JPH05194787A - 赤リン系難燃剤及びその製造法 - Google Patents

赤リン系難燃剤及びその製造法

Info

Publication number
JPH05194787A
JPH05194787A JP715592A JP715592A JPH05194787A JP H05194787 A JPH05194787 A JP H05194787A JP 715592 A JP715592 A JP 715592A JP 715592 A JP715592 A JP 715592A JP H05194787 A JPH05194787 A JP H05194787A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
red phosphorus
resin
flame
particles
flame retardant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP715592A
Other languages
English (en)
Inventor
Junji Nomura
順治 野村
Takashi Ito
伊藤  隆
Hiroshi Mikami
宏 三上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP715592A priority Critical patent/JPH05194787A/ja
Publication of JPH05194787A publication Critical patent/JPH05194787A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱可塑性樹脂の難燃化に適した赤リン系難燃
剤に関し、着火燃焼性が消防法の「小ガス炎着火試験」
における着火時間で三秒以上を示し、難燃化すべき樹脂
に直接配合混練して優れた分散性と難燃効果を発揮す
る、取扱い性に優れた難燃剤及び、その製造法の提供。 【構成】 赤リン粒子が、個々に微粒の水酸化マグネシ
ウムにより被覆されており且つ、該被覆赤リンが難燃化
すべき樹脂と相溶性のある熱可塑性樹脂により多孔質に
担持された顆粒体からなる赤リン系難燃剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂を自己消
火性に仕上げるのに適した赤リン系難燃剤に関する。よ
り詳細には、着火危険性、取扱い性および、樹脂との配
合混和性が改良された赤リンをベ−スとする樹脂用難燃
剤に関する。
【0002】
【従来の技術】赤リンは、合成樹脂を難燃化するのに優
れた難燃剤であることは良く知られている。しかしなが
ら、粉末状の赤リンは取り扱う上で発火性及び、環境衛
生上の危険性を有しており、高温や機械的衝撃下での発
火、粉塵爆発や、有毒なホスフィンガスの発生が問題と
なっている。特に、赤リン及び赤リンを含有する組成物
は、昭和63年 5月の改正消防法で危険物第2類「可燃性
固体」に指定され、貯蔵及び取り扱いの法的規制が強化
され、着火に対する防御対策が強く求められるようにな
った。
【0003】これらの問題に対して、赤リンの安全性を
高めて合成樹脂への配合取扱い性を改善するための多く
の提案がなされている。例えば、赤リン粒子表面に水酸
化アルミニウムを析出させる方法(米国特許第2359
243)、赤リンの表面を熱硬化性樹脂で被覆する方法
(特開昭51−105996)、90℃以上の軟化点を
有するポリカ−ボネ−ト、ポリアミド、飽和ポリエステ
ル、ポリオレフィン、アクリル酸またはアクリレ−トか
ら誘導されるポリマ−、ポリ四フッ化エチレン、ポリイ
ミド−アミド、およびポリイミドから成る群から選ばれ
た熱可塑性ポリマ−によるカプセル化赤リン(特公昭5
3−38171)、水酸化アルミニウムの一次被覆層と
ホスフィン補足剤の二次被覆層及び、無機或いは有機の
三次被覆層からなる三重被覆層赤リン(特開55−10
462)等の特許が開示されている。これらの方法は、
いずれも赤リンの発火や、ホスフィンガスの生成を抑制
する効果は認められるものの、粉末状のため、樹脂ペレ
ットとの均一な配合・混和が困難で、所謂マスタ−バッ
チ法によらねばならない欠点を有していることと、上記
の改正消防法に於いて危険物第2類「第1種可燃性固
体」に該当する着火性を示す。ここで、危険物第2類
「第1種可燃性固体」に該当する着火性とは、消防法・
危険物の規制に関する政令に記載されている「小ガス炎
着火試験」に於いて試験物品が三秒以内に着火し、かつ
燃焼を継続すると判定されるものである。
【0004】因みに、着火時間が三〜十秒であるか又
は、火炎を離した後十秒以上燃焼を継続するものは「第
2種可燃性固体」として、また着火時間が十秒を越える
か又は十秒以内に消火するものは非危険物として扱われ
ることになる。最近、この着火性を改善する方法とし
て、赤リン系難燃剤と合成樹脂から成るマスタ−ペレッ
トの表面に分散剤を用いて粉末状無機物の被覆層を形成
させる方法が開示された。(特開平3−259956)
しかしこの場合、上記した如く工程が煩雑である上に、
粉末状無機物の添加量を多く必要とするため、樹脂を難
燃化するために必要な上記組成物の配合量が多くなり、
樹脂の成形加工性及び物理的性質を低下させる問題が有
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、赤リンの着
火性を著しく抑制し、取扱い性に優れ、難燃化すべき樹
脂に直接配合混練して優れた分散性を示して、樹脂物性
を低下させずに高い難燃効果を発揮する赤リン系難燃剤
を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、赤リンの
個々の粒子表面に所定量以上の微粒のゲル状水酸化マグ
ネシウムを付着させた被覆赤リンは、赤リン自体の発火
性が著しく抑制され、自己消火性を発現することの知見
を得た。更に、この被覆赤リン粒子を後述の方法により
難燃化すべき樹脂と相溶性のある熱可塑性樹脂を用いて
多孔質に顆粒化することにより、上記した「小ガス炎着
火試験」に於いて三秒以上の着火性を示すと共に、樹脂
に対して優れた分散性と高い難燃効果が得られるとの知
見を得、本発明をなすに至った。
【0007】すなわち本発明は、赤リン粒子が個々に微
粒の水酸化マグネシウムにより被覆されており、且つ、
熱可塑性樹脂に該被覆赤リンが担持された顆粒体からな
ることを特徴とする赤リン系難燃剤である。詳しくは、
赤リン粒子が個々に微粒の水酸化マグネシウムにより被
覆されており、且つ、難燃化すべき樹脂と相溶性のある
熱可塑性樹脂に該被覆赤リンが担持された多孔質な顆粒
体からなり、「小ガス炎着火試験」における着火時間が
三秒以上であることを特徴とする赤リン系難燃剤であ
る。
【0008】更に詳しくは、該顆粒体中の赤リン粒子の
含有量が30〜70重量%であり、赤リン粒子を被覆し
ている水酸化マグネシウムの量が赤リンの量に対して2
5〜150重量%であり、また、赤リンを担持する熱可
塑性樹脂の量が赤リンに対して20〜150重量%から
なり、顆粒体の空孔率が30〜75%、平均粒子径が
0.3〜5.0mmであることを特徴とする赤リン系難
燃剤である。ここで、平均粒子径とは、50個以上の顆
粒体を無作為に抽出し、倍率20倍の光学顕微鏡で測定
し、得られた粒子径の数平均値である。勿論、肉眼で測
定するに十分な粒子径を有する顆粒体の測定において
は、ノギス等を用いる肉眼での測定で十分である。尚、
後述する実施例に示す平均粒子径も同様にして測定し
た。
【0009】本発明は、種々の熱可塑性樹脂の難燃化に
適用できるが、好適にはビニル芳香族系樹脂、更に好ま
しくはスチレン単量体単位を50重量%以上含むスチレ
ン系樹脂であり、赤リン粒子の担持に使用し得る樹脂
は、自己消化性にすべき樹脂と相溶性のある熱可塑性樹
脂、特に好適には、ポリスチレン、スチレン−アクリロ
ニトリル共重合体、ポリブタジエン変成耐衝撃性ポリス
チレン樹脂及び、ABS樹脂等のスチレン系樹脂から選
ばれる。また、これらのスチレン系樹脂にポリフェニレ
ンエ−テル系樹脂を配合した樹脂組成物に適用すること
もできる。これらの配合樹脂は、機械的物性、熱的物
性、電気的物性等に優れ、家電部品、配電部品、自動車
部品等に広く用いられている。ポリフェニレンエ−テル
系樹脂としては、例えば、ポリ(2、6−ヂメチル−
1、4−フェニレンエ−テル) 、2、6−ジメチルフェ
ノ- ルと2、3、6−トリメチルフェノ−ルとの共重合
体から選ばれる。本発明の難燃剤は、赤リン粒子を30
〜70重量%含有する組成物であるにも拘わらず、消防
法で定められた「小ガス炎着火試験」において三秒以上
の着火時間を示すと共に自己消火性を有することから、
改正消防法に於ける危険物に該当しないか又は、危険物
第2類「第2種可燃性固体」に位置付けられることにな
り取扱いが容易になる。更に、難燃化すべき樹脂と混練
され成形品に加工される工程において、赤リン粉末を直
接配合した場合に比較してより高い難燃効果が発揮され
る。
【0010】上記の作用効果を発現させるための赤リン
粒子に被覆する微粒の水酸化マグネシウムの量は、赤リ
ンに対して25〜150重量%である。25重量%以下
では、個々の赤リン粒子全面に均一な水酸化マグネシウ
ムの被覆が行われないことから、該被覆赤リンが着火し
た際の自己消火性が充分なく、150重量%以上では、
難燃化すべき樹脂に配合した場合の樹脂の物理的性質が
低下するため好ましくない。水酸化マグネウムは個々の
赤リン粒子に対して均一且つ、密着して被覆されること
が必要であり、0.3μm以下の一次粒子からなる微粒
径の非晶質粉末であることが好ましい。また、本発明で
使用する赤リンは、通常の工業的に入手しうる赤リン粉
末が使用できるが、粒子径は大きくても100μm以下
であり、好ましくは、平均粒子径が10〜40μmのも
のが取扱い時の安全性、難燃化すべき樹脂への分散性、
難燃化効果の点で望ましい。
【0011】赤リン粒子への微粒の水酸化マグネシウム
の被覆方法は、予め調整された微粒子の水酸化マグネシ
ウム粉を赤リン粉末と機械的方法で分散、混合する方法
でも良いが、より好ましくは、マグネシウム塩の水溶液
に赤リン粉末を分散させ、攪拌下でアルカリの添加によ
り析出するゲル状の水酸化マグネシウムを赤リン粒子に
付着させることによる。被覆赤リン粒子は、濾過洗浄後
乾燥し、必要なら解砕する。
【0012】次に、上記の被覆赤リン粒子を顆粒状に担
持する樹脂の量は、20〜150重量%、より好ましく
は30〜100重量%である。20重量%以下では水酸
化マグネシウムが被覆された赤リン粒子に緻密な皮膜を
形成し更に、個々の粒子を集合させた顆粒体を形成する
のに充分な量でなく又、150重量%以上では樹脂の難
燃化に必要な本発明の難燃剤の配合量が多くなるため難
燃化樹脂の物性を低下させ好ましくない。また被覆赤リ
ンが担持された顆粒体の空孔率は、30〜75%が好ま
しい。空孔率は本発明難燃剤の着火後の自己消火性およ
び、難燃化すべき樹脂に配合された樹脂成形品の難燃効
果と機械的物性に影響し、30%以下では自己消火性が
低下し、75%以上では機械的物性が低下するので好ま
しくない。また、本発明の被覆赤リン担持難燃剤の粒子
径は、難燃化すべき樹脂ペレットとの配合時の取扱性、
混練時の赤リン粒子の均一分散性の点から0.3〜5mm
の範囲が好ましい。
【0013】本発明の担持に使用される熱可塑性樹脂
は、難燃化すべき熱可塑性樹脂と相溶性のある樹脂から
選ぶことができるが、難燃化すべき樹脂がビニル芳香族
系樹脂、例えば50%以上のスチレン単量体単位を有す
るスチレン系樹脂においては、ポリスチレン、スチレン
−アクリロニトリル共重合体、ポリブタジエン変成耐衝
撃性ポリスチレン、ABS樹脂から選ばれる。
【0014】上記の被覆赤リンを熱可塑性樹脂に担持す
る方法は、マグネシウム塩の水溶液に赤リン粒子を分散
させ、アルカリの添加により赤リン粒子の表面に微粒の
水酸化マグネシウムを析出させる工程及び、ポリスチレ
ン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリブタジ
エン変性耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂から選ばれ
た樹脂を、該樹脂の良溶媒であり且つ、水に可溶性の有
機溶媒に溶解し、該樹脂溶液に前記水酸化マグネシウム
被覆赤リンを均一に分散させ、該分散液を水を凝固浴と
して顆粒状に成形する工程を少なくとも含むことを特徴
とする前記の多孔質な赤リン系難燃剤の製造法である。
担持に用いる熱可塑性樹脂の良溶媒であり且つ、水に可
溶性の有機溶媒に該熱可塑性樹脂を溶解し、該樹脂溶液
に被覆赤リン粒子を均一に分散させ、該分散液を水を凝
固浴として顆粒状に成形した後乾燥することを特徴とす
る。顆粒状に成形する方法としては、ノズルから該分散
液の液滴を水中に滴下させて凝固する方法或いは、回転
円盤上に該分散液を供給して液滴を形成させ、これを水
膜に当てて凝固させる方法等による。凝固の工程で、析
出する樹脂粒子内の溶剤分子が水分子に置換された部分
が乾燥後に微細な空孔として顆粒体内に形成される。
【0015】また、本発明の担持に用いる溶媒は、これ
らの樹脂の良溶媒であり且つ、水に可溶性のある溶媒か
ら適宜選択しうるが、一般的にはジメチルホルムアミ
ド、ヂメチルスルホキサイド、アセトン、ジオキサン、
テトラヒドロフランより選ばれる1種又は2種以上の混
合溶媒を使用することができる。上記の被覆赤リン粉末
と担持に使用する熱可塑性樹脂及び、溶媒の量比は、本
発明の難燃化剤の赤リンと樹脂の量比及び、顆粒体の空
孔率を基準として決定される。使用する溶媒量が赤リン
粉末及び樹脂の総量に対して著しく多い場合は、顆粒体
の空孔率が高くなりすぎ、一方著しく少ない場合は、空
孔率は低くなり、好ましくは使用する熱可塑性樹脂に対
して2〜10容量倍である。
【0016】本発明の樹脂担持赤リンには、フォスフィ
ンガスと反応するフォスフィン捕捉剤および、赤リン固
有の着色を隠蔽するための白色顔料などを含有させるこ
ともできる。ホスフィン捕捉剤としては、公知の物質が
使用でき、例えば、特開昭49−114551号記載の
MoS2 ,PbO2 ,HgCl2 ,FeCl3 ・6H 2
O,CuO,活性炭、並びに特開昭50−39742号
記載のアミドスルホン酸、硫酸水素アンモニウム、及び
特公昭61−39987号記載のアルデド又はβ−カル
ボニル含有ケトン等から選ぶことができまた、白色顔料
としては、酸化チタン、亜鉛華、炭酸カルシウム、シリ
カ粉等から選ぶことがでる。
【0017】本発明の難燃剤は、赤リン粉末を30〜7
0重量%含有するにもかかわらず、着火危険性が低く、
「小ガス炎着火試験」における着火時間が三秒以上を示
し且つ、着火後も火炎を離すと消火性を示す。又、本発
明の難燃剤は、難燃化すべき熱可塑性樹脂のペレットと
所望の難燃化度を達成するに必要な量比で配合され、通
常の樹脂混練方法、例えば押出機、ロ−ル混練機、バン
バリ−ミキサ−等の混練装置を用いて、直接難燃化配合
樹脂を得ることができ、配合過程での取扱い性が著しく
改善されると共に、樹脂物性の低下がなく、高い難燃効
果を発揮する。
【0018】
【実施例】次に、実施例及び比較例によって本発明を更
に詳細に説明する。
【0019】
【実施例1】 水酸化マグネシウム被覆赤リンの調整 塩化マグネシウム六水塩 276gを水1000mlに溶解し、こ
れに平均粒子径20μm工業用赤リン粉末 100gを懸濁さ
せ、攪拌および窒素ガスの導入下で10%の水酸化ナトリ
ウム溶液をpH価が12.0になるまで滴下し、60℃で 2時
間反応させた。続いて、沈澱を濾過し、水で洗浄し、80
℃、窒素気流中で乾燥した。乾燥粉は、磁器製ボ−ルミ
ルで30分粉砕した。
【0020】得られた粉末は、電子線マイクロアナライ
ザを用いた表面分析と、X線回折の結果、赤リン粒子の
表面が約 0.1μm の粒子径からなる水酸化マグネシウム
により均一に被覆されていた。また、赤リンと水酸化マ
グネシウムの重量比は 1対0.75であった。 被覆赤リン/樹脂顆粒体の調製 ポリスチレン樹脂(PS)50gをジメチルフォルムアミ
ド 200mlに溶解し、この溶液に上記の水酸化マグネシ
ウム被覆赤リン 175gを添加、攪拌した。この分散液を
下記の回転円盤法造粒装置の 800rpm で回転する円筒カ
ップに注ぎ、生成した液滴を流下する水膜と接触させ樹
脂を析出させた。続いて、生成した粒状体を水洗して溶
媒を除き、水切り後50℃で乾燥し顆粒体を得た。この顆
粒体は平均粒子径0.9 mmの球形粒子であり、液浸法によ
り測定した空孔率は61%、顆粒体中の赤リンの含有量は
44重量%であった。この顆粒体の発火性を表1に示す。
(回転円盤法造粒装置)直径 4mmの穴が同心円上に20個
ある内径 5cmの円筒カップが軸受けを介してモ−タ−と
接続され、この円筒カップの外周半径25cmの所に円筒状
に水膜が流下するよう装備された装置。
【0021】被覆赤リン/樹脂顆粒体と樹脂の配合、
成型 10重量%のポリブタジエン成分を含むポリブタジエン変
成耐衝撃性ポリスチレン樹脂 100重量部とポリフェニレ
ンエ−テル樹脂(2,6-ジメチル-1,4−フェニレンエ−テ
ル重合体)15重量部及び、上記の赤リン顆粒体7.0 重量
部(赤リンとし3.5 重量部)を混合し、ブラベンダ−混
練機により難燃化樹脂組成物を得た。次いで、プレス試
験機により試験片を作成し物性を測定した結果、UL−
94の垂直燃焼試験でV−Oに合格すると共に、アイゾ
ット衝撃強度(ASTM D-256によるノッチ付で測定) が6.
5 kg-cm/cmを有した。また、混練過程及び、プレス成形
シ−トを燃焼した燃焼ガスのホスフィンガスの発生を光
明理化製のガス検知管を用いて測定した結果はいずれも
0.1ppm以下であった。
【0022】
【実施例2〜7】実施例1と同様にして赤リンへの水酸
化マグネシウムの被覆量を変えた被覆赤リンを3種類調
整し、これらを用いて被覆赤リン/樹脂顆粒体を調整し
た。使用した樹脂は、実施例2〜5はポリスチレン樹脂
(PS)、実施例6では10重量%のポリブタジエン成分
を含むポリスチレン変成耐衝撃性ポリスチレン樹脂(H
IPS)また、実施例7ではABS樹脂(ABS)であ
る。それらの内容と着火性を表1に示す。
【0023】
【比較例1〜3】市販の安定化赤リン粉末(水酸化チタ
ンが赤リンの10重量%被覆された安定化赤リン)の物性
(比較例1)及び、これをポリスチレン樹脂で担持した
顆粒体(比較例2)又、実施例1と同様に水酸化マグネ
シウムで被覆した後、ポリスチレンン樹脂で担持した顆
粒体の物性を表1に合わせて示す。
【0024】尚、表に示す試験方法は下記の通りであ
る。 発火温度:示差熱分析装置を用い、10℃/minの昇温速度
で加熱して発火による発熱ピ−クの立ち上がる温度。 着火時間:陶磁器タイル上に試料 3mlを半球状に置き、
液化石油ガスの火炎(先端が棒状の着火器具の口の上に
向けた状態で70mmになるように調節)を接触させ、着火
するまでの時間を測定し、10回繰り返した平均値。
【0025】消火時間:上記の着火試験において火炎を
10秒当てた後、火口を取り去り消火するまでの時間を測
定し、10回繰り返した平均値。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】実施例1及び表1に示される様に、本発
明の微粒の水酸化マグネシウムを赤リン粒子に被覆さ
せ、更にこれを熱可塑性樹脂で多孔質に担持させた顆粒
体は、発火温度が従来方法に比較し 100℃以上向上し、
着火時間が三秒以上に延長すると共に、消火時間が三十
秒以下の自己消火性を示し、改正消防法の危険物に該当
しないか又は、危険物第2類の「第2種可燃性固体」に
該当する程度に着火危険性が改善される。更に、本発明
の難燃剤を直接熱可塑性樹脂のペレットと配合混練し
て、樹脂の物理的性質を損なうことなく高い難燃効果が
得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤リン粒子が個々に微粒の水酸化マグネ
    シウムにより被覆されており、且つ、熱可塑性樹脂に該
    被覆赤リンが担持された顆粒体からなることを特徴とす
    る赤リン系難燃剤。
  2. 【請求項2】 マグネシウム塩の水溶液に赤リン粒子を
    分散させ、アルカリの添加により赤リン粒子の表面に微
    粒の水酸化マグネシウムを析出させる工程及び、ポリス
    チレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ポリブ
    タジエン変成耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂から選
    ばれた樹脂を、該樹脂の良溶媒であり且つ、水に可溶性
    の有機溶媒に溶解し、該樹脂溶液に前記水酸化マグネシ
    ウム被覆赤リンを均一に分散させ、該分散液を水を凝固
    浴として顆粒状に成形する工程を少なくとも含むことを
    特徴とする前記請求項1記載の多孔質な赤リン系難燃剤
    の製造法。
JP715592A 1992-01-20 1992-01-20 赤リン系難燃剤及びその製造法 Withdrawn JPH05194787A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP715592A JPH05194787A (ja) 1992-01-20 1992-01-20 赤リン系難燃剤及びその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP715592A JPH05194787A (ja) 1992-01-20 1992-01-20 赤リン系難燃剤及びその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05194787A true JPH05194787A (ja) 1993-08-03

Family

ID=11658184

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP715592A Withdrawn JPH05194787A (ja) 1992-01-20 1992-01-20 赤リン系難燃剤及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05194787A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0814119A1 (de) * 1996-06-21 1997-12-29 BASF Aktiengesellschaft Flammgeschützte Polystyrolschaumstoffe
CN111748127A (zh) * 2020-06-18 2020-10-09 衡阳师范学院 一种新型红磷微胶囊及其制备方法
CN112552636A (zh) * 2020-12-09 2021-03-26 重庆普利特新材料有限公司 一种含纳米级阻燃剂的无卤阻燃自熄abs树脂及其制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0814119A1 (de) * 1996-06-21 1997-12-29 BASF Aktiengesellschaft Flammgeschützte Polystyrolschaumstoffe
CN111748127A (zh) * 2020-06-18 2020-10-09 衡阳师范学院 一种新型红磷微胶囊及其制备方法
CN112552636A (zh) * 2020-12-09 2021-03-26 重庆普利特新材料有限公司 一种含纳米级阻燃剂的无卤阻燃自熄abs树脂及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4208317A (en) Flameproofed plastic compositions
EP0861856B1 (en) Fine polytetrafluoroethylene powder and production and uses thereof
Miyata et al. Fire‐retarding polypropylene with magnesium hydroxide
US4242240A (en) Compositions intended for the flameproofing of plastics
Wang et al. Performance of an intumescent‐flame‐retardant master batch synthesized by twin‐screw reactive extrusion: effect of the polypropylene carrier resin
Sen et al. Coir-fiber-based fire retardant nano filler for epoxy composites
CN103703070B (zh) 含有缩合型膦酸酯的阻燃剂及阻燃性树脂组合物
Ji et al. Toward an understanding of how red phosphorus and expandable graphite enhance the fire resistance of expandable polystyrene foams
Duquesne et al. Influence of talc on the fire retardant properties of highly filled intumescent polypropylene composites
Zhou et al. Facile preparation of nickel phosphide (Ni12P5) and synergistic effect with intumescent flame retardants in ethylene–vinyl acetate copolymer
CN110079012B (zh) 石墨烯/poss复合协效无卤阻燃聚丙烯复合材料及其制备方法
EP0731136B1 (en) Low-temperature-resistant halogen-free, flame-retardant polyolefin-based resin composition
CN110483898A (zh) 一种高流动性耐析出无卤阻燃剂及其制备方法和应用
CN104877177B (zh) 一种包覆型阻燃剂及其制备方法与应用和由其组成的模塑组合物
Zhang et al. Synthesis of microencapsulated zinc stannate and its application in flame‐retardant poly (vinyl chloride) membrane material
GB2272444A (en) Flame retardants
JP3369137B2 (ja) 樹脂複合組成物、難燃性材料及びこれらの製造方法
US5041490A (en) Method for producing red phosphorus flame retardant and nonflammable resinous composition
CN101838409B (zh) 渣油阻燃剂组合物与阻燃聚烯烃复合材料及其制备方法
JPH05194787A (ja) 赤リン系難燃剤及びその製造法
Cai et al. The effects of DOPO modified Co-based metalorganic framework on flame retardancy, stiffness and thermal stability of epoxy resin
RU2051931C1 (ru) Концентрат добавки антипирена для термопластов и способ его получения
CN110408106A (zh) 一种共混型电缆护套材料及其制备方法
CN112940439B (zh) 阻燃型abs复合材料及其制备工艺
CN113004734B (zh) 一种功能化石墨烯阻燃环氧树脂地坪漆及其制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990408