JPH05195740A - 2サイクルエンジンの潤滑油供給装置 - Google Patents

2サイクルエンジンの潤滑油供給装置

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JPH05195740A
JPH05195740A JP4032996A JP3299692A JPH05195740A JP H05195740 A JPH05195740 A JP H05195740A JP 4032996 A JP4032996 A JP 4032996A JP 3299692 A JP3299692 A JP 3299692A JP H05195740 A JPH05195740 A JP H05195740A
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JP
Japan
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plunger
lubricating oil
rotary cam
stepping motor
stopper
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JP4032996A
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English (en)
Inventor
Tsuyoshi Kamiya
剛志 神谷
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two

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  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 潤滑油供給精度を高める。 【構成】 潤滑油供給用プランジャポンプ1のストロー
ク設定部材を、プランジャ2に当接するストッパー5と
回転カム15とによって構成する。回転カム15に駆動
用ステッピングモータ20を連結する。回転カム15の
カム面に、プランジャストロークが実質的に0となる突
出段部15cを形成する。ストッパー5が突出段部15
cに係接したON状態と、突出段部15cより低いカム
面に係接したOFF状態とで潤滑油供給量をデューティ
制御した。デューティ比を変えることで潤滑油を高精度
に計量して供給できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン駆動式のプラ
ンジャポンプによってエンジンへ潤滑油を供給する2サ
イクルエンジンの潤滑油供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】2サイクルエンジンの潤滑油供給装置と
して、従来、エンジン回転数に応じた吐出量を有するエ
ンジン駆動式潤滑油ポンプを採用すると共に、例えば図
12の特性線aに示すように、アクセル開度に応じて上
記潤滑油ポンプのプランジャストロークを変化させ、こ
れによってポンプ自体の吐出量をエンジン出力カーブb
に沿った量に制御するようにした装置が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、このように
構成された従来の潤滑油供給装置では、エンジンが運転
しているときにはプランジャポンプのプランジャが必ず
往復運動を行なうため、アイドリング時での潤滑油供給
量としては、プランジャストロークが可及的少なくなる
ように調節したとしても多めになってしまう。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る2サイクル
エンジンの潤滑油供給装置は、プランジャストロークを
変えるストローク設定部材を、プランジャに当接してプ
ランジャの動作を規制するストッパーと、このストッパ
ーが常時係接する回転カムとによって構成し、この回転
カムに駆動用ステッピングモータを連結すると共に、回
転カムのカム面におけるプランジャストロークが小さく
なる方の端部に、プランジャストロークが実質的に0と
なる高さの突出段部を形成し、前記ステッピングモータ
に、回転カムの突出段部にストッパーが係接した状態
と、この突出段部より低いカム面にストッパーが係接し
た状態とでON、OFFを切り換えて潤滑油供給量をデ
ューティ制御する制御装置を接続したものである。
【0005】
【作用】潤滑油はデューティ比で定められた時間だけエ
ンジンへ供給されるから、デューティ比を変えることで
潤滑油を高精度に計量して供給できるようになる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1ないし図11
によって詳細に説明する。図1は本発明に係る潤滑油供
給装置に使用する潤滑油ポンプの縦断面図、図2は潤滑
油ポンプのストローク設定機構を示す断面図で、図1の
回転カム部分は図2におけるI−I線断面を示す。図3
は図2におけるIII−III線断面図、図4はステッピング
モータを模式的に示す概略構成図である。
【0007】図5はステッピングモータの励磁方式を示
す図、図6は本発明に係る潤滑油供給装置の構成を示す
ブロック図、図7は本発明に係る潤滑油供給装置に用い
る目標回転位置マップを示す図、図8は同じくデューテ
ィ比マップを示す図である。図9はエンジン回転数が変
化するときのステッピングモータのタイミングチャー
ト、図10はエンジン回転数とステッピングモータの回
転数の関係を示すグラフ、図11はエンジン回転数が一
定のときのステッピングモータのタイミングチャートで
ある。
【0008】これらの図において、1は本発明に係る潤
滑油供給装置に使用する潤滑油ポンプである。この潤滑
油ポンプ1はプランジャポンプからなり、エンジンによ
って駆動されるように構成されている。
【0009】2は潤滑油ポンプ1のプランジャで、この
プランジャ2は、エンジン(図示せず)によって駆動さ
れる中空軸3の軸心部分にその長手方向に沿って進退自
在に嵌挿支持されており、図1において下端部には受圧
部材4が固着されると共に、他端部にはストッパー5が
当接している。また、このプランジャ2は、受圧部材4
がポンプハウジング6に当接することで中空軸3に対し
て回転規制されている。さらに、受圧部材4は、ポンプ
ハウジング6との間に弾装された圧縮コイルばね7によ
って図1において上方へ常時付勢されている。加えて、
ストッパー5は戻しばね5aによってプランジャ2側へ
常時付勢されている。
【0010】前記中空軸3は、前記受圧部材4に摺接す
るカム8を有するウォームホイール9が軸装され、エン
ジンを駆動源として回転するウォーム10に噛合してい
る。前記カム8は、ウォームホイール9が回転すること
により受圧部材4を間欠的に上下に往復動作させる構造
で、本実施例ではウォームホイール9が1回転する間に
受圧部材4およびプランジャ2が上下に2往復するよう
に構成されている。
【0011】なお、ウォームホイール9は、本実施例で
はエンジンが40回転したときに1回転するように減速
比が設定されている。すなわち、この潤滑油ポンプ1で
は、エンジンが20回転する毎にプランジャ2が1往復
することになる。
【0012】11は潤滑油導入通路、12は潤滑油吐出
通路で、潤滑油導入通路11は燃料タンク(図示せず)
に連通され、潤滑油吐出通路12はエンジンに連通され
ている。13は前記中空軸3に穿設された配油通路であ
る。この配油通路13は、ウォームホイール9と共に中
空軸3が回転して受圧部材4およびプランジャ2が下方
に移動するときには、潤滑油導入通路11に連通され、
受圧部材4およびプランジャ2が上方へ移動するときに
は、潤滑油吐出通路12に連通されるように位置づけら
れている。
【0013】すなわち、プランジャ2が下方へ移動する
ときには、潤滑油は潤滑油導入通路11から配油通路1
3を通って中空軸3内の潤滑油室14へ吸い込まれ、プ
ランジャ2が上方へ移動するときには、図中矢印Aで示
すように、潤滑油室14から配油通路13を通って潤滑
油吐出通路12へ吐出される。
【0014】15は前記プランジャ2のストロークを変
えるための回転カムで、この回転カム15は後述するス
テッピングモータによって回転されるように構成されて
おり、その外周部のカム面には前記ストッパー5が係接
している。
【0015】回転カム15は、図2に示すようにカムハ
ウジング16の軸部材17に回転自在に支持され、ボス
部15aが連結ピン18を介してステッピングモータ2
0の出力軸21に連結されている。また、この回転カム
15には、図1に示すようにカム面にストッパー部15
bと突出段部15cとが形成されている。
【0016】突出段部15cは、この突出段部15cに
前記ストッパー5が係接した状態ではプランジャストロ
ークが実質的に0となるような突出高さをもって形成さ
れている。
【0017】そして、この回転カム15は、その中心
(図1中C1 で示す)を出力軸21の軸心(図1中C2
で示す)に対して偏心させることによって、回転カム径
がストッパー部15bから時計回り方向へ向かうにした
がって次第に大きくなるように構成されている。すなわ
ち、回転カム15を出力軸21回りに回動させることで
ストッパー5を進退させることができる。なお、前記突
出段部15cは回転カム径が最も大きくなる位置に配設
されている。
【0018】ストッパー5がプランジャ2側へ移動する
と、プランジャ2の往復ストローク量が少なくなって潤
滑油吐出量が減り、逆にプランジャ2から離間する方向
へ移動すると、プランジャ2の往復ストローク量が増え
て潤滑油吐出量が増えることになる。すなわち、回転カ
ム15の回転位置を変えることで潤滑油吐出量を制御す
ることができる。
【0019】また、回転カム15の突出段部15cにス
トッパー5を係接させることによって、ストッパー5が
プランジャ2をストロークしない位置へ押すことになる
関係から、エンジン回転の有無に係わらず潤滑油は吐出
されなくなる。
【0020】回転カム15と出力軸21との連結構造
は、図3に示すように、回転カム15のボス部15aに
形成した切欠き15dに連結ピン18を係合させ、その
連結ピン18に、出力軸21の軸端部を係合させる構造
とされている。なお、連結ピン18は、出力軸21に貫
通支持されたばね支持ブロック22に固着されている。
【0021】23は前記回転カム15をプランジャスト
ロークが大きくなる方へ(図1において時計回りに)回
転付勢するための復帰ばねで、一端が回転カム15にピ
ン23aを介して連結され、他端がカムハウジング16
に係止されている。すなわち、ステッピングモータ20
が通電されなくなったときには、回転カム15は、外周
部のストッパー部15bがストッパー5に当接してそれ
以上回転できない位置(プランジャ最大ストローク位
置)まで回転することになる。
【0022】なお、復帰ばね23の戻しトルクは、ステ
ッピングモータ20のプルイントルクからストッパー5
を押し下げるのに必要なトルクを差し引いた値より小さ
な値とされている。このため、ステッピングモータ20
に入力されたパルス通りに回転カム15が回転するよう
になる。
【0023】前記ステッピングモータ20は、その概略
が図4に示すように構成され、前記出力軸21が固着さ
れた永久磁石からなるロータ24と、励磁コイルφ1〜
φ4等を備えた多段PM型のものが採用されている。そ
して、このステッピングモータ20の励磁方式としては
1−2相励磁方式が採られている。すなわち、各励磁コ
イルへA1 →A11→B1 →B12→A2 →A22→B
2 →B21→という順番で通電して図5に示すように励
磁位相を変えることによって、出力軸21が一定角度ず
つ回転することになる。
【0024】また、このステッピングモータ20では、
図5に示す励磁位相1のときに回転カム15がプランジ
ャ最大ストローク位置に位置づけられるように構成され
ている。
【0025】このステッピングモータ20はエンジン運
転中は後述する制御装置によって常にパルスが与えられ
て出力軸21の回転位置が位置決め制御される。そし
て、出力軸21の回転位置は、制御装置によりエンジン
の運転状態(スロットル開度,エンジン回転数)に応じ
て決定される。以下、制御装置の構成について詳細に説
明する。
【0026】図6において25はステッピングモータ2
0の回転量(出力軸21の回転位置)を決定して潤滑油
供給量を制御する制御装置である。この制御装置25
は、バッテリー26に電源スイッチ27を介して接続さ
れた電源回路28と、スロットルポジションセンサ29
に接続されたスロットル開度検出手段30と、エンジン
の点火ユニット31や点火コイル32に接続されてエン
ジン回転数を算出するエンジン回転数算出手段33と、
スロットル開度およびエンジン回転数を元にして図7に
示す目標回転位置マップおよび図8に示すデューティ比
マップから回転カム15の目標回転位置を算出する3次
元マップ計算手段34と、この3次元マップ計算手段3
4で算出された値に応じてステッピングモータ20へパ
ルスを印加するモータ出力手段35等とを備えている。
【0027】そして、この制御装置25は、スロットル
開度が設定開度より大きいときには、目標回転位置マッ
プから回転カム15の目標回転位置を求めて潤滑油ポン
プ1のプランジャストロークを変えることで潤滑油吐出
量を制御するように構成されている。なお、設定スロッ
トル開度としては、本実施例では50%開度とされてい
る。
【0028】また、スロットル開度が設定開度より小さ
いときには、回転カム15の突出段部15cにストッパ
ー5が係接してプランジャ2が往復動作しなくなるON
状態と、突出段部15cより低いカム面にストッパー5
が係接してプランジャ2が往復動作するOFF状態とで
潤滑油ポンプ1をデューティ制御して潤滑油吐出量を制
御するように構成されている。
【0029】デューティ制御する手法としては、デュー
ティ比マップに記録されたデューティ比{このデューテ
ィ比は、前記ON、OFFのサイクルタイムをAとし、
ON時間をBとしたときに(B/A)×100%で求め
られる。}から前記ON時間とOFF時間を算出し、そ
の時間に応じて回転カム15の突出段部15cにストッ
パー5を係接させたり係接させなかったりを繰り返して
行なう。
【0030】また、この制御装置25は、電源が投入さ
れる毎に、回転カム15がプランジャ最大ストローク位
置に位置づけられるようにステッピングモータ20を作
動させ、原点位置出し動作を行なうように構成されてい
る。原点位置では図5に示す励磁位相1の状態とされ
る。このように原点位置出し動作を行うと、ステッピン
グモータ20を常に正確な位置に制御できる。
【0031】すなわち、ステッピングモータはフィード
フォワード制御で、制御装置では所定のステップをステ
ッピングモータに与えるとステッピングモータが所定量
回転したものとみなされる。そのため、例えば回転カム
15側で過負荷となったりして機械的制約が発生したと
きには、与えられたステップ通りにステッピングモータ
が回転できずに励磁位相のみが変わってしまう可能性が
ある。これは一般的に脱調と呼ばれているが、一度脱調
を起こすと、それ以降は角度位置がずれた状態となって
しまう。すなわち、脱調を起こすと、1周期分の位相が
ずれてしまい、例えば図5においてモータ回転位置が2
の状態で脱調を起こすとモータ回転位置が10の位置と
なってしまう。上述したように原点位置出し動作を行な
うと、脱調が生じていても正規の位置で制御できるよう
になる。
【0032】なお、上述した原点位置出し動作は、起動
時以外に通常運転時に回転カム15がプランジャ最大ス
トローク位置に回されたときにも行なわれる。そのとき
には、位相1周期分のパルスを余分にステッピングモー
タ20に与えた後に励磁位相1の状態とされる。
【0033】ステッピングモータ20に与えられるパル
スは、本実施例では図9に示すように、エンジンが5回
転する毎に制御装置25から出力される。すなわち、エ
ンジンが5回転する毎に励磁位相が設定順序通りに変え
られることで出力軸21が回転し、その出力軸21はエ
ンジンが5回転する毎に1位相ずつステップ動作される
ことになる。
【0034】このようにエンジンが5回転する毎にパル
スを与えるようにすると、プランジャ2はエンジンが1
0回転する間に1ストローク動作する関係から、プラン
ジャ2が1ストローク動作する間にステッピングモータ
20は2ステップだけ回転することになる。言い換えれ
ば、3ステップ目には必ずプランジャ2の作動方向が変
わることになる。
【0035】そして、このステッピングモータ20の回
転数としては、エンジン回転数が大きい状態では与えら
れるパルスの間隔(励磁コイルが通電されている時間)
が短くなる関係から、エンジン回転数に応じて増減する
ことになる。また、エンジン回転数およびスロットル開
度が一定であるときには、ステッピングモータ20へは
励磁位相が同じとなるようにパルスが与えられて実質的
に停止状態となる。
【0036】なお、上述した原点位置出し動作を行なう
ときには、エンジン回転数とは無関係に所定の時間内に
回転カム15をプランジャ最大ストローク位置へ回せば
よいため、上述したパルス間隔とは別に定められたパル
ス間隔をもって作動される。
【0037】ステッピングモータ20の回転数は、図1
0に示すように、エンジン回転数がR1 (約9400回
転)のときに最大となるように設定され、それ以上エン
ジン回転数が上昇してもステッピングモータ回転数は上
昇しないように構成されている。なお、図9中Tはステ
ッピングモータ20の最大回転数を示す。このようにす
ると、ステッピングモータ20の動作速度が上昇するこ
とに起因してトルクが低下するのを防ぐことができる。
【0038】さらに、この制御装置25は、回転カム1
5が目標位置に位置づけられた後に目標値が同一の状態
で1ステップ分の時間だけ経過したときに、励磁コイル
へ通電する電流を減らすように構成されている。電流を
減らすに当たっては、図11中Aで示すように励磁コイ
ルへパルス通電し、励磁コイルに極めて短い通電時間を
もって間欠的に通電して行なう。そのときの電流量とし
ては、ステッピングモータ20において保持トルクを発
生できるような値とされる。
【0039】次に、本発明に係る潤滑油供給装置の動作
を説明する。電源スイッチ27がONされると、先ず、
ステッピングモータ20は原点位置出し動作を行なう。
【0040】エンジン始動後、スロットル開度が設定開
度より小さいときには、先ず、制御装置25がエンジン
回転数とスロットル開度を元にデューティ比マップから
デューティ比を読み出す。そして、ステッピングモータ
20へ制御装置25がパルスを与えて回転カム15を回
動させ、デューティ比から求められるON、OFF時間
をもって回転カム15の突出段部15cとそれより低い
カム面とを交互に潤滑油ポンプ1のストッパー5に係接
させる。
【0041】このようにすると、回転カム15の突出段
部15cより低いカム面にストッパー5が係接するとき
のみに潤滑油が潤滑油ポンプ1から突出されるようにな
る。
【0042】スロットル開度が設定開度を上回ると、制
御装置25はデューティ制御を止めて目標回転位置マッ
プに則った潤滑油制御を行なうようになる。このときに
は、先ず、制御装置25がエンジン回転数とスロットル
開度を元に目標回転位置マップによって目標とする回転
カム15の回転位置を算出する。次に、制御装置25
は、回転カム15が目標位置に到達するまでのステップ
数だけ所定の励磁順序通りにステッピングモータ20へ
パルスを与える。
【0043】回転カム15が回転すると、潤滑油ポンプ
1ではストッパー5によってプランジャ2の作動ストロ
ークが変わり、回転カム15が目標位置に位置づけられ
た後にはエンジン運転状態に応じた量をもって潤滑油が
吐出されるようになる。
【0044】したがって、スロットル開度が小さいとき
には、潤滑油はデューティ比で定められた時間だけエン
ジンへ供給されるから、デューティ比を変えることで潤
滑油を高精度に計量して供給できるようになる。
【0045】また、走行中にステッピングモータ20へ
の給電が何らかの原因によって断たれたときには、復帰
ばね23によって回転カム15がプランジャ最大ストロ
ーク位置まで回転される。すなわち、エンジン運転に必
要な潤滑油供給量は確保される。
【0046】潤滑油ポンプ1が潤滑油を吐出するときに
は、回転カム15にはプランジャ2からの圧力がストッ
パー5を介して伝えられる。その圧力が回転カム15に
加えられているときに回転カム15を回そうとすると、
ステッピングモータ20は過負荷となって脱調を起こし
やすくなる。本発明に係る潤滑油装置では、以下に説明
するようにして脱調状態から復帰させている。
【0047】図9において、ステップaのときにはプラ
ンジャ2が吐出状態でストッパー5が回転カム15に押
し付けられているので、このときに回転カム15を回転
させるにはストッパー5との摩擦力以上の回転トルクを
必要とする。このとき、他の摩擦等も加えた抗力がモー
タトルク以上になると、ステッピングモータ20は回転
パルスを与えられているにも係わらず回転することがで
きなくなる。
【0048】ところが、エンジンが回転しプランジャ2
が反対方向へ移動するようになると、回転カム15に加
えられる圧力は激減し、そのときに発生しているモータ
トルクによって本来制御される位置へ回転カム15が回
転される。
【0049】すなわち、図9中ステップb,cのときに
はステッピングモータ20は与えられたパルス通りに回
転できる。ステップd,eのときにはa点同様の状態と
なってステッピングモータ20の位相周期が1/4ずれ
ることになるが、この後、プランジャ2から回転カム1
5に加えられる圧力が激減し、次のステップfのときに
は目標位置へ回転することになる。
【0050】このため、潤滑油ポンプ1のストッパー5
が回転カム15に接している間に回転するステッピング
モータのステップ数が、位相周期の1/2周期分(本実
施例の場合では4ステップ)より少なければ脱調しない
ことになる。本実施例のようにステッピングモータ20
をエンジン5回転毎に1位相ずつステップ動作させれ
ば、ステッピングモータ20は脱調することがなくな
る。
【0051】また、エンジン回転数およびスロットル開
度が一定でステッピングモータ20での目標位置が変化
しないときには、ステッピングモータ20は図11に示
すように動作する。供給潤滑油量を変えるときには図1
1に示すように回転カム15および出力軸21が目標位
置に向かって徐々に回転し、数ステップ後に同図中X1
点で目標位置と同じ角度となって停止する。
【0052】そして、目標位置に到達した後に、図11
中X2 で示すように、次のステップでも目標位置に変化
がなければ、ステッピングモータ20へ通電される電流
量は保持トルクが生じる量まで減らされることになる。
エンジンの運転状態が変わり目標位置が別の位置となっ
たときには再び通電され、ステッピングモータ20の最
大トルクが発生するようにして制御動作が再開される。
【0053】このようにするとステッピングモータ20
に通電される電流が必要最小限となり、電力消費量が少
なくなる。
【0054】また、2サイクルエンジンが要求する潤滑
油量は、軽負荷のときは少なくてよく微量な分解能を必
要とするが、負荷が大きいときは潤滑油量は多く必要と
し、このときにはその供給量に見合った割合の分解能が
あれば十分である。すなわち、本実施例で示したように
回転カム15をステッピングモータ20の出力軸21に
対して偏心させて回転カム径を変えるようにすると、プ
ランジャストロークが小さなときは変化量が少なくなる
と共に回転角に対する分解能が小さくなり、プランジャ
ストロークが大きなときにはストローク量に見合った分
解能が得られる程度に変化量が大きくなるので、それぞ
れの状態で適切な潤滑油供給量精度を得ることができ
る。
【0055】なお、上記実施例ではステッピングモータ
としてPM型のものを使用した例について説明したが、
他の種類のステッピングモータを使用することもでき
る。さらに、上記実施例ではエンジンの運転状態をエン
ジン回転数とスロットル開度とから推定して回転カムの
目標位置を決定した例を示したが、スロットル開度の代
わりに吸気圧力や排気圧力を用いてエンジン運転状態を
推定することもできる。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る2サイ
クルエンジンの潤滑油供給装置は、プランジャストロー
クを変えるストローク設定部材を、プランジャに当接し
てプランジャの動作を規制するストッパーと、このスト
ッパーが常時係接する回転カムとによって構成し、この
回転カムに駆動用ステッピングモータを連結すると共
に、回転カムのカム面におけるプランジャストロークが
小さくなる方の端部に、プランジャストロークが実質的
に0となる高さの突出段部を形成し、前記ステッピング
モータに、回転カムの突出段部にストッパーが係接した
状態と、この突出段部より低いカム面にストッパーが係
接した状態とでON、OFFを切り換えて潤滑油供給量
をデューティ制御する制御装置を接続したため、潤滑油
はデューティ比で定められた時間だけエンジンへ供給さ
れるから、デューティ比を変えることで潤滑油を高精度
に計量して供給できるようになる。
【0057】したがって、アイドリング時などのエンジ
ン回転数が小さいときであっても潤滑油を適量だけ供給
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る潤滑油供給装置に使用する潤滑油
ポンプの縦断面図である。
【図2】潤滑油ポンプのストローク設定機構を示す断面
図である。
【図3】図2におけるIII−III線断面図である。
【図4】ステッピングモータを模式的に示す概略構成図
である。
【図5】ステッピングモータの励磁方式を示す図であ
る。
【図6】本発明に係る潤滑油供給装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図7】本発明に係る潤滑油供給装置に用いる目標回転
位置マップを示す図である。
【図8】本発明に係る潤滑油供給装置に用いるデューテ
ィ比マップを示す図である。
【図9】エンジン回転数が変化するときのステッピング
モータのタイミングチャートである。
【図10】エンジン回転数とステッピングモータの回転
数の関係を示すグラフである。
【図11】エンジン回転数が一定のときのステッピング
モータのタイミングチャートである。
【図12】従来の潤滑油供給装置の問題点を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
1 潤滑油ポンプ 2 プランジャ 5 ストッパー 15 回転カム 15c 突出段部 20 ステッピングモータ 25 制御装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑油をエンジンへ供給するエンジン駆
    動式プランジャポンプを備え、ストローク設定部材によ
    ってプランジャストロークを変える2サイクルエンジン
    の潤滑油供給装置において、前記ストローク設定部材
    を、プランジャに当接してプランジャの動作を規制する
    ストッパーと、このストッパーが常時係接する回転カム
    とによって構成し、この回転カムに駆動用ステッピング
    モータを連結すると共に、回転カムのカム面におけるプ
    ランジャストロークが小さくなる方の端部に、プランジ
    ャストロークが実質的に0となる高さの突出段部を形成
    し、前記ステッピングモータに、回転カムの突出段部に
    ストッパーが係接した状態と、この突出段部より低いカ
    ム面にストッパーが係接した状態とでON、OFFを切
    り換えて潤滑油供給量をデューティ制御する制御装置を
    接続したことを特徴とする2サイクルエンジンの潤滑油
    供給装置。
JP4032996A 1992-01-24 1992-01-24 2サイクルエンジンの潤滑油供給装置 Pending JPH05195740A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005275177A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Seiko Precision Inc 絞り装置およびこれを用いたデジタルカメラ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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