JPH05189U - 揺動木馬 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 滑らかに湾曲したソリ上に馬や犬等を象った
乗り物であって、揺動運動に伴って前進動を行なうこと
の出来る揺動木馬の提供。 【構成】 ソリは後脚に取着し、前脚は所定の角度をも
って揺動可能に軸支されて該前脚には足を取着し、上記
ソリ先端と足との間には所定の距離を隔て、さらに該前
脚を常時前方へ突出するようバネ力を付勢する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は揺動しながら前進動することの出来る木馬に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

昔から玩具の１つとして揺動木馬が知られている。図５は従来型式の揺動木馬 の具体例を示したものであるが、胴体(イ) から下方へ前脚(ロ) 、(ロ) 及び後脚(ハ ) 、(ハ) を伸ばし、これら両脚(ロ) 、(ハ) の下端には滑らかに湾曲したソリ(ニ) が取着されている。したがって、胴体(イ) に跨いで乗った幼児が頭部(ホ) 両側に 突出した持手(ヘ) 、(ヘ) を握って体を動かすならば、同時に木馬は上記ソリ(ニ) を介して揺動することが可能となり、遊びの１つとして楽しむことが出来る。 しかし、従来の揺動木馬は多少の違いはあっても基本構造は同図のようなもの で、体を動かせば揺動するが同じ位置にて揺動するに過ぎない。

【０００３】

【本考案が解決しようとする課題】

このように従来型式の揺動木馬は同じ位置にて揺動を繰り返すに過ぎず、あま りに動きが単調である。本考案はこの単調な動きに前進動をプラスした運動を行 い得る揺動木馬を提供する。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の揺動木馬は、従来通りの揺動運動に前進運動をプラスしたもので、次 の特徴をもって構成している。すなわち、基本的な形状は従来木馬と同じで胴部 から前脚及び後脚を伸ばし、両脚下端には滑らかに湾曲したソリが取着されてい る。しかし、このソリは従来のように前脚と後脚を連結しておらず、前脚には短 い足が固定され、後脚に固定したソリと上記足との間には所定の距離を隔ててい る。ここで足はソリと分離しているが、湾曲したソリの延長上に該足は形成され ている。そして、前脚は胴部に固定されることなく、所定の範囲内での揺動を行 なうように軸支され、しかも該前脚にはバネが取着されて前方へ突出するように バネ力が付勢されている。

【０００５】

【作用】

ところで、この揺動木馬に乗って体を揺らすならば、木馬はソリの湾曲した底 面に沿って揺動する。そして前方に傾いてソリの先端を越えて足が床面（地面） に接触し、該足にて木馬を支えるようになれば前脚は揺動してソリは足に近づく ように動く。前脚にはバネ力が付勢されていて、該前脚を前方へ突出するように 作用しているが、該バネ力に対抗して前脚を揺動させる。胴部に軸支されている 前脚が揺動する訳であるが、実際には該前脚にて支えられた状態にあるため、木 馬の胴部並びにソリが揺動し、足との間隔を縮めることになる。 そして、この状態で元の姿勢に戻るならば足は床面から離れるため、付勢され ているバネ力の作用で前脚は前方へ突出し、足はソリの先端から離れて所定の距 離に保たれる。そして再度、前方へ傾くならば足が床面に接してソリが足に近づ き、元の姿勢に戻ることで前脚は前方へ揺動する。このように、前脚の揺動によ り、足とソリ先端は近づいたり離れたりする訳で、この距離に相当する長さ分づ つ木馬は前方へ進むことになる。 以下本考案に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【０００６】

【実施例】

図１は本考案の揺動木馬を表わす実施例である。同図において１は胴部、２は 前脚、３は後脚、４は足、５はソリを示し、前脚２及び後脚３は胴部１の側板６ に取着されて下方へ伸び、両前脚２、２及び両後脚３、３の下端にはそれぞれ連 結板７、７を固定している。そして前脚２の連結板７の両サイドには足４、４が 、後脚３の連結板７の両サイドにはソリ５、５が取着され、足４とソリ５先端と の間にはある距離を隔てている。ソリ５はその後方において後脚３に連結し、先 端部にも同じく連結板７を設け、胴部１から下方へ伸びた支持棒８が該連結板７ にて固定されている。したがって、木馬は前脚２、２と後脚３、３及び支持棒８ 、８によって支えられ、上記支持棒８には足掛け１２を固定している。又、該木 馬には従来同様に胴部１から上方に首９及び頭部１０を設け、該頭部１０の両側 には持手１１、１１を突出している。

【０００７】 ところで、前記後脚３、３は両側板６、６に固定されているが、前脚２、２は 胴部１に軸支されて所定の角度内で揺動することが出来る。前脚２の揺動機構に 関して本考案は特に限定はしないが、１例を示したのが図２、図３である。同図 に示すように前脚２、２の上端は前脚継ぎ１３の両サイドに固定され、該前脚継 ぎ１３は軸１４を介して胴部１に軸支され、そのため前脚２、２は上記軸１４を 中心として揺動可能となる。該揺動角は適当な位置に配置したストッパー（図示 なし）によって規制され、又前脚継ぎ１３にはバネ１５が取着されていて、バネ 力の作用にて前脚２、２は常に前方へ突出するようになる。そして足４とソリ５ 先端との間には距離（Ｌ）を隔てている。

【０００８】 図４ａ、ｂ、ｃは本考案の揺動木馬の動きを表わしたもので、ａは揺動前の状 態で支持棒８は床面１６に対して垂直に起立している。上記支持棒８は正常な姿 勢で垂直に位置するように胴部１とソリ５を連結し、該胴部１から作用する荷重 を支える。このとき前脚２の足４後端（Ａ）とソリ５の先端（Ｂ）間距離は（Ｌ ）である。そして木馬が前方へ傾くならば上記足４の後端（Ａ）が床面１６と接 し、さらに傾斜すれば足４のみが接してソリ５は床面１６から離れることになる 。そうすれば前脚２を軸支している軸１４から離れた位置に作用する荷重（Ｗ） は該軸１４を中心としたモーメントを発生し、胴部１を時計方向に回動させ、そ の結果、ソリ５の先端（Ｂ）は足４に近づく。ｂはソリ５が足４に接近した状態 であり、ひき続き後方へ傾斜するならば足４は床面１６から離れて前脚２は元の 位置にバネ力にて復帰する（図４ｃ）。

【０００９】 したがって、１回の揺動によってソリ５の先端（Ｂ）は足４の後端（Ａ）の付 近まで移動することになり、該揺動を繰り返すことによって木馬は前方へ進むこ とが出来る。前進する速さ、すなわち１回当たりの前進距離は前脚２の揺動角に よって定まる訳で、該揺動角は自由に調整可能とし、時には揺動を阻止する機構 とすることは簡単である。 以上述べたように、本考案の揺動木馬はその前脚を揺動可能に軸支したもので 、次のような効果を得ることが出来る。

【００１０】

【考案の効果】

本考案の揺動木馬は定位置にて揺動するのみならず、揺動とともに前進動する ことが出来る。したがって、単調な揺動にプラスして前進動を与えたことで木馬 玩具としての魅力が向上し、幼児の心を引き付ける。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の揺動木馬を表わす実施例

【図２】本考案の揺動木馬を構成する前脚の揺動機構を
示す正面図

【図３】前脚の揺動機構の側面図

【図４】本考案の揺動木馬の動き

【図５】従来型式の揺動木馬

【符号の説明】 １ 胴部 ２ 前脚 ３ 後脚 ４ 足 ５ ソリ ６ 側板 ７ 連結板 ８ 支持棒 ９ 首 10 頭部 11 持手 12 足掛け 13 前脚継ぎ 14 軸 15 バネ 16 床面

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 滑らかに湾曲したソリ上に、馬や犬等を
   象った乗り物を装着して成る揺動木馬において、上記ソ
   リは後脚に取着し、前脚は所定の角度をもって揺動可能
   に軸支されて該前脚には足を取着し、上記ソリ先端と足
   との間には所定の距離を隔て、さらに該前脚を常時前方
   へ突出するようバネ力を付勢したことを特徴とする揺動
   木馬。