため、入力信号レ
ベルの変動が生じても、また駆動信号レベルの変動が生
じても、上記正規化によりその変動が情報を損失するこ
となく抑圧されたのち2乗誤差の算出に供されることに
なる。したがって、例えば広いダイナミックレンジを持
たない固定小数点形のDSPを使用する場合でも、2乗
誤差の比較演算をさらに高精度に行なうことが可能とな
る。
【0037】
【実施例】
(第1の実施例)図1は、本発明の第1の実施例に係る
ベクトル量子化方式を適用した音声符号化回路の原理的
な構成を示すブロック図である。
【0038】同図において、音声信号の信号系列は入力
端子31から入力され、ブロック切出し部32に導入さ
れる。このブロック切出し部32では、L個のサンプル
値を1つのフレームとして長さLの入力音声ベクトルに
ブロック分けされ、このブロック分けされた入力音声ベ
クトルはLPC分析部33および重み付けフィルタ34
に供給される。LPC分析部33は、自己相関法等を用
いて音声信号のLPC分析を行い、LPC予測パラメー
タ{ai }(i=1,…,P)を抽出する。この抽出さ
れたLPC予測パラメータは、LPC合成フィルタ3
6,36,47で利用される。
【0039】重み付けフィルタ34は、入力音声ベクト
ルに対し重み付けを行なうもので、コードブックの探索
およびピッチ周期の探索の各ループの外に設けられてい
る。この重み付けフィルタ34により、LPC合成フィ
ルタ36,38,47でA(Z)をA(Z/γ)として
誤差信号のスペクトルを整形し、これにより人間の耳に
よって知覚されるであろう歪を低減することが可能とな
る。また、重み付けフィルタ34を探索ループ外に設け
たことにより、コードブックおよびピッチ周期を探索す
る際の計算量を少なくすることが可能となる。上記重み
付けフィルタ34の伝達関数W(Z)は次の式で与えら
れる。
【0040】
【数8】 ここにおいてγは(0≦γ≦1)であり、またA(Z)
【0041】
【数9】 で示される。
【0042】また、本実施例の回路は、LPC合成フィ
ルタ38,47のフィルタ演算で使用する初期メモリ
が、ピッチ周期の探索およびコードブックの探索に影響
を与えないようにしている。すなわち、初期メモリを持
ったLPC合成フィルタ36が新たに設けられており、
このLPC合成フィルタ36により零入力応答ベクトル
が作成される。そして、減算器35において、上記重み
付けフィルタ34から出力された重み付け入力音声ベク
トルから、上記零入力応答ベクトルが差し引かれ、これ
によりLPC合成フィルタ38,47の初期メモリは零
に設定される。また、同時にこれは、ピッチ周期を探索
するために使用されるLPC合成フィルタ38のフィル
タ演算およびコードブックを探索するために使用される
LPC合成フィルタ47のフィルタ演算を、それぞれ駆
動信号ベクトルとk×kの下方三角行列との積およびコ
ードーベクトルとk×kの下方三角行列との積で表わす
ことを可能にしている。上記k×kの下方三角行列H
は、
【0043】
【数10】
【0044】のように表される。ここで、kは駆動信号
ベクトルおよびコードベクトルの次元数(要素数)であ
り、kは一般にL/kが整数になるように選ばれる。ま
た、h(i) (i=1,…,k)は、A(Z/γ)の初期
メモリが零の時の長さkのインパルス応答である。
【0045】ところで、ピッチ周期の探索ループは次の
ように構成される。すなわち、先ず駆動信号部40に
は、ピッチ周期jに対応する駆動信号ベクトルが蓄積さ
れる。この駆動信号ベクトルは、乗算器46でゲインパ
ラメータが乗算されたコードベクトルと、乗算器39で
ゲインパラメータが乗算された駆動信号ベクトルとを加
算器43で加算し、これにより得られたフィルタ駆動信
号eを遅延器44で可変遅延することにより作成され
る。上記遅延器44は、ピッチ周期の探索範囲a〜bに
渡って遅延量が変化するように構成されている。上記駆
動信号部40から出力された駆動信号ベクトルは、乗算
器39でゲインパラメータが乗算されたのち、LPC合
成フィルタ38に入力される。このLPC合成フィルタ
38では、上記ゲインパラメータが乗算された駆動信号
ベクトルを基に、合成音声ベクトルを作成するためのフ
ィルタ演算が行なわれる。
【0046】また、このピッチ周期探索ループは2乗誤
差計算部41を有している。この2乗誤差計算部41で
は、2乗距離歪みEj を求めるための演算が行なわれ
る。その演算式は次のように表される。
【0047】
【数11】
【0048】ただし、jはピッチ周期であってa≦j≦
bの範囲に設定される。また、Xtは目標ベクトル、Bj
はピッチ周期jのときの駆動信号ベクトル、γjはピ
ッチ周期jに対する最適な利得因数、Hは第(10)式で与
えられるk×kの下方三角行列である。
【0049】上記第(11)式において、2乗距離歪みEj
を最小とするコードベクトル番号jを求めるには、同式
の第2項を最大とするjを求めればよい。この第2項の
うち(Xt ,HBj )は、前記減算器35から出力され
た前のフレームの影響を除去した重み付き入力音声ベク
トルと、上記LPC合成フィルタ38から出力された合
成音声ベクトルとに基づいて、相関算出部51により算
出される。また、上記第2項のうち‖HBj ‖は、上記
LPC合成フィルタ38から出力された合成音声ベクト
ルを基に、2乗和算出部52により算出される。そし
て、これらの相関算出部51および2乗和算出部52に
より得られた相関値および2乗和の値は、上記2乗誤差
計算部41に入力される。この2乗誤差計算部41で
は、先に述べたように2乗距離歪みEj が算出され、こ
の算出されたEj を基に最小歪み探索部42でEj の最
小値が探索されて、その探索結果はコードブック40に
供給される。
【0050】すなわち、上記駆動信号部40から乗算器
39、LPC合成フィルタ38、比較器37、相関・2
乗和算出部51,52、2乗誤差計算部41および最小
歪探索部42を介して駆動信号部40に戻るループで
は、減算器35から出力される前のフレームの影響を除
去した重み付き入力音声ベクトルを目標ベクトルとする
ピッチ探索が行なわれる。
【0051】ところで、上記相関算出部51の前段には
正規化部53が設けてある。この正規化部53では、前
記減算器35から出力された入力音声ベクトルの各要素
に対し、各要素の絶対値の最大値を超える最小の2のべ
き乗により正規化が行なわれる。この正規化により、入
力音声ベクトルをそのレベル変動に依存せずに短い語長
により表わすことが可能となる。図2乃至図3は、以上
述べたピッチ周期の探索を固定小数点形DSPで実現す
る場合の演算手順を示すフローチャートである。
【0052】同図において、先ずステップS201 でtの
値が初期設定されたのち、ステップS202 〜S204 で入
力信号ベクトルXt の正規化が行なわれる。すなわち、
先ずS202 では入力信号ベクトルXt の要素の絶対値の
最大値xMAX が求められる。次に、ステップS203 でx
MAX を超える最小の2のべき乗2N が求められ、ステッ
プS204 でこの2N により入力信号ベクトルXt の各要
素が正規化される。かくして正規化された入力信号ベク
トルXt ′が求められる。
【0053】この正規化された入力信号ベクトルXt ′
が求まると、次にステップS205 〜S212 によって2乗
距離歪みEj の最小値を与えるピッチ周期jが選択され
る。その手順としては、先ずステップS205 でHBa が
行列−ベクトル積演算により求められる。そして、この
HBa を基にステップS206 ,S207 でそれぞれ‖HB
a ‖および(Xt ′,HBa )2 が求められる。そうし
て初期要素が求められると、次にステップS208 〜S21
2 により他の各要素が再帰的に繰り返し算出される。す
なわち、ステップS208 にてjの値がa+1 〜bの範囲で
順に一つ設定される毎に、ステップS209 で一つ前の要
素HBj-1 に基づいて要素HBj が再帰的に求められ
る。そして、このHBj を基にステップS210 およびス
テップS211 でそれぞれaj =‖HBj ‖およびbj =
(Xt ,HBj )2 が求められる。またステップS212
では、上記算出結果から2乗距離歪Ej の大小判定が行
なわれる。そうして、すべてのjについてHBj が求め
られ、それに応じた歪みEjの大小判定が終了すると、
この判定結果に従って2乗距離歪みEj が最も小さい駆
動信号ベクトルが選ばれる。
【0054】そうして上記ピッチ周期の探索により最適
なピッチ周期jが求まると、比較器37では減算器35
から出力された前のフレームの影響を除いた重み付き入
力音声ベクトルから、上記最適なピッチ周期jによる合
成音声ベクトルが差し引かれ、これにより前のフレーム
の影響とピッチによる影響を除いた重み付き入力音声ベ
クトルが得られる。この入力音声ベクトルはコードブッ
ク探索ループの比較器48に供給される。
【0055】一方、コードブックの探索ループは次のよ
うに構成される。すなわち、このループはコードブック
45を有しており、このコードブック45には白色雑音
から構成されるn個のコードベクトルが蓄積されてい
る。このコードブック45から読み出されたコードベク
トルは、乗算器46でゲインパラメータが乗算されたの
ち、LPC合成フィルタ47で合成音声ベクトルを作成
するためのフィルタ演算が行なわれる。このLPC合成
フィルタ47により作成された合成音声ベクトルが入力
される比較器48では、前記ピッチ周期探索ループの比
較器37から供給された重み付き入力音声ベクトルか
ら、上記合成音声ベクトルが差し引かれ、これにより得
られた誤差ベクトルは2乗誤差計算部49に供給され
る。この2乗誤差計算部49では2乗距離による歪みE
j が求められ、この2乗距離歪みEj の最小値の探索が
最小歪探索部50で行なわれる。すなわち、以上のルー
プでは、前記ピッチ周期探索ループの比較器37から出
力された、前のフレームの影響とピッチによる影響とを
除いた重み付き入力音声ベクトルを目標ベクトルとし
て、コードブック45中のコードベクトルのうちからそ
の誤差の2乗距離歪Ej が最も小さくなるコードベクト
ル番号jを選択するための演算が繰り返し行なわれる。
この演算は次式で表わされる。
【0056】
【数12】
【0057】ここで、Xは前のフレームの影響とピッチ
による影響とを除いた重み付き入力ベクトル、Cj はj
番目のコードベクトル、γj はj番目のコードベクトル
に対する最適な利得因数、nはコードベクトルの個数で
ある。
【0058】上記第(12)式において、2乗距離歪みEj
を最小とするコードベクトル番号jを求めるには、同式
の第2項を最大とするjを求めればよい。この第2項の
うち(Xt H,Cj )は、前記ピッチ周期探索ループの
比較器37から出力された前のフレームの影響およびピ
ッチによる影響を除いた重み付き入力音声ベクトルと、
上記LPC合成フィルタ47から出力された合成音声ベ
クトルとに基づいて、相関算出部55により算出され
る。また、上記第2項のうち‖HCj ‖は、上記LPC
合成フィルタ47から出力された合成音声ベクトルを基
に、2乗和算出部56により算出される。そして、これ
らの相関算出部55および2乗和算出部56により得ら
れた相関値および2乗和の値は、上記2乗誤差計算部4
9に入力される。この2乗誤差計算部49では、先に述
べたように2乗距離歪みEj が算出され、この算出され
たEj を基に最小歪み探索部50でEj の最小値が探索
されて、その探索結果はコードブック45に供給され
る。
【0059】すなわち、上記コードブック45から乗算
器46、LPC合成フィルタ47、比較器48、相関・
2乗和算出部51,52、2乗誤差計算部49および最
小歪探索部50を介してコードブック45に戻るループ
では、前記ピッチ探索ループの比較器37から出力され
た、前のフレームの影響およびピッチによる影響を除い
た重み付き入力音声ベクトルを目標ベクトルとするコー
ドブックの探索が行なわれる。
【0060】ところで、上記相関算出部55の前段には
正規化部57が設けてある。この正規化部57では、前
記ピッチ探索ループの比較器37から出力された入力音
声ベクトルの各要素に対し、各要素の絶対値の最大値を
超える最小の2のべき乗により正規化が行なわれる。こ
の正規化により、入力音声ベクトルをそのレベル変動に
依存せずに短い語長により表わすことが可能となる。図
4乃至図5は、以上のコードブック探索を固定小数点形
DSPを使用して実現する場合の演算手順を示すフロー
チャートである。
【0061】同図において、先ずステップS301 では初
期要素であるHC1 が通常の行列−ベクトル積演算で求
められる。そして、このHC1 を基にステップS302 で
‖HC1 ‖が求められる。そうして初期要素が求められ
ると、次に他の要素を再帰的に求めるための演算が繰り
返し行なわれる。すなわち、ステップS303 によりjの
値が2〜nの範囲で一つ設定される毎に、ステップS30
4 で一つ前に求められた要素HCj-1 を基に要素HCj
が求められる。そして、この要素HCj よりステップS
305 で‖HCj ‖が求められる。
【0062】そうしてすべてのjについてHCj が求ま
ると、続いてステップS306 でtの値が1〜L/Kの範
囲で一つ設定される毎に、ステップS307 〜S309 によ
り先ず入力信号ベクトルXt の正規化処理が行なわれ
る。すなわち、先ずステップS307 では入力信号ベクト
ルXt の要素の絶対値の最大値xMAX が求められる。次
に、ステップS308 でxMAX を超える最小の2のべき乗
N が求められ、ステップS309 でこの2N により入力
信号ベクトルXt の各要素が正規化される。かくして、
正規化されたベクトル入力信号Xt ′が求められる。
【0063】この正規化された入力信号ベクトルXt ′
が求まると、ステップS310 ではXt ′T Hが求められ
る。また、このXt ′T Hが一つ求められる毎に、ステ
ップS311 〜ステップS313 によりjの各値についての
(Xt ′T H,Cj )2 が求められ、さらにこれらの
(Xt ′T H,Cj )2 と前記ステップS305 により求
められた‖HCj ‖とから2乗距離の歪Ej の大小判定
が行なわれる。そうして一つのXt ′Hを基に求められ
たすべての(Xt ′T H,Cj )2 による2乗距離歪E
j の大小判定が終了すると、上記ステップS306 に戻っ
てtの値がインクリメントされ、しかるのち上記ステッ
プS307 〜S313 による入力ベクトルXtに対する正規
化処理、Xt ′Hおよび(Xt ′T H,Cj )2 の算
出、および2乗距離歪Ej の大小判定が繰り返し行なわ
れる。
【0064】この様に本実施例であれば、ピッチ周期の
探索ループにおいても、またコードブックの探索ループ
においても、入力音声ベクトルの各要素を、正規化部5
3,57でそれぞれその絶対値の最大値を超える最小の
2のべき乗により正規化したのち、相関算出部51,5
5に供給してここで音声合成ベクトルとの相関を求め、
この相関値および上記音声合成ベクトルの2乗和の値を
基に2乗誤差を計算するようにしたので、入力音声レベ
ルの変動を抑圧することができ、例えば固定小数点形の
DSPを使用して実現する場合でも、つまり短い語長で
演算を行なう場合でも、2乗誤差の比較演算を精度良く
演算することができる。
【0065】また、ピッチ周期の探索ループにおいて
も、またコードブックの探索ループにおいても、相関演
算の前で入力音声ベクトルの正規化を行なっているの
で、目標ベクトルXt の正規化処理は各tに対して一度
行なうだけで済む。このため、ピッチ周期の探索範囲a
〜bやコードブックの探索範囲1〜nには依存せずに、
比較的少ない演算量の増加で実施することができる。高
速度の探索演算を行なうことが可能となる。 (第2の実施例)
【0066】本実施例は、前記第1の実施例で述べた初
期化処理を、図17および図18にそれぞれ示したコー
ドブック探索処理およびピッチ周期探索処理に適用した
ものである。図6乃至図7は、そのコードブック探索処
理の手順および演算内容を示すフローチャート、図8は
そのピッチ周期探索処理の手順および演算内容を示すフ
ローチャートである。なお、図6乃至図7において前記
図4乃至図5と同一部分には同一符号を付し、また図8
において前記図2乃至図3と同一部分には同一符号を付
して説明を行なう。
【0067】すなわち、先ずコードブックの探索処理に
おいては、図6に示すごとくj の値が1〜nの範囲で1
ずつ変化されるごとに要素HCj およびaj =‖HCj
‖が求められる。そして、すべてのjについてHCj が
求まると、続いてtの値が1〜L/Kの範囲で一つ設定
される毎に、ステップS307 〜S309 により入力信号ベ
クトルXt の正規化処理が行なわれる。すなわち、先ず
ステップS307 では入力信号ベクトルXt の要素の絶対
値の最大値xMAX が求められる。次に、ステップS308
でxMAX を超える最小の2のべき乗2N が求められ、ス
テップS309 でこの2N により入力信号ベクトルXt の
各要素が正規化される。かくして、正規化されたベクト
ル入力信号Xt ′が求められる。
【0068】この正規化された入力信号ベクトルXt ′
が求まると、次にXt ′T Hが求められる。また、この
Xt ′T Hが一つ求められる毎に、jの各値についての
(Xt ′T H,Cj )2 が求められ、さらにこれらの
(Xt ′T H,Cj )2 と先に求められた‖HCj ‖と
から2乗距離歪Ej の大小判定が行なわれる。そして一
つのXt ′Hを基に求められたすべての(Xt ′T H,
Cj )2 による2乗距離歪Ej の大小判定が終了する
と、上記ステップS306 に戻ってtの値がインクリメン
トされ、しかるのち上記ステップS307 〜S313 による
入力ベクトルXt に対する正規化処理、Xt ′Hおよび
(Xt ′T H,Cj )2 の算出、および2乗距離歪Ej
の大小判定が繰り返し行なわれる。
【0069】一方、ピッチ周期の探索処理においては、
図8に示すごとくtの値が1〜L/Kの範囲で一つずつ
設定されるごとに、ステップS202 〜S204 により入力
信号ベクトルXt の正規化が行なわれる。すなわち、先
ずS202 では入力信号ベクトルXt の要素の絶対値の最
大値xMAX が求められる。次に、ステップS203 でxMA
X を超える最小の2のべき乗2N が求められ、ステップ
S204 でこの2N により入力信号ベクトルXt の各要素
が正規化される。かくして正規化された入力信号ベクト
ルXt ′が求められる。
【0070】この正規化された入力信号ベクトルXt ′
が求まると、次に2乗距離歪みEjの最小値を与えるピ
ッチ周期jを選択するための演算処理が行なわれる。そ
の手順としては、先ずjの値がa〜bの範囲で順に一つ
設定されるごとに要素HBjが求められ、次にこのHBj
を基にaj =‖HBj ‖およびbj =(Xt ,HBj
2 が求められる。また、上記算出結果から2乗距離
歪Ej の大小判定が行なわれる。そして、すべてのjに
ついてHBj が求められ、それに応じた歪みEjの大小
判定が終了すると、この判定結果に従って2乗距離歪み
Ej が最も小さい駆動信号ベクトルが選ばれる。
【0071】このように本実施例においても、前記第1
の実施例と同様に、ピッチ周期の探索ループおよびコー
ドブックの探索ループで、それぞれ入力音声ベクトルの
各要素がその絶対値の最大値を超える最小の2のべき乗
により正規化されたのち、2乗誤差を算出するための演
算処理に供給される。このため、入力音声レベルの変動
を抑圧することができ、例えば固定小数点形のDSPを
使用して実現する場合でも、つまり短い語長で演算を行
なう場合でも、2乗誤差の比較演算を精度良く演算する
ことができる。 (第3の実施例)
【0072】本実施例のベクトル量子化方式は、音声符
号化回路のピッチ周期探索ループに、入力信号ベクトル
を正規化するための正規化部と、適応コードブックから
出力された駆動信号ベクトルを正規化するための正規化
部とを設け、これらの正規化された入力信号ベクトルお
よび正規化された駆動信号ベクトルを2乗誤差の計算に
供するようにしたものである。
【0073】図9は、本実施例における音声符号化回路
の原理的な構成を示すブロック図である。なお、同図に
おいて前記図1と同一部分には同一符号を付して詳しい
説明は省略する。すなわち、相関算出部51の前段には
正規化部53が設けてある。この正規化部53では、減
算器35から出力された入力音声ベクトルの各要素に対
し、各要素の絶対値の最大値を超える最小の2のべき乗
により正規化が行なわれる。この正規化により、入力音
声ベクトルをそのレベル変動に依存せずに短い語長によ
り表わすことが可能となる。また、駆動信号部40から
出力された駆動信号ベクトルは、乗算器39でゲインパ
ラメータが乗算されたのち、正規化部54aに入力され
る。この正規化部54aでは、上記乗算器39から出力
された駆動信号ベクトルの各要素に対し、上記駆動信号
部40に蓄積されたすべての駆動信号ベクトルの要素の
絶対値の最大値を超える最小の2のべき乗により正規化
が行なわれる。この正規化により、駆動信号ベクトルを
そのレベル変動に依存せずに短い語長により表わすこと
が可能となる。そして、この正規化部54aで正規化さ
れた駆動信号ベクトルは、LPC合成フィルタ38に入
力される。
【0074】図10乃至図11は、本実施例におけるピ
ッチ周期の探索を固定小数点形DSPで実現する場合の
演算手順を示すフローチャートである。なお、同図にお
いて前記図8と同一部分には同一符号を付してある。
【0075】同図において、先ずステップS201 でtの
値が初期設定されたのち、ステップS202 〜S204 で入
力信号ベクトルXt の正規化が行なわれる。すなわち、
先ずS202 では入力信号ベクトルXt の要素の絶対値の
最大値xMAX が求められる。次に、ステップS203 でx
MAX を超える最小の2のべき乗2N が求められ、ステッ
プS204 でこの2N により入力信号ベクトルXt の各要
素が正規化される。かくして正規化された入力信号ベク
トルXt ′が求められる。
【0076】次に、ステップS213 〜S215 により駆動
信号ベクトルに対する正規化処理が行なわれる。すなわ
ち、先ずステップS213 では駆動信号部40に蓄積され
たすべての駆動信号ベクトルの要素中の絶対値の最大値
が求められる。次に、この最大値を超える最小の2のべ
き乗2N がステップS214 で求められ、この2N により
ステップS215 において駆動信号ベクトルの各要素が正
規化される。かくして正規化された駆動信号ベクトルが
求められる。
【0077】そうして正規化された入力信号ベクトルお
よび駆動信号ベクトルが求まると、次に2乗距離歪みE
j の最小値を与えるピッチ周期jを選択するための演算
処理が行なわれる。その手順としては、先ずjの値がa
〜bの範囲で順に一つ設定されるごとに要素HBj が求
められ、次にこのHBj を基にaj =‖HBj ‖および
bj =(Xt ,HBj )2 が求められる。また、上記算
出結果から2乗距離歪Ej の大小判定が行なわれる。そ
して、すべてのjについてHBj が求められ、それに応
じた歪みEj の大小判定が終了すると、この判定結果に
従って2乗距離歪みEj が最も小さい駆動信号ベクトル
が選ばれる。
【0078】このように本実施例によれば、ピッチ周期
の探索ループにおいて、入力音声ベクトルXt の各要素
および駆動信号ベクトルの各要素は、正規化部53,5
4aによりそれぞれその絶対値の最大値を超える最小の
2のべき乗により正規化され、しかるのち2乗誤差を算
出するための演算処理に供される。このため、入力音声
レベルの変動を抑圧できることは勿論のこと、駆動信号
ベクトルのレベル変動についても抑圧することができ、
これにより例えば固定小数点形のDSPを使用して実現
する場合でも、つまり短い語長で演算を行なう場合で
も、2乗誤差の比較演算をより一層高精度に演算するこ
とができる。 (第4の実施例)
【0079】本実施例のベクトル量子化方式は、音声符
号化回路のピッチ周期探索ループに、入力信号ベクトル
を正規化するための正規化部と、駆動信号部(適応コー
ドブック)40に蓄積される駆動信号を正規化するため
の正規化部とを設けたものである。
【0080】図12は、本実施例における音声符号化回
路の原理的な構成を示すブロック図である。なお、同図
において前記図1と同一部分には同一符号を付して詳し
い説明は省略する。すなわち、相関算出部51の前段に
は正規化部53が設けてある。この正規化部53では、
減算器35から出力された入力音声ベクトルの各要素に
対し、各要素の絶対値の最大値を超える最小の2のべき
乗により正規化が行なわれる。この正規化により、入力
音声ベクトルをそのレベル変動に依存せずに短い語長に
より表わすことが可能となる。
【0081】また、乗算器46でゲインパラメータが乗
算されたコードベクトルと、乗算器39でゲインパラメ
ータが乗算された駆動信号ベクトルとを加算器43で加
算するこにより得られた駆動信号eは、遅延器44で可
変遅延されたのち正規化部54bに入力される。この正
規化部54bでは、上記遅延器44から出力された駆動
信号eの各要素を、これらの要素の絶対値の最大値を超
える最小の2のべき乗により正規化するための処理が行
なわれる。この正規化処理により、駆動信号部40に蓄
積される駆動信号ベクトルをそのレベル変動に依存せず
に短い語長により表わすことが可能となる。
【0082】図13乃至図14は、本実施例におけるピ
ッチ周期の探索を固定小数点形DSPで実現する場合の
演算手順を示すフローチャートである。なお、同図にお
いて前記図8と同一部分には同一符号を付してある。
【0083】同図において、先ずステップS201 でtの
値が初期設定されたのち、ステップS202 〜S204 で入
力信号ベクトルXt の正規化が行なわれる。すなわち、
先ずS202 では入力信号ベクトルXt の要素の絶対値の
最大値xMAX が求められる。次に、ステップS203 でx
MAX を超える最小の2のべき乗2N が求められ、ステッ
プS204 でこの2N により入力信号ベクトルXt の各要
素が正規化される。かくして正規化された入力信号ベク
トルXt ′が求められる。
【0084】次に、ステップS216 〜S218 により駆動
信号eに対する正規化処理が行なわれる。すなわち、先
ずステップS216 では駆動信号eの要素の絶対値の最大
値eMAX が求められる。次に、この最大値eMAX を超え
る最小の2のべき乗2N がステップS217 で求められ、
この2N によりステップS218 において駆動信号eの各
要素が正規化される。かくして正規化された駆動信号
e′が求められる。
【0085】そうして正規化された入力信号ベクトルX
t ′および駆動信号e′が求まると、次に2乗距離歪み
Ej の最小値を与えるピッチ周期jを選択するための演
算処理が行なわれる。その手順としては、先ずjの値が
a〜bの範囲で順に一つ設定されるごとに要素HBj が
求められ、次にこのHBj を基にaj =‖HBj ‖およ
びbj =(Xt ,HBj )2 が求められる。また、上記
算出結果から2乗距離歪Ej の大小判定が行なわれる。
そして、すべてのjについてHBj が求められ、それに
応じた歪みEj の大小判定が終了すると、この判定結果
に従って2乗距離歪みEj が最も小さい駆動信号ベクト
ルが選ばれる。
【0086】なお、上記正規化部54bには並列にバイ
パススイッチ部58が接続されている。このバイパスス
イッチ部58は、上記2乗距離歪みEj が最も小さい駆
動信号ベクトルが選ばれるまでの期間にのみ開放状態と
なって、駆動信号eを正規化部54bに供給させ、2乗
距離歪みEj が最も小さい駆動信号ベクトルが選ばれた
後には閉成状態となって、駆動信号eを正規化部54b
を迂回させて駆動信号部40に入力させる。
【0087】このように本実施例によれば、ピッチ周期
の探索ループにおいて、入力音声ベクトルXt の各要素
および駆動信号eの各要素は、正規化部53,54bに
よりそれぞれその絶対値の最大値を超える最小の2のべ
き乗により正規化される。このため、入力音声レベルX
t の変動を抑圧できることは勿論のこと、駆動信号eの
レベル変動についても抑圧することができ、これにより
例えば固定小数点形のDSPを使用して実現する場合で
も、つまり短い語長で演算を行なう場合でも、2乗誤差
の比較演算をより一層高精度に演算することができる。
また、駆動信号部40に入力する前の駆動信号eに対し
正規化処理が行なわれるので、駆動信号部40から読み
出された駆動信号ベクトルに対し正規化処理を行なう場
合に比べて、正規化処理の演算回数を減らすことがで
き、これにより効率の良い正規化を行なうことができ
る。
【0088】なお、本発明は上記各実施例に限定される
ものではない。例えば、前記各実施例では相関算出部5
1の前段に入力信号ベクトルを正規化するための正規化
部53を設け、この正規化部53で入力音声ベクトルに
対する正規化処理を行なったのち相関演算を行なうよう
にしたが、相関算出部51の後段に正規化部を設け、相
関計算値に対し正規化を行ない、この正規化された相関
値を2乗誤差計算部41に供給するように構成してもよ
い。この様にすると、前記各実施例に比べて正規化のた
めの計算量は増えるが、正規化による演算制度の向上は
十分に達成される。
【0089】また、ピッチ周期の探索処理とコードブッ
クの探索処理とを別々のDSPを用いて実行するように
構成してもよい。また、音声信号を符号化するための音
声コーデック以外に、映像信号を符号化するためのコー
デックやその他の信号を符号化するコーデックに適用す
るようにしてもよい。
【0090】その他、相関および2乗和を算出するため
の手順や演算内容、正規化処理のための手順やその演算
内容、2乗誤差の比較に係わる手順およびその演算内容
等についても、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変
形して実施できる。
【0091】
【発明の効果】以上詳述したように本発明は、コードブ
ックに予め蓄えられた複数のコードベクトルに対しそれ
ぞれ所定のフィルタ演算を行ない、これにより得られた
演算ベクトルと入力信号ベクトルとの2乗誤差を算出し
てこの2乗誤差が最小となるコードベクトルを上記コー
ドブック中から探索する演算を、固定小数点形の演算回
路を用いて実行するベクトル量子化方式において、上記
2乗誤差の算出に供する前の入力信号ベクトルの各要素
を、これらの各要素の絶対値の最大値を超える最小の2
のべき乗により正規化し、この正規化された入力信号ベ
クトルを上記演算ベクトルとともに2乗誤差の算出に供
するようにしたものである。
【0092】したがって本発明によれば、コードブック
の探索を行なうための演算処理を、固定小数点形の演算
回路を使用して高精度にしかも少ない演算量で行なうこ
とができ、これにより演算回路の小形化および低価格化
を可能とし、しかも高精度の演算を高速度に行ない得る
ベクトル量子化方式を提供することができる。
【0093】また他の本発明は、ピッチ周期に応じて作
成された複数の駆動信号ベクトルに対しそれぞれ所定の
フィルタ演算を行ない、これにより得られた演算ベクト
ルと入力信号ベクトルとの2乗誤差を算出してこの2乗
誤差が最小となる駆動信号ベクトルを前記複数の駆動信
号ベクトル中から探索する演算を、固定小数点形の演算
回路を用いて実行するベクトル量子化方式において、上
記2乗誤差の算出に供する前の入力信号ベクトルの各要
素を、これらの各要素の絶対値の最大値を超える最小の
2のべき乗により正規化し、この正規化された入力信号
ベクトルを上記演算ベクトルとともに2乗誤差の算出に
供するようにしたものである。
【0094】したがって本発明によれば、ピッチ周期の
探索を行なうための演算処理を、固定小数点形の演算回
路を使用して高精度にしかも少ない演算量で行なうこと
ができ、これにより演算回路の小形化および低価格化を
可能とし、しかも高精度の演算を高速度に行ない得るベ
クトル量子化方式を提供することができる。
【0095】さらに、別の本発明は、ピッチ周期に応じ
て作成された複数の駆動信号ベクトルを適応コードブッ
クに蓄積し、この適応コードブックに蓄積された各駆動
信号ベクトルに対しそれぞれ所定のフィルタ演算を行な
い、これにより得られた演算ベクトルと入力信号ベクト
ルとの2乗誤差を算出してこの2乗誤差が最小となる駆
動信号ベクトルを上記複数の駆動信号ベクトル中から探
索する演算を、固定小数点形の演算回路を用いて実行す
るベクトル量子化方式において、上記2乗誤差の算出に
供する前の入力信号ベクトルの各要素を、これらの各要
素の絶対値の最大値を超える最小の2のべき乗により正
規化するとともに、上記2乗誤差の算出に供する前の駆
動信号ベクトルの各要素を、すべての駆動信号ベクトル
の要素中の絶対値の最大値を超える最小の2のべき乗に
より正規化し、これらの正規化された入力信号ベクトル
および正規化された演算ベクトルを2乗誤差の算出に供
するようにしたものである。
【0096】したがって本発明によれば、入力信号のレ
ベル変動ばかりでなく駆動信号のレベル変動をも考慮す
ることにより、固定小数点形の演算回路を使用したベク
トルピッチ周期の探索演算処理をさらに高精度に行なう
ことができるベクトル量子化方式を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るベクトル量子化方
式を適用した音声符号化回路の原理的な構成を示すブロ
ック図。
【図2】本発明の第1の実施例におけるピッチ周期の探
索を固定小数点形DSPで実現する場合の演算手順の前
半部分を示すフローチャート。
【図3】本発明の第1の実施例におけるピッチ周期の探
索を固定小数点形DSPで実現する場合の演算手順の後
半部分を示すフローチャート。
【図4】本発明の第1の実施例におけるコードブックの
探索を固定小数点形DSPで実現する場合の演算手順の
前半部分を示すフローチャート。
【図5】本発明の第1の実施例におけるコードブックの
探索を固定小数点形DSPで実現する場合の演算手順の
後半部分を示すフローチャート。
【図6】本発明の第2の実施例におけるコードブック探
索の演算手順の前半部分を示すフローチャート。
【図7】本発明の第2の実施例におけるコードブック探
索の演算手順の後半部分を示すフローチャート。
【図8】本発明の第2の実施例におけるピッチ周期探索
の演算手順を示すフローチャート。
【図9】本発明の第3の実施例に係わるベクトル量子化
方式を適用した音声符号化回路の原理的な構成を示すブ
ロック図。
【図10】本発明の第3の実施例におけるピッチ周期の
探索を固定小数点形DSPで実現する場合の演算手順の
前半部分を示すフローチャート。
【図11】本発明の第3の実施例におけるピッチ周期の
探索を固定小数点形DSPで実現する場合の演算手順の
後半部分を示すフローチャート。
【図12】本発明の第4の実施例に係わるベクトル量子
化方式を適用した音声符号化回路の原理的な構成を示す
ブロック図。
【図13】本発明の第4の実施例におけるピッチ周期の
探索を固定小数点形DSPで実現する場合の演算手順の
前半部分を示すフローチャート。
【図14】本発明の第4の実施例におけるピッチ周期の
探索を固定小数点形DSPで実現する場合の演算手順の
後半部分を示すフローチャート。
【図15】従来のベクトル量子化方式を適用した音声符
号化回路の原理的な構成を示すブロック図。
【図16】従来の他のベクトル量子化方式を適用した音
声符号化回路の原理的な構成を示すブロック図。
【図17】図15および図16に示した音声符号化回路
におけるコードブック探索の演算手順を示すフローチャ
ート。
【図18】図15および図16に示した音声符号化回路
におけるピッチ周期探索の演算手順を示すフローチャー
ト。
【符号の説明】
31…音声信号の入力端子 32…ブロック
切出し部 33…LPC分析部 34…重み付け
フィルタ 35…減算器 36,38,4
7…LPC合成フィルタ 37,48…比較器 39,46…乗
算器 40…駆動信号部(適応コードブック) 41,49…2乗誤差計算部 42,50…最
小歪探索部 44…遅延回路 45…コードブ
ック 51,55…相関算出部 52,56…2
乗和算出部 53,54a,54b,57…正規化部 58…バイパススイッチ部。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コードブックに予め蓄えられた複数のコ
    ードベクトルに対しそれぞれ所定のフィルタ演算を行な
    い、これにより得られた演算ベクトルと入力信号ベクト
    ルとの2乗誤差を算出してこの2乗誤差が最小となるコ
    ードベクトルを前記コードブック中から探索する演算
    を、固定小数点形の演算回路を用いて実行するベクトル
    量子化方式において、 前記2乗誤差の算出に供する前の前記入力信号ベクトル
    の各要素を、これらの各要素の絶対値の最大値を超える
    最小の2のべき乗により正規化することを特徴とするベ
    クトル量子化方式。
  2. 【請求項2】 ピッチ周期に応じて作成された複数の駆
    動信号ベクトルに対しそれぞれ所定のフィルタ演算を行
    ない、これにより得られた演算ベクトルと入力信号ベク
    トルとの2乗誤差を算出してこの2乗誤差が最小となる
    駆動信号ベクトルを前記複数の駆動信号ベクトル中から
    探索する演算を、固定小数点形の演算回路を用いて実行
    するベクトル量子化方式において、 前記2乗誤差の算出に供する前の前記入力信号ベクトル
    の各要素を、これらの各要素の絶対値の最大値を超える
    最小の2のべき乗により正規化することを特徴とするベ
    クトル量子化方式。
  3. 【請求項3】 ピッチ周期に応じて作成された複数の駆
    動信号ベクトルを適応コードブックに蓄積し、この適応
    コードブックに蓄積された各駆動信号ベクトルに対しそ
    れぞれ所定のフィルタ演算を行ない、これにより得られ
    た演算ベクトルと入力信号ベクトルとの2乗誤差を算出
    してこの2乗誤差が最小となる駆動信号ベクトルを前記
    複数の駆動信号ベクトル中から探索する演算を、固定小
    数点形の演算回路を用いて実行するベクトル量子化方式
    において、 前記2乗誤差の算出に供する前の前記入力信号ベクトル
    の各要素を、これらの要素の絶対値の最大値を超える最
    小の2のべき乗により正規化するための第1の正規化手
    段と、 前記2乗誤差の算出に供する前の駆動信号ベクトルの各
    要素を、すべての駆動信号ベクトルの要素中の絶対値の
    最大値を超える最小の2のべき乗により正規化するため
    の第2の正規化手段とを具備したことを特徴とするベク
    トル量子化方式。
  4. 【請求項4】 第2の正規化手段は、適応コードブック
    から読み出された駆動信号ベクトルの各要素を、上記適
    応コードブックに蓄積されたすべての駆動信号ベクトル
    の要素中の絶対値の最大値を超える最小の2のべき乗に
    より正規化するものであることを特徴とする請求項3に
    記載のベクトル量子化方式。
  5. 【請求項5】 第2の正規化手段は、適応コードブック
    に蓄積する前の駆動信号の各要素を、これらの要素の絶
    対値の最大値を超える最小の2のべき乗により正規化す
    るものであることを特徴とする請求項3に記載のベクト
    ル量子化方式。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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