JPH05187442A - 能動形アクチュエータを搭載した回転機械 - Google Patents

能動形アクチュエータを搭載した回転機械

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JPH05187442A
JPH05187442A JP2040692A JP2040692A JPH05187442A JP H05187442 A JPH05187442 A JP H05187442A JP 2040692 A JP2040692 A JP 2040692A JP 2040692 A JP2040692 A JP 2040692A JP H05187442 A JPH05187442 A JP H05187442A
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JP
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vibration
active actuator
bearing
rotary machine
sensor
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Application number
JP2040692A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Yoneyama
光穂 米山
Osami Matsushita
修己 松下
Yasuo Fukushima
康雄 福島
Naohiko Takahashi
直彦 高橋
Minoru Hiroshima
実 広島
Takafumi Sakanashi
尚文 坂梨
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C32/00Bearings not otherwise provided for
    • F16C32/04Bearings not otherwise provided for using magnetic or electric supporting means
    • F16C32/0406Magnetic bearings
    • F16C32/044Active magnetic bearings
    • F16C32/0444Details of devices to control the actuation of the electromagnets

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Electromagnetism (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)
  • Magnetic Bearings And Hydrostatic Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 受動形軸受けで支持された回転機械におい
て、過大振動の抑制をはかりたい。 【構成】 回転機械の振動をモニタする振動センサと、
回転機械を加振するための磁気軸受けと、上記センサで
過大振動検出時に、前向き及び又は後向きふれまわり力
を回転機械に与えるべく、上記磁気軸受けを制御する制
御手段と、より成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多段遠心圧縮機のよう
な油軸受等の受動形軸受に支持された回転機械、特に異
常振動抑制をはかる回転機械に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に回転機械は、受動形軸受で支持さ
れている。ここで受動形軸受とは、油膜軸受、玉軸受、
すべり軸受、永久磁石磁気軸受等を云う。回転機械に
は、流体を扱った流体機械がある。例えば、ターボ機械
がある。ターボ機械では、ケーシング内部と外部との間
あるいは高圧部と低圧部との間の流体漏れを防ぐために
ラビリンスシール装置と回転軸を支持する軸受が設けら
れている。また、軸受には一般に潤滑油が用いられてお
り、この潤滑油が機械の作動流体への侵入を防ぐための
シールも設けられている。
【0003】図4は遠心圧縮機の断面図であり、低圧の
流体を左側より吸い込み羽根車2にて回転軸1からの動
力により流体を圧縮し、各羽根車2でその流体を昇圧し
て送り出すようになっている。スラスト軸受3とラジア
ル軸受4に支持された回転軸1の周面とこれに近接する
ケーシング5の内周面との間に、複数のシールからなる
ラビリンスシール6が設けられている。回転軸1の振動
振幅をモニタするために軸振動センサ7が軸受付近に取
り付けられている。また回転数を検出するために回転セ
ンサ8が設けられている。回転軸1の回転はカップリン
グ9を介してタービン等の駆動源に接続され回転する構
成である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この様な流体機械で
は、各種の異常振動が発生することが知られている。 (1)、不つりあい振動……重心が偏心することにより
バランスがくずれて発生する振動である。ロータのホワ
ール方向は前向きである。 (2)、ラビリンスシールホワール……コンプレッサや
ガスタービン等には作動流体が漏れることを防ぐために
ラビリンスシールが用いられている。回転機械では偏心
をなくすことは困難であり、軸は常にふれまわって回転
している。この軸のふれまわりにより軸の周りに不均一
の圧力分布が生じて、軸系に不安定振動を与える流体力
が発生する。これにより軸振動が増加する。これが、ラ
ビリンスシールホワールである。ふれまわり方向は前向
きである。
【0005】(3)、サージング……流体機械におい
て、配管を含めた系が一種の自励振動を起こし、特有の
定まった周期で吐き出し圧力及び吐き出し量が変動する
現象により軸の振動が増加する。これがサージングであ
る。ふれまわり方向は前向きと後向きが混在する。 (4)、自励振動……非振動的なエネルギーがその系の
内部で振動的な励振に変換されて発生する振動である。
自励振動の特徴は、 振動の方向;特に方向はない。多くの場合、前向きふれ
まわりである。 主な周波数;回転に関係ない周波数(固有振動数)。 位相の変化;変化する。 振動形態 ;ある回転数で振動が突然大きくなり、その
後回転数を上げ下げさせても広い範囲で振幅が高い。 (5)、旋回失速……軸流圧縮機のような翼列がある場
合、回転数が低速域では翼に入る流入角度の関係で翼後
方に失速域が発生する。この失速域が回転数と異なった
周期で旋回する現象で翼の振動が大きくなると共に回転
体の軸振動が増加する。これが旋回失速である。このふ
れまわり方向は前向きである。
【0006】以上の如き各種異常振動の抑制のために、
各種の改良がなされているが、いずれも軸受や流体機械
の構造の改良であった。他の従来例には、受動軸受の代
わりに磁気軸受を用いた例がある(特開昭56−113
095号、特開昭60−220219号、特開昭62−
220715号、特開平2−97713号)。磁気軸受
では、磁気的に流体機械での回転部をx、y、zの三軸
方向に支持可能なため、その支持磁気力に差をつけるこ
とによって異常振動抑制は比較的容易である。
【0007】本発明の目的は、ロータのふれまわり振動
に着目して、ふれまわり力でもって、受動軸受を使用し
た場合における、異常振動抑制を可能にする回転機械を
提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、受動軸受で支
持された回転機械において、振動センサと、能動形アク
チュエータと、上記センサによる過大振動検出時に前向
き及び又は後向きふれまわり力を回転機械に与えるべく
上記能動形アクチュエータを制御する制御手段と、より
成る(請求項1)。更に能動形アクチュエータとして磁
気軸受を使用した(請求項3)。
【0009】本発明は、回転機械の振動をモニタする振
動センサと、回転機械を加振するための、能動形アクチ
ュエータとしての磁気軸受と、上記センサで検出した振
動がアラームレベル以上か否かを判別する判別手段と、
アラームレベル以上の時の検出振動信号の同期周波数を
検出し、この同期周波数の正弦波信号、余弦波信号を発
生するPLL回路と、該正弦波信号、余弦波信号をふれ
まわり力抑制のためのクロス項の形で、x変位制御用、
y変位制御用の励磁信号として上記磁気軸受に与えて、
磁気軸受による加振制御を行わせる制御手段と、より成
る(請求項4)。更に、本発明は上記正弦波信号、余弦
波信号の振幅及び位相を、振動センサによる振動成分を
少なくするように、調整する手段を設けた(請求項
5)。
【0010】
【作用】本発明によれば、振動センサによる過大振動検
出時には、その振動を抑制するべく磁気軸受が働く(請
求項1〜5)。
【0011】更に本発明によれば、PLL回路で同期周
波数を検出した上で正弦波、余弦波信号を得、これをク
ロス項の形で磁気軸受を制御することで、ふれまわり力
を抑制する(請求項4)。更に、正弦波、余弦波の振
幅、位相を調整することで、振動の減衰を一層はかれる
(請求項5)。
【0012】
【実施例】受動形軸受であるすべり軸受で支えられたロ
ータでは、オイルウィップと呼ばれる自励振動が発生す
ることが知られている。すべり軸受における油膜の反作
用はロータの変位及び速度に対して次のように表され
る。
【数1】 ただし Fx、Fy;x方向及びy方向への軸受反力 kxx、kxy、kyx、kyy;すべり軸受膜弾性定数 cxx、cxy、cyx、cyy;すべり軸受油膜減衰定数 ここで、各定数のサフィックスに関して、xxとはx方
向のロータ運動力に対するx方向の反力用の定数である
こと、yyとはy方向の運動に対するy方向の反力用の
定数であること、xyとはy方向の運動に対するx方向
の反力用の定数であること、yxとはx方向の運動に対
するy方向の反力用の定数であること、を示す。従っ
て、サフィックスxy、yxのついている定数は自己で
はない他の運動(変位)から反力を受るものであるた
め、クロス項や連成項と呼ばれる。
【0013】概念的に述べるとkxxやkyyあるいは
xy、cyxは軸受剛性として作用する。またcxxゃcyy
は軸受減衰として作用するのでロータの安定化作用を及
ぼす。しかしkxyゃkyxはx方向とy方向のクロス項
(連成項)を示し、油膜軸受ではこれによってロータ振
動に対して不安定化作用を起こす原因となる。即ち、前
向きの固有振動数に対して安定性が低下する訳で減衰作
用が弱まることになる。
【0014】また、ラビリンスシールにおいても同じよ
うな連成項の影響によりラビリンスホワールの自励振動
が発生する。しかし、すべり軸受やシールのような受動
形の軸受では連成項の符号を変えることはできない。そ
こで、減衰のよいダンパーを設けた軸受が必要となり高
価になったりする。あるいは稼働回転数を発生する回転
数以下にしなければならないので性能も低下することに
なったりする。
【0015】また、不つりあい振動は前向きの力であ
り、不つりあい振動の共振ピークは前向きの固有振動数
の減衰を大きくとらなければ小さい共振振幅に抑えるこ
とができない。また、共振振幅のピークを小さくするた
めには不つりあい量をバランス修正段階で精度良く取ら
なければならない。そこで、本実施例では、回転軸系を
支持する本来の受動形軸受の他に、能動形軸受である磁
気軸受を設け、ラビリンスシールホワールの自励振動、
旋回失速によるロータ振動、サージングによるロータ振
動、クリティカル通過時の不つりあい振動のこれらロー
タの振れまわり振動を低減するように、ロータに振れま
わり力を作用させ、加振力の振幅及び位相の制御パラメ
ータを変化させることにした。
【0016】具体的には、ラビリンスシールホワールの
ような回転数成分と異なる周波数の振動には、その周波
数成分の加振力をロータに作用させ減衰効果を大きくす
る。また、旋回失速、サージングの振動に対してはロー
タの振動と反対側に加振力を与えロータ振動を低減させ
る。更に、不つりあいでの危険速度(臨界周波数)の振
動ピークに対しては、回転数に同期した加振力をロータ
に作用させることにより、低振動で危険速度通過を可能
にする。いずれにしても振動が過大に発生した時に、発
生した過大振動の周波数に同期した前向きふれまわり加
振力を作用させて上記のようないずれの種類の振動も小
さく抑える。
【0017】この同期した加振力については、振動を小
さくするように、加振力の大きさ(振幅)と位相とを適
切に選ぶ。そこで、次のような手順で加振力を発生させ
る。
【0018】(1)過大振動の発生認知 これはアラーム振動レベルを設けておいて、この値を越
えれば以下の手順を実行することに相当する。 (2)過大振動の発生周波数ωと同期した周波数ωを求
める。これは、PLL(PHASE LOCKED L
OOP)回路を使えば可能である。即ち、PLL回路に
発生振動波形を入力すれば、これに同期した正弦波ある
いはパルスが得られる。 (3)あるレベルの振幅の加振力Fx、Fyとして、(数
2)の正弦波、余弦波より成るFx、Fyを、能動形アク
チュエータである磁気軸受を介してロータに与える。
【数2】Fx=a COS(ωt+φ) Fy=a SIN(ωt+φ) ただし a;振幅 ω;発生振動周波数 φ;位相差 (4)加振状態で位相φを適当に360度内で変化さ
せ、振動の小さくなる位相を見い出す。これが見い出せ
ない場合は、制御不能となる恐れがあるため制御を中止
し、回転を止める。 (5)次に決定された位相のもとで、振幅aを大きくし
振動を小さくする。この状態をしばらく続けた後、過大
振動が継続している可能性があるので加振力を弱める。
それでも過大振動が発生する場合は(5)を再び続け
る。
【0019】この様な手順によると、振動発生と加振力
との関係は図2のようなシーケンスとなる。振動が大き
くなると、同期加振力が作用し始め、振動は小さくな
る。しばらくした後、加振力を弱めると振動は再び大き
くなる。そこで又、加振力を作用させ始めると振動は小
さくなる。このような過程を繰り返せばよい。図2のよ
うな振動と加振力の操作を施すと、振動はアラームレベ
ルより必要以上に大きくなることはない。そして、危険
速度通過などにおいては加振力を中止しても、共振を越
えた時はもう振動が大きくなることがなくなる。このよ
うな手順で、すべての異常振幅を小さくし得る。
【0020】図1は、図4に示した遠心圧縮機に適用し
た実施例図である。図1に比較して、ラジアル軸受4と
カップリング9との間の回転軸1の周囲にx、y方向加
振用の磁気軸受10を設けたことが特徴である。この磁
気軸受10は、過振動抑制用のみに使用し、回転軸1の
本来の支持用には使わない。更に、磁気軸受10の制御
のために、過振動判定部15、スイッチ13、PLL回
路(同期パルス発生器)11、加振制御器12を設け
た。
【0021】過振動判定部15は、振動センサ7で検出
した振動検出信号がアラームレベルを越えたか否かを監
視し、アラームレベルを越えた時には、スイッチ13を
ONし、越えない時にはOFFのままとするPLL回路
11はアラームレベルを越えた時の振動検出信号を取り
込み、その振動周波数ωに相当する周波数を持つ正弦波
信号、余弦波信号を生成する。加振制御器12は、抑制
振動によって決まる加振モードを持ち、前向きふれまわ
り振動抑制モードあるいは後向きふれまわり振動抑制モ
ードのいずれか1つ、又は両者を持ち選択して使用する
やり方もある。加振制御器12は、磁気軸受10への励
磁電流を制御して回転軸1へ過振動抑制用の加振力
x、Fyを与える。この加振力Fx、Fyは(数1)に従
う。Fx、Fy の成分の中で、位相φ、振幅aは可変と
し、この制御は励磁電流の位相と振幅とで行う。
【0022】以上の構成の動作は、前記手順(1)〜
(5)に従う。先ず、振動センサ7の振動検出信号を判
定部15が常時監視し、アラームレベルを越えたか否か
を調べる。アラームレベルを越えていれば、スイッチ3
がONとなり、その振動検出信号は、PLL回路11に
入力する。PLL回路11では、その振動数ωに同期し
た正弦波信号、余弦波信号を迅速追従して発生する。こ
の信号を受取った加振制御器12は、任意の位相φ、任
意の振幅aで加振を行う。異常振動が小さくなるよう
に、φ、aを任意に変更する。このφ、aの変更及び異
常振動が小さくなるか否かの判断は作業員によっても、
自動判定・自動操作を行うようにしても、どちらでもよ
い。かくして、図2の如き加振がアラームレベルを越え
るごとに行われ、図2の如きシーケンスで異常振動の抑
制を行う。
【0023】位相φ、振幅aの自動制御を行った実施例
を図3に示す。判定部15をマイコン16で構成し、マ
イコン16にはアラームレベルを越えたか否かの監視の
他に、位相φ、振幅aの変更制御機能を持たせる。この
変更制御機能によって、アラームレベルを越えた場合、
任意のa、φを設定しての加振後の振動の様子をマイコ
ン16が監視し、振動振幅を小さくするようなa、φを
マイコン16が指示する。かくして、加振器12はその
a、φの指示に従って加振を行う。これを繰り返すこと
によって、最適なa、φをマイコン16が自動選別し、
異常振動の抑制が可能になる。
【0024】加振器12は、x方向制御回路とy方向制
御回路とを持ち、x方向制御回路からはx方向磁気コイ
ルに励磁電流を流し、y方向制御回路からはy方向磁気
コイルに励磁電流を流す。これによって、磁気軸受を構
成するx方向磁気コイルとy方向磁気コイルとによっ
て、回転軸の異常振動の抑制をはかる。
【0025】x方向磁気コイルとy方向磁気コイルとに
与える励磁電流を作るための、PLL回路11の正弦波
信号、余弦波信号の性質について述べる。異常振動抑制
は、ふれまわり振動にあっては、クロス項であるk
xyy、kyxxを減少することである。(数1)によれ
ば、kxyyとはy変位によるx方向力の悪影響分であ
り、kyxxとはx変位によるy方向力の悪影響分であ
る。x軸とy軸とは90゜位相差を持つものと考えるこ
とができ、数学的にはx軸を正弦波で見ると、y軸は余
弦波となるそこで、kxyyの影響をなくするために、x
方向制御回路には、PLL回路11から余弦波信号a C
OS(ωt+φ)を与え、y方向制御回路には、PLL回路
11から正弦波信号a SIN(ωt+φ)を与えることとし
た。x方向制御回路への余弦波信号a COS(ωt+φ)と
はy変位によるクロス相当分となり、y方向制御回路へ
の正弦波信号a SIN(ωt+φ)とはx変位によるクロス
相当分となる。
【0026】次にa及びφの調整理由を述べる。回転軸
1を支持する軸受が磁気軸受であれば、(数1)が判る
ことから(数1)の反力を与えるようにx方向及びy方
向磁気コイルへの励磁電流を与えればよい。しかし、回
転軸1を支持する軸受が図1のすべり軸受の例にあって
はこのような制御はできない。そこで、新たに付加した
磁気軸受10によって、クロス項のみの影響を除去する
ようにする。そのために、クロス項用のa COS(ωt+
φ)及びa SIN(ωt+φ)をPLL回路11がx方向制
御回路、y方向制御回路へ与えるようにしたが、異常振
動減衰のためのa及びφがいかなる値かはその時点では
判らない。そこで、a及びφを種々変更することによっ
て、最小の又はより低い振動成分となるようにすること
が必要となる。
【0027】以上の実施例によれば、種々の異常振動の
抑制が可能となる。即ち、ラビリンスシールホワール
は、回転数成分の振動ではなくロータの軸系からくる自
励的なふれまわり振動である。その周波数についてPL
L回路11がトラッキングし、同期した余弦波をx方向
制御回路に、又同期した正弦波をy方向正弦波信号回路
に与えると磁気軸受10によって前向きふれまわり加振
力を与えることになる。その結果、減衰効果が増大して
ラビリンスシールホワールのような自励振動の発生がお
さまり、安定性の向上が図られる。また、運転中に発生
するサージング、旋回失速などについても振動変位と反
対側に加振することにより不安定振動が抑えられ、低振
動の回転体となる。また、ふつりあいによる振動のピー
クには、回転数成分の振動であるのでその回転数の周波
数成分を抽出するトラッキングフィルタを設け、クロス
制御の併用によって減衰効果が向上され、小さい共振幅
で臨界周波数の通過が可能となる。
【0028】尚、ラビング振動には制振のために後向き
ふれまわり加振力を必要とする場合があり、この場合に
は前述したように、前向きふれまわり振動抑制モード、
後向きふれまわり振動抑制モードとを持たせ、前向き加
振力と後向き加振力を発生させる機能を付加すればいか
なる異常振動の抑制にも万全である。尚、後向き、前向
きを発見するためには、x方向、y方向の振動をモニタ
してリサージュ波形で見ることにより前回りか、後ろ回
りか判定できる。加振力を与える磁気軸受は、切り換え
ることにより前向き加振力を発生させるものと後向き加
振力を発生させるものを併設させるがこれは、制御回路
でy方向にたし込む時に符号を反転させれば簡単に出来
る。このようにして前向き加振、及び後向き加振によ
り、ふつりあいによる危険速度通過時の振動、ラビリン
スシールホワールによる自励振動、サージング、旋回失
速による軸振動の増加を加振アクチュエータにより抑制
できる。
【0029】本実施例では、カップリング9の手前に磁
気軸受10を設けたが、設置場所は特に限定されない
が、振動抑制に効果的な場所であればよい。また、振動
やセンサ7と磁気軸受10とは互いに近い距離にあるこ
とが望ましい。センサ7の検出する振動部位と磁気軸受
10で加振する部位とが異なっていると、加振の信頼性
がなくなるためである。例えば、図5に示すような回転
体1の振動が生じていた場合、振動センサ7による検出
振動量は少ないが、加振位置では大きな振動量(変位)
になっている。振動センサ7の検出振動量が少ないた
め、異常振動発生とみないことにもなる。こうした場合
には、センサ7と磁気軸受10との距離を考慮して磁気
軸受10への加振量を設定することが必要である。ま
た、振動センサ7及び磁気軸受10は、共に振動モード
形状の節ではない位置に設置することが好ましい。
【0030】更に、振動センサ7は、x、yの両変位を
検出することが必要であり、そのためには、1個のセン
サでx、yの両者を検出できるもの、又はx、y別々に
変位検出するために2個設置する例もある。変位以外に
速度、加速度の検出を行ってこれを制御量として利用す
ることも有効である。
【0031】更に、x、yの2方向の変位制御とした
が、z方向の制御を行わせてもよい。そのためには、z
方向制御のための磁気軸受を別に設置する。更に、アク
チュエータとして磁気軸受の例としたが、x、y方向へ
の加振力を与えうるものであれば、磁気軸受に限定され
ない。流体機械以外の回転機械へも適用できる。更に、
PLL回路をディジタル処理とし、例えばマイコン内で
同期検出をはかってもよい。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば回転時に生ずるラビリン
スシールホワールによる自励振動、サージングによる軸
振動の増加、旋回失速による振動増加、危険速度通過時
の振動振幅の増加を軸振動計で検出して、その振動周波
数に同期したふれまわり力でもって振動を抑制するよう
に回転体を加振するアクチュエータを設けることによ
り、回転体の振動が低減できる。よって、例えば回転体
のバランス精度が多少悪くても共振点通過が可能となる
ので、バランス作業が簡略化される。又、軸受の損傷が
防止でき、高速回転まで安定性のある回転体となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である遠心圧縮機を示す図であ
る。
【図2】本発明の異常振動抑制手順を示す図である。
【図3】本発明の他の実施例である遠心圧縮機を示す図
である。
【図4】従来の遠心圧縮機を示す図である。
【図5】本発明の振動センサ7と磁気軸受10との取り
付け位置の説明図である。
【符号の説明】
1 回転軸 2 羽根車 3 スラスト軸受 4 ラジアル軸受 5 ケーシング 6 ラビリンスシール 7 軸振動センサ 8 回転センサ 9 カップリング 10 磁気軸受 11 PLL回路 12 加振制御器 13 スイッチ 15 判定部 16 マイコン
フロントページの続き (72)発明者 高橋 直彦 茨城県土浦市神立町603番地 株式会社日 立製作所土浦工場内 (72)発明者 広島 実 茨城県土浦市神立町603番地 株式会社日 立製作所土浦工場内 (72)発明者 坂梨 尚文 茨城県土浦市神立町603番地 株式会社日 立製作所土浦工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受動形軸受で支持された回転機械におい
    て、回転機械の振動をモニタする振動センサと、回転機
    械を加振するための能動形アクチュエータと、上記セン
    サで過大振動検出時に、前向き及び又は後ろ向きふれま
    わり力を回転機械に与えるべく、上記能動形アクチュエ
    ータを制御する制御手段と、より成る能動形アクチュエ
    ータを搭載した回転機械。
  2. 【請求項2】 受動形軸受で支持された回転機械におい
    て回転機械の振動をモニタするための検出器と、回転機
    械を加振するための能動形アクチュエータと、上記検出
    器で不つりあいによる臨界回転速度検出時に、前向き及
    び又は後ろ向きふれまわり力を回転機械に与えるべく、
    上記能動形アクチュエータを制御する制御手段と、より
    成る能動形アクチュエータを搭載した回転機械。
  3. 【請求項3】 上記能動形アクチュエータとは、磁気軸
    受とする請求項1又は2に記載の能動形アクチュエータ
    を搭載した回転機械。
  4. 【請求項4】 受動形軸受で支持された回転機械におい
    て、回転機械の振動をモニタする振動センサと、回転機
    械を加振するための、能動形アクチュエータとしての磁
    気軸受と、上記センサで検出した振動がアラームレベル
    以上か否かを判別する判別手段と、アラームレベル以上
    の時の検出振動信号の同期周波数を検出し、この同期周
    波数の正弦波信号、余弦波信号を発生するPLL回路
    と、該正弦波信号、余弦波信号をふれまわり力抑制のた
    めのクロス項の形で、x変位制御用、y変位制御用の励
    磁信号として上記磁気軸受に与えて、磁気軸受による加
    振制御を行わせる制御手段と、より成る能動形アクチュ
    エータを搭載した回転機械。
  5. 【請求項5】 上記正弦波信号、余弦波信号の振幅及び
    位相を、振動センサによる振動成分を少なくするよう
    に、調整する手段を設けてなる請求項4の能動形アクチ
    ュエータを搭載した回転機械。
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