JPH05195389A - 丸編機用機械式テークオフ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 比較的硬い天然繊維で作られた糸に対して使
用される場合にも、生地の収縮を生じさせないテークオ
フ装置の提供。 【構成】 ダブルシリンダ型丸編機用に使用されるよう
に設計され、同軸上に配置された二つの隣接するテーク
オフエレメント６，７からなり、両エレメント６，７の
間を編成生地が通過するようになっている。前記エレメ
ント６，７の一方は静止しており、他方はニードルシリ
ンダと共に回転可能である。各エレメントは、反対方向
に巻いた螺旋６１，７１表面を具えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、二つの互いに隣接した
同心的に配置された円形のテークオフエレメントを具
え、その一方のエレメントは回転可能であり、両者の間
を編成生地が通過するようになっている、丸編機特にダ
ブルシリンダの靴下編機用の機械式テークオフ装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】一方のテークオフエレメントが螺旋状の
パターンを具えた作動表面を有する前記タイプの装置を
持った靴下製造用のダブルシリンダ丸編機は公知であ
る。この螺旋表面は、編成生地をウェール方向にガイド
するための回転中心に向かう溝を具えた相手側のテーク
オフエレメントの丸い表面と連携するように設計されて
いる。作動時に両エレメントは互いに接触し、螺旋表面
を具えた方の回転しないエレメントが、編成生地をニー
ドルから離れる方向に移動させ、一方、他方のエレメン
トが編成生地を保持してコース方向に短くならないよう
にしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】この装置は確実に作動
するけれども、比較的硬い天然繊維で作られた糸に対し
て使用される場合には問題を生じる。特に、靴下の踵の
部分を編成する場合には、編成生地は一方の方向のみに
引っ張られるので、次第に増大する踵部分と甲又は足裏
の部分との間の領域で生地の切断が生じることがある。

【０００４】こうした従来の技術の問題点を解決し、改
善されたこのタイプのテークオフ装置を提供することが
本発明の目的である。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この目的は、二つのテー
クオフエレメントが、それぞれ編成生地と係合する螺旋
を有する表面を具え、それぞれの螺旋の向きが互いに反
対になっているテークオフ装置によって達成される。本
発明の利点は、編成生地がその表面と裏面の両方からね
じ的に駆動され、互いに反対方向の螺旋が生地の収縮を
防止することにある。この他に、二つの表面がその間の
編成生地と完全に相互係合しているので、両テークオフ
エレメントを互いに小さい力で押し付け合う必要がな
い。

【０００６】以下、図面に示す好適実施例に基づいて、
本発明を更に詳細に説明する。

【０００７】

【実施例】図１に示されるように、周知のダブルシリン
ダ型丸編機は上部ニードルシリンダ１と下部ニードルシ
リンダ２を具え、その長手方向の溝には周知の双頭ニー
ドルとニードル制御用シンカとが設けられている。下部
シリンダ２においてニードルはノックオーバシンカ３と
連携し、上部シリンダ１においてはプレスオフシンカ４
と連携している。

【０００８】下部の円筒状テークオフエレメント６は静
止しているテークオフチューブ５に固定され、その上部
円錐面は左方向の巻いた螺旋表面６１を具えている。上
部の円筒状テークオフエレメント７はその下部端面に右
方向に巻いた前者に対応する螺旋表面７１を具えてい
る。図２に示すように、螺旋６１，７１は同じ傾斜角を
有するので、二つの螺旋は互いに幾つかの点で交差す
る。

【０００９】上部テークオフエレメント７は、プレスオ
フシンカ４の下部キャリアリング１０に往復動可能に取
付けられ、垂直に可動のロッド８に固定されている。該
ロッド８は前記リング１０内に収容されると共に、プレ
スオフシンカ４の上部キャリアリング１１内にも収容さ
れている。この構成により、下部テーフオフエレメント
６は作動の際に下部ニードルシリンダ２と共には回転せ
ず、一方、上部テークオフエレメント７と上部ニードル
ードルシリンダ１とは共に回転するようになっている。
靴下のウエルトの編成時には、編み込まれる弾性糸によ
って編成生地は中心方向に増大し、上部テークオフエレ
メント７は周知のカム機構（図示しない）によってロッ
ド８に沿って最高高さ位置に持ち上げられる。ウエルト
が完成した後、上部エレメント７は下降し、編成生地を
下部テークオフエレメント６上に押し付ける。同時に、
バキュームテークオフが作動し、増大した編成生地は表
面６１’上に引き下ろされる。実際のテークオフステッ
プは、回転する編成生地がその面から螺旋表面７１に係
合し、螺旋のパターンの巻き方向に従って半径方向に中
心に向かって移動するように行われる。同じようにそし
て同じ方向に、編成生地は螺旋表面６１によって動かさ
れる。反対方向の捩じれが相互にそれぞれの巻き方向に
おける螺旋効果を打ち消し合うので、編成生地は移動す
るだけで生地の収縮は生じないことは明らかである。

【００１０】本発明の範囲を逸脱することなく、各螺旋
パターンを同軸の二つのテークオフエレメントの内外円
筒表面のいずれかに設けることも可能である。本発明の
他の利点は、編成生地が二つのテークオフエレメントの
間の螺旋の交差点においてのみ押圧されることにある。
前記エレメントの相対運動によって、この点は絶えずそ
の位置を変えているので、編成生地が破れることが防止
される。

【００１１】本発明の装置は、ダブルシリンダ型靴下編
機及びシングルシリンダ型編機の両方に使用可能であ
り、厚手の製品の引き出しを改善する。

【図面の簡単な説明】

【図１】テークオフ装置を具えた丸編機の二つのニード
ルシリンダの部分側断面部である。

【図２】テークオフ装置の軸方向に見た、二つのテーク
オフエレメントの螺旋の互いに反対向きの巻きを示す平
面図である。

【符号の説明】

１…上部シリンダ ２…下部シリンダ ３…ノックオーバシンカ ４…プレスオフシンカ ５…テークオフチューブ ６…下部テークオフエレメント ７…上部テークオフエレメント ６１，７１…螺旋 １０…下部キャリアリング ８…ロッド

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ダブルシリンダ型靴下製造用丸編機の機
   械式テークオフ装置であって、互いに押し合ってその間
   に編成生地の通路を形成している同軸的に設けられた二
   つのテークオフエレメントを具え、該テークオフエレメ
   ント（６，７）は、それぞれ、互いに反対向きに巻いた
   螺旋パターンを具えた編成生地係合表面（６１，７１）
   を有することを特徴とする機械式テークオフ装置。
2. 【請求項２】 両編成生地係合表面（６１，７１）の互
   いに反対向きの螺旋パターンが、同一の傾斜角を有して
   いる請求項１に記載の機械式テークオフ装置。