JPH0519253A - カラー液晶表示装置用バツクライト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造が容易で高輝度，高画質の表示画像を得
ることができるカラー液晶表示装置用バックライトを得
ることを目的とする。 【構成】 薄い平板状の立方体を形成する基板１，２間
に放電雰囲気ガスを封入し前記基板１，２間に設けられ
た電極３，４間に均一に電子を放射する放電手段と、こ
の放電手段の電子放射によりＲＧＢの発色光を照射する
発色手段とを有するように構成した。前記発色手段はＲ
ＧＢの発色光を発光する蛍光塗料を、前記放電手段のそ
れぞれに塗布したものとしてもよく、また、前記基板の
一側にＲＧＢのカラーフィルタを設けたものとしてもよ
い。また、紫外線感応塗料を基板の一側に塗布し、紫外
線照射の光源を使用してＲＧＢの発色光を発光するもの
として構成してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、表示画像の見やすさの
向上を図るためにカラー液晶表示装置の背面に配置され
たカラー液晶表示装置用のバックライトに関する。

【０００２】

【従来の技術】液晶表示装置は、薄型，軽量，低電圧動
作，低消費電力などの特徴を生かして時計や電卓など様
々な電気機器の数字，文字の表示等に使用されている。
さらに近年では、高画質化やフルカラー化が進み、テレ
ビなどのカラー画像表示への応用が拡がっている。とこ
ろで、前記液晶表示装置は本来非発光で、周囲光の反射
光または透過光を利用しているが、見やすさの向上を図
るために、特にカラー液晶表示装置においてバックライ
トは必須の構成要素である。

【０００３】図６は、従来のカラー液晶表示装置の一般
的構成を示す図である。２０はマトリクス方式の液晶セ
ルで、この液晶セル２０は２枚のガラス基板２３，２４
で挟まれている。この液晶セル２０の駆動方式には、単
純マトリクス方式とアクティブマトリクス方式のものが
あるが、単純マトリクス方式のものは安価に製造できる
反面、クロストークによるコントラストの低下のために
高品位の画像を得ることが困難であるうえ大画面には不
向きであることから、製造コストは高いが大画面，高品
位の画像を得ることのできるアクティブマトリクス方式
のものが主流となっている。

【０００４】前記ガラス基板２３の内表面には透明電極
２１がアレイ状にプリントされている。一方、ガラス基
板２４の内表面にはＲ，Ｇ，Ｂ三色からなるカラーフィ
ルタ２９が、前記透明電極２１に目合わせされるととも
に三角モザイク状に配列して設けられている。また、こ
のカラーフィルタ２９の上面には透明導電膜からなる共
通電極２５が設けられている。

【０００５】また、前記ガラス基板２３の背面側には偏
光板２６を介してバックライト２７が配置されている。
このバックライト２７は、ＥＬ，ＬＥＤなどの面光源装
置，蛍光ランプなどを使用した面照明装置などで形成さ
れていて、光源からの照明光をカラー液晶表示装置の前
面に効率よく照射するために、一側に光拡散板２７ａを
有している。また、２８はカラー液晶表示装置の前面に
配置された偏光板である。

【０００６】バックライト２７の照明光は、前記偏光板
２６およびガラス基板２３を通って液晶セル２０に入射
する。この液晶セル２０は、図示しないＣＰＵの命令に
より、前記ガラス基板２３の上面およびガラス基板２４
の下面にそれぞれプリントされた透明電極２１および共
通電極２５に印加される電界の作用により駆動される。
液晶セル２０に入力したバックライト２７の照明光は、
前記液晶セル２０の駆動部位（選択点）およびカラーフ
ィルタ２９を透過して偏光板２８にカラー画像を表示す
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来のカラー液晶表示装置においては、ＲＧＢ
のカラーフィルタの光透過率が極めて低く、高輝度の画
像を得ることができず、ひいては高画質の画像を得るこ
とができない、という問題があった。

【０００８】また、液晶セルの製造工程においてカラー
フィルタを形成する工程を設けなければならず、液晶セ
ルの製造工程が複雑になっていた。さらに、カラーフィ
ルタの内部抵抗による電圧降下を防止するために、ガラ
ス基板の内表面にカラーフィルタを形成した後に透明電
極を形成しなければならないことから、製造が困難であ
るばかりでなくカラーフィルタの材質として透明電極が
形成しやすいものを選択しなければならなかった。従っ
て、液晶セルの製造コストが高価であるばかりでなく、
ガラス基板に形成されたカラーフィルタまたは透明電極
の一部に不良が生じると、液晶セル全体が不良品となっ
てしまい不合理であるという問題があった。

【０００９】本発明は上述の問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、カラーフィルタと液晶
セルとを別体に構成することにより液晶セルの製造工程
を簡略化し不良率を低減して液晶セルの製造コストの低
下させること、および、高輝度のＲＧＢ発色光を照射す
ることにより高輝度かつ高画質のカラー画像を得ること
のできるカラー液晶表示装置用のバックライトを得るこ
とを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】前記の問題点を解決する
ために、本発明のカラー液晶表示装置用バックライト
は、液晶セルの後方から均一照度の照明光を照射して表
示画面の見やすさを向上させる液晶表示装置用バックラ
イトにおいて、前記バックライトの前面からＲＧＢの発
色光を照射する発色手段を設けたことを特徴とする。

【００１１】具体的には、薄い平板状の立方体を形成す
る基板間に放電雰囲気ガスを封入し前記基板間に設けれ
た電極間に均一に電子を放射する複数の放電手段を有し
てなる自発光型フラットランプに、前記放電手段の電子
放射によりＲＧＢの発色光を発光する発色手段を設け
た。この発色手段は、前記放電手段の電子放射によりＲ
ＧＢの発色光を発光する蛍光塗料を前記放電手段のそれ
ぞれに塗布したものとしてもよい。または、紫外線を放
射する光源体を有し、この光源体の紫外線放射によりＲ
ＧＢの発色光を発光する発色手段を有するものとしても
よい。

【００１２】

【作用】本発明のカラー液晶表示装置は上述したとおり
に構成されているので、液晶セルに発色手段としてのカ
ラーフィルタを形成する必要がなく、液晶セルの製造工
程を簡略化することができる。また、請求項２ないし請
求項４のバックライトによれば、発色手段の発光により
ＲＧＢの発色光がバックライトの前面から照射されるの
で、光透過性の低いカラーフィルタが不要となり、高輝
度のＲＧＢ発色光を得ることができる。

【００１３】

【実施例】本発明の実施例を、図面に基づいて詳細に説
明する。図１は、本発明のカラー液晶表示装置用バック
ライトの第１実施例に係り、その構成の説明図である。

【００１４】バックライト１０を構成する２枚の基板
１，２は透光性の優れるガラス板などで形成されてい
る。このバックライト１０の背面基板となる基板２の内
表面には透明導電膜からなる共通電極４が形成され、こ
の共通電極４の表面にはフリット６がマトリクス状に印
刷されて小部屋５，５・・を形成している。この小部屋
５，５・・は、このバックライト１０の前面側に配置さ
れる液晶セル２０の画素と一対一で対応するように形成
されていて、前記共通電極４は、この小部屋５，５・・
の底部に露出している。また、前記小部屋５，５・・の
それぞれには、Ｒ，Ｇ，Ｂ三色の蛍光塗料が斜めモザイ
ク状に塗布されている。

【００１５】一方、基板１の内表面には、前記基板２に
印刷されたマトリクス状のフリット６の行方向または列
方向に沿って透明電極７が形成されている。そして、こ
の透明電極７は、前記基板１の内表面に印刷されたフリ
ット８にて被覆されているとともに、この透明電極７の
一部は、前記小部屋５，５・・の中央に向けて突出して
放電電極３を形成している。また、前記基板１の外表面
には、基板１，２間で生じた放電により前記小部屋５，
５・・から照射されるＲＧＢの発色光が、相隣接する他
の小部屋５，５・・のＲＧＢの発色光と干渉しないよう
にするために、ブラックマトリクス９が形成されてい
る。

【００１６】２枚の基板１，２は、所定間隙を有するよ
うに積層され、電気炉内で５５０度ないし６００度の温
度にてフリット６とフリット８とを焼結することによ
り、平板状の立方体を形成する。その後、基板１，２間
にアルゴンガス・水銀などからなる放電雰囲気ガスが数
Ｔorr の低圧で封入され、図示しない密封部材にて基板
１，２の周囲が密封されてバックライト１０が形成され
る。

【００１７】上記態様により、透明電極７および共通電
極４に電圧を印加すると、放電電極３と共通電極４との
間に電位差が生じ、各小部屋５，５・・に充填された放
電雰囲気ガスの作用により、前記放電電極３と前記共通
電極４との間で放電が発生する。この放電により、各小
部屋５，５・・に塗布されたＲ，Ｇ，Ｂ三色の蛍光塗料
が発光して、バックライト１０の前面からはＲＧＢの発
色光が照射される。

【００１８】図２は、第１実施例のバックライトを使用
したカラー液晶表示装置の斜視図である。この図におい
て、従来例と同一部位，同一部材には同一番号を附して
その詳しい説明は省略する。

【００１９】２枚の基板１，２間で発生した放電により
バックライト１０の前面に照射されたＲＧＢの発色光
は、このバックライト１０の前面に配置された液晶セル
２０に入射する。ＲＧＢは、液晶セル２０の画素配列と
対応するように配列されているので、この液晶セル２０
のスイッチング作用によりカラー画像を偏光板２８の前
面に表示する。

【００２０】なお、この実施例では、ＲＧＢの配列は斜
めモザイク状として説明したが、小部屋５，５・・の配
列を適宜変更することにより三角モザイク状あるいはス
トライプ状などの配列とすることも可能である。

【００２１】また、この実施例によれば、カラー液晶表
示装置は光透過性の低いカラーフィルタを有しない構造
とすることができるので、バックライトの照明光を効率
よく利用することができ、単純マトリクス方式の液晶セ
ル２０を使用したカラー液晶表示装置の画質の向上を期
待することができる。

【００２２】図３は、本発明の第２実施例を示す斜視図
である。この実施例においては、バックライト１０′の
前記小部屋５，５・・（図１参照）のそれぞれには白色
の蛍光塗料が塗布されるとともに、基板１（図１参照）
の上面にはＲ，Ｇ，Ｂ三色のカラーフィルタ１１が設け
られている。このカラーフィルタ１１のＲＧＢの配列は
は第１実施例と同様に、液晶セル２０の画素配列に対応
して形成されており、染色法，分散法，電着法，印刷法
など、いずれかの方法で形成されたものである。また、
前記カラーフィルタ１１のＲＧＢの配列はストライプ
状，斜めモザイク状，三角モザイク状のいずれであって
もよい。

【００２３】なお、この第２実施例においてバックライ
ト１０′は、ＥＬ（エレクトロルミネサンス），ＬＣＤ
（発光ダイオード）などの面光源装置、あるいは蛍光ラ
ンプなどの光源と光拡散板からなる面照明装置の一側に
ＲＧＢのカラーフィルタを設けたものとしてもよい。

【００２４】図４は、本発明の第３実施例を示す斜視図
である。この実施例においては、２枚の基板１４，１５
間には、平行電極７′，７′が配された管状の放電領域
５′，５′・・が形成されている。そして、この放電領
域５′，５′・・のそれぞれにアルゴンガス・水銀など
からなる放電雰囲気ガスが充填されるとともに密封部材
１３にて四周が密封されて自発光型のバックライト１２
を構成している。前記基板１４の外表面には斜めモザイ
ク状にＲＧＢの紫外線感応塗料１６が塗布されている。
このＲＧＢの紫外線感応塗料１６は、基板１４，１５間
で発生する放電により放射される紫外線により高輝度で
発光し、ＲＧＢの発色光をバックライト１２の前面に照
射するものである。

【００２５】この実施例においても、ＲＧＢの配列は上
述したものに限られるものでないが、第１および第２実
施例と同様に液晶セル２０の画素配列に対応して配列さ
れなければならないことは言うまでもない。なお、図中
９′は、ＲＧＢの発光色の干渉を防止するためのブラッ
クマトリクスである。

【００２６】なお、この実施例においてバックライト１
２は、図４に示すような自発光型のものとして説明した
が、前記紫外線感応塗料を発光させるための紫外線を放
射するものであればこれに限られるものでなく、例えば
図５に示すように、紫外線を放射する光源１９を、一側
に紫外線感応塗料１７を塗布した光拡散板１８の後方に
配置した一般的なバックライトにも適用が可能である。

【００２７】

【発明の効果】本発明のカラー液晶表示装置用バックラ
イトによれば、液晶セルにカラーフィルタを設ける必要
がないため、カラー液晶表示装置用のカラーフィルタの
製造工程を簡略化することにより白黒モードの液晶表示
装置の製造工程との共通化を図ることができ、液晶セル
の不良率の低下と製造コストの低減を実現することがで
きる。

【００２８】また請求項２および請求項３のバックライ
トにおいては、バックライトが自発光型であり、かつＲ
ＧＢの発色光を照明光として放射するので、光損失の大
きいカラーフィルタが不要となるうえ、原色に近いＲＧ
Ｂの発光色を得ることができるので、高輝度でかつ美し
い表示画像を得ることができる。

【００２９】また、請求項４のバックライトによれば、
光源体は紫外線を放射するものであればよく、かつ、紫
外線によりＲＧＢの発色光を発光する紫外線感応塗料を
塗布しているので、高輝度で美しい表示画像を得ること
のできるバックライトを容易かつ安価に製造することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のカラー液晶表示装置用バックライトの
構成の説明図である。

【図２】本発明のカラー液晶表示装置用バックライトの
第１実施例にかかり、カラー液晶表示装置に適用した例
を示す斜視図である。

【図３】本発明のカラー液晶表示装置用バックライトの
第２実施例に係り、カラー液晶表示装置に適用した例を
示す斜視図である。

【図４】本発明の第３実施例に係り、その一部を破断し
た斜視説明図である。

【図５】本発明の第３実施例に係り、他の態様を示す概
略図である。

【図６】従来のカラー液晶表示装置の構成を示す斜視図
である。

【符号の説明】

１，２ 基板 ３ 放電電極 ４ 共通電極 ５ 小部屋 ５′ 放電領域 ６，８ フリット ７ 透明電極 ９，９′ ブラックマトリクス １０，１０′ バックライト １１ カラーフィルタ １２ バックライト １３ 密封部材 １４，１５ 基板 １６，１７ 紫外線感応塗料 １８ 光拡散板 １９ 光源 ２０ 液晶セル ２１ 透明電極 ２３，２４ ガラス基板 ２５ 共通電極 ２６，２８ 偏光板 ２７ バックライト ２９ カラーフィルタ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液晶セルの後方から均一照度の照明光を
   照射して表示画面の見やすさを向上させる液晶表示装置
   用バックライトにおいて、前記バックライトの前面から
   ＲＧＢの発色光を照射する発色手段を設けたこと、を特
   徴とするカラー液晶表示装置用バックライト。
2. 【請求項２】 薄い平板状の立方体を形成する基板間に
   放電雰囲気ガスを封入し前記基板間に設けられた電極間
   に均一に電子を放射する複数の放電手段を有してなる自
   発光型フラットランプに、前記放電手段の電子放射によ
   りＲＧＢの発色光を発光する発色手段を設けたこと、を
   特徴とする請求項１記載のカラー液晶表示装置用バック
   ライト。
3. 【請求項３】 前記発色手段は、前記放電手段の電子放
   射によりＲＧＢの発色光を発光する蛍光塗料を前記放電
   手段のそれぞれに塗布したこと、を特徴とする請求項２
   記載のカラー液晶表示装置用バックライト。
4. 【請求項４】 紫外線を放射する光源体を有し、この光
   源体の紫外線放射によりＲＧＢの発色光を発光する発色
   手段を有すること、を特徴とする請求項１記載のカラー
   液晶表示装置用バックライト。