JPH05181547A - 電気粘性流体使用装置 - Google Patents
電気粘性流体使用装置Info
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- JPH05181547A JPH05181547A JP34792A JP34792A JPH05181547A JP H05181547 A JPH05181547 A JP H05181547A JP 34792 A JP34792 A JP 34792A JP 34792 A JP34792 A JP 34792A JP H05181547 A JPH05181547 A JP H05181547A
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- vibration
- dynamic
- electroviscous fluid
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- Fluid-Damping Devices (AREA)
- Control Of Non-Electrical Variables (AREA)
- Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 非線形性が強い電気粘性流体を使用し、特性
が未知な場合にも学習により装置の特性を把握し、電気
粘性流体への印加電圧を制御することにより有効かつ簡
便に制御を行えるようにする。 【構成】 印加する電界強度を変えることにより粘性が
変化する電気粘性流体を用いた装置において、印加する
電界強度をニューロコントローラで制御すること、ま
た、本発明は電気粘性流体を用いた装置が振動体に取り
付けられた動吸振器であり、ニューロコントローラは振
動体の動特性を学習し、前記動吸振器への印加電圧を制
御して振動を吸収する。その結果、非線形性の強い電気
粘性流体使用装置であっても、また入出力の数に関係な
く簡便に制御することができ、さらに電気粘性流体使用
装置の特性が変化しても学習作用があるために、制御系
を組み直す必要なく制御することが可能である。
が未知な場合にも学習により装置の特性を把握し、電気
粘性流体への印加電圧を制御することにより有効かつ簡
便に制御を行えるようにする。 【構成】 印加する電界強度を変えることにより粘性が
変化する電気粘性流体を用いた装置において、印加する
電界強度をニューロコントローラで制御すること、ま
た、本発明は電気粘性流体を用いた装置が振動体に取り
付けられた動吸振器であり、ニューロコントローラは振
動体の動特性を学習し、前記動吸振器への印加電圧を制
御して振動を吸収する。その結果、非線形性の強い電気
粘性流体使用装置であっても、また入出力の数に関係な
く簡便に制御することができ、さらに電気粘性流体使用
装置の特性が変化しても学習作用があるために、制御系
を組み直す必要なく制御することが可能である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気粘性流体を使用
し、粘性制御により振動の制御、動力伝達等を行う装置
において、ニューロコントローラで粘性制御するように
した電気粘性流体使用装置に関する。
し、粘性制御により振動の制御、動力伝達等を行う装置
において、ニューロコントローラで粘性制御するように
した電気粘性流体使用装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、振動体に生ずる振動を減
衰させるのに動吸振器が用いられている。図8は従来提
案されている動吸振器を用いた振動制御装置のシステム
構成を示しており、振動体2には、印加電圧によって粘
性が変化する電気粘性流体をダンパとして用いた動吸振
器13が取付けられ、振動体の振動を、例えば加速度セ
ンサからなる検出器4で検出し、制御装置5のインター
フェース6を通してCPU9に取り込む。CPU9はR
OM7に書き込まれたプログラムにより動作し、検出し
た加速度を減衰させるように印加電圧を求めてインター
フェース6、D/A変換器3を通して動吸振器2に印加
し、動吸振器の電気粘性流体の粘性を変化させて減衰特
性を変え、振動を減衰させる。このような処理を繰り返
すことにより、振動体2の振動が吸収され、振動が抑制
される。
衰させるのに動吸振器が用いられている。図8は従来提
案されている動吸振器を用いた振動制御装置のシステム
構成を示しており、振動体2には、印加電圧によって粘
性が変化する電気粘性流体をダンパとして用いた動吸振
器13が取付けられ、振動体の振動を、例えば加速度セ
ンサからなる検出器4で検出し、制御装置5のインター
フェース6を通してCPU9に取り込む。CPU9はR
OM7に書き込まれたプログラムにより動作し、検出し
た加速度を減衰させるように印加電圧を求めてインター
フェース6、D/A変換器3を通して動吸振器2に印加
し、動吸振器の電気粘性流体の粘性を変化させて減衰特
性を変え、振動を減衰させる。このような処理を繰り返
すことにより、振動体2の振動が吸収され、振動が抑制
される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の構成に必須で
ある前記電気粘性流体について説明する。電気粘性流体
が有するウインズロウ効果は、米国特許第2,417,
850号に開示されたものであり、2つの電極間に電気
絶縁性液体(分散媒)に固定粒子(分散質)を懸濁させ
たもの、いわゆる電気粘性流体を充填し、両電極間に電
圧を印加すると、外部電界の影響により流体粘度を増大
する結果となる。この粘度は外部電界の大きさによって
外部的に制御できるだけでなく、非常に応答性が良いと
いう優れた効果が期待できるものである。
ある前記電気粘性流体について説明する。電気粘性流体
が有するウインズロウ効果は、米国特許第2,417,
850号に開示されたものであり、2つの電極間に電気
絶縁性液体(分散媒)に固定粒子(分散質)を懸濁させ
たもの、いわゆる電気粘性流体を充填し、両電極間に電
圧を印加すると、外部電界の影響により流体粘度を増大
する結果となる。この粘度は外部電界の大きさによって
外部的に制御できるだけでなく、非常に応答性が良いと
いう優れた効果が期待できるものである。
【0004】前記電気粘性流体について具体的に説明す
ると、分散媒としての電気絶縁液体は、電気絶縁性であ
ればいずれでも良く特別の制限を受けるものではない
が、例えば、鉱油や合成油があり、より具体的には、ナ
フテン系鉱油、パラフィン系鉱油、ポリアルファーオレ
フィン、ポリアルキレングリコール、シリコーン、ジエ
ステル、ポリオールエステル、リン酸エステル、珪素化
合物、フッ素化合物、ポリフェニルエーテル、アルキル
ベンゼン合成炭化水素などが挙げられる。これら電気絶
縁性液体の粘度範囲は、40℃において5〜300CP
のものが好ましい。
ると、分散媒としての電気絶縁液体は、電気絶縁性であ
ればいずれでも良く特別の制限を受けるものではない
が、例えば、鉱油や合成油があり、より具体的には、ナ
フテン系鉱油、パラフィン系鉱油、ポリアルファーオレ
フィン、ポリアルキレングリコール、シリコーン、ジエ
ステル、ポリオールエステル、リン酸エステル、珪素化
合物、フッ素化合物、ポリフェニルエーテル、アルキル
ベンゼン合成炭化水素などが挙げられる。これら電気絶
縁性液体の粘度範囲は、40℃において5〜300CP
のものが好ましい。
【0005】また、分散質としての多孔質固体粒子は、
慣用のものが使用され特別の制限を受けるものではない
が、例えば、シリカゲル、含水性樹脂、ケイソウ土、ア
ルミナ、シリカーアルミナ、ゼオライトイオン交換樹
脂、セルロース等がある。これらの多孔質固体粒子は、
通常、粒径10nm〜200μmのものが0.1〜50
重量%の割合で使用される。
慣用のものが使用され特別の制限を受けるものではない
が、例えば、シリカゲル、含水性樹脂、ケイソウ土、ア
ルミナ、シリカーアルミナ、ゼオライトイオン交換樹
脂、セルロース等がある。これらの多孔質固体粒子は、
通常、粒径10nm〜200μmのものが0.1〜50
重量%の割合で使用される。
【0006】また、分極促進効果を高めるために、水、
多価アルコールや、塩、塩基を添加する。特に、分散質
である多孔質固体粒子が誘電分極しやすくなる態様で使
用するのが好ましい。分極促進剤としては、例えば多価
アルコールまたはその部分誘導体が挙げられる。多価ア
ルコールとしては、二価アルコール、三価アルコール、
例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、グリセリン、プロパンジオー
ル、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオ
ール等を挙げることができる。好ましい多価アルコール
としてはトリエチレングリコール、テトラエチレングリ
コール等が挙げられる。
多価アルコールや、塩、塩基を添加する。特に、分散質
である多孔質固体粒子が誘電分極しやすくなる態様で使
用するのが好ましい。分極促進剤としては、例えば多価
アルコールまたはその部分誘導体が挙げられる。多価ア
ルコールとしては、二価アルコール、三価アルコール、
例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、グリセリン、プロパンジオー
ル、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオ
ール等を挙げることができる。好ましい多価アルコール
としてはトリエチレングリコール、テトラエチレングリ
コール等が挙げられる。
【0007】また、多価アルコールの部分誘導体として
は、少なくとも1つの水酸基を有する多価アルコールの
部分誘導体であり、上記多価アルコールの末端水酸基の
内の幾つかがメチル基、エチル基、プロピル基、アルキ
ル置換フェニル基(フェニル基に置換されたアルキル基
の炭素数は1〜25)等により置換された部分エーテル
類、またその末端水酸基の内の幾つかが酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸等によりエステル化された部分エステル類が
挙げられる。
は、少なくとも1つの水酸基を有する多価アルコールの
部分誘導体であり、上記多価アルコールの末端水酸基の
内の幾つかがメチル基、エチル基、プロピル基、アルキ
ル置換フェニル基(フェニル基に置換されたアルキル基
の炭素数は1〜25)等により置換された部分エーテル
類、またその末端水酸基の内の幾つかが酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸等によりエステル化された部分エステル類が
挙げられる。
【0008】これらの水や多価アルコールまたはその部
分誘導体は、通常多孔質固体粒子に対して1重量%〜1
00重量%、特に好ましくは2重量%〜80重量%使用
するとよい。添加量が1重量%未満であるとER効果が
少なく、また100重量%を越えると電流が流れやすく
なるのて好ましくない。また、酸、塩、塩基の使用量は
多孔質固体粒子に対して、通常0.01〜5重量%の割
合で使用される。
分誘導体は、通常多孔質固体粒子に対して1重量%〜1
00重量%、特に好ましくは2重量%〜80重量%使用
するとよい。添加量が1重量%未満であるとER効果が
少なく、また100重量%を越えると電流が流れやすく
なるのて好ましくない。また、酸、塩、塩基の使用量は
多孔質固体粒子に対して、通常0.01〜5重量%の割
合で使用される。
【0009】さらに、分散剤が、多孔質固体粒子の分散
媒中での分散状態を均一かつ安定にするために用いられ
る。例えば、スルホネート類、フェネート類、ホスホネ
ート類、コハク酸イミド類、アミン類、エステル類、非
イオン系分散剤等、より具体的には、マグネシウムスル
ホネート、カルシウムスルホネート、カルシウムフェネ
ート、カルシウムホスホネート、ポリブテニルコハク酸
イミド、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセスキオ
レートなどがある。これらは、通常、0.1〜15重量
%の割合で使用される。ただし、分散剤は固体粒子の分
散性の良い場合には使用しなくても良い。
媒中での分散状態を均一かつ安定にするために用いられ
る。例えば、スルホネート類、フェネート類、ホスホネ
ート類、コハク酸イミド類、アミン類、エステル類、非
イオン系分散剤等、より具体的には、マグネシウムスル
ホネート、カルシウムスルホネート、カルシウムフェネ
ート、カルシウムホスホネート、ポリブテニルコハク酸
イミド、ソルビタンモノオレート、ソルビタンセスキオ
レートなどがある。これらは、通常、0.1〜15重量
%の割合で使用される。ただし、分散剤は固体粒子の分
散性の良い場合には使用しなくても良い。
【0010】また、酸化防止剤、摩耗防止剤、腐食防止
剤、摩擦調整剤、極圧剤、消耗剤等の添加剤を配合して
もよい。本発明の実施例においては、分散媒としてアル
キルベンゼン、分散質としてシリカゲル、分極剤として
トリエチレングリコールからなる電気粘性流体に分散剤
としてトリエチレングリコール、酸化防止剤として2,
6ージーtーブチルフェノールを添加している。
剤、摩擦調整剤、極圧剤、消耗剤等の添加剤を配合して
もよい。本発明の実施例においては、分散媒としてアル
キルベンゼン、分散質としてシリカゲル、分極剤として
トリエチレングリコールからなる電気粘性流体に分散剤
としてトリエチレングリコール、酸化防止剤として2,
6ージーtーブチルフェノールを添加している。
【0011】また、他の電気粘性流体として液晶を採用
することができる。本発明で使用する液晶は、市販品を
使用すればよく、例えばアゾ系、アゾキシ系、安息香酸
フェニルエステル系、シアノビフェニル系、シアノター
フェニル系、シクロヘキシルカルボン酸フェニルエステ
ル系、フェニルシクロヘキサン系、ビフェニルシクロヘ
キサン系、フェニルピリミジン系、フェニルジオキサン
系、シクロヘキシルシクロヘキサンエステル系、シクロ
ヘキシルエタン系、シクロヘキセン系、アルキルアルコ
キシトラン系、アルケニル系、2,3−ジフルオロフェ
ニレン系、シクロヘキシルシクロヘキサン系、ビシクロ
オクタン系、キューバン系、ジシアノハイドロキノン
系、シアノチオフェニルエステル系、アゾメチン系等の
液晶を使用することができる。
することができる。本発明で使用する液晶は、市販品を
使用すればよく、例えばアゾ系、アゾキシ系、安息香酸
フェニルエステル系、シアノビフェニル系、シアノター
フェニル系、シクロヘキシルカルボン酸フェニルエステ
ル系、フェニルシクロヘキサン系、ビフェニルシクロヘ
キサン系、フェニルピリミジン系、フェニルジオキサン
系、シクロヘキシルシクロヘキサンエステル系、シクロ
ヘキシルエタン系、シクロヘキセン系、アルキルアルコ
キシトラン系、アルケニル系、2,3−ジフルオロフェ
ニレン系、シクロヘキシルシクロヘキサン系、ビシクロ
オクタン系、キューバン系、ジシアノハイドロキノン
系、シアノチオフェニルエステル系、アゾメチン系等の
液晶を使用することができる。
【0012】ただし、アゾメチン系のものは、安定性、
増粘効果が小さいためあまり好ましくない。また、必要
に応じて酸化防止剤、摩耗防止剤、腐食防止剤、摩擦調
整剤等の添加剤を配合してもよい。上記液晶は単独でも
また混合して使用してもよい。好ましくは液晶特性を向
上させるために各種液晶物質は混合して使用される。具
体的な液晶の実施例としては、商品名RDX−4069
(ロディック社製)の液晶を用いた。
増粘効果が小さいためあまり好ましくない。また、必要
に応じて酸化防止剤、摩耗防止剤、腐食防止剤、摩擦調
整剤等の添加剤を配合してもよい。上記液晶は単独でも
また混合して使用してもよい。好ましくは液晶特性を向
上させるために各種液晶物質は混合して使用される。具
体的な液晶の実施例としては、商品名RDX−4069
(ロディック社製)の液晶を用いた。
【0013】本実施例においては、電気粘性流体を用い
た前記実施例と比較して、下記の効果が得られる。 印加電圧が小さいため、放電などによる局部的損傷
が減少し装置の寿命が延びるとともに、電極の間隔を狭
くすることができ装置の小型化を図ることができ、ま
た、電源として電池の使用も可能となる。 固体粒子等の沈降の心配がないため、増粘効果等の
低下,フィルタの目詰まりがない。 剪断速度による影響が小さいため制御が容易であ
る。 劣化しにくい。
た前記実施例と比較して、下記の効果が得られる。 印加電圧が小さいため、放電などによる局部的損傷
が減少し装置の寿命が延びるとともに、電極の間隔を狭
くすることができ装置の小型化を図ることができ、ま
た、電源として電池の使用も可能となる。 固体粒子等の沈降の心配がないため、増粘効果等の
低下,フィルタの目詰まりがない。 剪断速度による影響が小さいため制御が容易であ
る。 劣化しにくい。
【0014】これらの流体に電場が加えられたときに流
体中に分散された粒子が誘電分極を起こして粒子のクラ
スタが形成されるとともに、粒子の周囲に電気二重層が
形成されて粒子間の相互作用が増幅され、みかけの粘性
が変化する、また、液晶は異方性があり、液体でありな
がら結晶性を有し、電場の存在下でその双極子モーメン
トのめに一定方向に配向し、その粒子の並びのためにレ
オロジー的変化を生じてみかけの粘度が変化するもので
あるが、極めて非線形性が強く、そのため電気粘性流体
を使用した装置を制御しようとする場合、その制御系は
極めて複雑になってしまうという問題がある。また、前
述した動吸振器のような場合、当初の設計条件と異なる
振動体や、経時的に振動状態の変化する振動体に適用し
ても印加電圧を変えることにより対応することができる
と言う特徴があるが、図8の構成のものでは、あらかじ
め制御装置に振動を減衰させるためのプログラム、検出
した加速度に対して印加すべき電圧等のデータを入力し
ておく必要があり、そのためには振動体の動特性が分か
っているものでなければ有効に振動を吸収させることが
できないという問題があった。また、電気粘性流体の特
性が時間経過にしたがって変化し、これに対処して印加
電圧を変える必要があるという問題があった。
体中に分散された粒子が誘電分極を起こして粒子のクラ
スタが形成されるとともに、粒子の周囲に電気二重層が
形成されて粒子間の相互作用が増幅され、みかけの粘性
が変化する、また、液晶は異方性があり、液体でありな
がら結晶性を有し、電場の存在下でその双極子モーメン
トのめに一定方向に配向し、その粒子の並びのためにレ
オロジー的変化を生じてみかけの粘度が変化するもので
あるが、極めて非線形性が強く、そのため電気粘性流体
を使用した装置を制御しようとする場合、その制御系は
極めて複雑になってしまうという問題がある。また、前
述した動吸振器のような場合、当初の設計条件と異なる
振動体や、経時的に振動状態の変化する振動体に適用し
ても印加電圧を変えることにより対応することができる
と言う特徴があるが、図8の構成のものでは、あらかじ
め制御装置に振動を減衰させるためのプログラム、検出
した加速度に対して印加すべき電圧等のデータを入力し
ておく必要があり、そのためには振動体の動特性が分か
っているものでなければ有効に振動を吸収させることが
できないという問題があった。また、電気粘性流体の特
性が時間経過にしたがって変化し、これに対処して印加
電圧を変える必要があるという問題があった。
【0015】本発明は上記課題を解決するためのもの
で、非線形性が強い電気粘性流体を使用し、振動体及び
動力伝達等の特性が未知な場合にも学習により装置の特
性を把握し、電気粘性流体への印加電圧を制御すること
により有効かつ簡便に制御を行うことができる電気粘性
流体使用装置を提供することを目的とする。
で、非線形性が強い電気粘性流体を使用し、振動体及び
動力伝達等の特性が未知な場合にも学習により装置の特
性を把握し、電気粘性流体への印加電圧を制御すること
により有効かつ簡便に制御を行うことができる電気粘性
流体使用装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、印加する電界
強度を変えることにより粘性が変化する電気粘性流体を
用いた装置において、印加する電界強度をニューロコン
トローラで制御することを特徴とする。また、本発明は
電気粘性流体を用いた装置が振動体に取り付けられた動
吸振器であり、ニューロコントローラは振動体の動特性
を学習し、前記動吸振器への印加電圧を制御して振動を
吸収するようにしたことを特徴とする。
強度を変えることにより粘性が変化する電気粘性流体を
用いた装置において、印加する電界強度をニューロコン
トローラで制御することを特徴とする。また、本発明は
電気粘性流体を用いた装置が振動体に取り付けられた動
吸振器であり、ニューロコントローラは振動体の動特性
を学習し、前記動吸振器への印加電圧を制御して振動を
吸収するようにしたことを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明は、ニューロコントローラより電気粘性
流体使用装置に電圧を印加し、電気粘性流体使用装置の
出力すなわち振動体の運動量と目標値との差に依存する
評価関数が最小になるように逆伝播させてコントローラ
の各ニューロンの結合荷重を決定することにより、非線
形性の強い電気粘性流体使用装置であっても、また入出
力の数に関係なく簡便に制御することができ、さらに電
気粘性流体使用装置の特性が変化しても学習作用がある
ために、制御系を組み直す必要なく制御することが可能
である。
流体使用装置に電圧を印加し、電気粘性流体使用装置の
出力すなわち振動体の運動量と目標値との差に依存する
評価関数が最小になるように逆伝播させてコントローラ
の各ニューロンの結合荷重を決定することにより、非線
形性の強い電気粘性流体使用装置であっても、また入出
力の数に関係なく簡便に制御することができ、さらに電
気粘性流体使用装置の特性が変化しても学習作用がある
ために、制御系を組み直す必要なく制御することが可能
である。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例として
振動制御装置について説明するが、本発明は振動制御装
置に限らず電気粘性流体を使用する装置について全て適
用可能である。図1は本発明の一実施例を示す制御系の
概念図、図2は本発明の制御系を振動制御に適用した場
合の概念図、図3はフォワードモデル・ネットワークの
説明図、図4は動吸振器を説明するための図、図5は本
発明の振動制御装置の一実施例の構成を示す図 図6、
図7はニューロネットワークの説明図である。図中、1
0はニューロコントローラ、10aは入力層、10bは
中間層、10cは出力層、11は電気粘性流体デバイ
ス、12は評価部、13は動吸振器、14はフォワード
モデル・ネットワーク、15はコントローラ・ネットワ
ーク、21は入力層、22は中間層、23は出力層であ
る。
振動制御装置について説明するが、本発明は振動制御装
置に限らず電気粘性流体を使用する装置について全て適
用可能である。図1は本発明の一実施例を示す制御系の
概念図、図2は本発明の制御系を振動制御に適用した場
合の概念図、図3はフォワードモデル・ネットワークの
説明図、図4は動吸振器を説明するための図、図5は本
発明の振動制御装置の一実施例の構成を示す図 図6、
図7はニューロネットワークの説明図である。図中、1
0はニューロコントローラ、10aは入力層、10bは
中間層、10cは出力層、11は電気粘性流体デバイ
ス、12は評価部、13は動吸振器、14はフォワード
モデル・ネットワーク、15はコントローラ・ネットワ
ーク、21は入力層、22は中間層、23は出力層であ
る。
【0019】まず、ニューラル・ネットについて簡単に
説明する。図6(a)はニューロンをモデル化したユニ
ットを示し、ユニットUiは他のユニットから入力Qj
の総和を一定の規則で変換してQiとするが、他のユニ
ットとの結合部にはそれぞれ可変の重みWijがついて
いる。この重みは各ユニット間の結合の強さを表し、こ
の値を変えると接続を変えなくても実質的にネットワー
クの構造が変わることになる。ネットワークの学習とは
この値を変えることであって、重みWijは正,ゼロ,
負の値をとり、ゼロは結合のないことを表している。い
ま、あるユニットが複数ユニットから入力を受けた場
合、その入力の総和をTiとすると、 Ti=ΣWijQj であり、各ユニットはこの入力の総和Tiを関数fに適
用し、次式に示すようにQiに変換する。
説明する。図6(a)はニューロンをモデル化したユニ
ットを示し、ユニットUiは他のユニットから入力Qj
の総和を一定の規則で変換してQiとするが、他のユニ
ットとの結合部にはそれぞれ可変の重みWijがついて
いる。この重みは各ユニット間の結合の強さを表し、こ
の値を変えると接続を変えなくても実質的にネットワー
クの構造が変わることになる。ネットワークの学習とは
この値を変えることであって、重みWijは正,ゼロ,
負の値をとり、ゼロは結合のないことを表している。い
ま、あるユニットが複数ユニットから入力を受けた場
合、その入力の総和をTiとすると、 Ti=ΣWijQj であり、各ユニットはこの入力の総和Tiを関数fに適
用し、次式に示すようにQiに変換する。
【0020】Qi=f(Ti)=f(ΣWijQj) この関数fは各ユニット毎に異なってよいが、一般には
図6(b)に示すようにしきい値θを境に1または0の
値をとる関数、図6(c)に示すように入力値が大きく
なるにつれて1に、小さくなるにつれて0に近づき、入
力が0のときに0.5となる関数が使用される。
図6(b)に示すようにしきい値θを境に1または0の
値をとる関数、図6(c)に示すように入力値が大きく
なるにつれて1に、小さくなるにつれて0に近づき、入
力が0のときに0.5となる関数が使用される。
【0021】図7はこのようなユニットからなるパター
ン連想型のネットワークの構造の一例を示し、各ユニッ
トを入力層、中間層、出力層に階層化し、各ユニットは
入力層から出力層に向けて接続されるが、各層内のユニ
ット同士は接続せず、また入力ユニットと出力ユニット
は独立している。このようなニューラル・ネットにおい
て、入力層の各ユニットに入力データを与えるとこの信
号は各ユニットで変換され、中間層に伝わり、最後に出
力層から出てくるが、望ましい出力を得るためには各ユ
ニット間の結合の強弱、すなわち重みを適切な値に設定
する必要があり、この重みの設定は適当に学習させるこ
とによって行う。まず最初にすべての重みを適当に設定
しておき、入力層の各ユニットに学習用の入力データを
与え、このとき出力層の各ユニットから得られる出力値
と望ましい出力値を比較し、その差を小さくするように
各重みの値を修正し、これを多数の学習データを用いて
誤差が収束するまで繰り返すことにより、ネットワーク
内には知識処理機能が自動的に埋め込まれることにな
る。
ン連想型のネットワークの構造の一例を示し、各ユニッ
トを入力層、中間層、出力層に階層化し、各ユニットは
入力層から出力層に向けて接続されるが、各層内のユニ
ット同士は接続せず、また入力ユニットと出力ユニット
は独立している。このようなニューラル・ネットにおい
て、入力層の各ユニットに入力データを与えるとこの信
号は各ユニットで変換され、中間層に伝わり、最後に出
力層から出てくるが、望ましい出力を得るためには各ユ
ニット間の結合の強弱、すなわち重みを適切な値に設定
する必要があり、この重みの設定は適当に学習させるこ
とによって行う。まず最初にすべての重みを適当に設定
しておき、入力層の各ユニットに学習用の入力データを
与え、このとき出力層の各ユニットから得られる出力値
と望ましい出力値を比較し、その差を小さくするように
各重みの値を修正し、これを多数の学習データを用いて
誤差が収束するまで繰り返すことにより、ネットワーク
内には知識処理機能が自動的に埋め込まれることにな
る。
【0022】図1はこのようなニューラル・ネットによ
り非線形性の強い電気粘性流体を使用したデバイスを制
御する場合の概念図である。ニューロコントローラ10
は入力層10a、中間層10b、出力層10cからなっ
ており、出力層10cからの出力は電気粘性流体デバイ
ス11へ加えられ、電気粘性流体の粘性が制御される。
また、出力層10cからの出力の一部は入力層10aに
帰還され、同様に電気粘性流体デバイス11の状態量
(例えば、加速度、加速度の変化分等)が入力層10a
に帰還される。いま、電気粘性流体デバイスの出力をO
F 、目標値をXT とすると、評価部12では (1/2)Σ(XT −OF )2 を評価関数として、この値が最小になるように逆伝播法
によりニューロコントローラ10の各ニューロンの重み
が調整される。その結果、電気粘性流体デバイス11は
目標値XT に接近するように制御されることになる。こ
のように、非線形性の極めて強い電気粘性流体でも、そ
の特性に関係なく簡便に制御することが可能であり、ま
た、電気粘性流体の制御に当たってはその入出力数が問
題になるが、その数に関係なく簡便に制御することがで
きる。さらに、学習作用があるために、電気粘性流体デ
バイスの特性が変わっても制御系を組み直す必要もな
い。
り非線形性の強い電気粘性流体を使用したデバイスを制
御する場合の概念図である。ニューロコントローラ10
は入力層10a、中間層10b、出力層10cからなっ
ており、出力層10cからの出力は電気粘性流体デバイ
ス11へ加えられ、電気粘性流体の粘性が制御される。
また、出力層10cからの出力の一部は入力層10aに
帰還され、同様に電気粘性流体デバイス11の状態量
(例えば、加速度、加速度の変化分等)が入力層10a
に帰還される。いま、電気粘性流体デバイスの出力をO
F 、目標値をXT とすると、評価部12では (1/2)Σ(XT −OF )2 を評価関数として、この値が最小になるように逆伝播法
によりニューロコントローラ10の各ニューロンの重み
が調整される。その結果、電気粘性流体デバイス11は
目標値XT に接近するように制御されることになる。こ
のように、非線形性の極めて強い電気粘性流体でも、そ
の特性に関係なく簡便に制御することが可能であり、ま
た、電気粘性流体の制御に当たってはその入出力数が問
題になるが、その数に関係なく簡便に制御することがで
きる。さらに、学習作用があるために、電気粘性流体デ
バイスの特性が変わっても制御系を組み直す必要もな
い。
【0023】次に、電気粘性流体デバイスとして動吸振
器を用いた例について図4により説明する。この動吸振
器は、図4(a)(縦断面図)、図4(b)(横断面
図)に示されるように、内筒63および内筒63外に摺
動自在に嵌合される外筒62からなり、外筒62と内筒
63の両端はOリング等のシール部材64,65により
シールされ、外筒62と内筒63との間には環状の間隙
部66を形成している。外筒62の内周面と内筒63の
外周面には、間隙部66に対向するようにそれぞれ円筒
形状の電極67,68が形成されている。電極67,6
8は、外筒62および内筒63が金属材料で製造される
場合には絶縁材料を介して設けられ、樹脂等の絶縁材料
で製造される場合には直接設けられる。
器を用いた例について図4により説明する。この動吸振
器は、図4(a)(縦断面図)、図4(b)(横断面
図)に示されるように、内筒63および内筒63外に摺
動自在に嵌合される外筒62からなり、外筒62と内筒
63の両端はOリング等のシール部材64,65により
シールされ、外筒62と内筒63との間には環状の間隙
部66を形成している。外筒62の内周面と内筒63の
外周面には、間隙部66に対向するようにそれぞれ円筒
形状の電極67,68が形成されている。電極67,6
8は、外筒62および内筒63が金属材料で製造される
場合には絶縁材料を介して設けられ、樹脂等の絶縁材料
で製造される場合には直接設けられる。
【0024】内筒63の内部にはリザーバ室69が形成
され、リザーバ室69は間隙部66に連通されている。
そして、間隙部66およびリザーバ室69内に電気粘性
流体が充填される。このリザーバ室69は、間隙部66
内の電気粘性流体が外部ヘ洩れた場合これを補充するた
めのもので、シール構造を確実にすれば必ずしも必要で
はない。内筒63は支持体70上に固定され、機器また
は構造物71は、スプリング72を介して支持体70に
支持されると共に、スプリング73を介して外筒62に
支持される構成になっている。
され、リザーバ室69は間隙部66に連通されている。
そして、間隙部66およびリザーバ室69内に電気粘性
流体が充填される。このリザーバ室69は、間隙部66
内の電気粘性流体が外部ヘ洩れた場合これを補充するた
めのもので、シール構造を確実にすれば必ずしも必要で
はない。内筒63は支持体70上に固定され、機器また
は構造物71は、スプリング72を介して支持体70に
支持されると共に、スプリング73を介して外筒62に
支持される構成になっている。
【0025】次に、上記構成からなる本発明に作用につ
いて説明する。機器または構造物71の振動は、加速度
センサ等の振動検出センサにより検出され、図示しない
電子制御装置により振動の大きさに応じた電圧が電極6
7,68に印加される。電極67,68間に電圧が印加
されると、間隙部66内の電気粘性流体に直交する電界
を形成することとなり、電極67,68に挟まれる電気
粘性流体の粘度を増減させることとなる。従って、外筒
62と内筒63間の粘性抵抗が調整せしめられるため、
機器または構造物71の振動減衰特性を極めて容易に調
整できる。なお、電圧無印加時に1次振動を吸収するよ
うにチューニングしておき、印加電圧を適当に制御する
ようにすれば、2次以上の振動を容易に抑えることがで
きる。
いて説明する。機器または構造物71の振動は、加速度
センサ等の振動検出センサにより検出され、図示しない
電子制御装置により振動の大きさに応じた電圧が電極6
7,68に印加される。電極67,68間に電圧が印加
されると、間隙部66内の電気粘性流体に直交する電界
を形成することとなり、電極67,68に挟まれる電気
粘性流体の粘度を増減させることとなる。従って、外筒
62と内筒63間の粘性抵抗が調整せしめられるため、
機器または構造物71の振動減衰特性を極めて容易に調
整できる。なお、電圧無印加時に1次振動を吸収するよ
うにチューニングしておき、印加電圧を適当に制御する
ようにすれば、2次以上の振動を容易に抑えることがで
きる。
【0026】次に、図2、図3により本発明を振動制御
装置に適用した例について説明する。図2において、コ
ントローラ・ネットワーク15、フォワードモデル・ネ
ットワーク14は前述したようなニューラル・ネットか
ら構成されており、フォワードモデル・ネットワーク1
4は制御対象である動吸振器13の動特性を表現するた
めのもので、その出力は運動の評価に用いられる。コン
トローラ・ネットワーク15により制御対象である振動
体(或いは動吸振器)とフォワードモデル・ネットワー
ク14に対して同時に制御信号が送られる。そして、フ
ォワードモデル・ネットワーク14の出力OF と動吸振
器13を含めた構造物の応答Xとの差がとられ、 (1/2)Σ(X−OF )2 を評価関数としてフォワードモデル・ネットワーク14
を通してコントローラ・ネットワークに伝播させ、誤差
が減少するようにすべてのニューロンの結合荷重を調整
する。
装置に適用した例について説明する。図2において、コ
ントローラ・ネットワーク15、フォワードモデル・ネ
ットワーク14は前述したようなニューラル・ネットか
ら構成されており、フォワードモデル・ネットワーク1
4は制御対象である動吸振器13の動特性を表現するた
めのもので、その出力は運動の評価に用いられる。コン
トローラ・ネットワーク15により制御対象である振動
体(或いは動吸振器)とフォワードモデル・ネットワー
ク14に対して同時に制御信号が送られる。そして、フ
ォワードモデル・ネットワーク14の出力OF と動吸振
器13を含めた構造物の応答Xとの差がとられ、 (1/2)Σ(X−OF )2 を評価関数としてフォワードモデル・ネットワーク14
を通してコントローラ・ネットワークに伝播させ、誤差
が減少するようにすべてのニューロンの結合荷重を調整
する。
【0027】この調整は、振動体(或いは動吸振器)は
その運動特性が未知であり、適応的にコントローラを調
整するためには、動吸振器13の運動を把握し、その入
出力を参照する機構を持つ必要があるが、本発明におい
てはフォワードモデル・ネットワーク14で学習して把
握する。フォワードモデル・ネットワークは、振動体を
含めた動吸振器の状態量と制御信号を入口とし、制御の
結果評価として使われる状態量を出口とするネットワー
クである。この場合、パターン認識等に用いられるニュ
ーラル・ネットワークの場合には、ネットワークの入出
力信号の間には静的な対応関係のみが成立しており、信
号の出現順序には本質的な意味はないが、信号の時系列
的な変化パターンが意味を持つ場合には、ネットワーク
内に入力信号の履歴が現在に影響を及ぼすような構造が
必要な場合がある。
その運動特性が未知であり、適応的にコントローラを調
整するためには、動吸振器13の運動を把握し、その入
出力を参照する機構を持つ必要があるが、本発明におい
てはフォワードモデル・ネットワーク14で学習して把
握する。フォワードモデル・ネットワークは、振動体を
含めた動吸振器の状態量と制御信号を入口とし、制御の
結果評価として使われる状態量を出口とするネットワー
クである。この場合、パターン認識等に用いられるニュ
ーラル・ネットワークの場合には、ネットワークの入出
力信号の間には静的な対応関係のみが成立しており、信
号の出現順序には本質的な意味はないが、信号の時系列
的な変化パターンが意味を持つ場合には、ネットワーク
内に入力信号の履歴が現在に影響を及ぼすような構造が
必要な場合がある。
【0028】そこで、フォワードモデル・ネットワーク
14は、図3に示すように内部に回帰的なループを持た
せ、過去の入力が現在に影響するようにする。例えば、
入力層のi番目のニューロンに関して、 Oi(t)=μiOi(t−Δt)+Ii(t) となるようにする。ここで、μiは回帰的な結合の荷
重、Ii(t)は時間tにおける入力層ニューロンの入
力信号、Oi(t)は出力信号である。これにより、μ
iが1より小さいときには、古い入力ほど影響が小さ
く、新しい入力ほど影響が大きくなる。なお、回帰のル
ープは中間層から入力層へ回帰させるなどさまざまな変
形が可能である。こうして、フォワードモデル・ネット
ワーク14が振動体の動特性を表現することになる。
14は、図3に示すように内部に回帰的なループを持た
せ、過去の入力が現在に影響するようにする。例えば、
入力層のi番目のニューロンに関して、 Oi(t)=μiOi(t−Δt)+Ii(t) となるようにする。ここで、μiは回帰的な結合の荷
重、Ii(t)は時間tにおける入力層ニューロンの入
力信号、Oi(t)は出力信号である。これにより、μ
iが1より小さいときには、古い入力ほど影響が小さ
く、新しい入力ほど影響が大きくなる。なお、回帰のル
ープは中間層から入力層へ回帰させるなどさまざまな変
形が可能である。こうして、フォワードモデル・ネット
ワーク14が振動体の動特性を表現することになる。
【0029】次に、フォワードモデル・ネットワーク1
4が動吸振器および振動体の運動を正確に表現している
とすると、その出力は制御対象の制御結果と等しいもの
となる。そこで、評価部12ではフォワードモデル・ネ
ットワーク14の出力OF と、目標値XT (教師信号)
との誤差の2乗和、 (1/2)Σ(XT −OF )2 を評価関数とし、この誤差をフォワードモデル・ネット
ワーク14を通してコントローラ・ネットワーク15に
まで伝播させることにより、この値が減少するようにコ
ントローラ・ネットワークのすべてのニューロンの結合
荷重を調整する。なお、コントローラ・ネットワーク1
5についても、フォワードモデル・ネットワークと同様
に内部的に回帰的なループを持たせることもできる。
4が動吸振器および振動体の運動を正確に表現している
とすると、その出力は制御対象の制御結果と等しいもの
となる。そこで、評価部12ではフォワードモデル・ネ
ットワーク14の出力OF と、目標値XT (教師信号)
との誤差の2乗和、 (1/2)Σ(XT −OF )2 を評価関数とし、この誤差をフォワードモデル・ネット
ワーク14を通してコントローラ・ネットワーク15に
まで伝播させることにより、この値が減少するようにコ
ントローラ・ネットワークのすべてのニューロンの結合
荷重を調整する。なお、コントローラ・ネットワーク1
5についても、フォワードモデル・ネットワークと同様
に内部的に回帰的なループを持たせることもできる。
【0030】こうして、動特性の未知な動吸振器に対し
てもフォワードモデル・ネットワークによりその動特性
を把握し、その出力と目標値との誤差がなくなるように
コントローラ・ネットワークを調整することにより、有
効に振動体の振動を吸収することができる。
てもフォワードモデル・ネットワークによりその動特性
を把握し、その出力と目標値との誤差がなくなるように
コントローラ・ネットワークを調整することにより、有
効に振動体の振動を吸収することができる。
【0031】図5は本発明の振動制御装置を適用した場
合の構成モデルを説明するための図である。振動体41
はバネ43、44で支持されており、D/A変換器50
を通して励振信号が与えられる加振器42により励振さ
れるようになっている。また、振動体41には図4に示
したような動吸振器45が取付けられ、高圧電源46を
通して電気粘性流体に電圧が印加され、減衰係数を制御
されている。また、動吸振器45、振動体41には加速
度センサ51、52が取付けられて加速度を検出し、検
出信号を増幅器47で増幅し、A/D変換器48でディ
ジタル量に変換してコンピュータ49に取り込んでい
る。コンピュータ49には本発明の振動制御用のニュー
ロソフトが内蔵されており、振動体41の動特性が未知
であっても、前述したようにフォワードモデル・ネット
ワークで動特性を把握し、把握した特性に基づいてコン
トローラを調整して高圧電源を駆動制御し、動吸振器の
減衰特性を変えて有効に振動を吸収することができ、振
動体41の振動を極力抑えることが可能である。
合の構成モデルを説明するための図である。振動体41
はバネ43、44で支持されており、D/A変換器50
を通して励振信号が与えられる加振器42により励振さ
れるようになっている。また、振動体41には図4に示
したような動吸振器45が取付けられ、高圧電源46を
通して電気粘性流体に電圧が印加され、減衰係数を制御
されている。また、動吸振器45、振動体41には加速
度センサ51、52が取付けられて加速度を検出し、検
出信号を増幅器47で増幅し、A/D変換器48でディ
ジタル量に変換してコンピュータ49に取り込んでい
る。コンピュータ49には本発明の振動制御用のニュー
ロソフトが内蔵されており、振動体41の動特性が未知
であっても、前述したようにフォワードモデル・ネット
ワークで動特性を把握し、把握した特性に基づいてコン
トローラを調整して高圧電源を駆動制御し、動吸振器の
減衰特性を変えて有効に振動を吸収することができ、振
動体41の振動を極力抑えることが可能である。
【0032】なお、本発明のニューロコントローラを用
いて粘性制御する機械装置として動吸振器の他、減衰吸
振器、エンジンマウント、ショックアブソーバ、スクイ
ーズフィルムダンパ、クラッチ、ブレーキ、軸受け、梁
状構造物等あげることができる。
いて粘性制御する機械装置として動吸振器の他、減衰吸
振器、エンジンマウント、ショックアブソーバ、スクイ
ーズフィルムダンパ、クラッチ、ブレーキ、軸受け、梁
状構造物等あげることができる。
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明のニューロコント
ローラは適応制御系を作成する時に有効であり、この制
御を用い、非線形性が強い電気粘性流体を使用した装置
の特性を学習して電気粘性流体への印加電圧を制御する
ことにより、制御対象が非線形性であっても、入出力数
に関係なく、また電気粘性流体デバイスの特性が変わっ
ても、制御系を組み直すことなく制御することが可能で
ある。
ローラは適応制御系を作成する時に有効であり、この制
御を用い、非線形性が強い電気粘性流体を使用した装置
の特性を学習して電気粘性流体への印加電圧を制御する
ことにより、制御対象が非線形性であっても、入出力数
に関係なく、また電気粘性流体デバイスの特性が変わっ
ても、制御系を組み直すことなく制御することが可能で
ある。
【図1】 本発明の制御系の概念図である。
【図2】 本発明の振動制御装置の概念図である。
【図3】 フォワードモデル・ネットワークを説明する
図である。
図である。
【図4】 動吸振器を説明するための図である。
【図5】 振動制御装置の一実施例の構成を示す図であ
る。
る。
【図6】 ニューロンの説明図である。
【図7】 ニューラル・ネットワークの説明図である。
【図8】 従来の振動制御装置の構成を示す図である。
10…ニューロコントローラ、11…電気粘性流体デバ
イス、12…評価部、13…動吸振器、14…フォワー
ドモデル・ネットワーク、15…コントローラ・ネット
ワーク、21…入力層、22…中間層、23…出力層。
イス、12…評価部、13…動吸振器、14…フォワー
ドモデル・ネットワーク、15…コントローラ・ネット
ワーク、21…入力層、22…中間層、23…出力層。
Claims (2)
- 【請求項1】 印加する電界強度を変えることにより粘
性が変化する電気粘性流体を用いた装置において、印加
する電界強度をニューロコントローラで制御することを
特徴とする電気粘性流体使用装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の装置において、電気粘性
流体を用いた装置が振動体に取り付けられた動吸振器で
あり、ニューロコントローラは振動体の動特性を学習
し、前記動吸振器への印加電圧を制御して振動を吸収す
るようにしたことを特徴とする電気粘性流体使用装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34792A JPH05181547A (ja) | 1992-01-06 | 1992-01-06 | 電気粘性流体使用装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34792A JPH05181547A (ja) | 1992-01-06 | 1992-01-06 | 電気粘性流体使用装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05181547A true JPH05181547A (ja) | 1993-07-23 |
Family
ID=11471323
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34792A Pending JPH05181547A (ja) | 1992-01-06 | 1992-01-06 | 電気粘性流体使用装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05181547A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11216717B2 (en) | 2017-04-04 | 2022-01-04 | Hailo Technologies Ltd. | Neural network processor incorporating multi-level hierarchical aggregated computing and memory elements |
US11221929B1 (en) | 2020-09-29 | 2022-01-11 | Hailo Technologies Ltd. | Data stream fault detection mechanism in an artificial neural network processor |
US11238334B2 (en) | 2017-04-04 | 2022-02-01 | Hailo Technologies Ltd. | System and method of input alignment for efficient vector operations in an artificial neural network |
US11237894B1 (en) | 2020-09-29 | 2022-02-01 | Hailo Technologies Ltd. | Layer control unit instruction addressing safety mechanism in an artificial neural network processor |
US11263077B1 (en) | 2020-09-29 | 2022-03-01 | Hailo Technologies Ltd. | Neural network intermediate results safety mechanism in an artificial neural network processor |
US11811421B2 (en) | 2020-09-29 | 2023-11-07 | Hailo Technologies Ltd. | Weights safety mechanism in an artificial neural network processor |
-
1992
- 1992-01-06 JP JP34792A patent/JPH05181547A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11216717B2 (en) | 2017-04-04 | 2022-01-04 | Hailo Technologies Ltd. | Neural network processor incorporating multi-level hierarchical aggregated computing and memory elements |
US11238331B2 (en) | 2017-04-04 | 2022-02-01 | Hailo Technologies Ltd. | System and method for augmenting an existing artificial neural network |
US11238334B2 (en) | 2017-04-04 | 2022-02-01 | Hailo Technologies Ltd. | System and method of input alignment for efficient vector operations in an artificial neural network |
US11263512B2 (en) | 2017-04-04 | 2022-03-01 | Hailo Technologies Ltd. | Neural network processor incorporating separate control and data fabric |
US11461614B2 (en) | 2017-04-04 | 2022-10-04 | Hailo Technologies Ltd. | Data driven quantization optimization of weights and input data in an artificial neural network |
US11221929B1 (en) | 2020-09-29 | 2022-01-11 | Hailo Technologies Ltd. | Data stream fault detection mechanism in an artificial neural network processor |
US11237894B1 (en) | 2020-09-29 | 2022-02-01 | Hailo Technologies Ltd. | Layer control unit instruction addressing safety mechanism in an artificial neural network processor |
US11263077B1 (en) | 2020-09-29 | 2022-03-01 | Hailo Technologies Ltd. | Neural network intermediate results safety mechanism in an artificial neural network processor |
US11811421B2 (en) | 2020-09-29 | 2023-11-07 | Hailo Technologies Ltd. | Weights safety mechanism in an artificial neural network processor |
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