JPH05195887A - エンジンの燃料供給装置、燃料噴射弁及び燃料気化装置 - Google Patents

エンジンの燃料供給装置、燃料噴射弁及び燃料気化装置

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JPH05195887A
JPH05195887A JP4005560A JP556092A JPH05195887A JP H05195887 A JPH05195887 A JP H05195887A JP 4005560 A JP4005560 A JP 4005560A JP 556092 A JP556092 A JP 556092A JP H05195887 A JPH05195887 A JP H05195887A
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JP
Japan
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fuel
passage
fuel supply
injection valve
engine
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Application number
JP4005560A
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English (en)
Inventor
Minoru Osuga
大須賀  稔
Kenichi Soma
憲一 相馬
Toshiji Nogi
利治 野木
Junichi Yamaguchi
純一 山口
Nobuo Kurihara
伸夫 栗原
Takashige Oyama
宜茂 大山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジン低温始動時の燃料供給において、効
率の良い燃料気化と燃料微粒化を図り低温始動運転の向
上を図る。 【構成】 燃料供給系通路9を、噴射弁3に通じる主通
路9aと、これと分かれた副通路9bとで構成し、副通
路9bを燃料微粒化用のバイパス空気通路10の途中位
置に切換弁12を介して接続する。副通路9b又はバイ
パス10の切換弁下流側通路10bにヒータ付き気化部
11を設ける。切換弁下流側通路10bは低温始動時に
副通路9bと通じて通過燃料を気化部11にて気化さ
せ、気化燃料が噴射弁3の燃料噴射空間35に噴出し、
噴射弁3からの噴射燃料に衝突する。副通路9bは専用
のものでもよい。また、気化燃料は、燃料タンクで自然
気化したものを導入してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエンジンに燃料を供給す
る装置に係り、更に詳細には、燃料を気化させて低温始
動性を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、エンジンの燃焼効率を図るた
めに、供給する燃料の気化或いは霧化促進を図る種々の
技術が提案されている。
【0003】例えば、特開昭56−6044号公報に
記載の装置(内燃機関の燃料霧化促進装置)では、燃料
噴射弁の噴射孔外周に多数の空気噴出口を設け、この空
気噴出口に排気ガスによって加熱された空気を通して、
燃料噴射弁の噴射孔を加熱させつつ燃料噴射空間に噴出
させており、特開昭62−255539号、特開昭6
2−255540号、特開昭63−41659号公報等
に記載の装置(燃料噴射式エンジンの燃料制御装置)で
は、噴射弁に燃料を送る燃料供給通路に加熱器及び加圧
手段を設けて、燃料を噴射時に減圧沸騰させる程度に加
圧,加熱したり、特開昭63−170555号公報に
記載の装置(燃料噴射弁)では、燃料噴射弁の噴孔を形
成する部材にヒータを付加することで、噴射孔から噴出
する燃料を加熱して霧化促進を図ったり、特開平1−
262337号公報に記載の装置(アルコール内燃機関
の電子制御燃料噴射装置)では、通常運転時用の燃料噴
射弁のほかに始動時用の噴射弁(以下、補助噴射弁とす
る)を吸気マニホルドの集合部(コレクタ)に設けると
共に、補助噴射弁の噴霧燃料を加熱する手段を設け、始
動時に機関温度が設定値以下の場合には、補助噴射弁及
びその加熱手段を駆動し、且つアシストエア源から通常
運転時用燃料噴射源に燃料微粒化用のアシストエアを供
給したり、特開平3−1564号公報に記載の装置
(熱面衝突式着火式内燃機関)のように、ディーゼルエ
ンジンの燃焼室内に電気的な加熱部材を配置し、その加
熱表面に向けて燃料噴射弁から連続液体流の形で燃料を
噴射させることで、燃料気化促進を図る技術等、種々提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この種の装置におい
て、燃料の気化を図る場合には、気化のためのヒータの
加熱容量を小さくしつつ効率の良い気化を図ることが、
実用化を図る上で重要である。
【0005】この点、の従来技術は排気ガスで加熱さ
れた空気により噴射孔外周を加熱するため、排気熱を空
気を媒体として噴射孔に伝えて加熱し、の従来技術は
噴射弁の噴孔を形成する金属部材をヒータで加熱するた
め、これらは間接的な加熱方式となり、その分気化を早
めるには、熱容量を大きくする必要がある。また、
の従来技術では噴射弁或いは始動時用の補助噴射弁に供
給する燃料を全て加熱するので、その分、熱容量が大き
くなり、の従来技術は、燃焼室に加熱部材を設けるた
め、使用上の用途が限定されると共に、燃料の一部しか
加熱平板に当たらず、気化されない燃料が多く存在す
る。
【0006】本発明は以上の点に鑑みてなされ、その目
的は、燃料気化手段の熱効率を従来以上に向上させて良
好な低温始動運転を保証することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために基本的には次のような課題解決手段を提案す
る。以下、内容の理解を容易にするため、実施例に用い
た図面の一部の符号を参照しつつ説明する。
【0008】一つは、例えば、図16に示すように、計
量機能を有する燃料噴射弁3を備えたエンジンの燃料供
給装置において、燃料供給系の通路9として、燃料噴射
弁3に燃料を送るための主燃料供給通路9aと、この主
燃料供給通路9aから途中で分かれて或いは別個に設け
て出口9b´が燃料噴射弁3の計量オリフィス下流の燃
料噴射空間(燃料噴射空間に気流を生じさせて噴射燃料
を微粒化させる空間を含む)35に臨む副燃料供給通路
9bとを備え、副燃料供給通路9bにその通過燃料を気
化させるためのヒータ11a付き気化部11を設けて、
副燃料供給通路出口9b´から噴出する気化燃料が燃料
噴射弁3から噴射される燃料に混入されるよう設定した
(これを第1の課題解決手段とする)。
【0009】もう一つは、例えば図1に示すように、燃
料噴射弁3が、その計量オリフィス下流に燃料を微粒化
させるための気流を発生させる燃料微粒化空間35を有
し、この燃料微粒化空間の気流発生用の空気を吸気通路
1の絞り弁2上流からバイパス通路10(10a,10
b)を介して導入するよう設定し、且つ燃料供給通路9
の途中を燃料噴射弁3に通じる主燃料供給通路9aと該
主燃料供給通路から分れる副燃料供給通路9bとに分岐
して、この副燃料供給通路9bをバイパス通路10の途
中に切換弁12を介して接続し、この切換弁12は、そ
の切換により、バイパス通路10を吸気通路1の絞り弁
2上流と燃料噴射弁3の燃料微粒化空間35とに連通さ
せる第1の切換モード(このモードの時は、バイパス通
路10と副燃料供給通路9bとが遮断状態にある)と、
バイパス通路10のうち切換弁12の下流側通路10b
と副燃料供給通路9bとを連通させる第2の切換モード
(このモードの時は、バイパス通路10の切換弁上流側
通路10aは遮断状態にある)とを実行する機能を有
し、副燃料供給通路9b或いはバイパス通路10の切換
弁下流側通路10bに、前記第2の切換モードの時に導
入される通過燃料を加熱気化するヒータ11a付き気化
部11を設けた(これを第2の課題解決手段とする)。
【0010】もう一つは、上記に代えて、図20に示す
ように燃料噴射弁3に通じる燃料供給通路9の他に、燃
料タン7内の気体層(燃料が自然気化してタンク上部空
間に溜る箇所)7aの気化燃料を燃料噴射弁3の計量オ
リフィス下流の燃料噴射空間35或いはこの燃料噴射空
間下流に導く気化燃料供給手段80を設けたり、又は気
化燃料供給手段80からの気化燃料を吸気マニホールド
のコレクタに導くようにする(これを第3の課題解決手
段とする)。
【0011】なお、上記第1,第2,第3の課題解決手
段において、気化燃料は通常運転時に駆動される燃料噴
射弁の計量オリフィス下流の噴射空間に噴出させるほ
か、これに代えて図18に示すようなエンジン低温始動
時用の補助燃料噴射弁3´(この補助燃料噴射弁3´は
吸気マニホールドのコレクタ50に設けられる)の燃料
噴射空間に導くようにしてもよい。
【0012】もう一つは、図27に示すように、燃料噴
射弁3の計量オリフィス34下流に燃料噴射空間となる
オリフィス101を有するチップ100を装着し、この
チップ100を電気ヒータ部材(電熱部材)で形成する
(これを第4の課題解決手段とする)。
【0013】さらに、第4の課題解決手段の要素に加え
て、図28,図23に示すように、オリフィス101付
きチップ(電気ヒータ部材)100の燃料噴射空間35
或いはオリフィス101に旋回空気流を発生させる燃料
微粒化用空気通路102を設けて、この通路102を介
して、例えば吸気通路の空気を一部をバイパス通路を介
して導入するものを提案する(これを第5の課題解決手
段とする)。
【0014】
【作用】第1の課題解決手段の作用…例えばエンジンの
低温始動時には、副燃料供給通路9bに設けた気化部1
1のヒータ11aを通電させて気化部11を加熱させ
る。この場合、燃料供給系通路9の燃料は、主燃料供給
通路9aを介して燃料噴射弁3に送られ、一方、副燃料
供給通路9bにも燃料の一部が通過する。副燃料供給通
路9bを通過する燃料は気化部11により加熱気化さ
れ、燃料噴射弁3から噴射される燃料の噴射空間35に
ガス気流となって噴出され、気化燃料が噴射弁3からの
噴射燃料に混入し、加えてその気流が噴射燃料に衝突す
ることにより燃料の微粒化促進も図る。
【0015】第2の課題解決手段の作用…本課題解決手
段の場合には、例えばエンジンの低温始動時には、切換
弁12により第2の切換モードを選択すると、バイパス
通路10の切換弁下流側通路10bと副燃料供給通路9
bとが連通する。これにより切換弁下流側通路10bも
副燃料供給通路9bの一部となる。そのため、ヒータ1
1aにより副燃料供給系側の気化部11を加熱させれ
ば、上記第1の課題解決手段同様の作用がなされて燃料
の気化促進と微粒化促進を図れる。
【0016】また、エンジンが暖機状態になった場合に
は、切換弁12により第1の切換モードを選択する(ヒ
ータ11aもオフさせる)。これにより、副燃料供給通
路9bは遮断されて、吸気系のバイパス通路10(10
a,10b)が開通し、絞り弁2上流から空気の一部が
差圧等により燃料噴射弁3の微粒化空間35に送られて
噴出し、この空気による気流が噴射弁3から噴射される
燃料に衝突して燃料の微粒化が促進される。
【0017】第3の課題解決手段の作用…本課題解決手
段の場合にも、気化燃料を噴射弁3の計量オリフィス下
流の燃料噴射空間等に導いて噴射燃料への気化燃料の混
入とその気化ガスの気流により燃料を微粒化させるが、
この気化燃料として燃料タンク7内で自然気化したガス
を利用するので、ヒータの使用を無くすことが可能とな
る。
【0018】第4の課題解決手段の作用…噴射弁3の計
量オリフィス34下流に設けた燃料通過用のオリフィス
(燃料噴射空間)101をヒータにより直接加熱して、
このオリフィス101の噴射燃料を直接加熱すること
で、気化促進を図れる。
【0019】第5の課題解決手段の作用…第4の課題解
決手段の作用を行う場合、燃料を旋回気流により微粒化
させた後、オリフィス101に通すので、微粒化燃料が
気流の流れに乗ってオリフィス101の壁に沿いつつ通
過し、この時、チップからの受熱効率を高めて、より一
層の効率の良い気化促進が図れる。
【0020】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づき説明する。
【0021】図1に第1実施例を示す。
【0022】図1において、エンジンの吸気管(吸気通
路)1のうち、絞り弁2下流の吸気ポート1aに燃料噴
射弁3が装着される。4はエンジンの気筒、5は排気管
である。
【0023】ここで、本実施例の全体構成を説明するに
先立ち、図3により本実施例に用いる燃料噴射弁3の一
例を説明する。
【0024】図3の(a)に示すように、燃料噴射弁3
は電磁弁により構成され、その内部に電磁コイル31,
固定コア32,プランジャ付き弁体33,噴射孔を兼ね
る計量オリフィス34を備える。電磁コイル31は、図
1に示す制御ユニット6からのパルス(デューティ信号
で燃料噴射弁3の開弁時間を決定する)により励磁さ
れ、この励磁により弁体33がコア32側に電磁吸引さ
れて開弁する。このパルス幅(燃料噴射時間)は、エン
ジン制御ユニット6が図示されない空気流量計,回転数
センサ,負荷センサ,水温センサ,空燃比センサ等の検
出信号を入力し、これらの検出信号を基に演算が行われ
て決定される。
【0025】また、燃料噴射弁3には、その先端部に、
図3の(b)に示すように計量オリフィス34の下流に
位置して燃料微粒化用の空間(燃料分配オリフィス)3
5a,35bが二又に分けて形成してある。燃料微粒化
用空間35a,35bはその内部に後述のバイパス通路
10や副燃料供給通路9b(図1に示す)を介して空気
又は気化燃料を選択的に導入して気流を発生させ、この
気流により計量オリフィス34下流に噴射された燃料の
微粒化を図る機能をなす。分配オリフィス35a,35
bを二又に分けたのは、図1に示すように気筒4に2個
の吸気弁4aを備えるため、これに対応させるためであ
る。吸気弁が1個であればオリフィス35a,35bも
1個でよい。
【0026】オリフィス35a,35bにはバイパス通
路10の出口10´が臨むように配置される。この出口
10´を確保するために、燃料噴射弁3の先端には、バ
イパス通路10の一部となる通路37a,37bと流体
取入口36を有するカバー38が装着してある。
【0027】燃料噴射弁3には、図1に示すように燃料
タンク7からの燃料が燃料ポンプ8,燃圧レギュレータ
(図示省略)等を備えた燃料供給管(燃料供給通路)
9,9aを介して送られる。この燃料は、重質ガソリ
ン、軽質ガソリン、アルコール等が混入している可能性
がある。このため、燃料性状センサ14により、その成
分比を検出する。燃料性状センサ14は、燃料の光の屈
折の違いにより成分比を検出するものでもよいし、誘電
率の違いにより成分比を検出するものでもよい。この検
出値は制御ユニット6に送られ、各種の制御に使われ
る。
【0028】燃料供給系の通路9は途中で分岐して、燃
料噴射弁3に燃料を送るための主燃料供給通路(燃料供
給管)9aと、この主燃料供給通路9aから分かれる副
燃料供給通路9bとで構成され、副燃料供給通路9bが
以下に述べるバイパス通路10の途中位置に切換弁12
を介して接続される。。
【0029】バイパス通路10は、その入口が吸気通路
1の絞り弁2上流に通じ、出口10´が既述のように燃
料噴射弁3の燃料微粒化空間(分配オリフィス35a,
35b)に通じるよう配設される。
【0030】切換弁12は、制御ユニット6からの指令
を受けて制御され、切換により、バイパス通路10を吸
気通路1の絞り弁2上流と燃料噴射弁3の燃料微粒化空
間35(35a,35b)とに連通させる第1の切換モ
ード(このモードの時は、バイパス通路10と副燃料供
給通路9bとが遮断状態にある)と、バイパス通路10
のうち切換弁下流側通路10bと副燃料供給通路9bと
を連通させる第2の切換モード(このモードの時は、バ
イパス通路10の切換弁上流側通路10aは遮断状態に
ある)とを実行する機能を有する。
【0031】バイパス通路10の切換弁下流側通路10
bに、前記第2の切換モードの時に副燃料供給通路9b
から導入される通過燃料を加熱気化するヒータ11a付
き気化部11が設けてある。ヒータ11aは、例えば電
気ヒータを用いる。
【0032】図2に本実施例の燃料供給系の全体の構成
を示す。燃料噴射弁3はエンジンの気筒数に対応した数
だけ各気筒4の吸気ポート1aに配設される。実線で示
すラインがバイパス通路10用の配管、点線で示すライ
ンが燃料供給通路9(9a,9b)用の配管である。
【0033】バイパス通路10は、切換弁12下流位置
にて各気筒4の燃料噴射弁3ごとに分岐配設され、この
バイパス通路10の分岐部10cと切換弁12との間に
ヒータ付き気化部11を設けて、この気化部11を各燃
料噴射弁4に共通のものとしている。また、気化部11
の下流位置に減圧弁16が設けてある。
【0034】ここで、本実施例の動作を説明する。
【0035】エンジンの始動に際して、キースイッチを
オンすると、制御ユニット6からの指令によってヒータ
11aが通電制御され、また、切換弁12が第2の切換
モードになる(第2の切換モードはキースイッチオフの
時に常にそのようにリセットされるようにしてもよ
い)。第2の切換モードにより、バイパス通路10の切
換弁下流側通路10bと副燃料供給通路9bとが連通
し、この切換弁下流側通路10bが副燃料供給通路9b
の一部となる。この時、ヒータ付きの気化部11は次の
ようにして加熱制御される。
【0036】図6の(a)に気化部11の加熱制御のタ
イムチャートを、(b)にそのフローチャートを示す。
S101〜S107はステップである。(イ)のように
キースイッチをオン60すると(S101)、(ロ)の
ようにヒータ11aにヒータ電流61を流す(S10
2)。これにより、気化部11における燃料が加熱され
る。次に、加熱が完了したかどうかを判断する(S10
3)。気化部11の加熱が完了したら、(ハ)のように
クランキング62を開始する(S104)。加熱完了の
判断は、温度センサを用いて設定温度に達した時点を検
知するか、或いは、これに代わり一定時間加熱したら加
熱完了とみなしてもよい。
【0037】そして、クランキング時には、燃料は、主
燃料供給通路9aを介して燃料噴射弁3に送られ、その
一部が副燃料供給通路9b側に流れる。燃料噴射弁3に
送られた燃料は、計量オリフィス34で計量されつつ分
配オリフィス35a,35bに噴射される。一方、副燃
料供給通路9b(バイパス通路10の切換弁下流側通路
10bを含む)を通過する燃料は、加熱状態にある気化
部11により気化され、この気化燃料が出口10´を介
して計量オリフィス34下流の分岐オリフィス35a,
35b位置に噴出し、燃料噴射弁3からの噴射燃料と合
流して混入する。つまり、本実施例は、始動時に気化燃
料を作るために、クランキング前に気化部11をプリヒ
ートしておく考えである。このようにすれば、始動の最
初から気化燃料が供給され、しかも、気化燃料は気流と
なって計量オリフィス34からの噴射燃料に衝突するの
で、燃料の気化と微粒化を双方を図り、低温始動性が向
上する。
【0038】なお、気化部11の加熱完了後もヒータ1
1aは条件1が成立するまで通電され加熱を続行する
(S105,S106)。条件1は、ある一定の時間が
経過したかどうかの条件でもよく、エンジンの回転数が
一定値になったことを条件としてもよく、さらに図1に
示した排気管5に設けた触媒15の温度がある値になっ
た時でもよい。条件1が成立したら、ヒータ通電を停止
する(S107)。
【0039】図7に加熱制御の別の例を示し、その
(a)が制御のタイムチャート、(b)がフローチャー
トである。
【0040】本例では、(イ)のようにキースイッチを
オン71すると(S201)、(ロ)のように気化部1
1のヒータ11aが通電72し(S202)、同時に
(ハ)のようにクランキング73を開始する(S20
3)。その後、条件1が成立したかどうかを判断し(S
204)、成立していたらヒータ通電を停止し(S20
5)、成立してないときはヒータ通電を続行する(S2
06)。この場合にも、低温始動性を向上させる。
【0041】次に、上記の低温始動運転が完了すると、
制御ユニット6は切換弁12を第1の切換モードに切換
制御する。
【0042】この第1の切換モードにより、バイパス通
路10の入口が吸気通路1の絞り弁2の上流に通じ、出
口10´が分配オリフィス35a,35bに通じ、副燃
料供給通路9bは遮断状態となる。これにより、燃料は
専ら主燃料通路9aを介して燃料噴射弁3に供給され、
また、バイパス通路10(10a,10b)全体が開通
して絞り弁2上流の空気が差圧によりオリフィス35
a,35bに噴出され、このオリフィス35a,35b
に気流を発生させる。この気流が計量オリフィス34か
ら噴射される噴射燃料と狭い空間にて効率よく衝突する
ことで燃料の微粒化促進が図られる。その結果、A/F
制御精度を高めることが可能となる。
【0043】ここで、上記実施例に用いた、ヒータ付き
気化部11の具体例について図4,図5により説明す
る。
【0044】図4における気化部11は、同図(a)に
示すようにその入口側から出口側に向けて燃料分散部
(イ)、気化部(ロ)、気液分離部(ハ)が順に配置さ
れる。燃料分散部(イ)は粒状部材21からなり、気化
部(ロ)は電熱板をハニカム状に形成した電気ヒータ部
材22からなり、気液分離部(ハ)は金網などの慣性衝
突を利用した部材23からなる。ハニカム状のヒータ部
材22は図1のヒータ11aとなるもので、ハニカム状
の多数の微細通路に燃料を通過させることで、加熱効率
を良くしている。ヒータ部材22は断熱部材24により
保護される。気化部11の出口には、オリフィス26が
設けてある。ハニカムヒータ22の端子は端子引出口2
7a,27bから引き出される。
【0045】また、図4の(b)に示すように、ヒータ
22の表面上には、セラミック粒25が多数付着させて
ある。これは、加熱部分の表面積を大きくして、加熱効
率を向上させるためである。
【0046】気化部11は、このような構成をなすこと
で、燃料分散部(イ)にて通過燃料をヒータ全面に均等
に分散させ、気化部(ロ)にて通過燃料を加熱して気化
する。なお、気化燃料には液状分が含まれているため、
気液分離部(ハ)における金網23で液状分を取り除い
た後に、気化燃料をオリフィス26は通して送出する。
オリフィス26は、気化燃料の量を規制するためのもの
で、減圧効果がある。
【0047】図5は別の気化部11の例で、図中、図4
の符号と同一のものは同一或いは共通する要素である。
本例と図4における気化部11との主な異なる点は、ヒ
−タ11aとなるヒータ部材22´を、薄い金属板を丸
めて構成した点にある。このヒータ部材22´の構造
を、図5(b)〜(c)に示した製造工程により説明す
ると、先ず同図の(c)に示すように薄い金属板(電熱
板)28に、(c)のように波状に加工した薄い金属板
(電熱板)29を重ね、その後、(d)に示すように、
これを丸めてヒ−タ部材22´を構成する。このように
することにより、ヒ−タ部材22´を簡単で、低コスト
に加工できる。この丸めた金属板に電流を流して加熱す
る。
【0048】次に本実施例における制御ユニット6によ
り実行される気化燃料制御内容の詳細について図8〜図
13により説明する。
【0049】図8は一定量の燃料を加熱していった場合
のヒータ温度と燃料重量の関係を示す。
【0050】図中の、実線は燃料としてガソリンを用
いた場合の結果である。ヒータ温度が上昇するに従っ
て、燃料の軽質分から蒸発していき、重量は徐々に減少
していく。この場合、(イ)(ロ)…(ホ)等の段差は
それぞれの温度過程で気化する成分が一気に蒸発したこ
とを示している。ヒータ容量の点で、燃料全体を気化さ
せるのが困難な場合は、燃料の軽質分のみが気化する温
度に加熱するのがよい。例えば(ハ)の成分までが気化
する温度(1)にヒータ制御する。
【0051】点線は、ガソリン中にメタノールが混入
している場合の特性である。この場合も、燃料全部を気
化させるのではなく、メタノールが気化する温度(2)
にヒータ温度を制御してもよい。ガソリン分をあまり気
化させないほうが、燃料の重質分の残さ物が少なくて、
気化部11に目づまりが起こりにくくなり、耐久性に優
れる。
【0052】図9にエンジン始動時の冷却水温と供給燃
料量との関係を示した。低温時の方が燃料量を多くする
と共に、低温時の方が気化燃料量が多いかその占める割
合を多くする。図中では、(イ)は気化燃料量であり、
(ロ)が噴射弁から供給される液体の燃料量である。始
動性が悪い低温時には、気化燃料量を多くして可燃混合
気をつくる。このような、気化燃料の比率制御例を図1
0に示す(なお、燃料供給料自体は噴射弁パルス幅を制
御することで行われる)。
【0053】すなわち、図10(a)に示すように、エ
ンジンの冷却水温によりヒ−タ温度を変化させる。冷却
水温が低くなるに従ってヒ−タ温度を高くする。このた
めの制御フロ−を図10(b)に示す。キ−スイッチが
オンしたら、冷却水温を読み込み(S301)、それに
相応のヒ−タ温度を、図10(a)のようなマップから
検索し(S302)、その後、このヒ−タ温度をヒ−タ
駆動回路13に出力する(S303)。
【0054】図11に、燃料性状センサ14の出力を基
に気化部11をヒ−タ制御する方法を示す。燃料として
ガソリンとメタノ−ルを混合した場合、燃料の性状が異
なるため気化する温度が異なり、例えばメタノ−ルが多
く混入している場合は、燃料の大半が図8の点線の特
性により(2)の温度で気化する。この場合は、加熱エ
ネルギ−の節約のために図8の点線の特性にしたがい
(2)の加熱温度に設定するのが良い。もちろん、燃料
の全量が気化する温度に加熱するようにしても良い。こ
のように、加熱エネルギ−を節約する場合は、燃料性状
に対応してヒ−タ11aの加熱温度を変えることが有効
である。その制御フロ−を図11(a)により説明す
る。
【0055】始めに燃料性状センサ14の検出値を制御
ユニット6で読み込む(S401)。次に、冷却水温を
読み込む(S402)。気化部11aのヒータ11aの
温度は、図11(b)の〜の範囲で示すように燃料
性状に合った異なる気化温度(ヒータ温度特性)を予め
冷却水温との関係で設定して記憶しておき、燃料性状セ
ンサ14の検出値によって異なったヒ−タ温度特性を決
定する。つまり、ヒ−タ温度は冷却水温と燃料性状によ
って決定される(S403)。さらに、冷却水温または
燃料性状によって、加熱時間を決定する(S404)。
このように、気化部11のヒ−タ11aの温度決定に燃
料性状を用いると、最小の加熱エネルギーでも効率の良
い気化を図れる。
【0056】以上の燃料気化を行う場合、長期的には、
図12(a)に示すように気化部11、その下流の燃料
配管10b等の通路に、黒丸で示したような燃料の残さ
物(イ)が付着する。残さ物が付着すると、燃料の流れ
が悪くなると共に、熱伝導が悪くなり気化効率が低下す
るため、燃料の残さ物を定期的に取り除く必要がある。
この点は配慮し、実施例では、気化部11を加熱しない
状態で燃料のみを定期的に流すようにする。ガソリン、
アルコ−ル等の燃料は浄化作用があり、これにより残さ
物が取り除かれる。つまり、エンジンの運転中に、燃料
を気化させないで気化部11、通路10bに流すパ−ジ
モ−ドを設ける。パ−ジモ−ドはエンジンの暖機完了後
のアイドル運転中、定速走行中等に実行する。
【0057】このパージモ−ド実行中の燃料量の変化を
図12(b)に示す。図中に示した(ロ)は、噴射弁3
から噴射される燃料量を示している。また、(ハ)に示
した燃料量は、気化部11から噴出される液状の燃料
量、つまり、気化部11を加熱しないで燃料を気化部1
1に流したときの燃料量である。図中のt以降の時点が
パージモードで、液状の燃料は、主燃料供給通路9a及
び噴射弁3と、副燃料供給通路9b,10b及び気化部
11とで配分された燃料がトータルしてエンジンに供給
される。
【0058】図13(a)に、パ−ジモ−ドの制御フロ
−を示す。始めに、パ−ジモ−ドかどうかを判断する
(S501)。このパ−ジモ−ドは、ある特定の運転状
態、例えば、アイドル運転かどうか、また、ヒ−タ11
aがオフ(低温始動以外の運転領域)かどうかで判断さ
れる。次に、パ−ジモ−ドに入る前の空燃比(A/F)
Nを読み込み(S502)、気化部11に燃料を供給す
る(S503)と共に、(A/F)Nを維持するため噴
射弁3からの燃料供給量を気化部11経由の供給燃料分
だけ減少させる(S504)。この燃料の供給により、
全体としてエンジンに供給される燃料量をパ−ジモ−ド
以前の(A/F)N状態に保ちつつ、気化部11内部や
通路10bが洗浄される。一定時間パ−ジしたら、また
は、パ−ジモ−ド以外の運転状態になったら、パ−ジモ
−ドを終了する(S505)。
【0059】図13(b)に、パージモード時の燃料供
給制御のタイムチャートを示し、図中、(イ)が噴射弁
3から噴射される燃料量(噴射パルス)、(ロ)が気化
部11から噴出される燃料量、t以降がパ−ジモ−ド
で、パ−ジモ−ド時に噴射弁3の噴射パルスは減少し、
一方、気化部11から燃料が噴出される。
【0060】図14に本発明の第2実施例を示す。な
お、図中、既述の第1実施例と同一符号は同一或いは共
通する要素を示す(以後の図面も同様である)。本実施
例も第1実施例同様の気化燃料供給制御がなされるが、
その気化部11の加熱手段を次のようにして構成する。
【0061】すなわち、本実施例はEGR装置(排気還
流装置)付きの吸気系を備え、EGRの配管(通路)4
0の一部に気化部加熱室41を形成して、この加熱室4
1に気化部11を収容する。気化部11は、その内部に
例えば多数の細孔状の燃料通路を有する伝熱体43が装
着され、気化部加熱室41とはシールされている。
【0062】以上のようにして燃料気化用の加熱手段を
構成する。本実施例によれば、排気還流用の通路40に
流れる排気ガスが気化部11のケースの周囲を通過し
て、排気ガスの熱が気化部11に与えられる。通路40
を通る排気ガスは、吸気管1内に導入される。このよう
に、排気還流時の排気ガスにより気化部11を加熱する
ことにより、電気ヒ−タなしに副燃料通路9b,10b
を通過する燃料を気化させることができる。また、第1
実施例に用いた電気ヒータ11aを併用してもよく、こ
の場合には、ヒータ11aの容量と小さくできる。ま
た、ヒータ11aと併用することで、エンジン始動直後
の排気ガスが低温の場合は電気ヒ−タで気化部11を加
熱し、排気ガスが高温になったら排気ガスで気化部11
を加熱することも可能で、気化部11は常に燃料気化の
機能をなすことができる。
【0063】図15に本発明の第3実施例を示す。本実
施例も第2実施例同様に排気ガスにより気化部11を加
熱するが、第2実施例と異なる点は、気化部11の周囲
41´を通過する排気ガスを排気管5に戻すことにあ
る。
【0064】すなわち、気化部11を加熱するための排
気還流通路40´を排気管5に接続し、この排気還流通
路40´の一部に気化部加熱室41´を設ける。排気還
流通路40´のうち気化部加熱室41´より上流側の通
路要素40a´は排気管5の触媒15の上流側に接続さ
れ、下流側の通路要素40b´は触媒15の下流側に接
続される。気化部加熱室41´には、第2実施例同様の
気化部11が収容される。
【0065】このような構成をなすことで、排気管5中
の触媒15上流側の排気ガスの一部は、触媒15上下流
の差圧により、通路40a´を通って気化部加熱室41
´に流れ気化部11を加熱し、その後、通路40b´を
通って排気管5の触媒下流に戻される。この構成におい
ても、第2実施例同様の効果を奏する。
【0066】図16に第3実施例を示す。
【0067】本実施例では、今まで述べた実施例のよう
に燃料微粒化用のバイパス通路10と副燃料供給通路9
bとを兼用させず、副燃料供給通路9bを専用のものと
した。
【0068】すなわち、燃料供給通路9はポンプ8の下
流で、噴射弁3に燃料送りする主燃料供給通路9aと、
噴射弁3の計量オリフィス下流の燃料噴射空間35に出
口9b´が臨む副燃料供給通路9bとに分岐し、この副
燃料供給通路9bの途中にヒータ11a付き気化部11
を設ける。ヒータ11aは、例えば電気ヒータである。
また、気化部11と噴射弁3との間に減圧弁45を設け
た。
【0069】減圧弁45を設けたのは、次の理由によ
る。各噴射弁3に送る主燃料供給通路9a側の燃料ギャ
ラリ−46中の燃料は、噴射エネルギーを確保するため
燃料ポンプ8で加圧する必要がある(この加圧はレギュ
レータ48により調整される)。この圧力を保つために
は、副燃料供給通路9b側も圧力を高く保つ必要があ
り、そのため、減圧弁45を設けて、副燃料供給通路9
bの減圧弁45上流側の圧力を高く保っている。この減
圧弁45の代わりに、固定のオリフィスを設けても良
い。
【0070】さらに、この減圧弁45に、吸気管1の負
圧を導き負圧により弁45の開口面積を変化させてもよ
い。これは、負圧により燃料ギャラリ−46中の燃料圧
力がレギュレ−タ48で調整されているので、この燃料
圧力の変化に応じて通路9bの減圧弁45上流側の圧力
を主燃料供給通路9a(燃料ギャラリー46)と同レベ
ルになるよう変化させる必要があるからである。つま
り、減圧弁45は、燃圧レギュレ−タ48と同じ役割を
なす。
【0071】そして、本実施例によれば、気化部11を
通過する加熱燃料が減圧弁45の下流側でその減圧作用
により気化促進され(その意味で、減圧弁45も気化部
11の一部を構成することになる)、気化燃料が噴射弁
3の燃料噴射空間35にて噴射弁3の計量オリフィスか
ら噴射される燃料に当たるように噴出し、燃料の気化と
その気化ガスの気流が噴射弁3からの噴射燃料を微粒化
させる機能をなし、低温始動時の燃焼効率を大幅にアッ
プさせることができる。なお、副燃料供給通路9bにお
けるヒータ11aの駆動(気化作用)は低温運転時にの
み行うが、エンジン運転中には暖機後も燃料を副燃料供
給通路に流してもよく、或いは開閉制御弁を設けて低温
運転時にのみ副燃料供給通路に燃料を通し、その他は副
燃料供給通路を閉じるようにしてもよい。
【0072】図17に本発明の第5実施例を示す。本実
施例も上記第4実施例同様に燃料供給通路9を、噴射弁
3に燃料を送る主燃料供給通路9aと、噴射弁3の計量
オリフィス下流に送る専用の副燃料供給通路9bとで構
成する。
【0073】図中の点線9aで示すのが主燃料供給通
路、実線9bで示すのが副燃料供給通路である。気化燃
料を生成するヒータ11a付き気化部11を有する副燃
料供給通路9bは、その吹出口9b´を、噴射弁3とは
別体で設けた構成である。
【0074】このような構成では、気化燃料の吹出口9
b´を自由な位置に配置できる。例えば、気化燃料の吹
出口9b´を気筒4の吸気弁4aの近くに配置すること
ができる。このようにすると、気化燃料が吸気管の一部
1Bに接触して再び液体になることを防止しつつ直接、
気筒4(燃焼室)に流入するために、燃焼室内に入る液
体燃料が少なくなり着火、燃焼がよくなる。
【0075】また、副燃料供給通路9bにおける気化部
11上流に減圧弁45が設けられ、さらに気化部11下
流に固定のオリフィス49が設けてある。この固定オリ
フィス49と気化部11の間には、気化しきれない液体
燃料が残る可能性があるので、この液体燃料を通路9b
−1を介して再び燃料タンク7に戻すようにしてある。
この液体燃料の戻し機構は、他の実施例にも適用可能で
ある。
【0076】図18に第6実施例を示す。本実施例も燃
料供給通路9は、主燃料供給通路9aと、副燃料供給通
路9bとで構成されるが、副燃料供給通路9の吹出口9
b´は次のようにして配置される。
【0077】ここでは、吸気管1のコレクタ50に各気
筒対応の噴射弁3と別個の共通のエンジン始動時用の補
助燃料噴射弁3´を設け、一方、主燃料供給通路9aの
一部を更に9aのほかに9a−1に分けて、燃料供給通
路9a−1により噴射弁3´に燃料を送るようにし、一
方、副燃料供給通路9bの吹出口9b´を噴射弁3´の
計量オリフィス下流の燃料噴射空間に臨ませた。このよ
うにすると、副燃料供給通路9bの気化燃料がコレクタ
50の噴射弁3´の噴射燃料と混合され、気化燃料の供
給場所は一か所でよい。コレクタ50に気化燃料を混合
すると、一個の噴射弁で各燃焼室4に均等に気化燃料が
供給される。燃料としてアルコ−ルなどを用いると、ガ
ソリンの供給量の倍の量が必要なので、特に始動時など
はこのコレクタ50に設けた噴射弁3´から燃料を補助
的に供給でき低温始動性の向上を図れる。
【0078】図19に本発明の第7実施例を示す。本実
施例は第6実施例の変形例で、ここでは、吸気管1のコ
レクタ50に副燃料供給通路9bの気化燃料の吹出口9
b´のみを設けている。気化燃料の方が、吸気管1を流
れる気流に乗りやすいので、各燃焼室4への分配がよく
なる。通常、始動性向上のために、コレクタ50に液体
燃料を噴射する噴射弁を設けているが、液体のために燃
料の分配が低下し、燃焼が不安定になり易い。その点、
気化燃料の方が、分配が良く着火性もよくなる。
【0079】図20に本発明の第8実施例を示す。ここ
では、燃料タンク7内で自然気化した気体層7aの気化
燃料を低温始動時に噴射弁3の計量オリフィス下流の燃
料噴射空間35に噴出するようにした。
【0080】図20において、燃料供給通路9は前述し
た各実施例と異なり分岐させていない。そして、本実施
例では、吸気通路1には絞り弁2をバイパスしてその出
口84´が噴射弁3の計量オリフィス下流の燃料微粒化
空間35に臨むバイパス通路84を形成し、このバイパ
ス通路84の途中を切換弁85を介して気化燃料供給通
路80と接続してある。
【0081】気化燃料供給通路80は、その入口が燃料
タンク7の気体層7aに臨み、通路途中にポンプ81及
び流量制御弁82が配設してある。また本実施例では、
気化燃料のなかで、軽質分のガスのみ抽出するために、
例えば、通路80に活性炭83が設けてある。
【0082】上記構成において、切換弁85は制御ユニ
ット(図示省略)により次のようなモードに切換制御さ
れる。低温始動時は、切換弁85はバイパス通路84の
切換弁下流側と気体燃料供給通路80とを連通させ、ポ
ンプ81を駆動させることで、燃料タンク7中の気体層
7aに溜る気化燃料を通路80,バイパス通路84を介
して噴射弁3の計量オリフィス下流の燃料微粒化空間に
噴出させる。ここで、燃料噴射弁3から噴射される燃料
に吹き付けられて混入する。これによって、噴射燃料中
に気化燃料成分が含まれると共にその吹き付けにより燃
料の微粒化が促進される。
【0083】次に低温運転が完了すると、切換弁85は
バイパス通路84の絞り弁2の上下流を連通させ、絞り
弁2上流の空気の一部が吸気管差圧によりバイパス通路
84の出口84´から噴出され、この気流によって噴射
弁3からの噴射燃料の微粒化が促進される。
【0084】なお、上記構成において、気化燃料を通路
80,84を介して送る場合には、ポンプ81に代わり
吸気管1に生じる負圧を利用しても良い。
【0085】図21に本発明の第9実施例を示す。本実
施例は、燃料タンク7の上層部7aの気化燃料を、吸気
管1のコレクタ50に設けた共通の補助噴射弁3´の噴
射空間から噴出するようにした。
【0086】すなわち、吸気管1のコレクタ50に補助
噴射弁3´を設ける方式において、気体燃料供給通路
(副燃料供給通路)90の入口を燃料タンク7の気体層
7aに臨ませ、出口90´を補助噴射弁3´の計量オリ
フィス下流の燃料噴射空間に臨ませた。通路90には、
ポンプ92及び活性炭フィルタ91が配設してある。な
お、噴射弁3及び補助噴射弁3´に燃料を供給する通路
9は、主燃料供給通路9aとこれから分岐した通路9a
−1とで構成される。
【0087】本実施例によれば、図18の第6実施例同
様の効果を奏する。
【0088】図22に本発明の第10実施例を示す。
【0089】本実施例は、今まで述べたような気化燃料
搬送用の副燃料供給通路を用いず、専ら燃料噴射弁3か
ら噴射される燃料の気化促進を図る方式である。
【0090】図22の(a)における燃料噴射弁3は図
3のものと同様に電磁弁が使用され、特に、発明の要点
となる部分のみを示してある。
【0091】すなわち、計量オリフィス34下流には、
燃料噴射空間35(ここでは2吸気弁/1気筒に対応し
て噴射空間35を35a,35bに分岐させてある)を
配設するが、この噴射空間35a,35bを電気ヒータ
部材のチップ93中に設け、チップ93を噴射弁3の先
端に装着した。チップ93は電気ヒータとして機能し、
噴射空間35a,35bに出口が臨むようにして空気噴
出孔(空気通路)94が設けてある。また、この空気噴
出孔94は噴射弁3に設けた空気導入口95を介し空気
導入用の外部通路(図示省略するが、これは、例えば吸
気管の絞り弁上下流をバイパスさせた通路等で構成され
る)と接続してある。
【0092】本実施例によれば、例えば、低温始動運転
時にチップ(ヒータ)93を加熱し、この状態で、燃料
噴射空間35a,35bに通路95,空気噴出孔94を
介して空気を噴出させると、計量オリフィス34から噴
射される燃料に空気が当たり、噴射空間35a,35b
に図22(b)に示すような旋回気流が発生する。その
結果、燃料はヒ−タ93壁面に接触して噴出するように
なる。このため、燃料とヒ−タ93の接触時間が長くな
り、気化が促進される。気化を伴う燃料は、空気流によ
り、噴射オリフィス35a,35bを旋回しながら吸気
ポートに噴出する。
【0093】本実施例によれば、気化燃料生成用の副燃
料供給通路を設けなくとも、噴射弁3から噴射される燃
料を気流の衝突により微粒化しつつその微粒燃料を噴射
空間(オリフィス)を兼ねるヒータ93壁面に沿って流
れるので、燃料に対しての伝熱効率を高めて良好な気化
促進を図り、燃焼効率ひいては低温運転の向上を図り得
る。
【0094】図23は上記第10実施例の応用例(第1
1実施例)で、ヒータチップ93に設けた燃料噴射空間
(オリフィス)35a,35bの壁面に凹凸面95を形
成して、燃料の受熱面積を大きくした。このオリフィス
35a,35bの壁面は、凹凸状でなくても、例えば、
セラミックの粒状物質を付着させても同様に燃料を受け
る受熱面積を大きくできる。
【0095】図24は本発明の第12実施例である。
【0096】本実施例も噴射弁3の計量オリフィス34
の下流に噴射空間(オリフィス)35a,35bを有す
るチップ96を装着するが、このオリフィス35a,3
5bを分岐する部材97を電気ヒータ部材で構成し、こ
の分岐部材97に例えばセラミックの粒が入っている加
熱通路98a,98bを設けた。加熱通路98aはその
一端が計量オリフィス34の出口と対向するよう配置さ
れ、これに通じる加熱通路98bの出口がオリフィス3
5a,35bに臨む。
【0097】このような構成よりなれば、計量オリフィ
ス34から噴射される燃料の一部が加熱通路98a,9
8bを通って気化され、オリフィス35a,35bに高
速で噴出する。またこの噴出した気化燃料が加熱通路9
8a,98bを通らない噴射燃料に衝突して燃料微粒化
促進を図る。
【0098】本実施例においても、分岐部材97を低温
運転時に加熱することで、燃料の気化と微粒化を促進
し、燃焼効率を高め、良好な低温運転を保証する。
【0099】図25は第12実施例の応用例(第13実
施例)で、ここでは、加熱通路98aの入り口部98a
´に、温度に応じてこの入り口98a´を開閉する部材
(例えばバイメタル)99を設けた。
【0100】すなわち、図25(a)は、分岐部材97
を加熱している状態である。加熱による熱で、開閉部材
99は通路入り口98a´を開けた状態になっている。
この状態では、燃料は加熱通路98a,98bに流入通
過し、気化される。
【0101】また、図25(b)は、加熱をやめた場合
の状態で、開閉部材99は加熱通路入り口98a´を閉
じた状態にする。このため、燃料は加熱通路98a,9
8bを流入通過しない。加熱していない時に、加熱通路
98a,98bに燃料が流入すると燃料が通路内にトラ
ップされて、燃料の応答が悪くなる。本実施例はこれを
防止することができる。
【0102】図26に本発明の第14実施例を示す。本
実施例でも、吸気管1のコレクタ50に補助燃料噴射弁
3´を設けるが、ここでは、噴射弁3´の先端部(計量
オリフィス34下流)にチップ100を設けた。チップ
100は電気ヒータ部材により構成され、その中に図2
7に示すようなオリフィス101がエンジンの気筒数だ
け配設され、各オリフィス101は各気筒4の方に向け
てある。この構成では、計量オリフィス34から噴射さ
れた燃料はオリフィス101により加熱されて気化さ
れ、各気筒4に分配され、その分配効率を高める。
【0103】図28に上記第14実施例の変形例(第1
5実施例)を示す。
【0104】本実施例では、分配オリフィス101付き
ヒータチップ100に燃料噴射空間35に通じる気流発
生用の空気導入孔102を形成し、この燃料噴射空間3
5下流に分配オリフィス101を配設した。空気導入孔
102は、空気通路(例えば、吸気管に設けるバイパス
通路)と接続される。
【0105】本実施例によれば、空気導入孔102から
噴出する空気流が計量オリフィス34から噴射される燃
料に当たることで燃料微粒化が図られた後、微粒化燃料
がヒータチップ100の分配オリフィス101を通過す
るので、効率の良い気化促進を図り得る。
【0106】
【発明の効果】第1の課題解決手段によれば、エンジン
の低温始動時に燃料を主燃料供給通路と副燃料供給通路
とに分けて供給し、この副燃料供給通路を通過する燃料
だけを加熱気化させるので、燃料に対するヒータの負担
を軽減しつつ効率の良い気化を図り、同時にその気化燃
料の噴出箇所に工夫をなすことで、微粒化の促進を図る
ことができるので、従来以上に低温始動時の燃焼効率を
高め、良好な低温始動運転を保証する。
【0107】第2の課題解決手段によれば、上記第1の
課題解決手段の効果に加えて、暖機完了後は副燃料供給
通路が燃料微粒化のための空気通路(バイパス通路)に
切り換わるので、極力少ない構成要素により、通常運転
時のA/F精度をも保証する効果がある。
【0108】第3の課題解決手段によれば、上記第1,
第2の課題解決手段で実現させる効果をヒータなしで可
能にするので、エネルギーの省約を図ることができる。
【0109】第4の課題解決手段によれば、ヒータで直
接噴射燃料さらには微粒化燃料を加熱させるので、気化
のための加熱エネルギーをできるだけ少なくしつつ気化
促進を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す構成図
【図2】第1実施例の燃料配管の全体構成図
【図3】上記実施例に用いる噴射弁の断面図及びその一
部拡大図
【図4】上記実施例に用いる気化部の断面図及びその一
部拡大図
【図5】上記実施例に用いる気化部の別の例を示す断面
図及びその製造工程図
【図6】上記実施例におけるエンジン始動時のタイムチ
ャート及びその制御フロ−を示す説明図
【図7】上記実施例におけるエンジン始動時のタイムチ
ャート及び制御フロ−の別の例を示す説明図
【図8】ヒ−タ温度と燃料気化量の関係を示す説明図
【図9】エンジンの供給燃料量と冷却水温との関係を示
す説明図
【図10】上記実施例のヒ−タ温度と冷却水温の関係、
及びその制御フロ−を示す説明図
【図11】上記実施例の燃料性状を加味したヒ−タ温度
の制御フロ−、及び冷却水温とヒータ温度の関係を示す
説明図
【図12】上記実施例に用いる気化部に生じる汚れパ−
ジの原理図
【図13】汚れパ−ジの制御フロ−及びタイムチャート
【図14】本発明の第2実施例を示す構成図
【図15】本発明の第3実施例を示す構成図
【図16】本発明の第4実施例を示す構成図
【図17】本発明の第5実施例を示す構成図
【図18】本発明の第6実施例を示す構成図
【図19】本発明の第7実施例を示す構成図
【図20】本発明の第8実施例を示す構成図
【図21】本発明の第9実施例を示す構成図
【図22】本発明の第10実施例を示す要部断面図及び
その一部拡大図
【図23】本発明の第11実施例を示す要部断面図
【図24】本発明の第12実施例を示す要部断面図
【図25】本発明の第13実施例を示す要部断面図
【図26】本発明の第14実施例を示す構成図
【図27】第14実施例に用いる噴射弁先端の断面図
【図28】第14実施例に用いる噴射弁先端の別の例を
示す断面図
【符号の説明】
1…吸気通路、2…絞り弁、3…燃料噴射弁、4…気
筒、5…排気管、6…制御ユニット、7…燃料タンク、
7a…気体層、8…ポンプ、9…燃料供給通路、9a…
主燃料供給通路、9b…副燃料供給通路、10…バイパ
ス通路、10´…バイパス通路出口、11…気化部、1
1a…ヒータ、12…モード切換弁、13…ヒータ駆動
回路、22…ハニカム状ヒータ部材、25…セラミック
粒子、34…計量オリフィス、35(35a,35b)
…燃料噴射空間(分配オリフィス)、40…EGR用配
管、80…気化燃料供給通路、84…バイパス通路、9
3,97,100…ヒータチップ、98a,98b…加
熱通路、99…バイメタル式開閉部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02D 43/00 P 7536−3G F02M 37/00 E 7049−3G (72)発明者 山口 純一 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 栗原 伸夫 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 大山 宜茂 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 計量機能を有する燃料噴射弁を備えたエ
    ンジンの燃料供給装置において、 燃料供給系の通路として、前記燃料噴射弁に燃料を送る
    ための主燃料供給通路と、この主燃料供給通路から途中
    で分かれて或いは別個に設けて出口が前記燃料噴射弁の
    計量オリフィス下流の燃料噴射空間に臨む副燃料供給通
    路とを備え、前記副燃料供給通路にその通過燃料を気化
    させるためのヒータ付き気化部を設けて、該副燃料供給
    通路出口から噴出する気化燃料が前記燃料噴射弁から噴
    射される燃料に混入されるよう設定したことを特徴とす
    るエンジンの燃料供給装置。
  2. 【請求項2】 計量機能を有する燃料噴射弁を備えたエ
    ンジンの燃料供給装置において、 前記燃料噴射弁は、その計量オリフィス下流に燃料を微
    粒化させるための気流を発生させる燃料微粒化空間を有
    し、且つ燃料供給系の通路として、前記燃料噴射弁に燃
    料を送るための主燃料供給通路と、この主燃料供給通路
    から途中で分かれて或いは別個に設けて出口が前記燃料
    噴射弁の計量オリフィス下流の前記燃料微粒化空間に臨
    む副燃料供給通路とを備え、前記副燃料供給通路にその
    通過燃料を気化させるためのヒータ付き気化部を設け
    て、該副燃料供給通路出口から噴出する気化燃料が前記
    微粒化空間にて前記燃料噴射弁から噴射される燃料に混
    入されるよう設定したことを特徴とするエンジンの燃料
    供給装置。
  3. 【請求項3】 計量機能を有する燃料噴射弁と、この燃
    料噴射弁に燃料を送る燃料供給通路とを備えたエンジン
    の燃料供給装置において、 前記燃料噴射弁は、その計量オリフィス下流に燃料を微
    粒化させるための気流を発生させる燃料微粒化空間を有
    し、この燃料微粒化空間の気流発生用の空気を吸気通路
    の絞り弁上流からバイパス通路を介して導入するよう設
    定し、 且つ前記燃料供給通路の途中を前記燃料噴射弁に通じる
    主燃料供給通路と該主燃料供給通路から分れる副燃料供
    給通路とに分岐して、この副燃料供給通路を前記バイパ
    ス通路の途中に切換弁を介して接続し、この切換弁は、
    その切換により、前記バイパス通路を前記吸気通路の絞
    り弁上流と前記燃料噴射弁の燃料微粒化空間とに連通さ
    せる第1の切換モード(このモードの時は、前記バイパ
    ス通路と前記副燃料供給通路とが遮断状態にある)と、
    前記バイパス通路のうち前記切換弁の下流側通路と前記
    副燃料供給通路とを連通させる第2の切換モード(この
    モードの時は、前記バイパス通路の前記切換弁の上流側
    通路は遮断状態にある)とを実行する機能を有し、前記
    副燃料供給通路或いは前記バイパス通路の前記切換弁下
    流側通路に、前記第2の切換モードの時に導入される通
    過燃料を加熱気化するヒータ付き気化部を設けたことを
    特徴とするエンジンの燃料供給装置。
  4. 【請求項4】 各気筒ごとに配置される通常の燃料噴射
    弁及び吸気マニホールドの集合部(コレクタ)に各気筒
    共通のものとして設けたエンジン始動用の補助燃料噴射
    弁を備えたエンジンの燃料供給装置において、 燃料供給系の通路として、前記燃料噴射弁及び補助燃料
    噴射弁に燃料を送るための主燃料供給通路と、この主燃
    料供給通路から途中で分かれて或いは別個に設けて出口
    が前記補助燃料噴射弁の計量オリフィス下流の燃料噴射
    空間に臨む副燃料供給通路とを備え、前記副燃料供給通
    路にその通過燃料を気化させるためのヒータ付き気化部
    を設けて、該副燃料供給通路出口から噴出する気化燃料
    が前記補助燃料噴射弁から噴射される燃料に混入される
    よう設定したことを特徴とするエンジンの燃料供給装
    置。
  5. 【請求項5】 各気筒ごとに配置される通常の燃料噴射
    弁及び吸気マニホールドの集合部に各気筒共通のものと
    して設けたエンジン始動用の補助燃料噴射弁を備えたエ
    ンジンの燃料供給装置において、、 前記補助燃料噴射弁は、その計量オリフィス下流に燃料
    を微粒化させるための気流を発生させる燃料微粒化空間
    を有し、且つ燃料供給系の通路として、前記燃料噴射弁
    及び補助燃料噴射弁に燃料を送るための主燃料供給通路
    と、この主燃料供給通路から途中で分かれて或いは別個
    に設けて出口が前記補助燃料噴射弁の計量オリフィス下
    流の前記燃料微粒化空間に臨む副燃料供給通路とを備
    え、前記副燃料供給通路にその通過燃料を気化させるた
    めのヒータ付き気化部を設けて、該副燃料供給通路出口
    から噴出する気化燃料が前記微粒化空間にて前記補助燃
    料噴射弁から噴射される燃料に混入されるよう設定した
    ことを特徴とするエンジンの燃料供給装置。
  6. 【請求項6】 請求項1又は請求項2において、前記燃
    料噴射弁は複数気筒エンジンの各気筒ごとに配置され、
    且つ、前記副燃料供給通路は、前記各気筒の燃料噴射弁
    ごとに分岐配設され、これらの副燃料供給通路の分岐部
    上流に前記ヒータ付き気化部を設けて、該ヒータ付き気
    化部を各気筒の燃料噴射弁共通にしたことを特徴とする
    エンジンの燃料供給装置。
  7. 【請求項7】 請求項3において、前記燃料噴射弁は複
    数気筒エンジンの各気筒ごとに配置され、前記バイパス
    通路は、前記切換弁下流位置にて各気筒の燃料噴射弁ご
    とに分岐配設され、このバイパス通路の分岐部と前記切
    換弁との間に前記ヒータ付き気化部を設けたことを特徴
    とするエンジンの燃料供給装置。
  8. 【請求項8】 請求項1,2,4,5,6のいずれか1
    項において、エンジン運転の暖機完了後は、前記ヒータ
    付き気化部の加熱を停止させて燃料のみを通過させるよ
    うに制御するよう設定してあるエンジンの燃料供給装
    置。
  9. 【請求項9】 請求項3又は請求項7において、前記切
    換弁による前記第2の切換モードをエンジンの低温始動
    時に実行し、エンジンの暖機完了後は前記第1の切換モ
    ードを実行するよう設定してあるエンジンの燃料供給装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項9のいずれか1
    項において、前記ヒータは、エンジンの排気熱又は電気
    ヒータを用いたことを特徴とするエンジンの燃料供給装
    置。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし請求項9のいずれか1
    項において、前記ヒータは、EGR装置の還流排気ガス
    の熱を用いたことを特徴とするエンジンの燃料供給装
    置。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし請求項9のいずれか1
    項において、前記ヒータは電気ヒータで、熱をエンジン
    のクランキング直前或いはクランキングと同時に行うこ
    とを特徴とするエンジンの燃料供給装置。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし請求項12のいずれか
    1項において、前記ヒータ付き気化部で生成する気化燃
    料量を、エンジンの冷却水温の推移に応じて変化させる
    ことを特徴とするエンジンの燃料供給装置。
  14. 【請求項14】 請求項13において、前記気化燃料の
    生成量の変化は、エンジンの冷却水温が高まるにつれて
    ヒータ付き気化部の加熱温度を次第に低下させて実行す
    ることを特徴とするエンジンの燃料供給装置。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし請求項14のいずれか
    1項において、前記燃料供給通路を通る燃料の性状を検
    出するセンサを備え、前記ヒータ付き気化部の加熱温度
    を燃料の性状を加味して可変に設定することを特徴とす
    るエンジンの燃料供給装置。
  16. 【請求項16】 請求項1ないし請求項15のいずれか
    1項において、前記副燃料供給通路には気化燃料を減圧
    させるための手段を設けたことを特徴とするエンジンの
    燃料供給装置。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし請求項16のいずれか
    1項において、前記ヒータ付き気化部は、ハニカム状の
    多数の微細燃料通路を備えたことを特徴とするエンジン
    の燃料供給装置。
  18. 【請求項18】 請求項1ないし請求項17のいずれか
    1項において、前記ヒータ付き気化部は、その燃料を通
    過させる壁面にセラミック粒子を多数付着してなること
    を特徴とするエンジンの燃料供給装置。
  19. 【請求項19】 筒状ケース内に燃料を気化させるヒー
    タを収納し、このヒータを多数の微細孔(燃料通過孔)
    を有するハニカム状に形成し、ハニカム状ヒータの前段
    に燃料をハニカム状微細孔に満遍なく分散させる手段を
    配設して成ることを特徴とする燃料気化装置。
  20. 【請求項20】 請求項19において、前記ハニカム状
    ヒータの後段には、気化燃料を通過させつつ液状燃料を
    捕らえる気液分離部材を配設して成ることを特徴とする
    燃料気化装置。
  21. 【請求項21】 計量機能を有する燃料噴射弁を備えた
    エンジンの燃料供給装置において、 前記燃料噴射弁に通じる燃料供給通路の他に、燃料タン
    ク内の気体層(燃料が自然気化してタンク上部空間に溜
    る箇所)の気化燃料を前記燃料噴射弁の計量オリフィス
    下流の燃料噴射空間或いはこの燃料噴射空間下流に導く
    気化燃料供給手段を設けたことを特徴とするエンジンの
    燃料供給装置。
  22. 【請求項22】 各気筒ごとに配置される通常の燃料噴
    射弁及び吸気マニホールドの集合部に各気筒共通のもの
    として設けた始動用の補助燃料噴射弁を備えたエンジン
    の燃料供給装置において、 前記燃料噴射弁に通じる燃料供給通路の他に、燃料タン
    ク内の気体層の気化燃料を前記補助燃料噴射弁の計量オ
    リフィス下流の燃料噴射空間或いはこの燃料噴射空間下
    流に導く気化燃料供給手段を設けたことを特徴とするエ
    ンジンの燃料供給装置。
  23. 【請求項23】 各気筒ごとに配置される通常の燃料噴
    射弁を備えたエンジンの燃料供給装置において、 吸気マニホールドの集合部に、燃料タンク内の気体層に
    滞溜する気化燃料を前記吸気マニホールド集合部に導く
    気化燃料供給手段を設けたことを特徴とするエンジンの
    燃料供給装置。
  24. 【請求項24】 計量機能を有する燃料噴射弁と、この
    燃料噴射弁に燃料を送る燃料供給通路とを備えたエンジ
    ンの燃料供給装置において、 前記燃料噴射弁は、その計量オリフィス下流に燃料を微
    粒化させるための気流を発生させる燃料微粒化空間を有
    し、この燃料微粒化空間の気流発生用の空気を吸気通路
    の絞り弁上流からバイパス通路を介して導入するよう設
    定し、 且つ前記燃料噴射弁に通じる燃料供給通路の他に、燃料
    タンク内の気体層の気化燃料を供給する通路を前記バイ
    パス通路の途中に切換弁を介して接続し、この切換弁
    は、切換により、前記バイパス通路を前記吸気通路の絞
    り弁上流と前記燃料噴射弁の燃料微粒化空間とに連通さ
    せる第1の切換モード(このモードの時は、前記バイパ
    ス通路と前記気化燃料供給通路とが遮断状態にある)
    と、前記バイパス通路のうち前記切換弁の下流側通路と
    前記気化燃料供給通路とを連通させる第2の切換モード
    (このモードの時は、前記バイパス通路の前記切換弁の
    上流側通路は遮断状態にある)とを実行する機能を有し
    たことを特徴とするエンジンの燃料供給装置。
  25. 【請求項25】 開弁動作時に計量オリフィスを介して
    燃料が噴射される方式の燃料噴射弁において、前記計量
    オリフィス下流に噴射燃料を通過させるオリフィス付き
    のチップを装着し、このチップを電気ヒータ部材により
    形成したことを特徴とする燃料噴射弁。
  26. 【請求項26】 開弁動作時に計量オリフィスを介して
    燃料が噴射される方式の燃料噴射弁において、前記計量
    オリフィス下流に噴射燃料を通過させるオリフィス付き
    のチップを装着し、このチップを電気ヒータ部材により
    形成すると共に、該チップには、その噴射燃料通過用オ
    リフィス或いは該オリフィスの上流位置に空気を導入し
    て旋回空気流を発生させる気流発生用の空気導入通路を
    設けたことを特徴とする燃料噴射弁。
  27. 【請求項27】 請求項25又は請求項26において、
    前記チップには、オリフィスが複数吸気弁/1気筒の吸
    気弁の数だけ配設してあることを特徴とする燃料噴射
    弁。
  28. 【請求項28】 開弁動作時に計量オリフィスを介して
    燃料が噴射される方式の燃料噴射弁において、前記計量
    オリフィス下流に噴射燃料を通過させるオリフィス付き
    のチップを装着し、該チップに設けたオリフィスは1気
    筒あたり複数吸気弁仕様のエンジンに対応して複数分岐
    配設され、このオリフィス(以下、燃料分配オリフィス
    と称する)を分岐する部材を電気ヒータ部材で構成する
    と共に、該分岐部材の内部に前記計量オリフィスから噴
    射される燃料の一部を導入して加熱気化させた後分配オ
    リフィスに噴出させる加熱媒体粒子付き加熱通路を設け
    たことを特徴とする燃料噴射弁。
  29. 【請求項29】 請求項28において、前記分岐部材の
    入口には、低温時には前記分岐部材に設けた前記加熱通
    路の入口を開き、高温時に閉じるバイメタル式開閉部材
    を設けたことを特徴とする燃料噴射弁。
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