JPH05193517A - キャスターおよびキャンバーの読みに対するsaiおよびキャスターの補償方法 - Google Patents

キャスターおよびキャンバーの読みに対するsaiおよびキャスターの補償方法

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JPH05193517A JP4248236A JP24823692A JPH05193517A JP H05193517 A JPH05193517 A JP H05193517A JP 4248236 A JP4248236 A JP 4248236A JP 24823692 A JP24823692 A JP 24823692A JP H05193517 A JPH05193517 A JP H05193517A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車輪のアライメントにおいてキャスターおよ
びキャンバーの測定に対して、SAIおよびキャスター
の補償方法を提供する。 【構成】 測定装置(12L、12R)が車両の左右の
操向可能輪(10L、10R)に取付けられ、この測定
装置により行われた測定に基いてキャスターが各車輪従
って計算され、ゼロのトウにおけるピッチが左右の車輪
(10L、10R)に対して決定され、操向軸の傾き
(SAI)の補償項が決定される。生のキャスターは車
輪の生のピッチ、車輪に対して計算されたキャスター、
車輪に対するゼロのトウにおけるピッチ、およびSAI
補償項を用いて計算され、生のキャスターを表わす出力
が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輪のアラインメント
技術に関する。特に、本発明は、車輪アラインメントに
おいてキャスターおよびキャンバ−を測定するための改
善された技術に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】自動
車の車輪が適正に摩耗するため、また車両を適正に操作
するためには、自動車の車輪が適正に整合されることが
重要である。更に、車輪の適正なアラインメントは燃料
消費を減少させ車両の安全性を増す。適正な車輪アライ
ンメントを達成するため典型的に測定され調整される車
輪アラインメントのパラメータは、キャンバ−、キャス
ター、操向軸の傾き(SAI)、ピッチおよびトウであ
る。
【0003】キャンバ−角度は、垂直に対する車輪面の
傾きである。このキャンバ−角度は車輪が頂部で外側へ
傾く時は正と見做され、車輪が内側に傾く時は負と見做
される。自動車の車輪はいずれもキャンバ−を持ち得
る。
【0004】キャスター角度は、垂直に対する操向可能
輪(典型的には、前輪の一方)の操向軸の側面における
角度である。このキャスター角度は、操向軸が後方(上
方向)に傾く時は正と見做され、操向軸が前方に傾く時
は負と見做される。
【0005】操向軸の傾き(SAI)即ちキングピンの
傾きは、操向軸と垂直間の前面における角度である。
【0006】ピッチとは、車輪面内のセンサの回転を測
定する角度である。ピッチ角度は地面に対して測定され
る。
【0007】指定された車輪荷重即ちばね上荷重に対す
る車輪中心の相対的位置における静的トウ角度は、車両
の長手方向軸と車輪面および路面の交差線との間の角度
である。車輪は、その前方部分が車両の長手方向の中心
軸に向けて曲がるならば、「トウ・イン」と呼ばれる。
車輪は、その前方部分が車両の長手方向の中心軸から離
れる方向に曲がるならば、「トウ・アウト」である。
【0008】キャンバ−、キャスター、SAIおよびピ
ッチは、典型的には、車輪に取付けられる1つ以上の傾
斜計を用いて測定される。キャンバ−の測定のために
は、傾斜計は、車輪面が垂直となす角度を測定する。こ
れは、ピッチの測定と類似する。キャスターの測定のた
めには、車輪は円弧に沿って転動され(即ち、「キャス
ター揺れ」が実施され)、キャンバーの読み間の差を用
いてキャスター角度を得る。SAIは、車輪が円弧に沿
って転動される時SAIの読みに用いた傾斜計が車輪面
内の線の傾斜角度の変化を測定することを除いて、キャ
スターと似た方法で測定される。SAIの測定用傾斜計
は、キャンバ−およびキャスターを読取るため使用され
る傾斜計に対して90°に整合される。
【0009】上記の説明から、キャスターが大半の車両
において直接測定可能であるアラインメント角度ではな
いことが判る。むしろ、キャスター揺れは、車両のキャ
スターの測定値を得るために必要である。同じことがS
AIについても言える。キャスターに対するその時の即
ち生の読みを得るためには、生のキャスター調整計が提
供される。この調整計を適正に使用するために、オペレ
ータは測定中の車輪のトウが0°プラスまたはマイナス
小さな公差値となることを確認しなければならない。こ
のため、測定中の車輪のトウが許容公差内にある時を示
すため、「トウがゼロである」計器が、生のキャスター
調整計と共に提供される。
【0010】以前のアラインメント・システムは生のキ
ャスターを得るため下記の式を使用する。即ち、 live caster=live_pitch−pitch_at_zer o_toe−calculated caster (式1) この式においては、生のピッチ(live_pitc
h)がピッチ・センサから測定された生の読みである。
ゼロのトウにおけるピッチ(pitch_at_zer
o_toe)および計算キャスター(calculat
ed_caster)値は定数である。ゼロのトウにお
けるピッチは、各車輪におけるトウをゼロにし、次にピ
ッチを読取ることにより、キャスター揺れの終りに得ら
れる。これは、トウが非常に正確に設定されねばならな
い故に、時間を費やすステップである。このステップ
は、新しい発明においては排除される。計算キャスター
値は、Kline等の米国特許第5,014,227号
における式を用いて決定される。
【0011】キャスターは、SAIがピッチの読みに影
響を及ぼすのと同じようにキャンバ−の読みに影響を及
ぼす。大半の車両では、キャスター角度はSAIよりは
るかに小さい。従って、キャンバ−に対するキャスター
の影響は、測定中の車輪のトウがゼロでなければ、キャ
スターに対するSAIの影響より顕著でない。しかし、
更に正確なキャンバ−の読みを得るためには、キャンバ
−の読みに対するキャスターの影響を実質的に最小限に
抑えることが望ましい。典型的には、これらの影響を最
小限に抑えるためには、測定中の車輪のトウはゼロ、プ
ラスまたはマイナス非常に小さな公差値に置かれること
になる。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、車輪が非ゼロ
のトウ位置にある時SAIの影響に対してキャスターの
補償が可能なように、また車輪が非ゼロのトウ位置にあ
る時はキャスターの影響に対してキャンバ−の補償が可
能なように、新しいキャスターおよびキャンバ−測定法
を提供する。このようなシステムは、測定中の車輪のト
ウをゼロにする時間を費やすプロセスの必要を排除す
る。
【0013】測定装置は、左右の操向可能輪上に取付け
られる。この測定装置により行われた測定に基いてキャ
スターが各車輪に対して計算される。ゼロのトウにおけ
るピッチが左右の車輪に対して決定され、操向軸の傾き
(SAI)の補償項もまた決定される。生のキャスター
は、車輪の生のピッチ、車輪に対して計算されたキャス
ター、車輪に対するゼロのトウにおけるピッチ、および
車輪に対するSAI補償項を用いて各車輪に対して計算
される。各車輪に対して計算された生のキャスターを表
わす出力が与えられる。
【0014】別の実施態様においては、測定装置は車輪
に取付けられる。測定装置からの測定値に基いて、キャ
スター補償項が車輪に対して決定される。キャンバ−が
測定装置を用いて車輪に対して測定され、生のキャンバ
−は、決定されたキャスター補償項および測定キャスタ
ーに基いて車輪に対して計算される。
【0015】
【実施例】
A.車輪アラインメント・システム 本発明の新しいキャスターおよびキャンバ−測定法は、
測定中の車輪が非ゼロのトウ位置にある時、生のキャス
ターおよび生のキャンバ−の読みおよび調整を行うこと
を可能にする。図1および図2は、自動車の車輪を示し
ている。前輪10Lおよび10Rは車両に対する左右の
操向可能輪であり、後輪11Lおよび11Rは操向不能
である。図1は左方に曲がる位置における車輪10L、
10Rを示し、図2は右方に曲がる位置における車輪1
0L、10Rを示している。ヘッド装置12Lおよび1
2Rは、それぞれ前輪10Lおよび10Rに取付けられ
る。
【0016】生のキャスター読みに対するSAI補償を
提供するため、また生のキャンバ−読みに対するキャス
ター補償を提供するため、SAIおよびキャスターが参
考のため本文に引用されるKling等の米国特許第
5,014,227号に更に詳細に記載されるものに似
た方法で最初に測定される。要約すれば、Kling等
の特許においては、トウ、キャンバ−および傾斜角度の
測定は、それぞれ車輪10Lおよび10Rに対する左右
のヘッド装置12Lおよび12Rにより行われる。図3
に示されるように、ヘッド装置12L、12Rは、コン
ピュータ16、キーボード18およびディスプレイ20
を含む主コンソール14と接続されている。左側ヘッド
装置12Lは、マイクロプロセッサ22L、左側前対後
トウ・センサ24L、左側交差トウ・センサ26L、左
側キャンバ−・センサ28Lおよび左側傾斜角度センサ
30Lを含む。同様に、右側ヘッド装置12Rは、マイ
クロプロセッサ22R、右側前対後トウ・センサ24
R、右側交差トウ・センサ26R、右側キャンバ−・セ
ンサ28Rおよび右側傾斜角度センサ30Rを含む。後
輪11Lおよび11Rは、車両のスラスト軸を測定する
ための同様なヘッド装置(図示せず)を含む。
【0017】コンピュータ16は、キーボード18から
指令および入力データを受取り、ディスプレイ20を介
して自動車のサービス要員に対して情報および命令を提
供する。コンピュータ16はまた、ヘッド装置12L、
12Rのマイクロプロセッサ22L、22Rからそれぞ
れ測定データを受取る。マイクロプロセッサ22L、2
2Rは、それらの関連するセンサからセンサ信号を受取
り、これら信号を更に分析するためコンピュータ16へ
送る前に必要に応じて処理する。
【0018】各ホイールに対するキャスターおよびSA
Iは、図1および図2に示される左右の曲がり位置で測
定される車輪に対する2つのキャンバ−傾斜角度の読み
における変化に基いてコンピュータ16により計算され
る。一実施態様においては、車輪10L、10Rが最初
に角度X(例えば、7°)だけ左側トウ・アウト位置へ
曲げられる。次いで、車輪10L、10Rは、図2に示
される右側のトウ・アウト位置へ角度X(例えば、7
°)だけ曲げられる。各位置において、ヘッド装置12
L、12Rから測定値が得られる。左右のトウ・アウト
位置で生じた2組の測定値を用いて、反復法を用いて、
或いは式の直接の解によりコンピュータ16によってキ
ャスターおよびSAIが計算される。
【0019】B.キャスター、キャンバ−およびSAI キャンバ−は、車輪がゼロのトウにある時、真の垂直線
から定義される車輪の内側または外側の傾斜である。
【0020】Live_camber(生のキャンバ
ー)は、調整によりキャンバ−における変化を反映する
ため連続的に更新される傾斜計センサによるキャンバ−
角度の測定値である。
【0021】pitch(ピッチ)は、車輪面内のセン
サの回転である。
【0022】Live_pitch(生のピッチ)は、
調整によるキャスターにおける変化を反映するため連続
的に更新される傾斜計センサによるピッチ角度の測定値
である。
【0023】生のキャスター計の読みは、車輪を適正な
アラインメントにするため測定される車輪のキャスター
の調整を可能にするため必要とされる。生のキャスター
計の読みを得るために、車輪10L、10Rは、従来技
術によれば、「ゼロのトウ」位置プラスまたはマイナス
非常に小さな公差値まで曲げられる必要があった。測定
中の車輪がゼロのトウ位置まで移動する必要がある理由
は、全ての車両において形成されるSAIが、トウが0
°あるいはその付近に保持されなければ、測定中の車輪
の生のピッチの読みを変化させることである。この影響
は、単純な操向形態によるものであり、章「C」におい
て詳細に述べる。
【0024】図4は、操向軸の傾き(SAI)を示す図
である。図4は、1つの車輪、例えば車輪10Lおよび
ストラット32を示す。SAIは、真の鉛直線である軸
34と、車輪10Lが0°のキャンバ−である時ストラ
ット32の中心を通る投影線36との間の角度として定
義される。
【0025】図5は、キャスターを示す図である。図5
は、操向可能輪10L、ならびに真の鉛直線を表わす軸
34を含む。キャスターは、車輪が円弧に沿って曲げら
れる時、軸34に対する操向ナックル即ち主軸支持の後
方または前方の傾斜により決定される角度である。図5
は、正のキャスターを有する車輪を示す(即ち、角度は
真の鉛直線34から操向ナックルの後方への傾斜として
定義される)。
【0026】図6は、キャンバ−を示す図である。図6
は、操向可能輪10Lならびに真の鉛直線を示す軸34
を含む。キャンバ−は、真の鉛直線34から度あるいは
度の小数単位で測定される。これは、図6のAに示され
る。図6のBは、正のキャスターを有する操向可能輪1
0Lを示す(即ち、車輪は、真の鉛直線34に対して頂
部で外側に傾斜している)。図6のCは、負のキャンバ
−を有する車輪10Lを示す(即ち、車輪は、真の鉛直
線34に対して頂部で内側に傾斜している)。
【0027】C.生のキャスターに対するSAIの影響
の補償 図7のA乃至Dは、キャスター調整計から得た生のキャ
スターの読みに対するSAIの影響を示している。図7
のAは、x、yおよびz軸を有する3次元目盛りを示し
ている。z軸が対応する左前輪10Lの中心を通り、x
軸が対応する右後輪11Rを通る状態で、右前輪10R
の如き操向可能輪が目盛り40の中心に置かれたものと
すれば、x軸に対する車輪10Rの回転角は車輪10R
のピッチを規定することになる。y軸に対する車輪10
Rの回転角は、車輪のトウ角度を規定することになる。
SAIが図7Aに示される状態とすれば、車輪10Rに
対する操向入力はトウおよびピッチ面内の回転を生じる
ことになる。
【0028】図7Bは、ゼロのトウにおける車輪10R
を示している。図7Bは、車輪10Rがゼロのトウ位置
にある時、ヘッド装置12Rが実質的に水平になること
を示す。しかし、図7Cは、車輪10Rがトウ・イン位
置にある時、SAI角度により車輪10Rがトウおよび
ピッチ面内で回転することにより、ヘッド装置12Rを
下方へ傾斜させることを示す。図7Dは、車輪10Rが
トウ・アウト位置にある時SAI角度がトウおよびピッ
チ面内の回転を生じることにより、ヘッド装置12Rを
上方へ傾けることを示す。SAIのピッチに対するこれ
らの影響の故に、今日のアラインメント・システムは車
輪のトウ角度が生のキャスターの読みに対してゼロかゼ
ロに非常に近くになるように測定されることを要求す
る。
【0029】しかし、SAI、キャスターおよびトウ間
の関係が下式により定義されることが判った。即ち、 Δtoe=cos(SAI)*操向入力角度 (式2) Δpitch=sin(SAI)*操向入力角度 (式3) ピッチの変化(△pitch)およびトウの変化(△t
oe)を測定することができる。また、SAIは、Kl
ing等の米国特許第5,015,227号に更に詳細
に記載されるキャスター揺れ手順を用いて計算すること
ができる。操向入力角度は未知であり、下記の如き式2
および3を組合わせることにより取除くことができる。
即ち、 Δpitch=tan(SAI)*Δtoe (式4) このため、式4は、与えられたトウ角度におけるSAI
により生じるピッチ変化を計算する機構を提供する(即
ち、式4は、SAI補償項を提供する)。しかし、キャ
スターに対するSAIの影響に対する最終補償項を得る
ためには、キャンバー角度もまた考慮に入れなければな
らない。従って、式4は、下記の如き最終SAI補償項
を与えるように修正することができる。即ち、 Δpitch=tan(SAI+live camber)*Δtoe (式5) 生のキャスター(live camber)の読み(式
1)に対するSAI補償項を前式に加えることにより、
新しい式が得られる。即ち、 live caster=live pitch+tan(SAI+live camber)* Δtoe−pitch_at_zero_toe+calculated c aster (式6) 新しい生のキャスター(live caster)式
は、測定中の車輪がゼロでないトウ位置にある時、生の
キャスター計を用いて生のキャスターが正確に測定でき
表示できるように、SAIの補償項を含む。
【0030】これにより、補償項を用いることにより、
幾つかの利点が得られる。キャスターの揺れ手順は短縮
することができる。車輪がゼロのトウ位置にある時、キ
ャスター揺れの終りにピッチを得る必要はない。ゼロの
トウにおけるピッチ(pitch_at_zero_t
oe)は、式5を用いて直接調整することができる。式
5は、ゼロのトウのピッチに対する下式を生じるように
操作することができる。即ち、 pitch_at_zero_toe=pitch_at_zero_ste ering_angle+toe_at_zero_steering_ang le*tan(SAI+Camber) (式7) また、両方のホイールに対するトウの読みのみが1つの
位置で使用されればよい。これは、各操向可能輪が個々
に定置されることを必要とした前のキャスターの揺れ手
順からの完全ステップを排除する。更に、車輪がゼロの
トウ位置にあるかどうかに拘わらず生のキャスターの読
みが正確であるため、オペレータはたとえゼロでないト
ウ位置でも車輪に対するキャスター調整を行うことがで
きる。このため、はるかに早く調整を行うことができ
る。
【0031】図8は、本発明のキャスター測定のための
新しいキャスター揺れ手順および手法を示すフロー図で
ある。図8は、コンピュータおよびオペレータの両ステ
ップを含む。第1に、操向可能輪は第1の転向位置、本
例では左方のトウ・アウト位置へ曲げられる。これは、
ブロック40により示される。次いで、ブロック42に
より示される如く測定装置12L、12Rから読みを得
る。次に、車輪10Lおよび10Rは、第2の転向位置
即ち右方のトウ・アウト位置へ操向される。次いで、右
方トウ・アウト位置で測定装置12L、12Rから読み
を得る。これは、ブロック44および46により示され
る。これら2組みの読みから、Kling等の特許に示
される教示を用いてSAIおよびキャスターを計算する
ことができる。
【0032】次いで、ピッチを決めるため車輪を非常に
正確なゼロのトウ位置へ戻す代わりに、測定中の車輪に
対するゼロのトウにおけるピッチを式5を用いて計算す
ることができる。これは、ブロック48に示される。次
にブロック48において計算されたキャスターは、車輪
がゼロのトウ位置になくとも生のキャスター計の読みが
正確になるように、式5で定まるSAI補償項を用いて
補償される。これは、ブロック50に示される。次に、
ブロック50において決定された生のキャスターを表わ
す出力が与えられる。これは、ブロック52に示され
る。生のキャスターの読みに基いて、オペレータは測定
中の車輪に対するキャスター調整を行うことができる。
【0033】ゼロのトウにおけるピッチ、従って生のキ
ャスターは如何なるトウ角度でも理論的に計算すること
ができるが、キャスター揺れ手順に別のステップを任意
に付加することもできる。ある場合には、操向可能輪は
同じように理論値に従わないこともある。従って、車輪
がやや厳しいトウ角度(例えば、7°)にあるならば、
式5から理論的に得た補償項は所要の実際の補償項と正
確には一致しない。従って、オペレータは、キャスター
揺れ手順に更に1つのステップを付加しようと欲する。
車輪が右方のトウ・アウト位置へ曲げられて右方のトウ
・アウト位置における測定装置から読みを得た後、オペ
レータは、車輪を非常に大まかなゼロのトウ位置へ運動
させようと欲する。これは、ブロック47に示される。
【0034】この余分なステップの理由は、測定中の車
輪が正確なゼロ・トウ位置にある必要はないが、これが
好都合にも近い(例えば、プラスまたはマイナス0.5
°)位置にあるならば、式5から得た補償項は非常に正
確となる。また、大まかなゼロ・トウ位置に対するウイ
ンドウが前の0.04°よりはるかに大きいため、この
付加ステップは迅速に実施することができる。
【0035】D.キャスターの影響に対する生のキャン
バ−補償 キャスターは、SAIがピッチの読みに影響を及ぼすと
略々同じようにキャンバ−の読みに影響を及ぼす。図9
は、測定装置12Lが取付けられた状態の車輪10Lの
如き操向可能輪を示している。図9Aは、キャスターの
故に、車輪10Lがトウ・アウト位置にある時、正のキ
ャンバ−が正のキャスターを持つ車両に結果として生じ
る。図7のBは、車輪10Lがトウ・イン位置にある
時、正のキャスターを持つ車両において車輪が負のキャ
ンバ−を有することを示す。キャスター、キャンバ−お
よびトウ間の幾何学的関係は下記の如くである。即ち、 Δtoe=cos(caster)*操向入力角度 (式8) Δcamber=sin(caster)*操向入力角度 (式9) 大半の車両において、キャスター角度はSAI角度より
はるかに小さい。従って、測定中の車輪に対するトウが
ゼロでない位置にあるならば、キャンバ−に対するキャ
スターの影響はそれほど顕著ではない。しかし、キャン
バ−の読みの精度を増すためには、キャスターの影響を
補償することが望ましい。
【0036】SAIの補償と同様に、上記の2式におけ
る操向入力角度は未知であるため、式を組合わせること
により取除くことができる。この組合わせは、キャスタ
ーによるキャンバ−の変化を表わす(即ち、キャンバ−
を補償するためのキャスター補償項を表わす)下式を生
じる。
【0037】 Δcamber=tan(caster)*Δtoe (式10) この補償項は、キャスターによるキャンバ−の誤差を補
償するため生のキャンバ−の読みに加えることができ
る。このため、live camber’が補償されな
いキャンバ−の読みである場合、補償項の付加は生のキ
ャンバ−(live camber)に対する下記の読
みを生じる。即ち、 live camber=live1camber'+tan(caster) *Δtoe (式11) 図10は、キャンバ−を測定して、キャスターによる変
化に対する生のキャンバ−の読みを補償を行う手法を示
すフロー図である。図10は、コンピュータとオペレー
タの両ステップを含む。一旦生のキャスターが定まる
と、キャスター補償項はブロック56に示されるように
決定することができる。次に、生のキャンバ−の読みが
キャスターおよびキャスター補償項に基いて補償され、
生のキャンバ−の読みを表わす出力が与えられる。これ
らのステップは、ブロック58および60により示され
る。次いで、オペレータは、これら出力に基いてキャン
バ−の調整を行うことができる。
【0038】結論 本発明のアラインメント・システムは、生の調整計がゼ
ロのトウにないキャスターおよびキャンバ−角度を補償
し、キャスターに対するSAIの影響およびキャンバ−
に対するキャスターの影響を補償することが可能な手法
を提供する。SAI補償項は、キャスター角度を補償す
るように決定され使用される。キャスター補償項は、キ
ャンバ−角度を補償するように決定され使用される。更
に、ゼロのトウにおけるピッチは計算することができ、
直接測定する必要はない。このため、この手法は、オペ
レータが如何なるトウ角度における車輪に対してもキャ
スターおよびキャンバ−を調整することを可能にする。
また、この補償は、車輪がゼロ・トウ位置にあるように
車輪を調整する必要がないため、より迅速で、容易な更
に正確なアラインメントの調整を保証する。
【0039】本発明については望ましい実施態様に関し
て記述したが、当業者は、本発明の趣旨および範囲から
逸脱することなく形態および細部における変更が可能で
あることを認識されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】左方のトウ・アウト位置に曲げられた自動車の
操向可能前輪を示す図である。
【図2】右方のトウ・アウト位置に曲げられた自動車の
操向可能前輪を示す図である。
【図3】車輪アラインメント・システムを示すブロック
図である。
【図4】操向軸の傾き(SAI)を示す図である。
【図5】キャスターを示す図である。
【図6】正および負のキャンバ−を示す図である。
【図7】キャスター調整計におけるSAIの影響を示す
図である。
【図8】本発明によるキャスター測定を示すフロー図で
ある。
【図9】キャンバ−調整計におけるキャスターの影響を
示す図である。
【図10】本発明によるキャンバ−測定を示すフロー図
である。
【符号の説明】
10 前輪 11 後輪 12 ヘッド(測定)装置 14 主コンソール 16 コンピュータ 18 キーボード 20 ディスプレイ 22 マイクロプロセッサ 24 前対後トウ・センサ 26 交差トウ・センサ 28 キャンバ−・センサ 30 傾斜角度センサ 32 ストラット 34 真の鉛直線

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の左右の操向可能輪の生のキャスタ
    ーを測定する方法において、 左右の操向可能輪上に測定装置を取付け、 前記測定装置により行われた測定に基いて車輪の各々に
    対するキャスターを計算し、 前記測定装置により行われた測定に基いて左右の車輪に
    対する操向軸の傾き(SAI)を計算し、 前記左右の車輪に対するゼロのトウにおけるピッチを決
    定し、 トウが非ゼロ位置にある時、SAIによる生のピッチに
    おける変化に対して各車輪の生のキャスターを補償する
    ようSAI補償項を決定し、 前記車輪の生のピッチ、車輪に対する計算されたキャス
    ター、車輪に対するゼロのトウにおけるピッチ、および
    車輪に対するSAI補償項を用いて各車輪の生のキャス
    ターを計算するステップを含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記SAI補償項が、測定中の車輪のピ
    ッチがSAIにより変化させられる量(Δピッチ)であ
    り、SAI補償項を決定する前記ステップが、 測定中の車輪に対する生のキャンバ−を決定し、 測定中の車輪が非ゼロ位置にある量(Δトウ)を決定
    し、 式: Δpitch=tan(SAI+live ca
    mber)*delta toe に従ってΔピッチを計算するステップを含むことを特徴
    とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 生のキャスターを決定する前記ステップ
    が、 測定中の車輪に対する生のピッチを決定し、 式: live caster=live pitch
    +delta pitch−pitch at zer
    o toe+calculated caster に従って、生のキャスターを計算するステップを含むこ
    とを特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 ゼロのトウにおけるピッチを決定する前
    記ステップが、 式: pitch_at_zero_toe=pitc
    h_at_zero_steering_angle+
    toe_at_zero_steering_angl
    e*tan(SAI+Camber) に従ってゼロのトウにおけるピッチを計算することを含
    むことを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 車両の左右の操向可能輪に対する生のキ
    ャンバ−を測定する方法において、 前記左右の操向可能輪上に測定装置を取付け、 前記測定装置からの測定に基いて前記左右の操向可能輪
    に対するキャスター補償項を決定し、 前記測定装置を用いて前記左右の操向可能輪に対するキ
    ャンバ−を測定し、 決定されたキャスター補償項および測定されたキャンバ
    −に基いて前記左右の操向可能輪に対する生のキャンバ
    −を計算するステップを含むことを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 キャスター補償項を決定する前記ステッ
    プが、 前記操向可能輪が非ゼロのトウ位置にある時、キャスタ
    ーにより生じる生のキャンバ−における変化(Δキャン
    バ−)を決定することを含むことを特徴とする請求項5
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 生のキャンバ−における変化を決定する
    前記ステップが、 前記操向可能輪に対するキャスターを決定し、 測定中の操向可能輪のトウがゼロのトウ位置からである
    量(Δトウ)を決定し、 式: delta camber=tan(caste
    r)*delta toe に従ってΔキャンバ−を計算することを含むことを特徴
    とする請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 生のキャンバ−を計算する前記ステップ
    が、 測定中の操向可能輪に対する未補償の生のキャンバ−
    (live camber’)を決定し、 式: live camber=live cambe
    r’+delta camber に従って生のキャンバ−を計算することを含むことを特
    徴とする請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 左右の操向可能輪に対する生のキャスタ
    ーを決定するためキャスター揺れ操作を行う方法におい
    て、 測定装置を前記左右の操向可能輪に取付け、 前記左右の車輪の一方がトウ・アウトである第1の転向
    位置へ車輪を曲げ、 前記車輪が前記第1の位置にある間、前記測定装置を用
    いてトウ、キャンバ−および傾斜の測定を行い、 前記左右の車輪の他方がトウ・アウトである第2の転向
    位置へ車輪を曲げ、 前記車輪が前記第2の位置にある間、前記測定装置を用
    いてトウ、キャンバ−および傾斜の測定を行い、 前記車輪の1つに対するゼロのトウにおけるピッチを計
    算し、 前記車輪が前記第1および第2の転向位置にあって、前
    記計算されたゼロのトウにおけるピッチに基いて行われ
    たトウ、キャンバ−および傾斜の測定に基いて生のキャ
    スターを決定するステップを含むことを特徴とする方
    法。
  10. 【請求項10】 ゼロのトウにおけるピッチを計算する
    前記ステップが、 式: delta pitch=tan(SAI+li
    ve camber)*delta toe に従ってゼロのトウにおけるピッチを計算し、 SAIが測定中の操向可能輪の操向軸の傾きであり、Δ
    ピッチが測定中の操向可能輪のピッチにおける変化であ
    り、Δトウが測定中の操向可能輪に対するトウにおける
    変化であることを特徴とする請求項9記載の方法。
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