JPH051834A - 空調用氷蓄熱法 - Google Patents

空調用氷蓄熱法

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JPH051834A
JPH051834A JP17769491A JP17769491A JPH051834A JP H051834 A JPH051834 A JP H051834A JP 17769491 A JP17769491 A JP 17769491A JP 17769491 A JP17769491 A JP 17769491A JP H051834 A JPH051834 A JP H051834A
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Yoshiteru Seki
義輝 関
Tetsuji Izeki
徹士 井関
Fuminori Hasegawa
文教 長谷川
Hironori Shiraishi
裕紀 白石
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Takasago Thermal Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 〔目的〕 蓄熱槽内の水を過冷却器に導いて零℃以下の
過冷却水の吐出流を作りこれから微細な氷を析出させて
蓄熱槽内に蓄えるさいに,該微細氷が蓄熱槽内に山盛り
に堆積するのを防止し,氷の充填率を高めると共に,冷
水を取出し易くする。 〔構成〕 水が通水する伝熱管を管外壁側から冷却する
ようにした過冷却器を,空調用熱源水を蓄える蓄熱槽の
槽外に設置し,この蓄熱槽内の水を前記過冷却器の伝熱
管内に連続的に通水すると共に該伝熱管の放出端から零
℃以下に冷却された過冷却水を吐出させ,この過冷却水
を用いて該蓄熱槽内に氷・水を共存させる空調用氷蓄熱
法において,該過冷却器の伝熱管から吐出する過冷却水
を縦パイプ内に落下させ,この縦パイプ内の水位を蓄熱
槽の水面より上方に維持させることによって,該縦パイ
プ内から蓄熱槽内に氷・水スラリーを導く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,空調用の熱源水を氷共
存の形態で蓄熱するようにした氷蓄熱法に関する。
【0002】
【従来の技術】建物内に配設したフアンコイルユニット
や水熱源ヒートポンプユニットの水側熱交換器に冷温水
を循環させて冷暖房を行なうさいに,冷房時の冷熱を蓄
熱槽内において氷の形態で蓄えるいわゆる氷蓄熱方式が
注目されており,一部稼働されるようになった。これ
は,例えば夜間電力で冷凍機を駆動して製氷し,氷の状
態で多量の冷熱を蓄熱槽で蓄えたうえ,冷房運転時にそ
の氷の冷熱を冷水として取出して二次側熱交換器(負荷
側熱交換器)に循環するものであり,水の固液相変態時
の潜熱を利用するので小規模装置でも多量の冷熱を蓄え
ることができる。
【0003】この氷蓄熱方式には,製氷法の相違によっ
て蓄える氷の形態が氷塊状 (ソリッド状) のものとシャ
ーベット状 (微細氷と水とが混在したリキッド状または
スラリー状) のものとに分けられる。両者にはそれぞれ
得失があるが,氷塊方式では氷塊を蓄熱水槽で生成させ
る (熱交換器の表面で生成させる) 場合に氷層が厚くな
るとそれに伴って熱の伝導が低下するので大きな厚みに
することには限界があり,したがって,氷の充填率 (I.
P.F.) は10%前後にしかならず, 蓄熱効率が悪くなるこ
とは避けられない。I.P.F.を向上させるために添加剤を
加えた特殊溶液を使用したり,蓄熱水槽自体を圧力容器
に構成する例なども報告されているが,既設建物の蓄熱
式の水熱源冷暖房設備をそのまま氷蓄熱方式に適用する
には問題が多い。
【0004】一方シャーベット状の氷を製造する場合に
はI.P.F.は大きくすることができるが,大容量の水をシ
ャーベット状にするには一般には非常に大規模な設備を
必要とする。このシャーベット状の蓄熱方式について
は,例えば特開昭63-123968〜9号公報, 特開昭63-12927
4〜5号公報に記載のものなどが知られている。また同一
出願人に係る特開昭63-217171号公報および特開昭63-23
1157号公報に過冷却水から微細な氷を製氷する方法およ
び装置を提案し,この過冷却水を伝熱管で連続的に製造
することを要件として,それらの改善等について, 特開
昭63-271074号公報, 特開昭64-75869号公報, 特開昭64-
90973号公報, 特開平1-114682号公報, 実開昭63-139459
号公報, 実開平1-88235号公報, 実開平1-88236号公報,
実開平1-88237号公報, 実開平1-97135号公報, 実開平1-
112345号公報, 実開平1-120022号公報, 実開平1-125940
号公報, 実開平1-136832号公報, 実開昭1-148538号公
報,実開平1-178528号公報, 実開平2-527号公報等に様々
な提案を行った。
【0005】いずれにしても,これらに提案した過冷却
水からシャーベット状の氷を製造する製氷システムの過
冷却器は,水がその中を通水する伝熱管を冷却容器内に
配置し,この冷却容器内に冷却媒体として冷凍機のブラ
インを通液するか,或いは冷却容器をヒートポンプ装置
の蒸発器として機能するように構成するものである。こ
れらを総称して本発明では過冷却器とよぶ。過冷却器内
の伝熱管の内壁温度を零度℃以下ではあるが−5.8℃以
上に維持すれば水の入口温度や流量等の変動に拘わらず
管内で凍結を起こすことなく伝熱管の吐出口から過冷却
水の連続流れを取り出すことができることも既に明らか
にした(例えば前記の特開平1-114682号公報) 。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】過冷却器の伝熱管の吐
出口から過冷却水を連続流れとして空中に吐出させ,こ
の過冷却水から微細な氷を析出させるために,該吐出流
を衝突板等に衝突させて衝撃を付与すること(つりま過
冷却状態解除手段を設けること)を前記公報に於いて数
々提案した。この方法によると,0℃の氷(微細な氷
滴)と0℃の水にすることができるが,衝突板との衝撃
によって生成した氷は或る大きさの粒子となり,これが
下部の水面(蓄熱槽の水面)に落下するので,水面上で
はこれが堆積するという現象が生ずる。
【0007】すなわち,静止した水面上に氷滴が積もる
と,この氷層の上にさらに氷滴が堆積して氷粒子の集合
した氷の山ができる。この氷粒子の塊を水中に分散する
には何らかの機械的作用を付与して強制的に水との混合
を図る必要があった。特に,氷・水スラリーとしての流
動性を持たせて搬送ができるようにするには,該氷粒子
の塊を何らかの手段によって水中に混合分散させること
が必要であった。
【0008】したがって,先に提案したように,衝突板
等の過冷却状態解除手段によって強制的に過冷却状態を
解除する場合には製氷はできるとしても,これだけでは
流動性のある氷・水スラリーを製造するには問題があっ
た。空調用氷蓄熱において,熱源水は循環使用されるも
のであるだけに,また,氷充填率を高めるうえでも,流
動性のある氷・水スラリーを作ることは重要なことにな
る。本発明はこの課題の解決を目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,水が通
水する伝熱管を管外壁側から冷却するようにした過冷却
器を,空調用熱源水を蓄える蓄熱槽の槽外に設置し,こ
の蓄熱槽内の水を前記過冷却器の伝熱管内に連続的に通
水すると共に該伝熱管の放出端から零℃以下に冷却され
た過冷却水を吐出させ,この過冷却水を用いて該蓄熱槽
内に氷・水を共存させる空調用氷蓄熱法において,該過
冷却器の伝熱管から吐出する過冷却水を縦パイプ内に直
接的に落下させ,この縦パイプ内の水位を蓄熱槽の水面
より上方に維持させることによって,該縦パイプ内から
蓄熱槽内に氷・水スラリーを導くことを特徴とする空調
用氷蓄熱法を提供する。
【0010】
【実施例】図1は,本発明法を適用する空調用氷蓄熱設
備の例を示したものである。1は蓄熱槽,2は過冷却
器,3は循環ポンプであり,蓄熱槽1内の水はポンプ3
の駆動により水路4を経て過冷却器2に連続供給され,
この過冷却器2によって零度℃以下の過冷却水5となっ
て大気中に吐出し,この過冷却水5の吐出流は,縦パイ
プ6内に落下する。
【0011】縦パイプ6は過冷却水5の落水流れを受け
入れるに充分な内径を有した縦管であり,上端が先広が
りの受部7をもって開口しており,下端は搬送管8に通
じている。搬送管8は蓄熱槽1の下部に通じている。こ
の搬送管8によって蓄熱槽1内と縦パイプ6内は連通す
ることになり,設備休止中では搬送管8がU字管の作用
を果たして蓄熱槽1の水位と同じ水位が縦パイプ6の中
腹部以下で保てるような位置関係に縦パイプ6が配置さ
れる。つまり,蓄熱槽1の水面位置より高い位置に縦パ
イプ6の実質的な長さが存在するような高さレベルに縦
パイプ6を垂直に配置する。
【0012】図1の例では蓄熱槽1は仕切壁9によって
複数(図例では3個)の小水槽に分割されており, 各小
水槽1a,1b,1cの底部と搬送管8が分配管10a,10b,10cを
介して接続されている。この分配管10a,10b,10cには分
配弁11a,11b,11cが介装されている。また仕切壁9には
隣合う槽との間を連通する連通孔12が設けられている。
そして蓄熱槽1内には氷フイルタ13a,13b,13cが, 槽底
部の導入口14a,14b,14cの位置よりも下流側連通孔12寄
りに縦方向に配置されている。
【0013】一方, 過冷却器2は,多数本の伝熱管 (チ
ユーブ)16をシエル17内に配置したシエルアンドチユー
ブ熱交換器からなっている。各チユーブ16 (以下,伝熱
管16と言う) は, シエル17 (以下, 冷却容器17と呼ぶ)
の壁を貫通して配置され,それらの入口端はヘッダ容器
18内に開口し,出口端は大気に開放している。ヘッダ容
器18に導入された水は各伝熱管16内を流れて吐出口19よ
り大気中に吐出する。各伝熱管16は流水中はその内壁温
度が零℃以下で−5.8℃以上の温度に維持されるように
制御され, これによって吐出口19から零℃以下に冷却さ
れた過冷却水が吐出する。
【0014】シエル側の冷却容器17は, 各伝熱管16の内
壁温度が零℃以下であって−5.8℃以上となるように,
各伝熱管16をその外壁側から冷却するものである。この
冷却媒体としては,冷凍機で製造したブラインを使用す
ることもできるが,図示の例ではヒートポンプ装置の蒸
発器として機能させている。すなわち, 蒸発器 (つまり
冷却容器17), 圧縮機20, 凝縮器21, 膨脹弁22, 蒸発器1
7を順に経る冷媒回路をもってヒートポンプ装置が構成
されている。このヒートポンプ装置の駆動により冷却容
器17が蒸発器となり,各伝熱管16を前記温度に冷却す
る。なお,この冷却容器17内を冷媒液で満たし, この液
冷媒を伝熱管16からの受熱によって沸騰させる沸騰型の
蒸発器となるようにヒートポンプ装置を組立てることも
できる。
【0015】図1では過冷却器2は横型のものが使用さ
れているが,図2に示したように伝熱管16を縦方向に配
置し,吐出口19を下端に開口した縦型の過冷却器2を用
いることもできる。この場合には過冷却水5は垂直流と
なって下方に落下するので,縦パイプ6に対して過冷却
水を受入れ易くなる。縦型の過冷却器2を用いる場合に
はヘッダ容器18内が負圧とならないような水量をポンプ
3から送液することが好ましい。これによって,各伝熱
管16から均等な過冷度の過冷却水を吐出させることがで
きる。
【0016】図3は,縦型過冷却器2から縦パイプ6内
に過冷却水5が落下している状況を図解的に示したもの
である。縦パイプ6は搬送管8によって蓄熱槽1に通じ
ているので縦パイプ6内に導入された流量に相当する流
量が蓄熱槽1内に流れ込む。このために,縦パイプ6内
に堆積するという現象はなくなり,過冷却水5が縦パイ
プ6に滝壺のような状態で落下すると,その衝撃によっ
て0℃の水と0℃の微細氷に変化し,生成した氷・水ス
ラリーは流動状態を保ちながら搬送管8を通じて蓄熱槽
1内に搬送される。縦パイプ6を過冷却水5の落水方向
と同じ方向に立ち上げて行った本発明者らの実験によれ
ば,縦パイプ6の内径を,平均流速0.1〜0.2m/secで流
れるようなものに設定し,過冷却状態を解除するための
パイプ長さを0.5〜2.0mとして,縦パイプ6中の水位を
蓄熱槽1の水位より高く維持すれば,生成した氷・水ス
ラリーはトラブルなく連続的に蓄熱槽1に送り込めるこ
とがわかった。氷の生成状況は微細粒と言うより,細い
短繊維が分散した状況となり,これが流動することが観
察された。
【0017】生成した氷・水スラリーを搬送管8から各
小水槽1a,1b,1cに分配するには,先ず最も上流側に位置
する小水槽1aの分配弁11aを開き, 他の小水槽の分配弁
を閉じて小水槽1aだけに氷・水スラリーを送り込む。小
水槽1a内に底部より導入された氷・水スラリーは,氷フ
イルタ13aによって氷が捕集され水だけが連通孔12を通
じて隣接する下流側の小水槽1bに入り, その分さらに下
流側の小水槽1cに連通孔12を通じて流れ込み, 最終の流
出口24からポンプ3に吸い込まれる。したがって小水槽
1aにはフイルタ13a を境にして, その上流側には氷と水
が共存する氷水相と,下流側には水だけが存在する水相
とが形成される。氷水相の氷容積がほぼ一杯になれば,
分配弁11aを閉じ, 隣の小水槽の分配弁11bだけを開く
(図1はこの状態を示している)。
【0018】この操作を順次続けることによって,各小
水槽には上流側のものから氷水相の氷容積が大きくなっ
た状態が形成され,最終的には全体として非常に大きな
氷容積のもとで氷蓄熱が達成できる。特に,氷フイルタ
13での氷の捕集が始まると,通水抵抗が増すのでフイル
タ前面で捕集される氷は水圧によって圧縮が始まり,氷
の割合が増加する。したがって,微細な氷が分散した氷
・水スラリーが導入されても,最終的には氷水相では大
きな氷塊が形成され,槽内での氷充填率が極めて大きな
ものとすることができる。
【0019】図4は,各小水槽を独立させて連通管25で
連結した以外は,図1と同様の設備を示す。この場合に
は,小水槽1a,1b,1c・・1nを簡単に増減できると共に,
設置スペースの取り合いも自由になるので,既設建物等
でも設置に便である。図中の参照数字で示す部材は先の
図1で説明したものと同じ内容である。
【0020】図5は,図4と同じような独立した小水槽
を使用したうえ,氷フイルタ13を槽内の上部位置に水平
方向に配置した例を示す。この場合は,氷フイルタ13よ
り上方が水相, 氷フイルタ13より下方が氷水相となる。
連通管25は,上流側小水槽の水相から下流側小水槽の氷
水相に通ずるように施設する。搬送管8から小水槽の下
部に導入された氷・水スラリーは氷フイルタ13を通過す
るさいにその下方に氷が捕集されるが,氷の捕集に伴う
透過圧力 (通水抵抗) の増加と氷自体の浮力とによって
捕集された氷が氷フイルタ13に向けて圧縮されるので氷
充填率が高くなる。また,氷フイルタ13を通過するさい
に,水が通過し易いところに氷が捕集されるので, 結果
として, 氷フイルタ13の面に対して均一な厚みの氷層が
形成される。
【0021】図6は,建物の二重スラブの空間をそのま
ま蓄熱槽に利用した例を示す。建物の地下構造では上ス
ラブ28と下スラブ29との間の空間を垂直壁30で仕切った
二重スラブ構造が存在することがあり,通常はこのコン
クリートで囲われた空間は死空間となっている。本発明
の氷蓄熱を行う場合, この空間を小水槽に利用すればコ
ンクリートが断熱壁の役割を果たすので効果的な蓄熱が
できる。図示の例では仕切壁30の下方に連通孔12を設
け, 図5と同様に水平方向の氷フイルタ13を空間上部に
設置したうえ, この氷フイルタ13の上部に形成される水
相から下流側小水槽の氷フイルタ13の下部に形成される
氷水相に通ずるように,連通管25を配置してある。ま
た,二重スラブ構造の上部に搬送管8を施設し,この搬
送管8から各小水槽の下方にまで分配管10a,10b,10cを
挿入し,各小水槽の下部から氷・水スラリーを導入する
ようにしてある。
【0022】以上の実施例において,縦パイプ6は断面
が円形の管であってもよいし,断面が角型のものでもよ
く,その断面積は先述のようにここを通過する過冷却水
の平均流速が0.1 〜0.2m/secとなるように決めるのがよ
い。また蓄熱槽内に配置する氷フイルタは氷が流出しな
いような目のものを使用するが,5〜10メッシュのもの
が適当である。蓄氷運転時における氷フイルタを通過す
るフイルタ単位面積当りの水量としては5〜20 l/m2
度とするのがよい。なお,実施例では蓄熱槽は複数の小
水槽に分割した例を示したが, 蓄熱槽は単数であっても
よい。
【0023】また,蓄熱槽を複数の小水槽に分割した場
合には各分配弁11の開閉操作を行うことが必要となる
が,氷がフイルタで捕集されて規定量の氷塊がフイルタ
背後に生成すると水圧が上昇するので,この水圧を検出
するか,或いは縦パイプ6の水位上昇量を検出し,その
値が一定値を越えたら当該小水槽の分配弁11を閉め, 下
流側の分配弁11を開くようにすればよい。
【0024】なお,蓄熱槽1内において氷と共存する水
(0℃の水)は,建物内に配置されるフアンコイルユニ
ットやヒートポンプユニットの水側熱交換器に循環さ
れ,空調用の熱源水(冷熱源)に供され,再びこの蓄熱
槽1内に戻される。過冷却水の製造装置の運転(熱源機
器の運転)と空調運転(負荷側の運転)を同時に行うこ
ともできるし,前者を安価な夜間電力を利用して行うこ
とにより夜間に蓄熱しこれを昼間の冷房に利用してもよ
い。また,暖房運転の場合には,過冷却水の製造装置は
休止し,熱源機器例えばボイラーやヒートポンプ装置に
よって蓄熱槽1内に温水を蓄え,この温水を負荷側に供
給することができる。
【0025】図8は,夜間での氷蓄熱が完了し,昼間に
おける負荷側(空気調和器)への冷水の供給を行う冷房
運転(解氷運転)を説明するための図であり,蓄熱槽と
しては図4のものを用いた場合を示している。空調運転
時には負荷側熱交換器30に蓄熱槽内の冷水が2次側ポン
プ31によって循環されるが,蓄熱槽からの冷水の取出し
は,製氷運転時の最も上流側に位置した小水槽1aに設け
た冷水取出口32から行う。また,熱交換器30を通過して
昇温した戻り水は各小水槽の上部に設けた散水装置33に
制御弁34を介して送られ, この散水装置33から槽内の氷
の上に散水される。この操作は次のようにして行うのが
よい。
【0026】まず最上流の小水槽1aの制御弁34を開き,
その他の制御弁34を閉じておくことにより小水槽1aだけ
に戻り水を散水させる。そのさい,小水槽1aの水位を下
げ,氷塊の頭が水面上となるようにしておく。取出口32
を経て熱交換器30に送られた冷水は温度が上昇して散水
装置33から氷塊上に散水されるので,漸次解氷が進行し
やがて小水槽1aの氷が全部解氷すると,小水槽1aの水温
が上昇しはじめる。例えばこの水温が4℃となったら,
小水槽1aの制御弁を閉じ, 隣の小水槽1bの制御弁34を開
いて小水槽1bに散水させる。この小水槽1b内の冷水は連
結管25を経て小水槽1aに入り込み, 取出口32から熱交換
器30に循環される。同様に,小水槽1bの水温が4℃にな
ったら,その制御弁を閉じ,次の制御弁を開き,最終の
小水槽1nまで進む。これによって,取出口32からは低温
の融解水が常に取り出せる。特にこの例では温度成層が
形成さることになるので効率がよい。
【0027】
【発明の効果】本発明によると,過冷却器から連続的に
吐出する過冷却水の落水エネルギーを利用して縦パイプ
内で流動状態を保ちながら氷・水スラリーが形成され,
形成された氷・水スラリーはただちに蓄熱槽内の下方に
連続して導入される。したがって蓄熱槽の水面上に氷滴
を落下させる場合のように氷が堆積して山盛りになるよ
うなことはない。また蓄熱槽内に連続して導入される氷
・水スラリーは氷フイルタによって氷水相と水相とを槽
内で形成することができ,氷水相では通水抵抗の増大に
よって微細氷が圧縮されて氷塊になり,大きな充填率で
氷を槽内に充填することができる。しかも,蓄熱槽を多
数の小水槽に分割することによって,一層高い充填率で
氷を蓄えることができる。このようなことから,本発明
によれば,小さい容積の蓄熱槽でも多量の冷熱を蓄える
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する空調用氷蓄熱設備の全体を示
す略断面図である。
【図2】本発明を適用する縦型の過冷却器の例を示す正
面図である。
【図3】縦パイプへの過冷却水の落下状態を図解的に示
した図である。
【図4】本発明を適用する蓄熱槽の他の例を示した略断
面図である。
【図5】本発明を適用する蓄熱槽のさらに他の例を示し
た略断面図である。
【図6】本発明を適用する蓄熱槽のさらに他の例を示し
た略断面図である。
【図7】本発明に従う氷蓄熱設備において空調運転を行
う例を示した略断面である。
【符号の説明】
1 蓄熱槽 2 過冷却器 3 ポンプ 5 過冷却水の連続流れ 6 縦パイプ 8 搬送管 9 仕切壁 10 分配管 11 分配弁 12 連通孔 13 氷フイルタ 16 伝熱管 17 冷却容器 18 ヘッダ容器 19 吐出口 20 圧縮機 21 凝縮器 22 膨張弁 25 連通管

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水が通水する伝熱管を管外壁側から冷却
    するようにした過冷却器を,空調用熱源水を蓄える蓄熱
    槽の槽外に設置し,この蓄熱槽内の水を前記過冷却器の
    伝熱管内に連続的に通水すると共に該伝熱管の放出端か
    ら零℃以下に冷却された過冷却水を吐出させ,この過冷
    却水を用いて該蓄熱槽内に氷・水を共存させる空調用氷
    蓄熱法において,該過冷却器の伝熱管から吐出する過冷
    却水を縦パイプ内に落下させ,この縦パイプ内の水位を
    蓄熱槽の水面より上方に維持させることによって,該縦
    パイプ内から蓄熱槽内に氷・水スラリーを導くことを特
    徴とする空調用氷蓄熱法。
  2. 【請求項2】 蓄熱槽は,水の連通路を介して接続され
    た複数の小水槽からなり,各小水槽に該縦パイプ内の氷
    ・水スラリーが分配弁を介して分配される請求項1に記
    載の空調用氷蓄熱法。
  3. 【請求項3】 蓄熱槽は,氷フイルタを境にして氷・水
    スラリーを蓄える氷水相と,水を蓄える水相とが形成さ
    れている請求項1または2に記載の空調用氷蓄熱法。
  4. 【請求項4】 水の連通路は,一方の小水槽の水相から
    他方の小水槽の氷水相に通じている請求項3に記載の空
    調用氷蓄熱法。
  5. 【請求項5】 氷フイルタは,蓄熱槽内において縦方向
    に張り渡される請求項3または4に記載の空調用氷蓄熱
    法。
  6. 【請求項6】 氷フイルタは,蓄熱槽内において水平方
    向に張り渡される請求項3または4に記載の空調用氷蓄
    熱法。
  7. 【請求項7】 蓄熱槽は,建物内の二重スラブで挟まれ
    るコンクリート空間である請求項1,2,3,4,5ま
    たは6に記載の空調用氷蓄熱法。
  8. 【請求項8】 縦パイプ内の氷・水スラリーは,蓄熱槽
    内の下部位置に導入される請求項1,2,3,4,5,
    6または7に記載の空調用氷蓄熱法。
JP17769491A 1991-06-24 1991-06-24 空調用氷蓄熱法 Expired - Lifetime JPH0796943B2 (ja)

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JPH0755207A (ja) * 1993-08-13 1995-03-03 Nkk Corp 氷水スラリー搬送用配管

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