JPH0516515B2 - - Google Patents

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JPH0516515B2
JPH0516515B2 JP22189685A JP22189685A JPH0516515B2 JP H0516515 B2 JPH0516515 B2 JP H0516515B2 JP 22189685 A JP22189685 A JP 22189685A JP 22189685 A JP22189685 A JP 22189685A JP H0516515 B2 JPH0516515 B2 JP H0516515B2
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JP
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repaired
cement
coating material
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silicate
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Shunsuke Tazawa
Katsuhiko Kurihara
Masayoshi Tamura
Toshio Koike
Iku Oowa
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Nitto Chemical Industry Co Ltd
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Nitto Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、鉄筋コンクリートまたは水硬性無機
質材の補修方法に関する。 本発明は、劣化して脆弱化または剥落欠損した
鉄筋コンクリートまたは水硬性無機質材からなる
構造物の劣化の進行防止ならびに鉄筋の腐食抑制
を行い、これらの耐久性を向上させる鉄筋コンク
リートまたは水硬性無機質材の改良された補修方
法を提供することを目的とする。 〔従来技術〕 従来、劣化した鉄筋コンクリートまたは無機質
材を補修する方法としては、それらの表面に水溶
性けい酸塩系化合物の溶液を塗布、含浸させた後
に、その表面にセメントペーストを被覆する方法
(特公昭57−11988号公報)が提案されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 劣化した鉄筋コンクリートまたは無機質材の表
面や亀裂個所には水分、油分、土砂、粉塵などの
異物が付着しているため、その表面に水溶性けい
酸塩系化合物溶液を単に塗布しただけでは本体に
浸透し難く、内部の鉄筋の腐食抑制効果が充分で
ない。 また、表面に形成される水溶性けい酸塩系化合
物被膜の耐水性がよくないことを補うため、この
被膜をセメントペースト、セメントモルタル、あ
るいはこれらに高分子デイスパージヨンを添加し
たもので被覆することによつて防水を図つても、
けい酸塩中のアルカリ成分が大気中のCO2と反応
し塩を生成して白華現象を起し、この塩の層の接
着力が弱いため、補修面から被覆材とともに剥離
ないし剥落する。 このように従来の方法には、耐久性の面で難点
がある。 〔問題を解決するための手段〕 そこで、本発明者らは、このような欠点を改良
するために鋭意研究を重ね、補修施工面に水溶性
けい酸塩系化合物の水溶液(以下、薬液という)
を塗布する前に表層部分に付着あるいは含有され
ている異物を除去する工程、および薬液塗布後の
補修部分の表面にある塗布物の被膜を除去する工
程を加えることによつて補修効果が改善されるこ
とを見出し本発明を完成するに至つた。 すなわち本発明は、「鉄筋コンクリートまたは
水硬性無機質材を補修するにあたり、下記の工程
を組み合わせることを特徴とする鉄筋コンクリー
トまたは水硬性無機質材の補修方法。 (1) 補修対象物の脆弱化部分を除去し、更に補修
部分の表層部に付着しまたは含まれている異物
を除去する工程〔工程(1)〕。 (2) 工程(1)で得られた表面に、水溶性けい酸塩系
化合物の水溶液を塗布し、本体に浸透させる工
程〔工程(2)〕。 (3) ついで、工程(2)で処理した面に付着している
塗布物の被膜を除去し、本体の面を露出させる
工程〔工程(3)〕。 (4) 工程(3)の処理を施して得られた本体表面を防
水性被覆材で被覆積層する工程〔工程(4)〕。」を
要旨とする。 以下、本発明について詳述する。本発明の実施
態様は、次の4つの工程から構成される。 〔工程(1)〕 劣化あるいは剥落欠損した鉄筋コン
クリートまたは水硬性無機質材の脆弱化部分の除
去、および亀裂個所のVカツトを行つた後、補修
部分の表層部を洗浄・乾燥し、減圧吸引または圧
縮ガス吹きつけなどを行つて、補修部分の表層部
に含有または付着している異物を除去する。 〔工程(2)〕 工程(1)で得られた表面に、必要によ
り防食剤を加えた水溶性けい酸塩化合物の水溶液
を塗布し、本体に浸透させる。 〔工程(3)〕 工程(2)で処理した面に付着している
塗布物の被膜を除去し、本体面を露出させる。 〔工程(4)〕 工程(3)の処理を施して得られた本体
表面に、積層する被覆材の厚みに応じて必要によ
り適当な支持材を施し、防水性の被覆材を被覆積
層する。 本発明の方法の第1の特徴は、補修施工面に薬
液を塗布する前に表層部分に付着あるいは含有さ
れている異物を除去するところにある。 補修対象物は構築または製作後、一般に長い年
月が経過していることから、水分や粉塵、土砂、
コロイド、油分、塩分などの異物が表面に付着し
たり、亀裂部の内部に詰つたりしている。このた
め、その表面に薬液を単に塗布して本体内部に浸
透させようとしても、長時間を要したり浸透しな
かつたりする。 これらの異物を除去することにより、補修対象
物の本体内部への薬液の浸透深さが大きくなり、
本体内部の鉄筋の防食効果の持続と対象物の劣化
の進行防止が行われる。 本発明の方法の第2の特徴は、薬液塗布後の補
修部分の表面にある塗布物の被膜を除去し、本体
面を露出させるところにある。 補修対象物の表面に塗布した薬液が乾燥して生
成した被膜は耐水性が小さく、また、薬液に含ま
れるけい酸塩系化合物中のアルカリ成分が大気中
の炭酸ガスと反応して水溶性の炭酸塩に変化し、
白華成分を生成して、接着力の低下を招くので、
薬液の乾燥硬化被膜の上に防水性被覆材を被覆し
ても、層間剥離を起して剥落する。 補修部分の表面にある塗布物の被膜を除去し、
露出させた本体面に被覆材を積層することによつ
て、被覆材の補修面からの剥離・剥落を防止する
ことができる。 上記の特徴を組み込んだ本発明の方法により、
補修対象物の耐久性を著しく向上させ得る。 本発明の補修方法の対象となる鉄筋コンクリー
トとは、一般に土木建築分野の構造物やコンクリ
ート二次製品などを含み、また水硬性無機質材と
は、普通ポルトランドセメント・早強セメント・
超早強セメント・中庸熱ポルトランドセメント・
耐硫酸塩ポルトランドセメント・白色ポルトラン
ドセメントなどのポルトランドセメント類、高炉
セメント・シリカセメント・フライアツシユセメ
ントなどの混合セメント類、アルミナセメント・
超速硬性セメント(急硬セメント・ジエツトセメ
ント)・コロイドセメント・数μmに粉砕したセメ
ント・膨張セメント・けい酸カルシウム・半水石
膏・無水石膏・石灰・フライアツシユスラグなど
の特殊セメント類などの一種または二種以上を主
原料とし、必要により各種の骨材・セメント混和
剤などを加え、水と混練した後硬化させたものを
いう。 以下、本発明の4つの工程を順次説明する。 〔工程(1)〕異物除去工程; 本工程は、次の工程(2)において補修施工面に塗
布する薬液を補修対象物の本体内部に、より深く
浸透させるための処理を行う工程である。 本工程では、まず補修対象物の表面ないし本体
の脆弱化部分の除去、および亀裂個所のVカツト
処理を行う。これらの処理は、ワイヤーブラシ・
サンダー・サンドブラストなどによつて行うこと
ができる。 次に、該処理表面を水、洗浄剤、溶剤などで洗
浄した後、自然乾燥または熱風乾燥を行い、更に
減圧で吸引するか、圧縮空気を吹きつけるなどし
て付着している異物を除去する。 上記の洗浄剤、溶剤としては、油分などを除去
するのに一般に用いられるものを使用することが
できる。 〔工程(2)〕薬液塗布浸透工程; 本工程においては、補修対象物の中性化した部
分をアルカリ性化して鉄筋の腐蝕を抑制するため
水溶性けい酸塩系化合物の水溶液を補修部分に塗
布し、本体に浸透させる。 本発明で用いる水溶性けい酸塩系化合物とは、
一般式:M2O・nSiO2で示されるけい酸塩の単
独、またはこれらの混合物をいう。 上記一般式において、MはLi,K,Na,Csな
どのアルカリ金属元素を表し、具体的にはけい酸
リチウム、けい酸カリウム、けい酸ナトリウム、
けい酸セシウムなどのけい酸アルカリ金属塩類を
挙げるとができる。モル比(SiO2/M2O):nの
値は1〜100、好ましくは1〜10の範囲である。 また上記一般式において、Mがアンモニウム成
分として表せる化合物も用いることができ、この
ような化合物としては、けい酸メチルアミン、け
い酸エチルアミン、けい酸ジメチルアミン、けい
酸ジイソプロピルアミン、けい酸トリメチルアミ
ン、けい酸トリエタノールアミンなどのけい酸ア
ミン類;けい酸アンモニウムのほかけい酸モノメ
チルトリエタノールアンモニウム、けい酸テトラ
エタノールアンモニウムなどの第4級アンモニウ
ムけい酸塩類を挙げることができる。 また本発明で用いる水溶性けい酸塩系化合物と
は、一般式:Si(OR)4,〔R:アルキル基を表す〕
で示されるテトラアルコキシシラン類(けい酸エ
ステル類)を含み、具体的には、テトラメトキシ
シラン(けい酸メチル)、テトラエトキシシラン
(けい酸エチル)などを挙げることができる。 水溶性けい酸塩系化合物の乾燥硬化後の耐水性
を向上させるために、有機エステルまたはアルデ
ヒドなどの硬化剤を作業性、浸透性に悪影響を及
ぼさない範囲内で薬液に配合してもよい。 薬液中のけい酸塩系化合物の濃度は、特に限定
されないが10〜30重量%の範囲で用いるのが好ま
しく、濃度がこの範囲より低いと効果が小さく、
高いと浸透性が低下する。 けい酸塩系化合物のみでは、鉄筋に対する防食
効果が小さい。これを補うため、本発明の方法で
は薬液に防食剤を添加することができる。 本発明で用いられる防食剤として無機系のもの
としては、クロム酸・亜硝酸・リン酸・ポリリン
酸・モリブデン酸・タングステン酸などの酸のナ
トリウム・カリウムなどのアルカリ金属塩の1種
または2種以上を用いることができる。 また、有機系のものとしては、一般に使用され
るアミン系、チオウレア系、メルカプタン系など
を挙げることができる。 防食剤の使用量は、特に限定されるものではな
いが、薬液有姿に対して10〜1000ppm程度添加す
ればよい。 〔工程(3)〕薬液被膜除去工程; 本工程では、補修部分表面に薬液を塗布し本体
内部に浸透させた後、表面に付着する薬液および
その乾燥硬化被膜を除去して、補修対象物の面を
露出させる。 補修部分表面に付着している薬液は拭き取るか
洗い流すなどして、また、硬化したものは、補修
対象物の表面が露出する程度に削り取るなどの処
理を行う。 〔工程(4)〕防水性被覆材積層工程; 本工程では、工程(2)で塗布浸透させた薬剤の溶
出を防止してそれらの効果を継続させるため、薬
剤を浸透させた後に工程(3)の処理を施して露出さ
せた補修対象物の表面に防水性の被覆材を被覆積
層させる。 本発明の被覆材としては、有機系接着剤、セメ
ントペースト、セメントモルタル、ポリマーセメ
ントペースト、ポリマーセメントモルタル、レジ
ンコンクリートなどの一種または二種以上を用い
ることができる。 本発明の有機系接着剤とは、通常土木建築分野
で使用されている塗布または混和用のセメントコ
ンクリート用ポリマー、レジンコンクリート用の
液状またはペースト状レジン、コンクリート含浸
用モノマーなどを挙げることができる。 セメントコンクリート用ポリマーとしては、水
性ポリマーデイスパージヨン、たとえば、天然ゴ
ムラテツクス;スチレン−ブタジエンゴム
(SBR)、ニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、
クロロプレン、メタクリル酸メチル−ブタジエン
ゴムなどの合成ゴムラテツクス;アクリル酸エス
テル系、酢酸ビニル系、エチレン−酢酸ビニル共
重合系、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合系な
どの合成樹脂エマルジヨンなどを用いることがで
きる。 またレジンコンクリート用の液状またはペース
ト状レジンとしては、不飽和ポリエステル系、エ
ポキシ系、ポリウレタン系、タールエポキシ系、
タールウレタン系、エポキシアスフアルト系、ゴ
ムアスフアルト系などの各種レジンを用いること
ができる。 またコンクリート含浸用モノマーとしては、メ
タクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリ
ル、スチレン−アクリロニトリル、塩化ビニル、
酢酸ビニル、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、ジアリルフタレート、エポキシスチレ
ンなどを挙げることができる。 これらの用法は、通常行われている方法に準じ
て行えばよい。 本発明で用いるセメントペースト、セメントモ
ルタル、ポリマーセメントペースト、ポリマーセ
メントモルタルなどに用いられるセメントは、前
記のポルトランドセメント類、混合セメント類、
特殊セメント類などの一種または二種以上を混合
して使用することができる。 セメントペーストとは、セメントに適量の水を
加えてペースト状に混練したものをいい、セメン
トモルタルとは、前記のセメントに川砂、海砂、
硅砂、軽量骨材、礫などの一種または二種以上を
適宜配合し、水を加えて混練したものをいう。 更に、セメントペーストやセメントモルタルに
その防水性および接着性を向上させるために前記
の水性ポリマーデイスパージヨンを添加して、混
練したものを、ポリマーセメントペースト、ポリ
マーセメントモルタルという。 この水性ポリマーデイスパージヨンの添加量は
種類によつて異なり特に限定しないが通常、セメ
ント量に対して、固形分で2.5〜25重量%相当量
を混合して使用する。 更に、これらにセメント混和剤などを併用する
ことができる。 また、レジンコンクリートとしてはポリエステ
ル系、エポキシ系などの重縮合型高分子材料また
は、ポリウレタン系のような重付加型高分子材料
に炭酸カルシウム、けい砂などの充填材を混合し
たものを挙げることができる。 本発明の防水性被覆材には、亀裂防止、強度増
強、剥離剥落防止などを目的として繊維状物を添
加することができる。 本発明で用いられる繊維状物としては、セメン
ト添加用として通常使用されている鋼繊維、ガラ
ス繊維、ビニロン、ナイロン、ポリエステルなど
の耐アルカリ性合成繊維、炭素繊維、石綿などを
挙げることができる。 これら繊維状物の太さ、長さ、使用量は、通常
使用されている範囲とすればよく、特に限定され
るものではない。 本発明の方法で防水性被覆材を被覆積層する厚
さは限定されない。 被覆材の積層厚さが大となると、被覆材の補修
面に対する接着力よりも被覆材の自重の増大によ
る重力が上回るため、被覆材を支持するための補
助を施さないと積層した被覆材が硬化するまでの
間に垂れたり、あるいは部分的に被覆材が補修面
から浮く現象が起こりそのために被覆材の壁面へ
の接着強度がバラツく。 このような現象が起こるのを防ぐため、被覆材
を厚く積層する場合は、被覆材を補修面に支持す
るための適当な支持材を施すのがよい。 被覆材の厚さを約2cm程度ないしそれ以上とす
る必要がある場合は、被覆材積層施工前に補修面
にラスまたは網を張つて固定した上で被覆材を積
層施工するのが好ましい。 使用するラスは、メタルラス、リブラス、ワイ
ヤラスなどを挙げることができ、また網としては
ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ナイロン、ポリ
プロピレンなど耐アルカリ性の合成樹脂製のもの
が好ましい。 また、補修部分が天板の場合や被覆材の厚さを
更に大きくする必要がある場合には、支持板で枠
組みを行つて固定した中に被覆材を充填し、硬化
させる方法が好ましい。 この処理が終了した後、必要に応じて、塗料そ
の他適当な外装材で表面を仕上げる。 〔発明の効果〕 本発明は、次のような効果を有する。 1) 劣化した鉄筋コンクリートまたは水硬性無
機質材の補修面に対して塗布する薬液の本体へ
の浸透深さを大きくし、これにより内部の鉄筋
の防食効果を向上させることができる。 2) 薬液を浸透させた補修面に被覆積層させる
防水性被覆材の補修面への接着強度を大きく
し、被覆材の“たれ”や浮きをなくし、補修面
から被覆材が剥落することを防止することがで
きる。 3) これにより、鉄筋コンクリートまたは水硬
性無機質材の耐久性を向上させることができ
る。 〔実施例〕 以下、実施例、参考例および比較例により本発
明を説明する。なお、%は重量%を示す。 実施例:1〜11、参考例:1〜2、比較例:1〜
11 打設後5年経過し、亀裂が多数発生したコンク
リートスラブの天板を補修した。 まず天板の表面ないし本体をサンドブラストに
よつて削り取り、亀裂個所についてはVカツトを
行つた。(処理とする) ついで、表面に圧縮空気を吹きつけて付着して
いる微粒子を除去し、Vカツト個所に詰まつてい
る微粒子を吸引除去した。〔工程(1)〕. 次に、表−1(1)および(2)に示す各種の薬液を工
程(1)の処理を行つた補修面1m2当り500c.c.塗布し、
本体に浸透させた。〔工程(2)〕. 次に、塗布面に形成された薬液の乾燥被膜を削
り落としてコンクリートの面を露出させた。〔工
程(3)〕. 次に、この露出させたコンクリートの表面に、
表−1(2)に示す各種の防水性被覆材を被覆した。
〔工程(4)〕. 比較のため、工程(1)において処理しか行わな
い場合、あるいは工程(3)の処理を行わない場合を
組み合わせ、比較例として参考例または実施例と
併せて表−1(1)および(2)に示す。 結果の評価方法; ・薬液の浸透深さ: 施工1日後に補修部分から
試料を採取し、使用した薬液成分の分析を行つて
薬液の浸透深さを求めた。 ・被覆材の接着強度:被覆材積層施工1年後に建
研式簡易引張試験装置で測定した。 ・防食効果:施工1年後に鉄筋を露出させ、その
外観から次のように判定した。 A…変化が認められない。 B…局部的に僅かな変色が認められる。 C…腐食が認められる。 D…かなりの腐食が認められる。 表−1(1)から次のことが判る。 処理のみで放置した場合は、鉄筋に発錆を生
じかなりの腐食が認められた。(比較例:1). 工程(1)において単に処理しか行わず、工程(2)
で薬液を塗布しても本体への薬液の浸透深さは小
さく、防食効果が充分でない。(比較例:2). 工程(1)の処理によつて、薬液の本体への浸透深
さが大きくなり、防食効果が良くなる。また薬液
に防食剤を加えることによつて、更に防食効果は
向上する。(参考例:1〜2). また表−1(2)から本発明の方法によれば、薬液
の本体への浸透深さが大きく、防食効果を高める
ことができ、また被覆材の補修面に対する接着強
度を大とすることができる。(実施例:1〜11). これに対して、工程(1)において単に処理しか
行わずに工程(2)で薬液を塗布した場合は、本体へ
の薬液の浸透深さが小さく、防食効果が充分でな
かつた。(比較例:3,5,6,8). また、工程(3)の処理を行わずに被覆材を積層し
た場合は、被覆材の補修面に対する接着強度が小
さく耐久性が劣る。(比較例:4,5,7,8,
9,10,11). 被覆材の積層厚さが大となると、被覆材の補修
面に対する接着力よりも被覆材の自重の増大によ
る重力が上回るため、被覆材を支持するための補
助を施さない場合には部分的に被覆材が補修面か
ら浮き、被覆材の補修面に対する接着強度のバラ
ツキが認められた。(実施例:6,8,10). 被覆材の積層厚さを大きくした場合でも適当な
支持材を施すことによつて安定した接着強度が得
られた。(実施例:7,9,11). 実施例:12 建築後20年経過した8階建RC造建築物の塩害
により劣化した外壁面の補修を行つた。 この外壁面をサンドブラストで削り落し、亀裂
部はVカツトし、更に、表面および亀裂部内部に
付着する微粒子を減圧下で吸引除去した。 また外壁部は、NaClとして0.5〜2.3%を含有し
ていたので、壁面を水で洗浄しNaCl含有量をお
よそ1/10程度に低減させた。 次に上記の処理をした壁面を自然乾燥した後、
該壁面にSiO2/Li2Oモル比:3.7のけい酸リチウ
ムの10%水溶液を5回、更に15%水溶液を3回繰
り返し塗布し浸透させた。 次に乾燥後、塗布面に付着しているけい酸リチ
ウムの被膜を削り取り、コンクリートの表面を露
出させた。 露出させたコンクリートの面に防水性被覆材と
してSBRラテツクス水溶液(固形分:20%)を
500c.c./m2塗り、更に急硬セメントに対して固形
分で10%相当量のSBRラテツクスを混合したセ
メントペーストを3〜6mmの厚さに積層した。次
に、アクリルゴム系防水外装材で被覆して仕上げ
た。 補修後、5年経過した時点で調査したところ何
ら異常は認められなかつた。 比較のため、けい酸リチウムの被膜を削り取ら
ないで被覆材を積層施工した試験個所は、施工面
から被覆材の浮きが生じており接着強度の低下を
示していた。
【表】 注;*1:×…処理しか行わない場
合.
*2:JIS K1408、3号相当品.
【表】
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 鉄筋コンクリートまたは水硬性無機質材を補
    修するにあたり、下記の工程を組み合わせること
    を特徴とする鉄筋コンクリートまたは水硬性無機
    質材の補修方法。 (1) 補修対象物の脆弱化部分を除去し、更に補修
    部分の表層部に付着しまたは含まれている異物
    を除去する工程〔工程(1)〕。 (2) 工程(1)で得られた表面に、水溶性けい酸塩系
    化合物の水溶液を塗布し、本体に浸透させる工
    程〔工程(2)〕。 (3) ついで、工程(2)で処理した面に付着している
    塗布物の被膜を除去し、本体の面を露出させる
    工程〔工程(3)〕。 (4) 工程(3)の処理を施して得られた本体表面を防
    水性被覆材で被覆積層する工程〔工程(4)〕。
JP22189685A 1985-10-07 1985-10-07 鉄筋コンクリ−トまたは水硬性無機質材の補修方法 Granted JPS6282173A (ja)

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